
初恋 vol.2|from 24 to 29 :残像と、残熱と。或る断面のエッセイ
中学生になった私たちは、
自分の素直な気持ちより、
周囲の目が気になってしまった。
いつからか、
登下校を一緒にすることもなくなった。
初めて別々になったクラスで、
お互いに知らない友だちもできた。
それでもしばらくは、
登校時、わざとゆっくりペダルを漕いだりもした。
「結!遅刻するぞ!」
彼の声が背中に届くのを待ち望みながら。
そんなふうに時間だけが過ぎて、
彼と別の女の子の噂を聞くようになった。
13歳のバレンタインは、
チョコを渡せなかった。
そして幼い恋心は、
心の奥にしまいこまれた。