
初恋 vol.1|from 24 to 29 :残像と、残熱と。或る断面のエッセイ
初恋の彼から、ひさしぶりの電話。
もう、十数年も前の幼い恋を思い出す。
彼は、幼馴染みだった。
物心つく前に出会った彼に恋心を抱いたのは、
小学校の卒業が近づいた頃。
いつも一緒に帰っていた。
それが、当たり前だった。
でもいつからか、
その「当たり前」を幸せに感じるようになっていた。
初めてお父さん以外の男性にあげた、
12歳のバレンタイン。
彼からのお返しは、
可愛いガラスの貯金箱に詰まった、
カラフルなキャンディだった。
実家の私の部屋には、
今も大切に飾ってある。
そして、小学校卒業の翌日。
「俺は結のことが好きだ」
生まれて初めて、
大好きな人から一番欲しかった言葉を貰った。
でも、
あまりに幼すぎるふたりの恋は、
大切に育てあげられるはずもなかったようだ。