
初恋 vol.3|from 24 to 29 :残像と、残熱と。或る断面のエッセイ
そのうちに私にも好きな人があらわれ、
元のただの幼馴染の関係に戻っていった。
でもやっぱり、
通学途中に会えば嬉しい。
誰よりも心が許せる。
そんな、特別な存在だった。
高校は別々だった。
会うこともなくなっていた。
彼が、同じ高校の先輩と付き合っている、
という噂を聞いた。
私にも、大切な恋人ができた。
それでも、
駅のベンチに落書きされた相合傘。
彼の名前の隣に、
知らない女の子の名が書かれているのを見た時は、
胸がチクンと痛んだ。
地元を離れ、
知らない土地で暮らし始めた私のもとへ
彼が訪ねてきたのは、
会わなくなってから5年も経ってからのことだった。