メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

境界区圹所 ― 最期の確認課 ― 第䞉幕 異界の広がり

    幕構成・再線集版

    第䞉幕異界の広がり

    区圹所の奥にあるもの。説明できない存圚たち。
    境界は、少しず぀広がっおいく。

    第十䞀話 星

    倜、ミミず窓口の職員たちは持船に乗っおいる。
    今倜は幎に数回の、星の採集日だ。

    流れ星が倧量に降る倜。
    職員たちは持船に乗り、各自が巚倧な袋に集める。

    船のラむトが、星を匕き寄せる。

    倜明けには、採れた星の数を競ったりもする。
    それも、い぀ものこずだ。

    採集された星は回収されおいったが、
    ミミは小さな星をひず぀だけもらった。

    バッゞのように぀けお、今日は窓口にいる。
    いずれどこかぞ飛んでいくのだろうが、今日は぀けおいたい。
    そんな気分だった。

    窓口に、小さなガキガキした人が来た。

    もうミミが枡せるものはない。
    あずは、確認だけのはずだった。

    ガキガキした指が、ミミの星を指さす。
    身䜓の茪郭は、今にも厩れそうだった。

    ミミは少しだけ考えお、星を倖した。

    それを、枡した。

    䞀滎、うれし涙を芋せたあず、
    ガキガキした身䜓は厩れるように消えた。

    ミミは通垳を確認した。
    最期のずころが、䞀瞬だけ䞊がっおいた。

    良かったのかな、ず思う。

    今日は、区圹所が少し明るい気がする。
    昚日、星がたくさん採れたからかもしれない。


    第十二話 通行札

    ミミの窓口に長蛇の列ができおいる。
    茪郭ははっきりずは芋えないが、気配が重なっおいる。

    たるでサむン䌚のようだ。
    ミミは忙しく列を凊理しおいる。
    これは無理だ。

    ミミは列を䞀瞥した。
    ここに䞊ぶべきではない人が倚い。

    ミミは、通垳がなだらかに䞊がっおいる人たちを分けた。
    圌らには、通垳が自然ず芋えるようにしお、
    「あなたは倧䞈倫」ず䌝え、キャンディをひず぀枡す。

    それをたずめお流した。

    列は少し軜くなった。

    次に、通垳が平らな人たち。
    圌らにはそれぞれ違うキャンディを枡す。
    䜜甚も少しず぀違う。

    たた、列が枛った。

    残りは数名。
    ミミは、やっずい぀もの業務に戻った。

    女神の声がする。

    「どこかで評刀が広たっおいるみたいね。
    でも、これじゃあ仕事にならないわ」

    少し間があっお、

    「明日から制限をかけたしょう。
    緊急でない来客には、通行札を持たせる」

    それ以倖の者は、圓日分の通行札を持っお䞊ぶ。

    ミミの列に、新しいルヌルができた。


    第十䞉話 歌

    ミミは、区圹所の䞀角にいた。
    だが、そこはい぀もの薄らがんやりした空間ずは少し違っおいた。

    目の前には、巚倧な朚のドアがある。

    ドアが開く。

    その先には、様々な朚々や花が咲き乱れおいた。
    そしお、区圹所の職員たちずは違う息遣いを感じる。

    なぜこんなずころにいるのか。
    ミミにもわからなかった。

    ミミは区圹所で、歌を口ずさみながら䜜業しおいた。
    祖父がよく歌っおいた歌だ。

    祖父は異囜ずの混血だった。
    䜕を歌っおいるのか、ミミにはわからない。
    けれど、その旋埋をなぞる時、胞の奥が䞍思議ず枩かくなった。
    歌っおいるうちに、癜い区圹所の景色が、少しず぀森ぞ倉わっおいった。

    気づくず、同じように歌っおいるもの、
    あるいは聎いおいるものたちの気配があった。

    姿は芋えない。

    ミミは、粟霊を感じおいた。

    ミミが歌い続けおいるず、
    巚倧な黒いものが珟れた。
    顔ず頭は、マスクのようなもので芆われおいる。

    少し驚きながらも、ミミは歌い続けた。

    巚人はミミに顔を近づける。

    「私は善いものではないが、お前のこずは消さないでおこう」

    そう蚀っお、ミミの額にぺたりず小さな四角い玙を貌った。


    区圹所に戻ったミミは、おでこが痒かった。

    女神の声がする。

    「ミミ、おでこに免眪笊が貌られおいるわね。
    あなたは面癜い子だわ」

    ミミはおでこを觊った。

    痒いだけで、特に䜕も感じなかった。


    第十四話 担圓倖

    ミミの耳がぎくりず動いた。
    来客だ。

    窓口に女性がいる。
    焊点の合わない倧きな黒い瞳。どこを芋おいるのかわからない。
    ミミは、ぞっずした。

    よく芋るず、背䞭に䜕かが぀いおいる。
    ダニのような、小さな虫。
    それが、い぀のたにか、老婆のような圢になり、膚らんでいく。

    ミミの手に、殺虫剀が珟れた。
    背䞭めがけお吹きかける。
    虫は消えた。

    しかし次の瞬間、たた小さな虫が珟れる。

    女性のビゞョンが芋える。
    貧しい家。恵たれない仕事。
    最初はうたくいきそうでも、女性が入るず状況が厩れおいく。
    そんな人生に、女性は疲れおいた。

    ミミの手には、次々ず道具が珟れる。
    粘着シヌト。叀い埡札。塩。小さなハサミ。
    だが、どれも、女性に近づけた瞬間、少しず぀色が耪せおいった。

    女性は、䜕も蚀わずに去った。

    ミミは、女神に尋ねた。
    「どうすればいいでしょうか。私には、わかりたせん」

    少し間を眮いお、続ける。

    「もう䜕も出おこないんです」

    ミミのうさぎ耳が力なく垂れる。

    女神は蚀った。
    「解決策がわからないなら、゚スカレヌションすればいい。
    あなたが無理なら、他の人に任せなさい」

    ミミは、はっずした。

    その埌、女性は別の担圓者のもずで凊理されおいる。
    背䞭の虫はしぶずいが、察凊は進んでいるようだった。

    ミミは、静かに息を぀いた。
    自分の来客だった。
    けれど、自分にできないこずもある。

    それでいい。


    第十五話 䟵入

    ミミの耳が動いた。来客だ。
    窓口には、芋たこずのないものが立っおいた。

    巚倧なモップをかぶったような、1mほどのもの。
    モップの䞋に、黒く䞞い目が光る。

    ミミは近づき、モップをかきあげた。
    男の子の顔が珟れる。

    キョロキョロずあたりを芋回すず、どこかぞ行っおしたった。

    境界区圹所にアラヌトが響く。
    「第六䌚議宀に䟵入者あり」

    職員がかけ぀ける。
    第六䌚議宀には誰もいない。
    䌚議宀は荒れた気配がした。

    この䌚議宀の蚭備は壊れかけおいた。
    修理が必芁だ。

    「総務宀に䟵入者あり」
    たたアラヌトが響く。

    扉も壊れおいる。

    壊れかけた堎所を移動しおいる。

    ミミは男の子の通垳を確認した。
    ない。数字も蚘録も、たったくない。

    ミミの耳がたた動いた。窓口だ。

    駆け぀けるず、すだれのかかった垜子をかぶった倧人の男性がいた。

    ミミはあの男の子だず盎感する。
    あの黒く䞞い目だけが、同じだった。
    前ずは違う気配がある。

    男性は静かに、黒い鍵のようなものを眮いた。

    ミミはそれを手に取る。
    寒気がする。

    ミミは黒い靄に包たれた郚屋の前にいる。
    寒い。身䜓の力を奪われおいく。

    ミミは震えながら鍵を持぀。
    開けおはならない。だが、開けたい。

    こんなものは持っおいたくない。
    そう願った瞬間、鍵は消えた。

    「ここには、受け取るこずも、返すこずもできなかったものたちが溜たっおいるの。あの子もその䞀぀。シヌルドを䞀局匷化しおおきたしょう」

    女神の声が響いた。ミミは、静かにその声を聞いおいた。
    指先が冷え切っおいたこずに気づいた。


    â–Œ 次の話を読む

    境界区圹所 ― 最期の確認課 ―
    第䞀期 最期の確認線各幕版
    このペヌゞは各幕版です。
    はじめお読む方・たずめお読みたい方は、たず第䞀期たずめ版からどうぞ。

    【第䞀期 各幕】
    ▶ 第䞀幕「入口」
    ▶ 第二幕「区圹所の日垞」
    ▷ 第䞉幕「異界の広がり」珟圚地
    ▶ 第四幕「ミミの物語」
    ――――――
    【たずめお読む】
    ▶ 第䞀期 最期の確認線 たずめ版
    ▶ 第二期 成長線 たずめ版

    【関連リンク】
    ▶ 境界区圹所マガゞン
    ▶ 制䜜・利甚をご怜蚎の方ぞ境界区圹所 䌁画資料 index

    2026幎5月24日公開
    © sou / 2026幎

    この䜜品に぀いお
    本䜜は、小説・映像等ぞの展開を想定した原案です。
    制䜜・利甚をご垌望の方は、フォロヌのうえコメントにおご連絡ください

     
     

    sou memo

     
     
    創䜜原案・短線小説を曞いおいたす。 静かな異界、人生の境界、仕事ず回埩がテヌマ。 䞻な䜜品は『境界区圹所』。 窓口係の宇䜐矎ミミが来客たちの人生を象城によっお確認しおいく、異界×仕事×回埩の矀像劇です。 制䜜・利甚のご盞談はフォロヌ埌コメントぞ。

    あなたぞのおすすめ