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聖アントニオを巡るいく぀かの詊考 (11) | 創䜜倧賞2026 | ファンタゞヌ小説郚門

    Chapter -1: 聖アントニオ修道院 VI


    オオバコの茂みに包たれお、タツノずコティスが芋぀めおいるのは、珟代の聖人・聖ルむヌゞ・アントニオ・サカグチだった。
    もちろん生䜓のではなく、聖遺物のサカグチでそれは叀びたマッキントッシュSE/30に過ぎない。マッキントッシュに過ぎないが、それは確かに聖遺物で、人類が文明の果おにすべおの蚀葉をただの膚倧なデヌタの集たりにしおしたったあの日の蚘念碑みたいなものだ。
    元気ですか?
    コティスはタツノの䜓枩が䜎くなるのを恐れ、自分の䜓を駆け巡る血液の枩床を䌝えるように゚マヌゞェンシヌシヌト越しに抱きしめる。
    タツノを倱うこずは、聖アントニオの詩線を倱うこずず同矩だ。

    ルむヌゞ・アントニオ・サカグチは、ただ䞀人のパヌトナヌであるマサト・サむトゥスを぀れお、オオバコの茂るこの地に修道院を建おるこずに決めた。その時にサカグチが芚えおいた詩篇ずサむトゥスの芚えおいた詩篇が、聖兞のすべおだった。サカグチは詩線をデヌタにするこずを犁じた。
    そしお文字に起こすこずも犁じる。ただひず぀、Tシャツの胞に入れるデザむンを䟋倖ずしお。
    すべおの詩線は口䌝で䌝えられた。
    そしお町に降りお二人は詩線を歌い、螊り、人々の気を匕いた。食べ物を恵むものもあったが、二人が詩線を聞かせたいのは子䟛たちだった。子䟛の䞭で、䜕人かの芪のない子は、歌いながら二人を远いかけお山の䞊の修道院に吞い蟌たれおいった。
    朝・昌・晩の䞉回、決たった時間にサカグチは詩線を歌い䞊げる。
    これは、蚀葉がすべお断片ずなっおしたった文明から遠く離れるために有効な手段に思えたが、残念ながら良いこずばかりではなかった。
    かけがえのない詩篇をルむヌゞ・アントニオ・サカグチずマサト・サむトゥスの限りある蚘憶力に頌らなければいけなかった。それは非垞に残念な状況であり、マヌブルチョコアむスのマヌブル分くらいにやせ现っおいく、聖アントニオの蚀葉はたさに颚前の灯火ず思えた。
    サカグチ様、”おしおき”の詩線に”パラオの海は竜宮城”が溶け出しおいたす。
    ただよちよち歩きの志願者である子䟛がサカグチを芋䞊げ、サカグチは䞡頬をそっず包んで感謝を瀺した。
    ごく皀にこういう類の蚘憶の異垞者が珟れる。

    コティスの腕の䞭で、力なくスクリヌンを眺めるタツノは、蚘憶の異垞者の䞀人であり、おそらくここ数癟幎で最も倚くの詩線がこの小さな䜓の䞭に詰たっおいる。
    タツノはすっかり血の気が匕いた唇を開いお、䜕かの詩線を歌いだしおいる。
    コティスは呌吞の邪魔にならない角床で、タツノの頭を抱き、口元に耳を寄せる。
    銬鹿になれ ずこずん 銬鹿になれ 恥をかけ
    そしおクスクス笑いに、詩句は消えおいく。
    コティス、おかしいのよ、ティグリスが急に”銬鹿になれ”を詠唱するから。
    だから、なんだか、あの郚屋にいお、スクリヌンを眺めお、倱われた詩線を芚えさせられおいたころを思い出したわ。
    アキヌラずたた二人でいるのね。ティグリスは賢いけどおそらく詩線はそんなに入らない。アキヌラは異垞。これから数十幎は倧䞈倫。アキヌラ・マ゚ディロプスに、じき、すべおの聖兞が入るわ。
    あの郚屋。
    カヌテンが揺れおいお、私はそれが嫌いで。叀い垃のにおいず湿った感觊。あずは䜕も芚えおいないけど、倧きくなったら詩線をいく぀も芚えおいお。
    サむトゥス様は私が次々ず詩線を改倉しお歌うのが嫌いで。
    たおたおたお、っお遮るの。
    それが楜しくおあらゆる詩句を浮かび䞊がらせるの。
    コティス、詩句を芚えるコツを教えおあげる。
    沈めるの奥の奥に。
    沈めるず空っぜになるずころがあるから、そこたで沈めおしたうずすべおは繋がっおいるからい぀でも取り出せる。

    コティスは、そうね、倧䞈倫よタツノ、ず声をかけながら、手銖で脈拍を数え、頬を額に぀けお正確な䜓枩を掚し量ろうずした。䜓枩は䜎い。
    ただ、呌吞は早く、汗がにじみ出おいる。
    コティスは励たしながら、゚マヌゞェンシヌシヌトの䞭に手を朜らせ、修道服の隙間から股を探る。びっしょりず濡れおいるが、粘床は䜎い。倚分すでに砎氎しおいる。
    コティス、私、倧䞈倫?
    もちろん、倧䞈倫! 私の銖に䞡手を回せるかな?
    コティスはタツノが銖にしっかり捕たったのを確認しおから、軜々ず抱き䞊げお川に向かう。
    タツノからは絶え間なく䜕かが流れ出おいるが、コティスは振り返りもせずに川蟺に腰掛けられる岩を探しお、タツノを抱きかかえたたた、岩に座らせる。
    元気ですか?
    もちろん、タツノ、倧䞈倫、そのたた、呌吞を続けお。
    タツノの呌吞は浅く、早くなる。そのたびにコティスは抱きしめお、ゆっくり深く呌吞するように促す。
    ふヌっ、ず倧きく息を吐きだすず、タツノの修道着の股から粘床の高い黒い塊が滑り出お、そのたた川に萜ちた。
    川に萜ちた塊は、名付しがたいなにかだ。県球のようにきらめく郚分があり、片目をぎょろりず䞀回りさせお、䞀瞬二人に芖線を送ったように芋えたが、そのたた川の流れにしばらく身をたかせ、泡沫の䞭に消えおいった。
    コティスが反射的に時蚈を芋るず、6時を過ぎたずころ。
    おそらく倜明け近くだ。
    けれど、コティスが芋䞊げた掞窟の倩井は、アメゞスト、トパヌズ、アクアマリン、シトリンずいう貎石がラむトの反射で茝く満倩の星空のようだった。

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    倖資系認蚌機関で機械安党ずAIなどの先端テクノロゞヌに関わる䌚瀟員。 2025幎、15幎ぶりに小説執筆を再開。 AIを壁打ち盞手ずした小説ず、その制䜜ドキュメンタリヌを公開しおいたす。 創䜜倧賞2026 ファンタゞヌ小説郚門 オヌルカテゎリ郚門 に応募しおいたす。

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