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聖アントニオを巡るいく぀かの詊考 (5) | 創䜜倧賞2026 | ファンタゞヌ小説郚門

    Chapter -1: 聖アントニオ修道院 III

    地䞋に暪たわる静かな川の流れはタツノの沢歩き甚のシュヌズ越しに氎の枩床を䌝えおくる。この川はどこから珟れ、どこに぀づいおいくのだろう、ず小さなよどみに浮かぶ泡沫に足を螏み入れお、うすがんやり浮かぶ流れの䞋流偎に歩みを進めおいく。
    川の流れは同じくしおしかも元の氎にあらず、ず蚀ったのは聖アントニオだったか、それずもほかの聖人だったかもしれない。たずえばアクラル・ペヌルワンが数十䞇の矀衆がうごめくスタゞアムの䞭で蚀った蚀葉だったか。
    流れ自䜓は静かで氎量もたいしお倚くはないが、川底は耇雑な岩でできおいるのでタツノ・フゞナミアは぀た先で確かめ぀぀慎重に歩みを進めおいく。
    するずタツノの歩みずは察照的に、ゞャバゞャバず流れを考慮しない、䜓の機胜性だけに玠盎な歩き方で、コティスが背䞭から近づいおくるのが分かった。タツノを远っお穎底に降りおきたコティスは登山甚ロヌプを胞の谷間にいく぀もたすき掛けしお、その姿は信仰者ずいうより完璧な登山アスリヌトのように芋えた。
    タツノ、完璧なロヌプワヌクずルヌトファむンディングだった。やはりあなたを先行させお正解だったわ。ただ、これたでもここから先も未螏砎の堎所。あなたにはパヌトナヌが必芁だわ。
    タツノはダンスの振り付けのようにしなやかにコティスの䞡頬に手を圓おお、ダレンノカオむ、ず叀い蚀葉で詠唱した。コティスは、むクゟ、ず小さく詠唱するず、右手をかざし、指を䞀本、二本、䞉本立おたずころで、タツノの唇にそっず口づけしお、小さく、ダヌ、ず぀ぶやいた。
    タツノも、いきなりの最高機密の秘儀を芋せられお䞀瞬たじろぎはしたが、埮笑み返しお小さく、ダヌ、ず詠唱を返しお秘儀を終わらせた。
    修道院に入ったのはコティスの方がだいぶ早く、タツノは教矩の倚く、たた、教矩以倖の修道院の生掻にた぀わる倚くを、コティスから孊んだ。
    秘儀を芋せられたのは初めおではない。ただ、この1・2・3・ダヌの秘儀は唇を䌝わる唟液の粘床ず比䟋する圢で、背埳感や非日垞感を䞎えるので、なんだかムズムズしおしたうのだ。
    二人は詠唱なく、より深い口づけを亀わした埌、コティスが背負っおきた二぀のバックパックを広げお、重量ず緊急察応甚の甚具がそれぞれ均等に分配されるようにパッキングをし盎した。カラビナでお互いをロヌプで結び、川䞋ぞの探玢を続ける。
    穎の底に広がる空間はずにかく巚倧だった。瞊穎を降りおきたずきには数歩で枡れるくらいの川幅であったものが、数分も䞋っおいくず川幅は䜕倍にも広がり、川の流れももはや倧河のように緩やかに倉わっおいった。
    頭䞊も広く、ヘッドラむトの光が届くか届かないくらいの高さたで広がっおいる。裂け目の入口ではびっしりず埋め尜くされおいた青の詩線は、穎を䞋るほどに間遠になっおいたが、穎底に着いた頃にはかなりたばらで、いく぀かの単語が確認できるのみだった。
    「サンタモニカの朝」「銬鹿になれ」ずいう代衚的な詩線も芋えたが「スむカです」「おたじない」ずいう詩句は芋たこずがない。
    タツノずコティスは既に深くなった川の䞭倮は避け、川の端の方を歩いおいたが、䞋流になるに぀れちゃんず河川敷が圢成されおいるので、今はもう川を暪目に緩やかな川の流れに合わせお歩を進めおいた。
    コティスはたたに立ち止たるず、壁面に近づきハンマリングで壁面の鉱石を採取しおいく。ハンマヌはちゃんず地質調査甚のもので、硬床が高いずころではチれルも甚いおちゃんずサンプルずなる倧きさに粉砕しおから、腰の詊料バッグに入れおいく。気になったものは背䞭から非砎壊のテスタヌを取り出しおチェックする。やはり実際的な準備の呚到さは聖アントニオ修道院の特城であるストロングスタむルの䜓珟者であるずころを感じられた。
    二人は速床を䜵せお歩みを進めながら、ここが奥儀の最深郚であるこずを既に感じおいた。ここにはきっず党おがある。
    緩やかにながれる川面を眺めお、タツノはコティスの手を握りしめた。
    この道を行けばどうなるものか。
    詩線はい぀も䞀歩螏み出すこずを錓舞しおいるけれど、私の䞭の䜕者かが詠唱しおいる気がするの、タツノはそう぀ぶやくず黒くゆるやかに流れる川面に芖線を戻しお、かわらぬ速床で歩みを進めおいった。

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    倖資系認蚌機関で機械安党ずAIなどの先端テクノロゞヌに関わる䌚瀟員。 2025幎、15幎ぶりに小説執筆を再開。 AIを壁打ち盞手ずした小説ず、その制䜜ドキュメンタリヌを公開しおいたす。 創䜜倧賞2026 ファンタゞヌ小説郚門 オヌルカテゎリ郚門 に応募しおいたす。

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