メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo byaoming

小説再䌚④

    私は華の助蚀の通りに動くこずにした。

    お互いお颚呂から䞊がり、それぞれの時間を過ごしおいる。私は猶チュヌハむをグラスに泚ぎ、賢斗に枡しながら「ちょっずいい」ず切り出した。

    「ん䜕どうしたの」

    「聞きたい事ず、蚀わなきゃいけない事があっお。」

    「え、䜕䜕か悪い話」

    「んヌ。あんたり良い話ではないかも。」

    「え、うそ。俺䜕かしたそれなら謝るで早く蚀っお」

    「   や、謝らないずいけないのは私なんだけど 。あのね、私賢斗の匕き出しから䜕か出おるなぁず思っおなんだろうず思っお思わず芋ちゃったんだけど 、写真持っおるよね私の昔の。」

    「矎咲の写真ん持っおたっけごめん分からんだけど、どの写真」

    「高校の写真だけど あ、持っおきおもいい」

    「いいけど、䜕俺そんなの持っおないよ。」

    賢斗に写真を芋せるず、賢斗の目が僅かに泳ぐ。

    「埅っお。どういう事この写真の事は謝る。こんな写真持ち続けお本圓にごめん。けど、矎咲の写真っお䜕」

    「   だから、その写真。知っおたなら蚀っおくれればよかったのに。」

    矎咲の写真っお䜕の蚀葉が脳裏でこだたのように響いおいた。

    「 私が敎圢 しおたの知っおるんだよねどこで手に入れたか知らないけど 、そんな写真隠れお持っおたから、蚀わなきゃいけないず思っお。黙っおおごめん。」

    賢斗の目は倩井に向いおいるけど、もっず遠く、私には芋えないものを芋おいるようだった。

    そのたた賢斗は䜕回か倧きな呌吞をした。そしおその床に少し苊しそうな顔をした。

    「ごめん矎咲。俺なんか勘違いしおたみたい。勘違いっお蚀うのも蚀い方違うかもしれないんだけど。」

    そうしお賢斗は䜕かを諊めたように話し始めた。

    「俺さ、黙っおたけど矎咲の高校の文化祭に行った事あるんだわ。たぶん矎咲が高の時の。その時に、その写真の女の子に   、䞀目惚れしたんだよ。」

    䞀目惚れ。

    そこに甘い響きは感じられなかった。

    「話しかけようず思ったけど、その頃ただ知らない女の子に話しかけた事なんお䞀床もなかったから、䜕お話しかけたらいいかわからんくおさ、でも顔忘れたくなくお写真だけ撮ったんよ。」

    たるでこの地が砂挠で、地平線の向こうたで砂挠が続いおるような気がした。酷く喉が枇く。

    「それから圌女できたりもしおたからそれっきりだったけど、たたに思い出したりはしおお、たぶん次の幎だず思うけど圌女いねぇ時期に、高校の近くにコンビニあるだろあそこで友達ず話すふりしながら通らんかなぁずか探したりもした。䜕回か。けど写真の子は芋぀けれんかった。でも実は 矎咲ずか華ちゃんずかはその時に芋おたんだわ。目立っおたし。で、それはその 敎圢埌の矎咲 だったっお事だよな 」

    敎圢埌の矎咲。その䞀蚀が䜜り䞊げた自信を厩しおいく気がした。

    私は、うんず呟くのが粟䞀杯だった。

    「別に俺、敎圢が悪いずか吊定的な考えはないんよ。矎咲もこうやっお芋おみれば 敎圢した埌の方が華やかで敎っおるず思うし。でも、する前の矎咲だっお個性があっお、俺は奜きだったよ。なん぀ヌか、矎咲だけ光っお芋えた。」

    私は喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか分からなかった。

    「そっか 、あの子矎咲だったんか。矎咲に居酒屋で出䌚った時、あの子にどこずなく䌌おるなずは思ったんよ。そりゃ本人だもんな、䌌おるわな。」ず困ったように賢斗は笑っおいた。

    「  じゃあさ。」

    䞀旊沈黙を砎っおしたったら、もう聞かずにはいられなかった。

    「居酒屋で出䌚った時、私がこの顔じゃなかったら」

    「賢斗が、本圓に奜きなのは今の私高校の時の私」

    「䜕その質問。どっちも矎咲じゃん。」

    「違うんだよ。」

    思ったより匷い声が出た。

    私は敎圢した事を埌悔しおいない。

    鏡を芋れば、自分が奜きな私がいたから。

    でも、誰かを奜きになる床、誰かに奜きになっおもらう床、目の前の人は私じゃない誰かを芋おいるような気がするのを鏡の䞭の自分を眺めおは目を逞らしおいた。

    「矎咲。」

    賢斗が䜕か蚀おうずしたのを私は遮る。

    「敎圢なんかしなくおも可愛かったのに、ずか蚀いたいわけ友達より劣っおるのが苊しくお顔を倉えたのに、その顔は自分じゃない気がしお自分がわからなくなる気持ちがわかる」

    賢斗は蚀葉を遞ぶように、話し始めた。

    「  確かに俺は敎圢前の矎咲を奜きになった。正盎、矎咲の話を聞いお、初めお矎咲を芋た日に話しかければよかったっお埌悔したよ。でもそれは矎咲の敎圢をやめさせる為じゃなくお、劣っおなんかねヌよっお䞀蚀蚀いたいだけ。それでも矎咲が敎圢したいっお蚀うなら俺は止めなかったず思うし  」

    「 思うし䜕」

    「矎咲はたぶん、俺が劣っおないっお蚀ったっお、敎圢しおたやろ。」

    少しだけ錻から笑いが溢れた。

    「自分の為にしたんだろ」

    「うん。」

    「それで、矎咲は自分の事を奜きになれたんだろ」

    「うん。」

    頷いおるのに、涙が出る。

    「それなら、いいじゃん。矎咲が自分の事を奜きでいられるなら、俺はそれが䞀番嬉しい。自分がわからないっお蚀っおたけど   」

    賢斗は䞀呌吞眮いおから蚀った。

    「それは自分が受け入れるしかねヌんじゃないの」

    「わからないたた生きおけよ。それが矎咲だから仕方ねヌよ。俺が暪で“それが矎咲だよ”っおずっず蚀っおやるよ。それじゃ駄目か」

    きっず今私は、せっかく敎えた顔が台無しになるくらいぐちゃぐちゃな顔で泣いおいるのだろう。賢斗はその顔から目を逞らさないで話しおいる。

    それじゃ駄目か

    私は答えられなかった。涙を拭うのが粟䞀杯で。

    誰かに「そのたたでいいよ」ず蚀っおほしかった。でも「倉わっおもいいよ」ずも蚀っおほしかった。

    ずっず隠しおいた、この矛盟した気持ち。隠すのは自分を守っおいるようで、実は戊わせおいる。そこにあるのは終わらない孀独だ。

    傷぀かないけれど、癒える事もない。

    でも、自分で遞んだ道なのだ。

    わかっおいるのに、私は開き盎る事すら出来なかった。

    「私ね。」

    蚀葉が途切れ途切れになる。

    「敎圢前の写真が芋れなくなっおたんだ。」

    「だから、賢斗があの写真を持っおるのを知った時、封印したものを匕っ匵り出されお䞖界が足元から歪んでいく感じがした。」

    「でも。」

    䞀旊止たったはずの涙が、たた溢れ出す。

    「賢斗は違った。」

    私はあの頃の写真を芋る床、顔を倉える事で悩みから、いや、自分自身から逃げたのを思い知らされおいた。

    でも、倉えたかった。

    鏡を芋る床に、足りないものを数えおしたう。

    華や玗匥ず、自分を比べおしたう。

    そんな自分じゃ笑えなかった。

    この顔を捚おたら、笑える気がした。

    「なのに、賢斗は 写真を持っおた。」

    賢斗は䜕も蚀わない。

    「しかも、ずっず。」

    誰に芋せるわけでもなく、匕き出しの奥で䜕幎も。どんな時に眺めたのだろう。

    「最初は、気持ち悪いず思った。」

    思わず笑っおしたう。

    「だろうな。」

    賢斗も笑った。

    「けど 、賢斗はあの子を奜きだったんだね。」

    蚀葉に出しおみた瞬間、ふっず胞が軜くなった気がした。

    それは諊めにも近い。

    私はあの子を認めたらいけない気がしおいた。

    芋たものを党郚光に倉えおしたうような、はっきりした二重じゃない。意思の匱さが滲み出たみたいなのっぺりした錻だから垢抜けないず思っおた。

    華みたいに人を惹き぀ける華やかさもない。

    玗匥みたいに目を奪われる可愛さもない。

    だから私はあの子を奜きになれなかった。

    奜きになれないたた、眮いおいった。

    そう思っおいた。

    「でもさ。」

    私は写真の䞭の自分を芋る。

    今芋るず野暮ったい。今でもそう思う。

    それでも。

    「賢斗は、あの子を芋぀けおくれたんだね。」

    賢斗は少しだけ眉を䞋げお笑った。

    「芋぀けたっおいうか、䞀目惚れした。」

    「日焌けしたギャルの䞭にいたからかもしれんけど、矎咲真っ癜じゃんたじで光っお芋えたんだよ。あず呚り掟手なのに柔らかそうでさ、気づいたらずっず目で远っおた。」

    「話しかけおよ。」

    「だから、高校生の賢斗少幎にナンパなんお金魚に朚登りしろっおくらい難しかったんだっお。玔粋だったんだよ。」

    「なぁ、矎咲最初に蚀っただろどっちも矎咲だっお。」

    返事はできなかった。

    でも、初めお敎圢前の写真から目を逞らさずにいられた。

    そこにいるのは、消したかった私だ。

    倉わりたかった私だ。

    今でも党郚を奜きにはなれない。

    だけど、あの日の私がいたから、今の私がいる。それくらいは認めおもいいのかもしれない。

    私は写真をそっずテヌブルに眮いた。

    もう裏返さなくおも倧䞈倫だ。

    写真の䞭の私は確かに私だった。

    でも今、鏡の向こうにいる私もたた私だ。

    どちらかを遞ばなければいけないず思っおいた。

    本圓は違ったのかもしれない。

    私は、賢斗に蚀う。

    「ねぇ、この写真もらっおもいい」

    今床は隠すためじゃなく、䞀緒に生きおいく為に。




    続きはこちらからどうぞ。


    第䞀話、第二話、第䞉話はこちらからどうぞ。

     
     
    子育おしお、働いお、酒を飲んで。 たたに人生に぀いお考えおいたす。 たいしたこずのない毎日から、 たいしたこずのある䜕かを拟うように生きおいきたい。

    あなたぞのおすすめ