
集客の舞台裏①|「夜の街でデリバリー?」と笑われた店が、前年比400%成長するまで——Googleマップ集客(MEO)でデリバリー店を立て直した実録
深夜2時、歌舞伎町。
店内のピークが一段落した頃、カウンターの奥でタブレットが鳴る。出前の注文通知だ。届け先は徒歩5分のホテル。注文者の名前はアルファベット。きっと観光で来ている外国人だろう。
半年前、この店ではこの音がほとんど鳴っていなかった。
はじめまして。店舗ビジネスの集客支援を行う会社を経営しています。MEO(Googleマップ最適化)を軸に、飲食店・サロン・物販など、業種をまたいで「お店を見つけてもらう」仕事をしています。
この記事で書くのは、私が集客支援で関わった、新宿・歌舞伎町のダイニングバーの話です。18時から朝5時まで営業する小さなお店。
支援に入って約半年で、この店のデリバリー売上は「前年比およそ400%」になりました。
「歌舞伎町でデリバリー?飲みに来る街でしょ」——着手当初はそう言われました。正直、私自身も半信半疑でした。でも実際にやってみると、歓楽街は「デリバリー不毛の地」ではなく「未開拓の穴場」でした。
この記事では、その過程でやったことを、失敗も含めて全部書きます。繁華街や夜の街で飲食店をやっている方、店舗集客に関わる方の参考になれば嬉しいです。
第1章:なぜ「歓楽街×デリバリー」は笑われるのか
デリバリーの主戦場は住宅街とオフィス街。これが業界の常識です。
ファミリー層が夕食を頼む住宅街。ランチ需要のあるオフィス街。それに比べて歓楽街は「外に飲みに来る人の街」であって、「部屋で食べる人の街」ではない——そう思われています。
でも、深夜の歌舞伎町で現場に入り、データを見ていると、見えてくる人たちがいます。
① ホテルに滞在する観光客
新宿エリアのホテルには、毎晩大量の外国人観光客が泊まっています。時差ボケで深夜に空腹になる人、観光で疲れて外に出たくない人。彼らは深夜でも普通に注文します。
② 夜の街で働く人たち
キャスト、ボーイ、スタッフ。出勤前や休憩中に食事をとる彼らは、店を抜けられません。「お店まで届く食事」への需要は、実は昼間のオフィス街と同じ構造です。
③ 終電を逃した人・夜更かしする人
ネットカフェ、カラオケ、漫画喫茶。深夜の歌舞伎町には「部屋にいる人」が想像以上にいます。
そして最大のポイントはここです。
競合がデリバリーを本気でやっていない。
歓楽街の飲食店の多くは、店内の客で手一杯か、「うちは来店商売だから」とデリバリーを軽視しています。つまり、需要はあるのに供給が薄い。これが「穴場」の正体でした。
第2章:最初に直面した3つの壁
とはいえ、最初から順調だったわけではありません。支援に入った時点でのこの店の月間デリバリー売上は、正直「ないよりマシ」レベルでした。
現状を分析すると、壁は3つありました。
壁①:深夜帯の配達員が少ない
注文が入っても配達員がつかまらず、キャンセルになる。これは深夜営業店の宿命です。完全には解決できませんが、後述する「商品設計」である程度カバーできました。
壁②:メニューがデリバリー向けじゃなかった
店内で出しているメニューがそのまま載っていました。鉄板でジュージューいってるハンバーグは、店では最高でも、配達30分後には別の食べ物になります。写真も店内用の薄暗い雰囲気写真のままでした。
壁③:そもそも見つけてもらえない
これが一番の問題でした。デリバリーアプリ内の検索でも、Googleマップでも、この店は埋もれていました。「近くで深夜にやってる店」を探している人に、届いていなかったんです。
ここで活きたのが、私の本業であるMEOの知見です。デリバリーとMEO(Googleマップ最適化)はセットで考えるべき——これがこの案件で最初に立てた方針でした。
観光客の行動を想像してください。ホテルの部屋で「food near me」「late night food shinjuku」と検索する。Googleマップで見つけた店のプロフィールから、そのままデリバリーリンクや営業時間を確認する。マップで見つからない店は、存在しないのと同じです。
第3章:実際にやった施策
ここからが本題です。店のオーナー・スタッフと一緒にやったことを、4つに分けて書きます。
施策1:デリバリーメニューの再設計
まず「配達30分後に美味しい商品」だけに絞りました。
主力をつまみに集中。酒の肴になるものが深夜帯には強い。
メニュー名を「検索される言葉」に変更。 店内メニューの凝った名前をやめて、「チーズバーガー」「テリヤキチキン丼」のように、検索にかかる普通の名前+英語表記に
写真を全部撮り直し。 白背景・真上または45度・明るい写真に統一。アプリ上では写真が9割です
施策2:深夜帯への最適化
注文の入る時間帯をPOSデータで確認すると「深夜帯と早朝に明確な山」がありました。この時間に他店が閉まっているからこそ、この店が選ばれる
深夜でも提供時間がブレないよう、オペレーションを仕込みベースに変更
雨の日と週末深夜は注文が跳ねるので、その時間帯の人員配置を調整
施策3:MEO(Googleビジネスプロフィール)の徹底整備
ここが「掛け算」のパートです。
「カテゴリを絞る。」 あれもこれも登録せず、主力商品のカテゴリを軸に設定。カテゴリの専門特化は検索順位に効きます
「営業時間を正確に。」深夜営業は最大の差別化要素なのに、営業時間が未記入・不正確な店が多すぎます。深夜に「営業中」と表示されること自体が集客装置になります
「写真を定期投稿。」料理写真を継続的に追加。プロフィールの鮮度は順位に影響します
「英語レビューを増やす。」 外国人のお客さんに来店時にレビューをお願いする導線を作りました。英語レビューは外国人の検索結果での信頼度に直結します
「プロフィールからデリバリーへの導線を確認。」 マップで見つけた人がそのまま注文できる状態にしておく
施策4:インバウンド対応
メニューはすべて英語併記
SNS(Instagram)も英語メインの発信に切り替え、ハッシュタグは #tokyoeats #shinjukufood 系の外国人が実際に検索するタグに統一
「日本のハンバーグ」「タコライス」など、外国人にとって珍しいメニューを前面に
第4章:数字はこう変わった
具体的な売上額は伏せますが、推移はこうです。
- デリバリー売上:**前年同月比で約4倍**
- 特に伸びたのは深夜帯と週末
- 意外な発見は**日曜夜の急成長**。前年比2倍以上に伸びた曜日もありました。「日曜の夜は街が静かだから売れない」という思い込みは、デリバリーには当てはまりませんでした
もちろん、まだ伸びしろはあります。デリバリーは「立ち上げ」より「伸ばし続ける」方が難しい。でも、外部から入った人間とお店が一緒に、ゼロから穴場を掘り当てた手応えは確実にありました。
まとめ:歓楽街は「不利」じゃなく「未開拓」
- 歓楽街にはホテル客・夜勤の人・深夜の在室者という**見えない注文者**がいる
- 競合がデリバリーを軽視しているから、**本気でやれば勝てる**
- 入口はGoogleマップ。**デリバリーとMEOはセット**で設計する
- 商品は「配達30分後に美味しいもの」に絞る
「夜の街でデリバリー?」と笑われたら、チャンスです。誰もやっていないということだから。
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今後、MEOの具体的な設定手順、深夜営業店向けのチェックリスト、サロンや物販など他業種での集客実践記なども書いていく予定です。よかったらフォローしてもらえると嬉しいです。
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📖 集客の舞台裏シリーズ
② 売上の20%はMEO|全国買取チェーンの6年
https://note.com/real_abelia2156/n/nee78ab766787
③ 「もうたたむしかない」サロンを立て直した話
https://note.com/real_abelia2156/n/n80ff29dba167
⑤ 口コミ返信は「1件1分」で終わる|コピペOKテンプレ5選
https://note.com/real_abelia2156/n/nff57dab5d217
✍️ 書き手について
銀行員を辞めて14年。なぜこの仕事をしているのか
https://note.com/real_abelia2156/n/n2a19ffdc1321
テレビに出た会社が、傾いた瞬間に切られた──銀行を辞めた日の話
https://note.com/real_abelia2156/n/n52f8b95317d6
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