メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byjn224

【第490回】 Agentforce : 2026 年 3 月 新機能リリース ハイライト

    Nobuyuki Watanabe

    Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能が追加されており、正直なところキャッチアップするだけでも一苦労です。

    私自身も、「いつの間にか新機能が増えている」「結局どれが本当に重要なのか分かりづらい」と感じることが増えてきました。リリースノートをそのまま追うだけでは、全体像や優先順位が見えにくいのが実情です。

    そこで今後は、Data 360 と同じように、Agentforce についても 毎月の新機能を要点だけ整理するまとめ記事 を継続していきたいと思います。

    単なる機能紹介ではなく、「何が変わったのか」「どこにインパクトがあるのか」を分かりやすく整理していく予定です。


    過去の記事


    2026 年 3 月リリース ハイライト

    2026 年 3 月のリリースでは、Agentforce の可観測性(Observability)、チャネル拡張、生成 AI 基盤の強化 にフォーカスしたアップデートが追加されました。

    主なポイントは次の通りです。

    • Agentforce Voice の多言語対応(フランス語)

    • Observability 強化(割り込み分析 / セッション可視化)

    • Slack / Chat / Email へのチャネル拡張

    • Prompt Builder の可視化(トークン / 応答時間)

    • GPT / Gemini / Claude モデルのアップデート

    • Einstein Bots の生成 AI への移行(Article Answers 廃止予定)

    そして、Markerting Cloud Next においては、会話ベースのメール送信(Conversational Email)機能が登場しています。注目ですね。

    それでは、一つずつ確認しましょう。


    Agentforce Voice

    Agentforce Voice がフランス語対応

    Agentforce Voice において、新たに「フランス語」対応が追加 されました。
    これにより、音声対応エージェントがフランス語の音声を理解し、応答できるようになります。

    画像

    設定は、レガシー Agent Builder の言語設定でフランス語を選択し、テレフォニー接続で対応する音声を指定することで利用できます。

    実務的なポイント

    多言語対応が進んだことで、コールセンター用途でのグローバル展開が現実的になってきています。フランス語を使う国はとても多いので、導入のハードルが大きく下がるアップデートです。


    Agentforce Platform

    Observability(可観測性)の強化

    Agentforce における分析・最適化機能が大きく強化されました。今回のアップデートでは、ユーザー行動や会話の流れをより詳細に把握できるようになっています。

    主な強化ポイント

    • ユーザーの割り込み(Interruption)の可視化

    • エージェントの処理時間(思考・応答時間)の表示

    • セッション → インテント → インタラクションへのドリルダウン

    • パンくずリストによるナビゲーション改善

    • セッショントランスクリプトの一括ダウンロード(制限解除)

    • チャネル別フィルターの追加

    画像

    さらに Analytics 側でも、以下が追加されています。

    • Interruption Rate / Count(割り込み率・回数)

    • Stickiness Rate(継続利用率)

    • Analytics と Optimization の日付フィルター統一

    実務的なポイント

    このアップデートの本質は、「なぜうまくいかないか」が見えるようになったことです。

    特に以下が重要です。

    • ユーザーがどこで割り込んでいるか

    • 応答が遅いのか(推論時間)

    • 会話のどの粒度で問題が起きているか

    これにより、これまで感覚的に調整していたエージェント改善が、
    データドリブンに実施可能になります。


    Slack 連携:エージェントのデプロイ簡素化

    Agentforce Builder から、Slack 連携を直接追加できるようになりました。

    画像

    これまでは Slack の Connected App を設定し、Messaging connection に追加する必要がありましたが、今回のアップデートにより、より簡単に接続できます。

    実務的なポイント

    単なる接続簡略化に見えますが、実際には以下の価値があります。

    • Slack 向けの会話フォーマットを自動最適化

    • 社内向けエージェント(Employee Agent)の活用促進

    つまり、社内 AI アシスタント用途が一気に現実的になったアップデートです。


    Enhanced Chat v2:顧客体験の強化

    Enhanced Chat v2 において、会話前後の体験が大きく強化されました。

    追加機能

    • プレチャットフォーム(事前情報取得)

    • ポストチャットアンケート(自動送信)

    • トークンベースのユーザー認証

    実務的なポイント

    これにより、チャットは単なる問い合わせ対応から、顧客データ取得と CX 改善の基盤へと進化しています。

    特に重要なのは、

    • 会話前に情報を取得 → 精度向上

    • 会話後にフィードバック取得 → 改善サイクル確立


    Agentforce Builder:メール送信対応

    新しい Agentforce Builder において、メール送信機能が追加されました。

    対応内容

    • Service Email(Email-to-Case)

    • Marketing Email(Unified Messaging)

    これにより、エージェントがメールを作成・送信できるようになります。

    実務的なポイント

    これはかなり重要なアップデートで、エージェントがチャネルをまたいで対応可能になったことを意味します。

    • チャット → メールへのシームレス移行

    • 会話ベースのメール送信(Conversational Email)

    特に Marketing Cloud Next と組み合わせることで、
    パーソナライズされたメール体験の自動化が現実的になります。

    以下の記事で設定方法を解説しています。


    Prompt Builder

    トークン使用量と応答時間の可視化(Performance Insights)

    Prompt Builder において、Performance Insights パネル が追加され、プロンプト実行時の詳細なメトリクスを確認できるようになりました。

    画像

    確認できる内容

    • レスポンス時間

    • トークン使用量(入力・出力)

    • マスキングされた項目

    • 処理内訳(データ取得 / プロンプト生成 / 要約 / マスキング / 応答生成)

    実務的なポイント

    このアップデートの本質は、「ブラックボックスだった生成 AI の中身が見えるようになった」ことです。

    特に重要なのは、

    • どこで遅延しているか

    • トークン消費量の把握(コスト管理)

    • どのデータがマスクされているか(セキュリティ確認)

    これにより、プロンプトの改善が感覚ではなく、数値ベースで最適化可能になります。


    モデルアップデート

    Gemini / GPT / Claude

    Einstein Platform 上で利用可能なモデルに大きな変更が入りました。

    新規追加(Beta)

    • Gemini 3.1 Pro

    • Gemini 3.1 Flash Lite

    GA(本番利用可能)

    • GPT 5.1

    • GPT 5.2

    • Claude Opus 4.5

    廃止予定

    • Gemini 3 Pro(Beta)
      → 2026 年 4 月以降はエラーになるため移行必須

    実務的なポイント

    ここは非常に重要で、「どのモデルを使うか」が設計の前提条件になるフェーズに入っています。

    特に以下がポイントです。

    • GPT / Claude → 高品質(複雑な生成)

    • Gemini → Google系データやコスト面での選択肢

    また、Gemini 3 Pro の廃止により、Beta モデルに依存した設計はリスクがあることも明確になりました。


    Einstein Bots

    Article Answers の延長と移行

    Einstein Bots の Article Answers 機能の提供終了日が延長されました。

    • 旧:2026 年 2 月 28 日

    • 新:2026 年 9 月 30 日

    実務的なポイント

    これは単なる延長ではなく、移行猶予期間の確保と捉えるべきです。

    今後は以下への移行が推奨されています。

    • Generative Knowledge Answers

    つまり、

    • 従来:ナレッジベース検索型

    • 今後:生成 AI ベース回答

    という大きな転換が進んでいます。


    いかがでしたでしょうか。

    今回のアップデートは、Agentforce が「作る」から「運用・改善する」フェーズへ進んだことがポイントです。

    特に重要なのは以下の 3 点です。

    ・Observability により改善がデータドリブンに
    ・Slack / Chat / Email でマルチチャネル対応が現実化
    ・生成 AI の可視化でコスト・性能の最適化が可能に

    また、Marketing Cloud Next の Conversational Email により、チャネルをまたいだ体験設計も一気に進みます。

    今回は以上です。


    次の記事はこちら

    前回の記事はこちら

    私の note のトップページはこちら

     
     
     
    Salesforce Marketing Cloud、Agentforce、Data Cloud、Salesforce 認定資格に関する実践的な情報を発信しています。これらの記事が、皆さまの学習や日々の業務に少しでもお役に立てば幸いです。