
3-3【アクティビスト対応の実務】知らない世界の扉が突然開く
- 返金可
アクティビスト対応は、ある日突然始まる
前触れもなく、静かに、しかし確実に“空気”が変わる。
私自身、最初の連絡を受けた瞬間、
それまでの仕事とはまったく違う世界の扉が開いたような感覚があった。
アクティビスト対応は、ニュースで見るような派手な場面よりも、
最初に起きる“静かな変化”の方がはるかに重要だ。
ここから先は、一般論ではなく、
私が実際に経験した話になる。
外からは見えないが、 内部ではどんな判断が行われ、
どんな温度で物事が進んでいくのか。
静かに始まり、静かに進むアクティビスト対応の“現場の空気”を、
可能な範囲で書いていく。
上場直後から機関投資家比率が高かったことは、
前回の IR 編で触れた通りだ。
自己資本比率が高く、キャッシュリッチで、高配当。
この3点でスクリーニングしてくる外国人投資家が複数いた。
アクティビストにとっては、
「この会社は、もっと株主還元できるはずだ」
という見立てになる。
その中の一社、外国人投資家 D とは、2019年頃から対話を続けていた。
その後、10億円規模の買い付けが入り、定期的に面談する関係になった。
ピーク時には8%超の持ち分。
「まあ、うちのことを気に入ってくれているんだろう」
くらいに思っていた。
——2023年までは。
■ 2023年、「株主提案をする」と言われる
2023年1月、D から突然メールが届いた。
「株主提案を予定している」