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初の単著での査読通過―査読への挑戦・最終章

    修正原稿と対応表を大急ぎで作成し、何度も見返して推敲してから、数日。

    結果のメールが届いた。

    結果は、「採択(アクセプト)」。

    「修正の上、再審査」というメールが来たあの日、私は平日の夜に予定していたジムをキャンセルし、ほとんど徹夜の修正作業に入った。

    査読者から突きつけられた鋭い指摘に対し、対応表と修正稿を通じて、なんとか自分なりに正面から応答した。

    その結果が、「採択」という形で返ってきた。

    自己紹介

    これで、今年の3月に修士課程を修了してから、3ヶ月ちょっと。

    ここまでの私の学術的業績は、以下のようになった。

    単独での学会発表、1回。

    論文賞の入選、1本。

    単著での査読通過、1本。
    今回の採択である。

    共同発表、1回。

    共著での査読通過、1本。

    実務家としての本業を持ちながら、この短期間でここまで積み上げることができた。

    それは、自分自身へのひとつの証明にはなったと思う。

    もちろん、この成果は私一人の力だけで積み上がったものではない。

    修士課程で指導してくださった先生方、学会発表で率直なご意見をくださった方々、そして査読者からの厳しくも的確な指摘があったからこそ、私は短い期間で研究を何度も組み直すことができた。

    その一つひとつの指摘が、実務の経験を単なる経験談で終わらせず、研究として成立させるための足場になっていった。

    今回の採択は、私個人の成果であると同時に、多くの助言に押し上げられて到達した、一つの通過点なのだと思う。

    けれど、通知画面を眺めながら湧き上がってきたのは、狂喜乱舞するような嬉しさではなかった。

    むしろ、

    「まだまだ、こんなところでは終われない」

    という、静かで強い渇望だった。

    そもそも、今の私はもう学生ではない。

    一歩大学の外に出れば、経営実務とPMIの現場で、泥臭く意思決定を続ける一人のビジネスパーソンである。

    この快挙を職場で誰かに熱弁するわけでもない。

    大騒ぎする相手がいるわけでもない。

    だからこそ、どこか淡々とした気分の中にいるのも事実だ。

    しかし、この淡々とした手応えが、私に次の戦略的決断を促した。

    博士後期課程の受験を、秋へと前倒しする。

    入学時期が来年4月であることは変わらない。

    しかし、この3ヶ月で積み上げた業績を携え、秋の受験に挑む。

    合格を早期に確定させたうえで、さらにその先へ業績を積み上げていくための、攻めの選択である。

    今年はまだ、2回の学会発表が控えている。

    そして、その後に続く論文2本の執筆も残っている。

    年が明ければ、来年春の大会に向けた準備も始まる。

    歩みを止める時間は、1秒もない。

    机の上のMacBookを閉じる。

    そして明日からの経営実務のタスクへと、頭を切り替える。

    私の「査読への挑戦」の第一章は、ここに、単著での査読通過という結果を伴って幕を閉じる。

    もちろん、これは終わりではない。

    初めての単著査読通過は、ゴールではなく、次の入口である。

    秋の博士課程受験。

    次の学会発表。

    次の論文。

    私はまた、次の局面へ向けて、前へ進んでいくだけだ。

    前回 査読への挑戦⑨

    査読への挑戦①

    中小企業M&Aの現場


     
     
    50代のM&A・事業再生コンサルタント / 修士(経営学)/ 実務家研究者 / 宅地建物取引士 独立後、10社以上の経営に関与。中小M&Aの現場で、PMIや組織再編、文化の統合の難しさに直面。博士後期課程への進学を見据え、実務経験を経営学の知として体系化すべく研究を継続中。

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