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40年間の末路 第43章(最終章) 40年目の神様からのご褒美 ドキュメンタリー小説|自叙伝|60代

    【あとがき】

    還暦祝いの時に家族へ公表した再婚の件、驚かれた読者の方も多いのではないでしょうか。
    僕自身、離婚を決意した4年前は、このタイミングで再婚を発表するとは想像もしていませんでした。

    ただ、離婚を決意した頃から婚活そのものは始めていました。すぐにお相手は見つからないだろう、と思いつつ、最近の婚活市場を知るために、婚活パーティーに数回参加し、システムや使い方を理解するために、マッチングアプリにも登録していました。

    「もうすぐ60歳だし、茨城の片田舎でいい出会いなんてないだろう」
    「このままずっと独り身なら、いつかは孤独死するかもしれない」

    当時はそんな否定的で悲観的な感情が渦巻いていました。
    その反面、心のどこかでは「ダメで元々」「犬も歩けば棒に当たる」という楽観的な気持ちもありました。

    経済的に裕福ではなかったため、婚活に大金はかけられませんでした。50代向けの婚活パーティーを宇都宮、水戸、つくばでそれぞれ1回ずつ参加し、年の差3歳以内の2人の方と後日、お会いしたものの、2回ほど食事をしたところで自然消滅してしまいました。

    同時並行で登録したマッチングアプリでは、「自分のような条件で相手が見つかるだろうか」という心配をよそに、ありがたいことに20人以上の女性からアプローチがありました。

    結婚を前向きに検討している方で、実際にお会いできたのは、茨城県内にお住まいの5人の女性でした。そのうち年の差3歳以内の方が3人でしたが、意外なことに10歳以上年下の方が2人もいました。 そして、最終的に1年以上交際が続いたのが、10歳年下の彼女だったのです。

    決して年の差婚を狙っていたわけではありません。お会いした全員が自然消滅してしまい、パートナーが見つからないまま人生を終えることも常に覚悟していました。

    「両親を看取り、独り身で年金暮らしになったら、海外移住もありだな」

    と、第2のプランもぼんやりと思い描いていました。

    ただ、前妻と約束した2年間の猶予期間が過ぎたころから、彼女との交際の中で、「結婚したい」思いが少しずつ強くなりました。
    ある日、彼女から「私たち、これからどうなるの?」と聞かれ、僕は結婚への不安を正直に打ち明けました。両親のこと、仕事のこと、そしてお金のこと……。

    彼女にとって受け入れがたい場合は、今のままの関係でもいいかも…、とやや消極的な思いもありました。
    しかし彼女はそれらの不安を、すべて真っ直ぐに受け止めてくれました。

    「きっと大丈夫よ」
    「僕が10歳年上でも?」
    「それは大した問題じゃないわよ。
     それよりも、こんな私でいいの?」
    「もちろん」

    プロポーズらしい格好いいセリフはありませんでしたが、その日以来、二人で再婚に向けた計画を立て始めました。
    その計画の一つが、「還暦祝いでの公表」だったのです。

    世間では「年の差婚の成婚率はわずか4.6%」「富裕層や社会的地位の高い人が対象」などと言われています。
    個人事業主のリラクゼーションセラピストとしてダブルワークもこなし、実家暮らしでカツカツの生活を送っている僕は、ハイスペックな人間ではなく、むしろロースペックな人間です。

    統計学的に、明らかに“爆死”するはずの「おじアタック」でした。しかし、僕はそんな厳しい現実を引っくり返し、年の差婚を叶えることができたのです。

    しかも婚活を始めて約4年間で、婚活パーティーやマチアプに課金したのは約3万円のみ(デート代除く)でした。
    約3万円の投資で7人と出会い、その内10歳年下の彼女と婚約できたことは、宝くじの高額当選の確率より遥かに低い確率の狭き門を見事に通り抜け、年の差婚を引き当てたのは、まさに奇跡でした。

    中年未婚男性の年の差婚の統計上の数値は0.2%

    婚活アドバイザーMOMOCO

    「スペックは関係ない」という意見もありますが、仕組みやデータなど全く意識しなかった能天気でマイペースな思考が年の差婚を成就させた要因の一つなのかもしれません。
    (入籍は今秋予定ですが…)

    離婚調停が確定した大雪の日に、家族から励まされ、前向きに歩んできました。

    もちろん自分を否定してしまう夜もありました。
    でも、今回いろんな事に気づかされ、点と点が結びつき、線になりました。
    「事実は小説よりも奇なり」と言われますが、焼失した大学の卒業アルバムに書き記した「大どんでん返し!」は、この日を予言していたのかもしれない。

    僕が今の幸せを掴めた一番の要因は、テクニックや条件などではなく、

    「これまでのツラい40年を耐え抜いた僕へ、神様がご褒美をくださった」

    と、いうことに尽きると思います。
    また「人生はツーペイ」とも言われます。僕の人生もようやく今、プラマイゼロになり、新たな船出と共に新たな物語が始まります。

    そう考えると、あの苦しかった40年間も、決して無駄ではなかったのだと心から思え、そして今日に至るまでに出会った全ての人たちに対して感謝の気持ちでいっぱいになるのです。

    全章を通じて、僕の波乱万丈、七転八倒な歩みが、読者の皆様にとって、何かひとつでも参考、教訓になれば幸いです。

    最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

    完

    第42章

    第1章はこちらから

    #創作大賞2026 #恋愛小説部門

     
     
    舘徹人(タチ テツト)のち望月成人(モチヅキ ナリト)、 ところにより一時熊猫ジィジ🐼(クマネコ ジィジ)です。 2026年6月に還暦になり、5人の孫を持つシングル爺さんが いろんなジャンルで創作活動してます。

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