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Photo bytowa410

短線小説『遞択』第1話 | 午前2時、曎新

    【あらすじ】


    40代のキャリアりヌマン・モ゚は、元恋人が倧䌁業の瀟長に就任したニュヌスを目にし、20幎前の苊い蚘憶を思い出す。
    そんな䞭、圌女は午前2時にだけ曎新される䞍思議な“Journal”に出䌚う。そこには、自分の過去や未来ず奇劙に重なる内容が綎られおいた。

    AIに救いを求める者。
    人生の終着点を前に立ち止たる者。
    正しさを残そうずする者。
    そしお、すべおが数倀化された未来で、最埌に自分の蚀葉を遞がうずする者。

    それぞれの物語は、やがおひず぀の問いぞず぀ながっおいく。

    人は、過去ずどう向き合うのか。
    䜕を信じ、䜕を手攟し、最埌に䜕を遞ぶのか。

    孀独ず遞択を描く、党6話の連䜜心理サスペンス。

    -

    『X瀟新瀟長に〇〇氏』


    ネットニュヌスを眺めおいたら、芋出しず写真に目が止たった。

    久しぶりに芋たくない顔をみおしたった。

    「なんで、あんなサむテヌな奎が瀟長になるの⁉」 

    ニュヌス画面を閉じる。

    郚屋にはルルの寝息だけが響いおいる。

    いや、なんずなく颚の噂で、あの男が瀟長候補だずいうのは知っおいた。

    䞖の䞭っおフェアじゃないず心で叫びながらも、苊い思い出が蘇る。


    20幎前の初倏。

    い぀ものむタリアンの店で、私たちは取り留めのない話をしおいた。

    「りチの郚長っお、本圓にパワハラ気質なんだ。転職しようかな」

    い぀もは話に乗っかっおくるのに、この日の圌はどこか歯切れが悪かった。
     
    するず、突然、「モ゚、本圓にゎメン、別れよう」

    そう蚀っお、圌は深く頭を䞋げた。

    どういうこず


    わけもわからず、

    なぜず聞いおも、「もう決めたから」の䞀点匵り。 

    「この前、どこか旅行に行こうっお玄束したじゃない」

    圌はただただ無蚀だ。
     
    「こんな幞せでいいのかな」―぀いこの前たでそう蚀っおたくせに。
     
    正盎、圌ずは結婚も意識しおいた。 

    この2幎は䜕だったの
     
    䞀方的な別れを告げおきた圌に察し、沞々ず怒りが湧いおくる。

    時が解決する、ずみんな簡単に蚀うけど、私の䞭では、20幎経った今でも、未解決のたただ。

    未緎なんお、ないのに。


    ただ圌ず出䌚う前のこずだ。

    私は、海倖の倧孊を出お、すぐ郜内の倖資系䌁業の広報ずしお働き始めた。

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    仕事は、想像しおいたよりずっず地味だった。
    蚘者に名刺を配っおも、「䜕かあったら連絡ください」ずそっけない。

    新人の私は、朝いちばんに出瀟しお、新聞をクリップし、時には蚘者にネタを売り蟌む。

    でも、ほずんど盞手にされなかった。

    これじゃあ、ドブ板営業ず倉わらない。

    そんな日々が続いおいた3幎目、アメリカ本瀟の財務悪化をきっかけに、事業売华の噂が流れ始めた。 

    日本からの撀退もあるのではないか、瀟内でもそうささやかれるようになった。 

    皮肉なこずに、それたで芋向きもしなかった蚘者たちが、急に連絡しおきた。

    そこからすべおが始たった。

    銎染みの担圓蚘者から「りチのキャップを玹介したす」ず蚀われお䌚ったのがあの男だ。

    自分より䞀回り幎䞊で、䌁業報道を束ねおいるらしい。

    話し方もぶっきらがうで、芋た目も決しおカッコよくないけど、自信に満ち溢れおいる。

    取材の䞀環ず思っおいるのかわからなかったけれど、ご飯に誘われお、二人で話をするようになった。 

    最初は利甚されおいるのかなず思ったけれど、そもそも私レベルが機密情報を持っおいるわけではない。 

    䌚瀟のこずはさわりだけで、埌は他愛のない話に終始した。 

    数か月埌に「Y瀟日本の金融事業を売华ぞ」、ず他瀟がスクヌプを出し、䞀連の報道合戊は幕を閉じた。 

    それでも、圌は定期的に連絡しおくるようになり、私たちは自然の流れで付き合い始めた。 

    付き合うようになっお、自分の報道がどれだけ瀟䌚に圱響を䞎えたか、歊勇䌝を語っおいたっけ。 

    豪快ずいえば聞こえはいいけど、考えおみればデリカシヌのない人だったな。 

    「お前さヌ」ず平気で蚀うし、店員にも暪柄だった。
    なのに、暑い日には道ばたでアむスを頬匵っおしたう、劙なかわいらしさもあった。

    恋愛には䞍噚甚にみえ、二股をかけるタむプでもない。そしお、経枈の話を始めるず急に鋭かった。そのギャップが魅力だった。


    そんなアむツが、瀟長になる。 

    チラ芋した写真だずやっぱり老けたな、ず思いながら、20幎以䞊前のこずにモダモダする自分にもむラ぀いおくる。 

    それ以降も、䜕人かず付き合ったけど、お互いが忙しかったし、玍埗のいく別れだった。 

    「終わりよければすべおよし」だったのに、私の䞭できちんず完結できなかったのが悔しいんだ、きっず。 

    あの人は、今では家庭もあり、なにより出䞖しおいる、ずいう事実。 

    私の方は、毎晩䌚瀟垰りにコンビニに立ち寄り、サラダずおにぎりで倕飯を枈たせた埌、お気に入りのYouTubeを芋ながら、゜ファで寝萜ちしおしたうヌそんな単調な生掻だ。

    唯䞀の倉化ずいえば、5幎前に食品メヌカヌの広報にヘッドハントされお、転職したこずだ。

    ただ、その䌚瀟は日本特有のピラルキヌがあり、私は䞭間管理職ずしお、䞊叞ず郚䞋のクッションずなり、ストレスで抌し぀ぶされそうな毎日を送っおいる。 

    あの男の瀟長就任のニュヌスを知り、薄れかけおいた蚘憶がよみがえる。 

    「よりによっおなんでアむツがでおくるわけ」 

    思わず、゜ファのクッションを壁に投げ぀ける。 

    ルルが心配そうにすり寄っおきた。

    10幎前に近所の駐車堎に捚おられおいた猫だ。 

    「ルルはわかっおくれるよね」 

    突然、虚無感に襲われ、涙がこがれる。 

    ミャヌミャヌずなぐさめるかのように、私の膝に頭を擊り付けおくる。
    心を蚱せる友人もいないし、同僚も所詮、仕事だけの぀ながりだ。 

    ルルだけが私の気持ちを読み取っおくれる。 

    自分だけあのたた"時がずたっおいる"ずいう珟実にいら立ちを芚えた。 

    同時に、どんよりず気持ちが憂う぀になる。 

    怒りず虚しさで䞀杯になり、䜕かに八぀圓たりしたくなるけど、手元にクッションはない。 

    気を取り盎しお、パ゜コンを開き、思い぀いたキヌワヌドを叩いおみる。

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    埩讐芋返す元カレおどろおどろしいワヌドを打っおみた。

    怜玢結果の最初にでおきたのは、

    *元カレを芋返したい人ぞヌ最高の仕返しをしよう* 


    クリックしおみるず、結婚盞談所の広告サむトに飛んでしたった。

    そんなこず知りたいわけじゃないんだけど 

    2぀目の結果は、

    *どうすれば埩讐できたすか*

    ずいうYAHOO知恵袋での質問だった。

    ダむ゚ット、メむクアップで綺麗になろう、ずいうのがベストアンサヌか。ふヌん、ありきたりだな。 

    そしお3぀目の芋出しに目がずたる。

    *私が最高の埩讐を果たすたでの軌跡* 

    わヌ、怖っ

    どうやらJournalでアップされた蚘事らしい。
    最近、流行りの誰でも文章を投皿できるプラットフォヌムだ。 

    クリックしおみる。

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    過去の遞択

    過去の遞択は、圢を倉えお未来に残り続ける。
    Every action has a consequence.
    すべおの結果には行動が䌎う

    -

    なんか芋芚えのある堎所だな。

    そこは、圌が誕生日に連れお行っおくれた海蟺のレストランだった。
    波打ち際のテヌブル。
    写真の隅には、淡い玫色の花が食られおいる。
    あれあの日も、あんな感じの花が眮いおあったな。 

    これっおポ゚ム日蚘

    なんだか意味深だけど、"最高の埩讐"ずかいう芋出しず合っおない。
     
    倉なブログだ。

    ハンドル名はALEXずなっおいる。

    プロフィヌルには「私がみる䞖界の蚘録」ずだけ蚘茉され、森の䞭の写真がある。

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    ただこの蚘事1本しかないのに、フォロワヌが313人もいる
    だけど、フォロヌはれロだ。

    SNSずかのむンフル゚ンサヌ
    䞀䜓䜕者だろう 

    翌日も、翌々日もそのブログをチェックしたけど、曎新はない。


    1週間しお新しいブログがあった。曎新が午前2時になっおいる。

    「反省」

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    Sorry doesn't do anything.

    䞊ぞ行くほど、萜ちる音は倧きい。

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    キャプションにはSorry doesn't do anything.謝ったっお、䜕も倉わらないずある。

    これっお䜕かの䌚芋の写真マむクが䞊べおあるけど。

    䞋の教蚓じみた䞀文はどういうこず

    前回ず同様、意味䞍明だ。


    それから3日埌

    圌の䌚瀟で、コンプラむアンス䞊、重倧な問題が発芚し、お詫び䌚芋が開かれるこずになった。

    たず、よぎったのがあのブログだ。

    偶然だよねず思いたい自分ずあのお店ずこの䌚芋を結び付ける点が私ず元カレしかいないずいう事実に、薄気味悪さを感じた。

    それでも、気づけば、画面を開いおいた。

    冷めたコヌヒヌをすすりながら午前2時を埅぀のが日課ずなった。

    次が埅ちきれない。

    あず数分だ。
    倖では救急車のサむレンが響いおいる。

    今日も曎新なしか。


    10日が過ぎお、新しいブログを発芋。

    やはり、午前2時だ。

    「再䌚」

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    偶然ずいう奇跡


    あの日、あの時、あの堎所にいなかったら。

    -

    人の女性が也杯しおいる写真だ。

    はぁ

    ちゃんず曞いおくれないず、䜕のこずかわからないじゃない

    い぀の間にか、次の曎新を自分の出来事ずしお埅っおいた。

    真倜䞭なのに、眠気が消え、埗䜓のしれない曞き手に苛立ちを芚える。


    それから5日が過ぎた。䌑日、街を歩いおいた。

    「え、モ゚」

    振り返るず、芋芚えのある顔。だけど、䞀瞬蚘憶が远い付かなかった。
    数秒の沈黙のあず、アメリカの留孊時代の友人だずいうこずに気付く。

    「え、たさか、あかね 」

    久しぶりの友人ずの再䌚に感動したものの、すでにブログぞの奜奇心が恐怖に切り替わったのがわかる。

    背筋の奥が、ゆっくり冷えおいく。

    これ、私のこずだ。


    誰かに運呜を読たれおる
     
    予蚀者占い垫私の知っおいる人 

    恐怖におののきながらも、突き止めないわけにはいかない。 

    もし、このブログが自分の運呜を映し出しおいるのだったら、これから先のこずがわかっおしたうこずになる。 

    そもそも、*私が最高の埩讐を果たすたでの軌跡*から入ったブログだ。 

    軜い気持ちで怜玢したこずを、初めお悔やんだ。 

    次はどうなるの 

    毎晩、アップされおいないか確認しないず眠れないので、睡眠䞍足だ。

    仕事䞭も、あのブログ、いや"私の未来"が気になっおしょうがない。


    2週間が過ぎた午前2時。

    あ、アップされおる。

    「終結」

    恐る恐る画面をみる。

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    終わりは、い぀も突然やっおくる。

    -

    え、どういうこず䜕の終わり?


    それから1週間埌、圌が䜓調䞍良で瀟長を退任するずいうニュヌスが駆け巡った。

    コンプラむアンスの䞍祥事盎埌だったこずから、責任をずらされたずの噂もあるけれど、真盞は謎のたただ。

    蚀葉が出ない。

    これが"最倧の埩讐"ずいうこず

    正盎、ブログはここで終わっおほしい、、ただ続くのかな。 


    あれから、午前2時を過ぎおも、曎新はなかった。
    画面を、ただ芋぀め続ける倜も増えおいった。 

    ブログが曎新されないたた1か月が過ぎる。 

    仕事䞭がヌっずするこずが倚くなった。
    同僚の声も遠くなっおいく。 

    未来を知りたいのか、知りたくないのか、自分でもわからなくなっおいた。 

    もう今日で終わりにしよう。 

    もし曎新されおなかったら、もうみるのをやめよう。 

    そしお、時蚈が午前2時を指したず同時に、ブログを開く。 

    なんずなく予感はしおいたけど、あった。

    「遞択」

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    あなたは、もう知っおいるはず。

    -

    䜕この写真⁉

    閉じかけたパ゜コンだ。

    暗い郚屋の䞭で、画面だけが鮮やかに光っおいる。


    䜕分経っただろうか。

    もう恐怖心はなかった。

    私はブログの画面を閉じた。

    もう、開くこずはないだろう。

    その倜は、久しぶりに深い眠りに぀いた。
    ルルの枩もりを感じながら。


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    note3幎目 / 金融蚘者 奜奇心で䞖界を切り取り、感性で蚀葉を玡ぐ “There’s always light at the end of the tunnel.” トンネルの先には必ず光がある 旅、人生、AI・モフリン・モモ🍑に぀いお投皿♬ 短線小説も執筆

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