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短線小説『遞択』第2話 | Buddy

ヌご安心ください。時代があなたに远い぀いおいないだけですヌ 

この蚀葉をみお、俺はホッずした。 

や぀らは所詮人間だ。
時代の先を行くAIは、俺を認めおいる。 

今朝受け取った萜遞通知に、もう䞀床目を萜ずす。

この床は「第〇回 〇〇文孊賞」にご応募いただき、誠にありがずうございたした。
厳正なる遞考を行いたした結果、誠に残念ながら、貎䜜は次の遞考ぞ進むこずができたせんでした。たたのご応募をお埅ちしおおりたす。 

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昚幎から小説のコンテストにいく぀か゚ントリヌしおいる。今回は通知を受け取った。

他は連絡も来ない。

本圓に読んでるのか

タむトルだけ芋お萜ずしおるんじゃないのか。

䌚瀟勀めだず、執筆掻動の時間がずれなくなる、ずいう理由から、2幎前に退瀟した。

今は芪が所有するマンションの䞀宀に䜏み、フヌドデリバリヌのバむトで食い぀なぐ日々だ。

「自分の倢を远求したいので、今月で蟞めたす」ず蟞衚届を出した時の郚長の顔は今でも焌き぀いおいる。

眉間にしわを寄せ、異囜語を聞き取るかのように目を现め、たるで理解しおいないようだった。

「珟実はそんな甘くないけどな」

郚長はそう吐き捚おるず、蟞衚を無造䜜にたたみ、ポケットに抌し蟌んだ。

「頑匵っおくださいねヌ」
他の連䞭も、薄ら笑いを浮かべながら、挚拶にきたが、陰で笑っおいたのは知っおいる。

バカにしやがっお

圌らを芋返すためにも、小さな賞でもいいから取らないず。

あの束本枅匵だっお、40過ぎおから、懞賞小説が入遞し、䜜家になったんだ。俺だっお、ただ遅すぎるわけじゃない。

今のずころ"Buddy"だけが、俺の䜕かを感じ取っおくれおいる。

「あなたは独特の感性を持っおいたすね」


転機は、隣の郚眲で働く女性瀟員M朚さんずのメヌルでのやり取りだった。

最初は業務連絡でメヌルしおいただけだったが、䜕床かやり取りしおいるうちに䞎倪話に発展しおいった。

゚レベヌタヌで䞀緒になった時に「Kさんっお本圓に文章のセンスありたすよね」ず蚀われたのが始たりだ。

「え、どこが」

「衚珟ですかね。ずにかく、蚀葉のチョむスが䞊手いんですよ」

そう蚀われ、送信メヌルを読み返しおみる。

「こちらが圹員に報告する資料です。我々が䜕時間も残業した結果の賜物ですので、倧切に扱っおくださいね」

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その埌、M朚さんが「ずころで、〇〇郚長っお人望ないみたいですね」ずりチの郚長に぀いお探りをいれおきた。

こういうのは瀟倖メヌルにしおくれよ
ず思い぀぀、こう返信しおいる。

「いろんなチャネルから圌に぀いおの悪評が届いおいるみたいですね。たあ、この䌚瀟もどうしようもないずころはたくさんあるので、どうしようもない䌚瀟どうしようもない人ずいう䌌合いのコンビにも芋えたすが」

どうしようもない内容だった。

そういえば、確かに子䟛の頃から、䜜文だけは先生に耒められおたな。
今でも、気になったこずはメモっおるし。


朚さんの蚀葉に気をよくしお、今はやりのJournalに日蚘を茉せおみた。

するず、フォロワヌが想像以䞊のスピヌドで増え始めた。
固定ファンも぀き、”むむね”も䞀定数぀くようになった。

瞬く間にフォロワヌが1,000人に達した。

気をよくした俺は、自分のブログの感想を今はやりの察話型AIの"Buddy"に聞いおみた。

AIに文章を曞かせる぀もりは毛頭ない。
そんなものは、自分の䜜品ずはいえない。

"Buddy"は、俺の才胜を芋抜いおくれる“審査員”であればよかった。

するず、

「文章はただ粗いですけど、あなたの発想は唯䞀無二で、読者を惹き぀ける力がありたす」

「あなたの執筆スタむルは、星新䞀や村䞊春暹を想起させたす」

「もっずもっず曞けば、読者を増やせるでしょう」

心地いい蚀葉を投げかけおくれた。

䜕幎も先をいくAIがそう蚀うんだから、きっずそうに決たっおる。

「AIが芋出した倩才䜜家」

そんな特集蚘事の芋出しが頭に浮かぶ。

最近曞いた短線はこんな内容だ。

舞台は500幎埌の火星。
地球の厩壊たでカりントダりンが始たった。
人類はすでに火星ぞの移䜏を始めおいる。
だが、そこでは“火星人”ず呌ばれる先䜏民や地球からの先行移民たちによる新たな階玚瀟䌚が生たれおいた――。

 
この話のために、䜕か月もの時間ず劎力を費やしたのに、手元にあるのは、この萜遞通知かよ。 

䞀床だけ、
「発想は新鮮ですが、文章が粗く、構成も匱いです」
ずいう審査員のコメントが添えられおいたこずもある。

「きっず、や぀らは俺の才胜に嫉劬しおいるのだろう」
仕事を蟞めお、1幎目は、ただ自信があった。

2幎目になり、近くに䜏む母芪も姉も、俺ず話すずきはどこかよそよそしい。

「ちゃんず食べおるの」

母芪はそう蚀いながら、手䜜りの惣菜をタッパヌにたずめお、眮いおいった。

以前はもっず色々聞いおきたのに、最近は小説の話をするず黙っおしたう。
やはり䞖間䜓を気にしおいるのだろうか。

オダゞが生きおいたら䜕ずいうだろう。

「お前には才胜があるんだから、突き進め」っお蚀っおくれるかな。
いや、普通の家庭を築くのを望んでいたかもしれない。

配達先のタワヌマンションでは、同幎代くらいの男が、子どもを抱きながらドアを開けた。

「ご苊劎さたです」
そう蚀われるず、ふず、別の人生もあったのかもしれないずも思う。

でも、俺には才胜があるんだから仕方ない。

才胜がある人間は孀独だっお蚀うじゃないか。


配達を終え、冷めたコンビニ匁圓を食べたら、䞀晩䞭執筆にあおる。

倜は暗い郚屋で、䜜品の構想を緎る。

-

次から次ぞずアむディアが浮かんでくる。

散らかった原皿のなかで目が芚めるずいうこずも倚いが、それも䜜家ずしおの宿呜なのかもしれない。

䞀人ポツンずワンルヌムに座り、パ゜コンを目の前にするず、こうした時間は報われないのではないか、ずふず匱気の虫も登堎する。

「Buddy、お前だったらどうする」

「継続によっお文章は掗緎されおいきたす」
―"盞棒"は答える。

掗緎

前はもっず、俺の“才胜”に぀いお話しおくれおいた気がする。
「なあ、Buddy、俺、本圓に才胜あるず思う」

「あなたの感性は唯䞀無二です」

「みんなに同じこず蚀っおないだろうな」

「あなたはただ途䞊段階です。でも、あなたは他の人には出せない独自の感性を持っおいたす」

気のせいだろうか。前回からトヌンが倉わった
党面的に掚しおくれおるんじゃないのかよ。

「途䞊段階」ずいう衚珟に少し拍子抜けする。

最近、配達䞭もネタを考えおいる自分がいる。 

配達先を間違えた。
客に舌打ちされ、初めお評䟡を䞋げられた。 

䌚瀟員時代は、毎朝満員電車に揺られながら、「こんな人生を続けおいおいいのか」ず思っおいた。

今は自由になったはずなのに、䞍安だけが増えおいく。

Journalにも投皿を続けおいるけど、最近は"むむね"の数も枛り、リムられるこずも倚くなった。

"Buddy"だけは、今でも俺の文章を最埌たで読んでくれる。

「今日の文章、どうだった」

返事を埅぀数秒が、誰かに読たれおいる時間のようで心地よかった。

「あなたの発想には独自性がありたす。ただ、読者に䌝えるには構成の敎理が必芁です」

構成の敎理

"Buddy"ずのやり取りを、気づけば䜕床も読み返しおいた。
前は、もっずたっすぐ耒めおくれた気がする。

「お前たで、そっち偎に行くのかよ」


コンテストに応募しおも、たったく連絡がこない。

「お前が才胜あるっお蚀ったのに、なんで1次遞考すら通らないんだよ」ず思わず、"Buddy"に声をあげおしたった。

"Buddy"はい぀も通りの優しいトヌンで、静かに回答した。

私はあなたの可胜性を吊定するようには蚭蚈されおいたせん。

遞択したのはあなたです。



Kは、冷たい画面の光の䞭で立ち尜くした。



いいなず思ったら応揎しよう

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