
授業メモ|しんどかったので、ちょっと変えた話⑤|授業構成を変えた編
授業の立ち上がりがしんどかったから、新聞を入れてみた話
正直に言うと、この取り組みのスタートは、そんなにきれいなものではありません。
「この学校で50分授業、正直きついな…」
「毎時間フルで回すの、無理じゃないか…」
という、かなり自分本位なところから始まりました。
どうやったら自分がすり減らずに授業を回せるか。まず考えたのは、そこです。
そこで入れたのが、授業の最初の10〜15分の新聞読みです。毎回やります。
使っているのは地元紙の地域面です。全国紙の経済面より、身近な企業の話題や地域の人の活躍が載っている。生徒との距離が近い分、「読む気になれる」出発点として使いやすい。
やってみてすぐにわかったのは、自分が一番楽になったということです。
入室するとプリントが配られている。やることが決まっているので、生徒の手が自然に動く。10分間、教室が静かになる。
この10分があると、その後の授業の入りがまるで違います。こちらの立ち上がりも穏やかになる。教科書を開かせるときの抵抗が小さくなる。本題にすっと入れる。
「集中する時間」を最初に挟むだけで、その後の時間全体が落ち着く。これは想定していなかった副産物でした。
最初は時間を埋める感覚もありましたが、続けていくうちに、もうひとつの意味も見えてきました。
これは「勉強」というより、社会でしんどくならないための練習に近いな、と。
実業高校の生徒は、卒業後すぐに職場に入ります。大学経由でワンクッション置く猶予がない。だから「読んで、理解して、動く」という基本的な流れが、早い段階で求められます。
仕事をすると、こういう場面は普通にあります。
「これ読んでおいて」
「で、何が書いてあった?」
「大事なところだけ教えて」
このときに必要なのは、難しい知識ではありません。
・人の話をだいたい理解できること
・マニュアルを読めること
・大事なところをつかめること
・必要なことを短く伝えられること
ここがうまくいかないと、仕事そのものがしんどくなります。
人の話をつかめないまま動いてしまったり、何を言えばいいかわからず黙ってしまったり。
小さなズレが積み重なると、「自分は仕事ができない」という感覚に直結しやすい。
新聞の活動でやっているのは、そのズレを減らすための、かなり基本的な練習です。
・ニュースを読む
・要点を拾う
・短くまとめる
・タイトルをつける
やっていることはシンプルですが、中身はかなり実用的です。
生徒には細かいことはあまり言っていません。
言っているのは、ほぼ三つです。
白紙で出すな。
なんか書け。
本文に線を引け。
なんか書いていれば、とりあえず評価するといってます。
かなり雑に聞こえるかもしれませんが、実際にはこれくらいで十分だと思っています。その方が続くし、こちらもすり減らずに回せます。
50字要約は穴埋め形式にしています。「このニュースは( )が( )した話。」という枠を用意するだけで、白紙で止まる生徒がほぼいなくなりました。
続けていくと、変化は出てきます。
読むスピードが上がる。要点を拾うのが早くなる。
まとめる時間が短くなる。これは、そのまま仕事で必要になる力です。
結局、この10〜15分は、自分の授業を楽にするための時間であり、同時に、生徒が社会でしんどくならないための練習にもなっています。
きれいな動機から始めたわけではありません。
でも、自分が少し楽になる形にしたから、続けられた。続けられたから、生徒にとっても意味のある時間になってきた。
最初から立派な授業改善を目指していたわけではありません。
自分がもたないから、少し形を変えただけです。
でも、現場では案外、そういう変え方の方が長続きするのかもしれません。
◆生徒用ワークシートはこちら
自作の教材をChatGPTで整理したものです。
◇スライドはこちら
NotebookLMで生成しました。