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授業実践第6回|水の値段から、価格の役割を考えた話(公民06_価格の役割)

    「この中身の水、いくらだと思う?」

    ミネラルウォーターを一本、教卓に置いてみました。

    経済の授業で「価格の役割」と言われても、生徒にはまず届きません。価格、需要、供給、均衡価格。なので、水から始めました。

    「100円って、みんなにとって何分間のバイト代?」時給1000円なら6分。100円はただの数字ではなく、自分の時間と交換しているものです。

    次に、同じペットボトルでもドラッグストアと自販機では値段が違うことを確認しました。

    中身はほぼ同じ。でも値段は違う。
    便利さ、すぐ手に入ること、冷えていること。
    私たちは水だけにお金を払っているわけではない。

    ここから、原価予想です。中身の水、ボトル、キャップ、ラベル、輸送費、店の利益。合計100円で考えさせます。

    「水って何円なんですか」
    「キャップってそんなにするんですか」
    「ラベルっているんですか」

    これが、思いのほかよく動きました。相談したり、予想を声に出したり、中身の水の値段を当てて喜んでいる生徒もいて。
    価格は、コストに利潤を乗せて決まる。生徒は、ここまでは届きます。

    最後に、こう聞きました。

    「砂漠でのどがカラカラ。倒れそう。この水いくら払う?」

    ここから、教室でセリの真似事をしました。
    生徒一人にセリのおじさん役をお願いすると、乗り気で声を張ってくれる。

    「200円!」
    「300円!」
    「500円!」

    周りも面白がって参加します。ただ、出てくる値段は、なぜかリアルでした。1万円とか100万円とか、ふざけた額には飛ばない。
    自分の財布で実際に出せそうな金額の中で、値段はじりじりと上がっていきます。

    ふざけていい場面で、ふざけない。
    彼らは「もし自分が本当にその水を欲しい状況だったら」を、ちゃんと真面目に考えていたのだと思います。

    さっきまで「150円かな」と言っていた水が、別のものに変わっていく。


    需要、という言葉はまだ出していません。供給も、均衡価格も出していません。それでも、いま教室で起きていたのは、まさにそれです。

    ただ、ここから先は厳しくなります。需要・供給をグラフで示そうとした瞬間、生徒の顔は少し遠くなる。

    これは毎年そうです。具体までは届く。抽象にした瞬間、遠ざかる。経済の中でも、ここはずっと、そういう場所です。

    それでも、と思います。

    「この水、いくらだと思う?」

    最初に聞いたときと、最後にセリで叫んでいたときと、生徒の中で水の価格は、もう別のものになっていたはずです。

    価格とは、ただの数字ではありません。

    その商品が、どこにあり、誰にとって、どれくらい必要なのかを表すサインです。

    水一本の値段を考えるだけでも、市場経済の入口には立てる。

    そんなことを、生徒の反応を見ながら感じた授業でした。


    〇授業プリント

    ChatGPTとClaudeに過去の自作教材をかけて、実業高校用に整理しました

    〇スライド

    授業プリントをClaudeにかける→スライド原本→notebookLMで整形という段取りで作っています。必要なところだけ使ってください

    〇教師用原稿

    詰まったときの保険です。授業プリントとスライドをClaudeもしくはChatGPTにかけて、作成しています。しっくりこないところは自分で書いています。

    〇まとめのシート


    次回は経済第7回「需要・供給の変化と価格」です。





     
     
     
    高校の社会科教員。AIを使って、授業づくりやテスト作成を少し軽くする方法を試しています。目指すのは、すごい授業より、先生がすり減らずに回せる授業。実業高校での授業実践と、学校現場で考えたことを書いています。

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