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医療珟堎で起こっおいるこず

ヒュヌモニヌ特別連茉

第77回 逌迫する䞀般病床

2022幎01月24日 掲茉

スピヌカヌ 讃井將満さぬい・たさみ぀教授  

オミクロンが猛嚁をふるう䞭、医療珟堎が盎面しおいるのは、じ぀は新型コロナ蚺療よりも新型コロナ以倖の救急蚺療・通垞蚺療の危機である。自治医科倧孊附属さいたた医療センタヌでパンデミック圓初から重症患者の蚺療を続けおいる讃井將満教授が珟状を報告する。

わずか1か月足らずで、状況は䞀倉したした。埌玉県でも新型コロナりむルス感染症の新芏陜性者数が連日過去最高を蚘録しおいたす。

では、医療珟堎の珟状はどうなっおいるのでしょうか 今回は、第6波における医療珟堎の状況ずくに蚘述がない堎合は、埌玉県の1月20日時点での状況ず問題点をお䌝えしようず思いたす。 もっずも特城的なのは、爆発的に新芏感染者が増えおいる䞭で、重症患者が少ないこずです。埌玉県党䜓で重症患者は7人。ECMO䜓倖匏膜型人工肺 第3回参照にのっおいるのは1人で、第5波で圓院自治医科倧孊附属さいたた医療センタヌに入院しお治療を続けおいる患者です。したがっお、第6波の重症患者は6人ずいうこずになりたす。

6人の内、人工呌吞噚を䜿甚しおいる患者が3人。残り3人は集䞭治療宀で高流量錻カニュラネヌザルハむフロヌ 第66回参照で酞玠療法を行なっおいる患者で、重症の䞭では比范的軜い症状ずいえたす。いずれにせよ、重症患者数は第5波の最倧数の2 – 3皋床に抑えられおいるのです。

このように重症化を抑えられおいるのには、いく぀か理由が考えられたす。第䞀に、ワクチンの普及が進んだこず。ワクチンを2回接皮しおいおも感染するケヌスが倚発しおいたすが、重症化はかなり防げおいるずいうのが医療珟堎の実感です。第二に、早期の薬物治療。オミクロンに察しおは䞭和抗䜓薬゜トロビマブや、抗りむルス薬であるモルヌピラビルが効果を䞊げおいたす。

さらに、オミクロンが第5波のデルタに比べお重症化しにくいこずも芁因のひず぀でしょう。デルタでは、りむルス自䜓が肺に盎接感染しお炎症を䜜り、その炎症が悪化するこずで呌吞機胜が䜎䞋しお重症化したした。䞀方、オミクロンは、錻から喉たでの䞊気道に感染し増殖する傟向があるため、肺炎にたでいたりにくく、重症化しにくいず考えられたす。

埌玉県ホヌムペヌゞより

実際、珟圚の重症患者のほずんどは、新型コロナりむルスによる肺炎ではなく、もずもずあった基瀎疟患が感染によっお増悪し、重症化した方です。心機胜や腎機胜が䜎䞋しおいるため䜓内に氎がたたりやすい心䞍党患者や透析患者が、オミクロン感染をきっかけに肺に氎がたたっおしたい、人工呌吞噚が必芁になるずいったようにです。

もちろん、“重症患者は遅れお増える“ので、油断はできたせん。䞀定割合で重症患者は出たすので、新芏感染者がこのたた増え続けお母集団が倧きくなれば、重症患者も確実に増えるでしょう。ずはいえ、䞖界的に芋おもオミクロンの重症化率は䜎いようです。たずえば、オミクロンで過去最倧の流行ずなったニュヌペヌク。マりント・サむナむ病院病床数1134の野本功䞀先生第7回参照に䌺ったずころ、第1波では1日あたりの人工呌吞噚の最倧皌働数が玄160台にものがったのに察し、オミクロンでのICU患者数はピヌク時で30人超だずいうこずです。

以䞊のように重症病床ずいう偎面から芋れば医療䜓制はただ䜙裕があるはずなのですが、珟実にはすでに逌迫しおいたす。じ぀は、新型コロナ以倖の䞀般の入院患者蚺療が非垞に倧きな圱響を受けおいるのです。

それが顕著に珟れおいるのが、䞀般救急の受け入れ機胜の䜎䞋です。受け入れ先の病院がなかなか芋぀からない救急搬送困難事案救急隊による「医療機関ぞの受入れ照䌚回数4回以䞊」か぀「珟堎滞圚時間30分以䞊」が、埌玉県では1月1016日の1週間で727件もありたした。これは、第3波の最倚473件、第5波の最倚466件を䞊回る過去最悪の数字です。

埌玉県ホヌムペヌゞより

東京では、心筋梗塞の80歳代の女性が10か所の病院に断られた埌、ようやく芋぀かった搬送先の病院で入院盎埌に亡くなるずいういたたしい事案も発生したした。県内の病院からは、「救急医療が近幎たれにみる危険な状態。明らかに第5波より酷く、このたたではコロナより倚くの犠牲者が出る可胜性がある」ずいう悲痛な声があがっおいたす。

新型コロナ以倖の䞀般救急の受け入れに支障が出おいるのは、急性期病院の䞀般病床が満床、もしくはそれに近い状態になっおいるからです。では、なぜそのような事態になっおいるのでしょうか。

ひず぀は季節性の芁因です。通垞でも寒さが厳しい1月䞭旬は、脳梗塞や脳卒䞭、心筋梗塞ずいった心血管系の疟患や呌吞噚感染症肺炎の増加などにより、幎間を通しおもっずも救急車の出動回数が倚い時期なのです。

たた、䞀般蚺療の病床数の枛少も響いおいたす。第5波では確保病床の䞍足が問題ずなりたした。その反省から䞀般病床を新型コロナ甚病床に切り替える圢でさらなる病床の確保が進み、結果ずしお䞀般病床の数が枛っおしたったのです。

マンパワヌの䜎䞋もありたす。各病院が新型コロナ蚺療のために看護垫を確保するずなるず、䞀般病床の看護垫を圓おお察応する必芁がありたす。加えお、医療埓事者自身が感染したり濃厚接觊者になっお、出勀できないケヌスも増えおいたす。さらに、小児の感染拡倧が远い打ちをかけおいたす。オミクロンでは小児ぞの感染も拡倧しおおり、幌皚園・保育園・小孊校で閉鎖するずころもでおきおいたす。するず、小さな子どもがいる医療埓事者は䌑たざるを埗なくなりたす。実際、圓院でも看護垫の出勀停止が増加したため、今週から䞀般病床の8皋床を枛らし、予定手術の制限を始めざるを埗なくなりたした。

厚生劎働省ホヌムペヌゞより

以䞊のような理由で起こっおいる䞀般病床の逌迫は、救急医療だけでなく、予定入院や予定手術の延期ずいった悪圱響を通垞医療に察しおも䞎えおしたいたす。

では、この苊境を乗り切るためには䜕が必芁なのでしょうか

病院がやらなければならないのは、病床の柔軟な運甚です。䞀般病床を取り厩しお新型コロナ甚に切り替えた病床の䞭には、行政からの受け入れ芁請に備えお空いたたたになっおいるものもあるようです。実際にはゟヌニングの問題をクリアしなければなりたせんが、䜿っおいない病院があるのならば、できるだけフレキシブルに空いおいる確保病床を新型コロナ以倖の患者に䜿っおほしいず思いたす。ずくに重症病床は、新型コロナの重症患者が少ない今、有効掻甚すべきですし、珟に圓院では新型コロナ以倖の患者にどんどん䜿うようにしおいたす。

この病床の柔軟な運甚に関しおは、救急搬送困難事案が過去最倚ずなったこずを受けお、「新型コロナ甚確保病床に新型コロナ以倖の救急患者を受け入れるこずは可胜である」ずいう内容の通知が1月20日に厚劎省から出されたした。しかし、第5波の時に「受け入れ病床が少ない」ず倧きな批刀を受けたこずで及び腰になっおいる病院もあるでしょう。囜や郜道府県にはより匷いリヌダヌシップを発揮しおいただきたいず思いたす。 ただ、どれだけ柔軟な運甚をしおも、新型コロナ甚病床ず䞀般病床を足した党病床数が増えるわけではありたせん。このたたオミクロン感染者が増え続ければ、その数の暎力によっお遅かれ早かれ医療は厩壊したす。ですから、もっずも倧事なのは、ずにかく新型コロナ患者を枛らすこずです。

先行する諞倖囜を芋るず、オミクロンは収束も急激です。ワクチンのブヌスタヌ接皮を急ぐず同時に、みなさんには、この2幎間続けおきお効果を䞊げた基本的な予防策マスク、手掗い、䞉密回避を今䞀床培底しおいただくようお願いいたしたす。
1月20日口述 構成・文鍋田吉郎

 

※ここに蚘す内容は所属組織・孊䌚ず離れ、讃井教授個人の芋解であるこずをご承知おきくださいヒュヌモニヌ線集郚。

 

連茉第78回は2月7日掲茉予定です。

鍋田吉郎ラむタヌ・挫画原䜜者

なべた・よしお。1987幎東京倧孊法孊郚卒。日本債刞信甚銀行入行。退行埌、フリヌランス・ラむタヌずしお雑誌ぞの寄皿、単行本の執筆・構成線集、挫画原䜜に携わる。取材・執筆分野は、政治、経枈、ビゞネス、法埋、瀟䌚問題からアりトドア、芞胜、スポヌツ、文化たで広範囲にわたる。地方創生のアドバむザヌ、奚孊金財団の遞考委員も務める。䞻な著曞・挫画原䜜は『皲盛和倫「仕事は楜しく」』小孊通、『コンデ・コマ』小孊通ダングサンデヌ党17巻、『珟圚官僚系もふ』小孊通ビックコミックスピリッツ党巻、『孊習たんが 日本の歎史』集英瀟など。

■ヒュヌモニヌ特別連茉 医療珟堎で起こっおいるこず

写真 讃井將満、ブルヌシヌむンタヌナショナル、ヒュヌモニヌ
レむアりト本間デザむン事務所

スピヌカヌ

讃井將満さぬい・たさみ぀教授

自治医科倧孊附属さいたた医療センタヌ副センタヌ長・ 麻酔科科長・集䞭治療郚郚長

集䞭治療専門医、麻酔科指導医。1993幎旭川医科倧孊卒業。麻生飯塚病院で初期研修の埌、マむアミ倧孊麻酔科レゞデント・フェロヌを経お、2013幎自治医科倧孊附属さいたた医療センタヌ集䞭治療郚教授。2017幎より珟職。臚床専門分野はARDS急性呌吞促迫症候矀、人工呌吞。研究テヌマはtele-ICU遠隔ICU、せん劄、急性期における睡眠など。関連孊䌚で数倚くの芁職を務め、海倖にも様々なチャンネルを持぀。