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Gemini CLI・Code Assist終了|エラー対処とAntigravity移行

Gemini CLI・Code Assist終了|エラー対処とAntigravity移行

2026年9月27日時点の結論を先に言うと、Gemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張の「個人向け」提供(無料のGemini Code Assist for individuals・Google AI Pro・Google AI Ultra)は2026年6月18日に停止済みで、復旧の選択肢は3つだけです。(1)後継のAntigravity CLIへ移行(Individualプランは月0ドル)、(2)Gemini APIキー認証に切り替える(Gemini CLI・Antigravity CLIどちらでも可)、(3)組織のGemini Code Assist Standard/Enterpriseで継続。ただし2026年9月4日と9月17日の公式リリースノートで「組織ライセンスの新規契約」の入口が変わったため、(3)は「既存契約なら継続、新規は営業経由」が正確な答えになりました。

  • 何が終了した:2026年6月18日、Gemini CLI と Gemini Code Assist IDE拡張が個人向けで応答停止(ツールが消えたのではなく「Login with Google」が通らなくなった)。GitHub版の個人向けは2026年7月17日に停止
  • 何が継続している:既存の組織ライセンス(Standard/Enterprise)・Gemini APIキー・Vertex AI経由は変更なしで継続。OSSのGemini CLI本体も開発継続中(2026年9月23日に安定版 v0.61.0)
  • 後継:Antigravity CLI(起動コマンド agy・2026年9月27日時点の最新版 1.2.12)。無料のIndividualプラン(月0ドル・週単位のレート制限)で使い始められる
  • 2026年9月の新しい動き:9月4日にGemini Code Assistの新規サブスクリプションがGoogle Cloudコンソールから購入できなくなり、9月17日にはGemini Enterprise Standard/Plusをオンラインで新規契約・更新してもCode Assist機能が含まれなくなった(いずれも既存契約は影響なし)
  • 今日やること:エラーが出ている人はAntigravity CLI導入かAPIキー認証へ切替。組織は契約形態(個人/Standard/Enterprise/APIキー/Gemini Enterprise)を棚卸しし、更新月と管理コンソールの既定値を確認する
  • 対象読者:Gemini CLI/Gemini Code Assistを業務で使っているエンジニア・開発リード・情報システム部門、AI開発ツールの方針を決める立場の方

最終更新:2026年9月27日(初公開:2026年6月13日)。本文中の終了日・移行手順・コマンド・料金・管理設定は、2026年9月27日にGoogle公式ドキュメント、Google Cloud公式リリースノート、Antigravity公式ドキュメント、公式リポジトリで取得した内容です。ドル建ての金額は1ドル150円換算の目安を併記しています。

「Gemini CLIを起動したら『Failed to sign in』と出て、昨日まで動いていた自動化が全部止まった」——2026年6月18日以降、この状態になった人が今も後を絶ちません。故障でも設定ミスでもなく、原因はGoogleの方針転換です。2026年6月18日をもって、Gemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張の個人向け提供(無料・Google AI Pro・Google AI Ultra)は終了し、後継の「Antigravity CLI」へ移行することになりました。

正直に言うと、これは「最新の便利ツールが、使う側の都合と関係なく突然終わる」という、いまのAI活用につきものの出来事のひとつです。AIツールを業務に組み込むほど「提供側の方針で止まるリスク」は無視できません。

とはいえ、慌てて全部を別物に乗り換える必要はありません。重要なのは「自社の使い方が、止まった側なのか・継続している側なのか」を正確に見極めること。既存の組織ライセンス(Standard/Enterprise)やAPIキー経由の利用は変更なしで継続しており、影響を受けない企業も少なくありません。一方で2026年9月に入ってから「これから新しく組織ライセンスを買う」側の条件が2度変わっており、ここだけは6月時点の説明が通用しなくなりました。

この記事では、Googleの一次情報を2026年9月27日に取り直して、(1)何がいつ止まったのか、(2)いま出ているエラーの意味と対処、(3)VS Code拡張はどうなったのか、(4)後継のAntigravity CLIへどう移行するか、(5)法人として管理者が何を決めるべきかを整理します。バージョンやコマンドは週次で動くため、実作業時は各所にリンクした公式ドキュメントの最新版も併せて確認してください。

「Gemini Code Assist終了」とは何が終わったのか(2026年9月27日時点の結論)

終わったのは「Gemini Code Assistの個人向けティアからの利用」だけです。Google公式の非推奨化ドキュメント(最終更新2026年9月2日・2026年9月27日確認)は、2026年6月18日からGemini Code Assist IDE拡張が「Gemini Code Assist for individuals」「Google AI Pro」「Google AI Ultra」の各ティアへの応答を停止し、これはGemini CLIの利用にも適用される、と明記しています。あわせて「Login with Google」でIDE拡張・Gemini CLIにアクセスすることはできなくなったとも書かれています。製品が削除されたわけでも、アカウントが凍結されたわけでもありません。

Gemini Code Assist終了の影響範囲。無料の個人向け・Google AI Pro・Ultraは2026年6月18日に停止、組織ライセンスStandard/EnterpriseとGemini APIキー・Vertex AIは変更なしで継続
止まった側と継続する側

公式ドキュメントの記述を利用形態ごとに並べ直すと、次のように分かれます。

利用形態2026年9月27日時点根拠
無料の Gemini Code Assist for individuals停止済み(2026年6月18日)非推奨化ドキュメント
Google AI Pro / Google AI Ultra(個人サブスク)停止済み(2026年6月18日)非推奨化ドキュメント
Gemini Code Assist Standard / Enterprise(既存の組織ライセンス)変更なしで継続非推奨化ドキュメントのFAQに「remain unchanged」
Gemini APIキー / Vertex AI 経由継続(影響なし)移行告知ブログに「paid Gemini and Gemini Enterprise Agent Platform API keys」で継続と明記
GitHub版 Gemini Code Assist(個人向け)停止済み(2026年7月17日)GitHub版の廃止ドキュメント
GitHub版 Gemini Code Assist(企業向け)影響なし同ドキュメントに「not affected」

ポイントは「個人向けという“契約の入口”が閉じた」ことです。ツールの機能が削られたのではなく、認証できるアカウントの種類が減りました。ここを取り違えると「再インストールすれば直る」と思って何時間も溶かします。

「サービス終了」「サポート終了」「無料終了」はどれも同じ出来事を指す

検索では「gemini code assist サービス 終了」「gemini code assist サポート 終了」「gemini code assist 無料 終了」といった言い回しが混在していますが、2026年9月27日時点で公式に発表されているのは2026年6月18日の個人向けティア停止(+GitHub版個人向けの2026年7月17日停止)という1つの出来事だけです。それ以外の「Gemini Code Assist全体のサービス終了日」は、公式には記載がありません。Standard/Enterpriseの終了日も、2026年9月27日時点で公式に記載はありません。

「Gemini CLI 終了」は正確には何が終了したのか(OSS本体は開発継続中)

「Gemini CLIは終了した」という言い方は、半分だけ正しいです。止まったのは個人向けアカウントでのOAuthログイン経路で、ソフトウェアとしてのGemini CLIは2026年9月27日時点でも公開・更新が続いています。公式リポジトリ(google-gemini/gemini-cli・Apache 2.0)の当日確認値は、安定版 v0.61.0(2026年9月23日リリース/npmの latest は2026年9月24日公開)、スター数 107,166、直近のプッシュは2026年9月26日、nightly は v0.63.0 系です。アーカイブもされていません。

Gemini CLIを3層に分けた図。ツール本体(OSS)は継続、個人向けのGoogleログインは停止、APIキーと組織ライセンスは継続で、停止した層はAPIキーへ切り替えて回避できる
Gemini CLIの3層で見る終了

つまり「Gemini CLI 終了」の正体は、次の3層のうち真ん中の1層だけが閉じた状態です。

  • ツール本体(OSS):継続。npm install -g @google/gemini-cli や npx @google/gemini-cli で今も入る(公式READMEに記載の導入方法・2026年9月27日確認)
  • 認証経路:個人向けの「Sign in with Google」だけが停止。APIキー認証(GEMINI_API_KEY)とVertex AI経由(GOOGLE_API_KEY + GOOGLE_GENAI_USE_VERTEXAI=true)、組織ライセンス(GOOGLE_CLOUD_PROJECT 指定)は継続
  • モデル提供:継続。移行告知ブログは、企業顧客について「Gemini CLIは有料のGeminiおよびGemini Enterprise Agent PlatformのAPIキー経由で引き続き利用できる」と明記

ひとつ注意点があります。公式READMEの「Authentication Options」には、いまも Option 1 として「Sign in with Google(無料枠:毎分60リクエスト・1日1,000リクエスト)」が載ったままです(2026年9月27日確認)。READMEの記述と非推奨化ドキュメントが食い違っている状態なので、READMEを見て「無料ログインできるはず」と考えると詰まります。個人向けアカウントについては非推奨化ドキュメントの記述が現行の仕様です。

なお、APIキー認証の無料枠については、同じREADMEの Option 2 に「Gemini 3系(FlashとProの合計)で1日1,000リクエスト」と記載があります。枠は変わりうるため、実運用前に公式で再確認してください。APIキーの発行と課金の仕組みはGemini API 料金と無料枠の解説記事で詳しく扱っています。

VS CodeのGemini Code Assist拡張はどうなる(後継拡張への乗り換え)

結論から言うと、VS Code拡張そのものは削除されていません。個人向けアカウントでサインインできなくなっただけです。Visual Studio Code Marketplaceで2026年9月27日に確認したところ、Gemini Code Assist拡張(拡張ID Google.geminicodeassist)はバージョン 2.100.0・最終更新2026年9月9日・インストール数およそ535万で公開されたままでした。Standard/Enterpriseライセンスのアカウントであれば、この拡張を引き続き使えます。

個人利用でVS Codeを使い続けたい場合の公式な移行先は、Antigravity公式ドキュメントが案内している「Google Antigravity」拡張(拡張ID Google.google-antigravity・発行元 Google)です。2026年9月27日の確認値はバージョン 1.5.0・最終更新2026年9月23日・インストール数およそ42万でした。

項目Gemini Code Assist 拡張Google Antigravity 拡張
拡張IDGoogle.geminicodeassistGoogle.google-antigravity
2026年9月27日時点の版2.100.0(2026年9月9日更新)1.5.0(2026年9月23日更新)
個人向けアカウントサインイン不可(2026年6月18日以降)利用可(無料プラン含む)
組織ライセンスStandard/Enterpriseで継続利用可Gemini EnterpriseのAI開発者ツール経由
前提条件公式ドキュメント記載の対応IDEVS Code 1.90以降(公式ドキュメント)

公式ドキュメントによると、Google Antigravity拡張は初回起動時にローカルの agy バックエンドサービスを自動でインストールします。つまりVS Code側だけを入れ替えても、裏側ではAntigravity CLIと同じ基盤が動く構成です。サインインに必要なのは「いずれかのAntigravityプラン(無料ティアを含む)のGoogleアカウント」、またはGemini Enterpriseが有効な組織アカウントと記載されています。

JetBrains系IDEを使っている場合も構図は同じです。(a)組織ライセンスのアカウントに切り替えてGemini Code Assist拡張を使い続ける、(b)個人利用ならAntigravityのIDE拡張(VS Code/Visual Studio/JetBrains/Zed/Xcode向けが公式ドキュメントに用意されています)へ移る、のどちらかになります。

エラー「This client is no longer supported for Gemini Code Assist for individuals」の意味と対処3つ

個人向けアカウントでGemini CLIやIDE拡張にログインしようとすると、2026年6月18日以降は次のメッセージが出ます。これは不具合ではなく、個人向け提供終了に伴う仕様どおりの動作です。再インストール・キャッシュ削除・設定ファイルの初期化では直りません。

サインインできない時の対処3経路。Antigravity CLIへ移行すれば無料で試せ、Gemini APIキー認証なら最短で復旧し、組織ライセンスは既存契約ならそのまま継続できる
サインイン不可の対処3経路
Failed to sign in. Message: This client is no longer supported for
Gemini Code Assist for individuals. To continue using Gemini,
please migrate to the Antigravity suite of products:
https://antigravity.google

訳すと「このクライアントは個人向けGemini Code Assistではもうサポートされていない。Geminiを使い続けるにはAntigravity製品群へ移行してください」。メッセージ自体が公式の移行先(antigravity.google)を指しています。

紛らわしい症状:ブラウザは成功、ターミナルは失敗

実際に多いのが、ブラウザ側には「Authentication successful」と出るのに、ターミナルへ戻るとサインインに失敗するパターンです(公式リポジトリのIssueでも報告されています)。ブラウザ側のGoogleログイン自体は成功していて、その後のクライアント認可の段階で弾かれるため、こういう見え方になります。個人向けアカウントである限り、この経路は通りません。

画面によっては「Try signing in with another personal Google account if you wish to continue to Gemini Code Assist Standard or Enterprise, select a Google Cloud project.」という案内が続きます。「組織ライセンスのアカウントに切り替えるか、Google Cloudプロジェクトを選べば継続できる」という意味です。対処は次の3つに分かれます。

対処1:Antigravity CLIへ移行する(個人利用の公式移行先)

無料個人・Google AI Pro/Ultraで使っていた場合の公式な移行先はAntigravity CLIです。Individualプランが月0ドルなので費用ゼロで試せます。導入コマンドと認証は後述の「インストールと認証」の章にまとめています。

対処2:Gemini APIキー認証に切り替える(最短で復旧する)

「ツールとしてのGemini CLIを変えたくない」なら、認証をAPIキーへ切り替えるのが最短です。移行告知ブログでも、APIキー経由の利用は継続すると明記されています。Google AI Studioでキーを発行し、環境変数に設定して起動します(公式README記載の手順)。

# https://aistudio.google.com/apikey でAPIキーを発行してから
export GEMINI_API_KEY="YOUR_API_KEY"
gemini

2026年9月27日時点では、Antigravity CLI側でも同じGemini APIキーを使えます(設定方法が違うので後述します)。「Gemini CLIに残る」「Antigravity CLIへ移る」のどちらを選んでも、APIキー1本で動かす道は残っている、というのが現在の状況です。

対処3:組織のGemini Code Assistライセンス(Standard/Enterprise)で継続する

会社がStandard/Enterpriseを契約している場合、そのライセンスのアカウントでログインし直せば、Gemini CLIもIDE拡張もこれまで通り使えます。組織ライセンスではGoogle Cloudプロジェクトの指定が必要です。

# 組織ライセンスで使う場合(公式README記載の手順)
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT="YOUR_PROJECT_ID"
gemini

ただしこの選択肢は、2026年9月に「これから新しく契約する場合」の条件が変わりました。次の章で扱います。

自社は影響を受ける? 止まる側・継続する側の早見

ここがもっとも重要です。同じ「Gemini Code Assist」という名前でも、契約の入口によって扱いがまったく違います。2026年9月27日時点の公式記述に沿って整理すると、次のようになります。

利用形態2026年6月18日以降いま取るべき対応
無料の Gemini Code Assist for individuals停止済みAntigravity CLIへ移行、またはAPIキー認証へ切替
Google AI Pro / Google AI Ultra(個人サブスク)停止済みAntigravity CLIへ移行(Pro/Ultraはレート制限が緩い)
Gemini Code Assist Standard / Enterprise(既存契約)継続(変更なし)そのまま利用可。更新月の条件だけ確認
Gemini Code Assist Standard / Enterprise(これから新規契約)継続だが入口が変更2026年9月4日以降、コンソールからの新規購入は不可。Google Cloud営業へ問い合わせ
Gemini APIキー / Vertex AI 経由の利用継続(影響なし)そのまま利用可
Gemini Enterprise Standard / Plus(既存契約)契約期間中は継続Code Assist機能が含まれるかを契約内容で確認
Gemini Enterprise Standard / Plus(オンラインで新規・更新)Code Assist機能を含まないAntigravity for IDEsへ寄せる、または営業経由で契約

つまり、既存の組織ライセンスやAPIキー経由のシステムは、今回の終了で困ることはありません。困るのは(1)個人プラン(無料・Pro・Ultra)で業務に使っていた人、そして(2)これから組織ライセンスを新しく買おうとしている会社です。「うちはどれだっけ?」が曖昧なまま放置するのがいちばん危険です。個人向けの有料プランの中身自体はGemini有料プランの早見表で整理しています。

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2026年9月の重要変更|組織ライセンスの「新規契約」が締まった

6月の時点では「組織ライセンスなら安心」で話が終わっていました。2026年9月27日現在はそこに条件が付きます。Google Cloudの公式リリースノートに、9月の2件を含む次の変更が載っています(いずれも2026年9月27日確認)。

2026年の時系列。5月19日に移行を発表、6月18日に個人向けが停止、7月17日にGitHub版が停止、9月4日に新規購入を締め、9月17日に更新へCode Assistを含めなくなった
2026年の5つの変更点
日付公式リリースノートの内容実務への影響
2026年8月18日Gemini EnterpriseのAI開発者ツールがGA。Antigravity 2.0・Antigravity CLI・Android Studioへのアクセスを含む法人がAntigravityを正規に配る経路が整った
2026年8月20日Gemini Code Assistの初月利用クレジットを廃止(受け取っている顧客は影響なし)新規で試す際の無料枠が縮小
2026年8月20日Antigravity for IDEs が Gemini Enterprise Standard/Plus/従量課金エディション(請求書払いのCloud Billingアカウント)のAI開発者ツールで利用可能にIDE拡張の法人配布はGemini Enterprise側へ
2026年9月4日Gemini Code Assistの有効なサブスクリプションがない請求先アカウントでは、Google Cloudコンソールからの新規購入ができなくなった。新規契約はGoogle Cloud営業へ問い合わせ。代替のAI開発者ツールとしてAntigravityを案内セルフサーブでの新規契約が閉じた
2026年9月17日Gemini Enterprise Standard/Plusをオンラインで新規契約・更新した場合、Code Assist機能を含まなくなった。既存契約は契約期間の終わりまで利用可。Code Assistを含めたい場合はGoogle Cloud営業へ更新のタイミングで機能が抜ける可能性がある

読み替えると、Googleは「Code Assistを新しく売る」から「AntigravityをGemini Enterprise経由で配る」へ入口を移しているということです。既存契約を守る姿勢は変わっていません(どの告知にも「既存は影響なし」と書かれています)。変わったのは新規と更新の扱いです。

法人側でいま確認すべきことは3つに絞れます。

  1. 契約更新日はいつか:Gemini Enterprise Standard/Plusをオンライン更新する場合、更新後の契約にCode Assist機能が含まれない可能性があります。更新前に契約内容を確認してください
  2. 新規で増員する予定はあるか:席を増やす前提で計画していた場合、コンソールからのセルフサーブ購入という前提が崩れています
  3. 移行先はAntigravityで足りるか:Gemini EnterpriseのAI開発者ツール(Antigravity 2.0・Antigravity CLI・Android Studio)で現行の使い方が置き換わるかを、更新月より前に検証する

なお、Gemini Enterprise自体の名称・体系は2026年に整理されています。旧Vertex AI系からの改称と移行の流れはVertex AIからGemini Enterpriseへの改名と移行の解説にまとめました。

後継「Antigravity CLI」とは(料金・無料枠・当日版)

Antigravity CLIは、Google I/O 2026で刷新が発表されたエージェント開発プラットフォーム「Antigravity」のコマンドライン版です。移行告知ブログでは「デスクトップ版とバックエンドを共有する、エージェントファーストのターミナル体験」と位置づけられ、起動コマンドは gemini ではなく agy に変わりました。製品全体の位置づけはGoogle Antigravityとは(使い方・料金・日本語対応)で扱っています。

公式に確認できている引き継ぎ仕様と設計は次の通りです(2026年9月27日確認)。

  • Agent Skills・Hooks・Subagents・拡張機能は引き継がれる(拡張機能は「プラグイン」として動く)と移行告知ブログが明言
  • 一方でGoogle自身が「提供開始時点で機能の1対1対応はない」と同ブログで明言。使い勝手が変わる前提で移行を考える必要がある
  • Go言語で実装されており、複数のエージェントを非同期に動かして大規模な改修や調査を並行できる。デスクトップ版のAntigravity 2.0と同じエージェント基盤を共有するため、基盤側の改善は両方に反映される
  • カスタムテーマや実験的な表示機能は非対応の場合があると公式移行ガイドに記載(原文では「Partial Parity」として注記)
  • 2026年9月27日時点の最新版は 1.2.12(同日リリース)。公式サポート窓口のリポジトリはスター数 2,396

「名前が変わっただけ」ではなく、資産は引き継げるが動作確認は必須——が公式情報から言える正確なところです。

Gemini CLI・Gemini Code AssistとAntigravityの違い

製品形態2026年9月27日時点の位置づけ
Gemini CLIターミナル用AIエージェント(OSS・Apache 2.0)個人向けOAuthは停止。APIキー・Vertex AI・組織ライセンスで継続利用可。安定版 v0.61.0
Gemini Code AssistIDE拡張(VS Code/JetBrains等)+組織向けサービス個人向け(無料/Pro/Ultra)は停止。既存のStandard/Enterpriseは変更なしで継続
Antigravity CLIターミナル用エージェント(コマンド agy)個人向けユーザーの公式移行先。最新版 1.2.12
Antigravity 2.0 / Antigravity for IDEsデスクトップアプリ/IDE拡張CLIと同じエージェント基盤。法人配布はGemini EnterpriseのAI開発者ツール経由

ざっくり言えば「個人向けのGemini系開発ツールがAntigravityブランドへ一本化された」構図です。既存の組織向けとAPI経由は従来のまま残っています。

Antigravity CLIの料金と無料枠(2026年9月27日時点)

公式料金ページとPlansドキュメントで確認できる内容は次の通りです。ドル建ての金額は1ドル150円換算の目安を併記します。

プラン料金クォータの考え方
Individual(無料)月0ドル週単位でリフレッシュされる基本クォータと週次レート制限。Tab補完・Commandリクエストは無制限
Google AI ProGoogle AIプラン側の料金より緩いレート制限。クォータは5時間ごとにリフレッシュ(週次上限に達するまで)。AIクレジットのプールを併用可
Google AI UltraGoogle AIプラン側の料金最も大きいクォータ(5時間ごとにリフレッシュ)と最高の週次上限。サードパーティ製モデルにもアクセス可
Organization(Google Cloud経由)Gemini Enterpriseの従量課金Google Cloud利用規約が適用され、Google Cloudプロジェクトと連携。一部のGemini Enterpriseサブスクリプションに含まれる(対象顧客へ順次提供)

無料枠について、公式Plansドキュメントは具体的なリクエスト数を公開していません。代わりに「レート制限はエージェントが実際に行った作業量と相関する」「単純なタスクなら多くのプロンプトを投げられ、その逆もある」と説明され、「利用上限は変更されることがある」と明記されています。2026年9月27日時点で、無料プランの回数上限は公式に数値として記載なしです。

Individualプランで確認できるモデルは、公式料金ページの記載で Gemini 3.8 Flash / Gemini 3.7 Flash / Gemini 3.6 Flash / Gemini 3.1 Pro / Claude Sonnet・Opus 4.6 / gpt-oss-120b です(2026年9月27日確認)。無料で試してから判断できるのが実務上は重要です。

組織ライセンス(Gemini Code Assist Standard/Enterprise)の公式料金

比較のために、継続する側の料金も当日値で置いておきます。Google Cloud公式の料金ページは時間単価で表示され、月額換算(1か月730時間)も併記されています(2026年9月27日確認・1ユーザーあたり・月次請求)。

ライセンス月契約年契約(12か月コミット)
Gemini Code Assist Standard0.031232877ドル/時間=月22.80ドル(1ドル150円換算で約3,420円)0.026027397ドル/時間=月19.00ドル(同換算で約2,850円)
Gemini Code Assist Enterprise0.073972603ドル/時間=月54.00ドル(同換算で約8,100円)0.061643836ドル/時間=月45.00ドル(同換算で約6,750円)

Enterprise版は、Standardの内容に加えて自社のプライベートリポジトリに基づくコードのカスタマイズ、Apigee・Application Integration・Gemini Cloud Assistとの連携、そしてエージェントモードとGemini CLIの日次上限の引き上げが含まれると公式ドキュメントに記載があります。ただし前章の通り、2026年9月4日以降は新規契約をコンソールから購入できません。価格は「既存契約の更新判断に使う数字」として見るのが実態に合っています。

Antigravity CLIのインストールと認証(Mac / Windows / Linux)

「これからGemini CLI相当のものを入れたい」人も、個人利用なら実質こちらが入口です。公式ドキュメント(Installation & auth)記載の手順は次の通りです(2026年9月27日確認)。

macOS / Linux:

curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash

Windows(PowerShell):

irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iex

Windows(コマンドプロンプト):

curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.cmd -o install.cmd && install.cmd && del install.cmd

バイナリの配置先は、macOS/Linuxが ~/.local/bin/agy、Windowsが C:Users<ユーザー名>AppDataLocalagybin です。インストーラには2つのフラグが用意されています。既存のシェル設定を壊したくない環境では、これを付けるのが安全です。

  • --skip-aliases:シェルプロファイル内の既存エイリアス(agy / antigravity)の整理・更新をスキップする
  • --skip-path:シェルプロファイルへの PATH 追記をスキップする

あとはプロジェクトのディレクトリで起動するだけです。

cd your-project
agy

認証の3経路(ローカル・SSH・APIキー)

公式ドキュメントに載っている認証は3通りです。ここは6月時点の記述より整理されており、法人のCI・ヘッドレス運用で効くのは3番目です。

  1. ローカルのキーリング経由(サイレント):起動時にOSの安全なキーリング(Apple Keychain/LinuxのSecret Service・dbus/Windows資格情報マネージャー)を参照し、有効なトークンがあればブラウザを開かずそのまま認証される。既存のGemini CLI環境から移る場合、有効なセッショントークンはキーリングへ自動で移行されると移行ガイドに記載
  2. SSH越しのOAuth:リモート接続を検知するとブラウザを開けないため、CLIが認可URLを表示する。ローカルのブラウザで開いてサインインし、表示された英数字のコードをターミナルへ貼り戻す
  3. Gemini APIキー:Googleアカウントのセッションを一切作らず、モデルへのリクエストをGemini APIへ直接送る。ブラウザが使えないヘッドレス環境やCIに向く

Antigravity CLIをAPIキーで動かす手順(ここが6月から変わった点)

重要なのは、GEMINI_API_KEY を設定しただけでは効かないことです。公式ドキュメントは「環境変数だけを設定しても効果はない」と明記しています。設定ファイルでプロバイダを指定する必要があります。

# 1. ~/.gemini/antigravity-cli/settings.json に modelProvider を書く
{
    "modelProvider": "gemini"
}
# 2. APIキーを環境変数に出す(永続化するならシェルプロファイルへ)
export GEMINI_API_KEY="your-api-key"

# 3. 起動するとサインイン画面を飛ばして本体が開く
agy

この状態ではヘッダーにアカウントのメールアドレスではなく「Gemini API key」と表示されます。公式ドキュメントに載っている注意点は次の6点です。

  • GOOGLE_API_KEY や .env ファイルに書いたキーは読まれない。GEMINI_API_KEY を環境変数として出す必要がある
  • modelProvider に gemini 以外を書くと無視され、通常のサインインに戻る(受け付ける値は gemini のみ)
  • modelProvider を設定したまま GEMINI_API_KEY を外すとCLIが起動しない
  • 起動時はキーが空でないかしか見ないため、無効なキーは最初の会話で初めてエラーになる
  • APIキー認証では保存セッションが存在しないため /logout は効かない
  • Gemini互換の別エンドポイントへ向けたい場合は GOOGLE_GEMINI_BASE_URL を設定する

もうひとつ、料金面で見落としやすい点があります。公式Plansドキュメントは「追加のレート制限のための独自キー・独自エンドポイントの持ち込み(BYOK/BYO endpoint)はサポートしない」と明記しています。つまりAPIキーを使っても、AntigravityのプランのクォータがそのぶんBYOKで増えるわけではありません。APIキー経由のリクエストはGemini API側の課金・無料枠で処理されます。「APIキーを入れれば無料枠が広がる」ではなく「課金の財布が別になる」と理解するのが正確です。

なお公式リポジトリのCHANGELOGを見ると、APIキー経路は継続して手当てされています。1.2.6でヘッドレス(-p / --prompt)実行時のデーモン常駐に対応し、1.2.9で非APIキー経路との挙動差を縮小、そして1.2.12(2026年9月27日)ではGemini APIが日次クォータ超過・プロジェクトや請求先の上限・プリペイド残高切れを返した場合に、数分間の無駄なリトライをせず即座に停止するよう変わりました(分単位の一時的なレート制限は従来どおりリトライ)。CIで回す前に、この版まで上げておくのが安全です。

移行の流れ(5ステップ)

個人向けでGemini CLIを使っていた場合の移行手順を、公式移行ガイド(Migrating from Gemini CLI)に沿って整理します(2026年9月27日確認)。

  1. Antigravity CLIを導入して初回起動する:前章のコマンドで入れて agy を実行すると、既存のGemini CLI設定を自動検知して「どの資産を移行するか」の対話式チェックリストが出ます。移行されるのは(a)拡張機能とグローバル設定の自動変換、(b)有効なセッショントークンのOSキーリングへの格納、(c)表示設定とレンダリングバッファの引き継ぎです
  2. コンテキスト設定はそのまま使える:GEMINI.md / AGENTS.md は変更不要でそのまま読み込まれると公式ガイドに明記。グローバルの ~/.gemini/GEMINI.md も引き続き参照されます
  3. 拡張機能をプラグインへ変換する:agy plugin import gemini で既存のGemini CLI拡張を取り込みます。実行すると拡張ごとに「skills 何件処理」「legacy commands を skills へ変換」「mcpServers を mcp_config.json へ移行」が並ぶ結果が出ます。ワークスペース単位のスキルは .gemini/skills/ → .agents/skills/ へ手動で移動が必要。グローバル共有スキルの置き場所も ~/.gemini/skills/ から ~/.gemini/antigravity-cli/skills/ に変わりました
  4. MCP(外部ツール連携)設定を移す:従来 ~/.gemini/settings.json にインラインで書いていたMCP設定が、独立ファイルへ分離されました。グローバルは ~/.gemini/config/mcp_config.json、ワークスペースは .agents/mcp_config.json です。さらにリモートサーバーのURLキー名が url / httpUrl から serverUrl へ統一されたため、手動移行時は書き換えが必要です
  5. 既存ワークフローの動作確認:普段の自動化・コーディング補助が同じように動くかを必ずテストします。カスタムテーマや実験的な表示機能は非対応の場合があると公式ガイドに記載されています

MCP設定の書き換え後の形は次の通りです(公式ガイドの例に沿った最小形)。

{
    "mcpServers": {
        "remote-indexer": {
            "serverUrl": "https://mcp.internal.example.com/sse",
            "env": {
                "AUTH_TOKEN": "環境変数から渡す"
            }
        }
    }
}

公式が「1対1対応はない」と明言している以上、「入れ替えれば終わり」ではなく「動かして差分を潰す」進め方が安全です。主要ワークフローの動作確認を終えてから本格移行してください。

Antigravity CLIで詰まりやすい4症状と公式の対処

移行後につまずく箇所は、公式Troubleshootingに症状と原因の対応表として載っています(2026年9月27日確認)。事前に読んでおくと、原因切り分けに使う時間がほぼゼロになります。

症状原因公式の対処
agy: command not foundバイナリの置き場所がシェルの PATH に入っていない~/.bashrc / ~/.zshrc に ~/.local/bin を追記して再読み込み。Windowsは管理者PowerShellでユーザー環境変数Pathへ追加し、ターミナルを再起動
secret keyring is locked/起動時にDBUS警告で止まるOSのキーチェーン/キーリングがロック、またはヘッドレスで参照できないmacOSはキーチェーンアクセスで agy のアクセス許可を確認(SSH時は security unlock-keychain)。Linuxはキーリングのアンロックとdbusセッションの起動(export $(dbus-launch))
SSH経由で画像・ファイルの貼り付けが失敗する通常のSSHはグラフィカルなクリップボードを転送しないiTerm2またはGhosttyを使い、iTerm2はクリップボードアクセスを許可(OSC 52)。tmux内なら set -s set-clipboard on
update.lock の警告が出て自動更新が進まないバックグラウンドの自己更新プロセスがロックを残した、または実行ディレクトリの書き込み権限がないrm -f ~/.gemini/antigravity-cli/updater/update.lock でロックを解放。自動更新を止めるなら AGY_CLI_DISABLE_AUTO_UPDATE=true を設定

自己更新は15分のTTLでデバウンスされ、~/.gemini/antigravity-cli/updater/ 配下のロックで同時実行を防いでいると公式ドキュメントに書かれています。共有サーバーやコンテナで動かす場合は、自動更新を切って版を固定するほうが事故が少ない設計です。

移行しないとどうなるか

個人向けプランのままの環境では、Gemini CLI / IDE拡張はすでに応答せず、依存していた自動化・コーディング補助は止まっています。「入っているのに動かない」状態になるため原因に気づきにくく、とくにCIやcronに組み込んでいた場合、誰も見ないまま処理が静かに失敗し続けます。心当たりがあれば、ログに冒頭のエラーが出ていないか今日確認してください。

切り分けは30秒で終わります。ターミナルで gemini を起動して、(1)「This client is no longer supported…」が出るなら個人向けアカウント=移行対象、(2)起動するなら継続側(APIキーか組織ライセンス)、(3)そもそも command not found なら認証の問題ではなくインストールの問題、です。

【法人視点】管理者が先に決める6項目(Gemini Enterpriseの管理設定)

ここからが、AIツールを組織で使う立場で本当に考えるべき部分です。Antigravityを法人で正規に配る経路はGemini EnterpriseのAI開発者ツールで、その管理設定は「何も触らなければこうなる」既定値がドキュメントに明記されています。この既定値を知らずに配ると、ターミナルコマンドの自動実行が有効なまま全員に配ることになります。

管理者が配布前に決める6項目。作業フォルダ外のファイルは拒否、ターミナル自動実行の既定を見直す、サンドボックスを有効にする、ブラウザ利用と許可URL、MCPサーバーの許可設定、プロンプトと応答のログ
配布前に決める管理6項目

公式ドキュメント(Configure AI developer tools settings・2026年9月27日確認)に載っている既定値は次の通りです。設定の行は7つありますが、ブラウザ関連の3行は「ブラウザをどこまで許すか」の1つの判断にまとまるため、実際に決めるべきことは6項目です。

設定選べる値既定値
作業フォルダ外のファイルアクセス拒否 / 毎回確認 / 許可拒否
ターミナルの自動実行毎回レビュー / サンドボックス内で実行 / 常に実行常に実行
サンドボックスモード有効 / 無効無効
ブラウザ利用有効 / 無効無効
許可URLリスト指定したURLのみ許可(未設定なら制限なし)未設定
ブラウザ内のJavaScript自動実行無効 / 実行前に確認 / 許可無効
MCPサーバー有効 / 無効(許可リストをJSONで定義)無効

注目すべきは「ファイルアクセスは既定で拒否なのに、ターミナルの自動実行は既定で『常に実行』」という組み合わせです。ファイルの読み書きには慎重で、コマンド実行には寛容という既定になっているので、社内配布の前に「毎回レビュー」か「サンドボックス内で実行」へ寄せるかを決めておく必要があります。監査ログ側は、プロンプトと応答のログ記録・メタデータのログ記録を設定でき、ログは自社プロジェクト内に保存され、モデル学習や人手レビューにGoogleが使うことはない、と明記されています。

前提条件も先に押さえておきます。AI開発者ツールを使うには、Gemini Enterprise Standard/Plus/Standard Emerging Market/従量課金のいずれかのサブスクリプションと、月次の請求書が発行される請求書払いのCloud Billingアカウントが必要です。設定変更にはGemini Enterprise管理者ロール(roles/discoveryengine.agentspaceAdmin)が必要で、管理者ロールだけでは利用権限は付きません(利用者には別途Gemini Enterpriseユーザーロールを付与する)。有効化するAPIは discoveryengine.googleapis.com と businessaicode.googleapis.com の2つです。新規契約は購入したロケーションで既定で有効、既存契約はロケーションごとに管理者が手動で有効化する必要があります。

また、Antigravity公式FAQには法人が事前に知っておくべき制約が3つ書かれています(2026年9月27日確認)。

  • サードパーティ製ツールからAntigravityのログインを使うのは利用規約違反:Claude Code・OpenClaw・OpenCodeなどの別のコーディングエージェントからAntigravityのログインを使う行為は規約違反で、アカウントの停止・終了の根拠になりうると明記されています。別のエージェントでGeminiを使いたい場合は、Gemini EnterpriseまたはGoogle AI StudioのAPIキーを使うよう案内されています
  • 18歳未満は利用できない:年齢要件を満たす場合は年齢確認を行えば継続できると記載
  • 地域と個人アカウントの制約:対象地域の個人Googleアカウント向けに提供されており、Workspaceアカウントで認証に問題が出る場合はGmailアドレスで試すよう案内されています。日本は提供対象地域の一覧に含まれています

1つめは社内ルールに直結します。「Antigravityの無料プランでログインして、手元の別のCLIから使う」という節約策は規約違反にあたるため、社内で明示的に禁止しておくのが安全です。

ステップ1:自社の利用形態を棚卸しする

まず「誰が・どのプランで・何に使っているか」を洗い出します。これで「止まった側か継続側か」が確定します。下記のプロンプトで自社の状況を整理してください。棚卸し自体の進め方はシャドーAIエージェントの棚卸し手順も参考になります。

あなたは社内のAIツール運用を管理する担当者です。
当社のGemini CLI / Gemini Code Assist の利用状況を棚卸しする
チェックリストを作ってください。

【確認したいこと】
- 誰が使っているか(部署・人数・用途)
- 契約形態(無料個人 / AI Pro / Ultra / 組織ライセンス Standard・Enterprise /
  Gemini APIキー / Vertex AI / Gemini Enterprise)
- 何の業務に組み込まれているか(自動化スクリプト、IDE補助、CI等)
- 契約の更新月と、更新時に機能が減る可能性があるか
- 止まった場合に影響が出る業務はどれか(影響度の高い順に)

【出力】
1. 上記を埋める表のテンプレート
2. 「停止対象(個人向け)」かどうかを判定するフロー
3. 影響度の高い業務から着手する優先順位

ステップ2:継続できるなら、まず落ち着く

既存の組織ライセンス(Standard/Enterprise)やAPIキー経由なら、6月の終了そのものの影響はありません。ただし2026年9月の2件の変更により、「更新のタイミングで条件が変わるかどうか」だけは先に確認が必要になりました。慌てて移行して既存の安定運用を壊すほうがリスクですが、更新月を把握しないまま放置するのも危険です。

当社のGemini CLI / Code Assist 利用について、
「今すぐ移行する」か「継続して計画的に評価する」かを判断する材料を整理してください。

【入力】
- 当社の契約形態: (無料個人 / Pro / Ultra / 組織ライセンス / API経由 / Gemini Enterprise)
- 契約更新月: (いつ)
- 業務での重要度: (止まると困る度合い)
- 移行にかけられる工数: (担当・時間)

【出力】
1. 「今すぐ移行が必要 / 当面継続でよい」の判定と理由
2. 継続を選ぶ場合に、いつ・何をトリガーに再検討すべきか
   (契約更新日の何か月前に何を確認するか)
3. 移行を選ぶ場合の、リスクを抑えた進め方(並行導入・段階移行)

ステップ3:個人向けなら、並行導入して検証する

無料個人・Pro・Ultraで業務に使っていたなら、Antigravity CLI(またはAPIキー認証)を導入し、普段のワークフローが動くかを検証します。重要度の低い作業から順に新環境で試すのが安全です。検証の観点をプロンプトで洗い出しておくと漏れません。

Gemini CLI から Antigravity CLI への移行検証チェックリストを作ってください。

【前提】
- 現在Gemini CLIで使っている主な機能: (例)コード生成、ファイル一括処理、MCP連携、独自スキル
- 重要な自動化: (例)日次のコードレビュー、ドキュメント生成
- 実行環境: (ローカル / SSH / CI)

【出力】
1. 移行後に「同じように動くか」を確認すべき項目の一覧
2. 各項目の確認手順(簡潔に)
3. ヘッドレス実行(-p / --prompt)で確認すべき固有の項目
4. 動かなかった場合の代替案(APIキー経由・別ツール等)
5. 切り替え可否を判断する基準

ステップ4:設定資産の引き継ぎを確認する

これまで積み上げた資産が新環境で活きるかを確認します。GEMINI.md / AGENTS.md はそのまま使えますが、MCP設定は独立ファイル化とキー名変更があり、ワークスペースのスキルは手動移動が必要です(前述の「移行の流れ」参照)。

Gemini CLIの設定資産をAntigravity CLIへ移すための確認リストを作ってください。

【対象】
- プロジェクト用コンテキスト設定ファイル(GEMINI.md / AGENTS.md)
- グローバル設定(~/.gemini/GEMINI.md)
- MCPの設定(mcp_config.jsonへの分離・serverUrlキーへの統一)
- スキルの置き場所(~/.gemini/skills/ → ~/.gemini/antigravity-cli/skills/ 、
  .gemini/skills/ → .agents/skills/)
- 独自に作ったスキル・ワークフロー(agy plugin import gemini での取り込み)

【出力】
1. それぞれ「そのまま使える / 移動が必要 / 設定変更が必要」を確認する項目
2. 移行漏れが起きやすいポイント
3. 移行後に最初にテストすべき項目

ステップ5:社内に周知する

複数人が使っている場合、影響と対応を一斉に共有するだけで混乱が大きく減ります。「自分の環境だけ壊れた」と誤解して時間を溶かす人を防げます。

社内向けに、Gemini CLI終了とAntigravity CLI移行のアナウンス文を作ってください。
落ち着いたトーンで、過度に不安を煽らず、やることが明確に伝わる文章に。

【状況】
- 2026年6月18日に個人向けGemini CLI / Code Assistが停止済み
  (ログイン時に「This client is no longer supported…」エラーが表示される)
- 既存の組織ライセンス・API経由は継続
- 個人向け利用者はAntigravity CLIへ移行(またはAPIキー認証へ切替)が必要
- 社内ルール: 他社製のコーディングエージェントからAntigravityのログインを
  使うのは提供元の規約違反にあたるため禁止

【出力】
1. Slack/メール向けの短い周知文(300字程度)
2. 「自分は移行が必要か」を判断する2〜3個の質問
3. 移行の大まかな流れと、困ったときの相談先

【要注意】移行でやりがちな失敗4つ

失敗1:自社の契約形態を確認せず全社で慌てる

❌ 「Gemini CLIが終わった」のニュースだけで全社が動き、既存の組織ライセンスで継続できるのに不要な移行を始める。
⭕ まず利用形態を棚卸し。止まった側か継続側かを確定してから動く。

失敗2:エラーが出てから、無検証で一気に切り替える

❌ 止まって初めてAntigravity CLIを入れ、その日のうちに本番の自動化を全部載せ替えて別のトラブルを踏む。
⭕ 重要度の低いワークフローから順に検証してから本格移行する。ヘッドレス実行は挙動が別なので個別に確認する。

失敗3:「名前が変わっただけ」と思い込む

❌ Antigravity CLIをGemini CLIの完全互換と思い、設定や手順をそのまま流用して動かない。
⭕ 公式が「1対1対応はない」と明言している前提で設定資産の引き継ぎ・動作確認を行う。MCPのキー名変更(url/httpUrl → serverUrl)やスキルの置き場所変更のような細かい非互換が実際にある。

失敗4:既存契約の更新月を見ないまま「継続側だから安心」と判断する

❌ 「うちは組織ライセンスだから影響なし」で調査を打ち切り、更新のタイミングでCode Assist機能が外れて初めて気づく。
⭕ 2026年9月4日・9月17日の変更を前提に契約更新日と、更新後に含まれる機能を先に確認する。重要業務はAPI経由や別手段でも代替できる設計に寄せておく。主要なAIコーディングエージェントの選択肢はAIコーディングエージェント比較で横並びにしています。

業界への示唆:ブランド統合と「外的要因で止まる」リスク

今回の件は、単なる1ツールの終了を超えた示唆を含みます。GoogleはAI開発ツールを「Gemini」ブランドから「Antigravity」へ統合しており、その過程で個人向けの既存ツールが整理され、2026年9月には法人向けの販売経路まで移りました。利用者の都合とは別のところで、提供側のブランド戦略・事業方針によってツールの入口が変わる——これは今のAI領域で繰り返し起きています。

記憶に新しいのは、Claude Fable 5が公開直後に規制を理由に停止した件です(Fable 5が利用停止になった理由と経緯)。理由は規制とブランド統合で異なりますが、共通するのは「性能や料金とは別の、外的要因でAIツールが止まりうる」という現実です。

移行先の透明性についても、事実は分けて書いておきます。Gemini CLIのオープンソースリポジトリは2026年9月27日時点も公開・更新が続いています(Apache 2.0・安定版 v0.61.0・スター数 107,166)。一方、Antigravity CLIについて公式ドキュメントがサポート窓口として案内するリポジトリ(google-antigravity/antigravity-cli)に置かれているのは、同日時点で README・CHANGELOG・サンプル・デモ動画だけです。ソースコードとライセンス表記は見当たらず、Gemini CLIと同じ意味での「ソース公開」には至っていません。ソースの透明性や自前ビルドを重視する開発者にとっては、引き続き移行判断の論点になります。

だからといってAIツールを使わない選択はあり得ません。現実的な答えは「使う。ただし、止まっても業務が続くように設計しておく」。AI活用の進め方はAI導入戦略の立て方、ツール全体の選定はAIエージェント導入の完全ガイドも参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 2026年6月18日にGemini CLIは完全に消えましたか?

消えていません。止まったのは「個人向けアカウントでのログイン」です。OSSのGemini CLIは2026年9月27日時点も開発が続いており(安定版 v0.61.0・2026年9月23日リリース・Apache 2.0)、Gemini APIキー認証・Vertex AI経由・既存の組織ライセンスなら現在も利用できます。

Q. うちの会社は影響を受けますか?

利用形態次第です。無料個人・Google AI Pro・Ultraは停止済み。既存のGemini Code Assist Standard/EnterpriseやGemini APIキー・Vertex AI経由は変更なしで継続しています。ただし2026年9月4日以降はCode Assistの新規サブスクリプションをGoogle Cloudコンソールから購入できず、2026年9月17日以降はGemini Enterprise Standard/Plusをオンラインで新規契約・更新してもCode Assist機能が含まれません。まず契約形態と更新月を確認してください。

Q. VS CodeのGemini Code Assist拡張は削除されましたか?

されていません。2026年9月27日時点でVisual Studio Code Marketplaceに公開されており(拡張ID Google.geminicodeassist・バージョン 2.100.0・2026年9月9日更新)、Standard/Enterpriseのアカウントなら使えます。個人利用の移行先は、Antigravity公式ドキュメントが案内する「Google Antigravity」拡張(拡張ID Google.google-antigravity・バージョン 1.5.0・2026年9月23日更新)で、VS Code 1.90以降が必要です。

Q. Antigravity CLIはGemini CLIと同じように使えますか?

完全な互換ではありません。移行告知ブログが「提供開始時点で機能の1対1対応はない」と明言しています。一方でAgent Skills・Hooks・Subagents・拡張機能(プラグインとして)は引き継がれ、GEMINI.md / AGENTS.md も変更不要で読み込まれます。MCP設定の独立ファイル化とキー名変更(serverUrl)、ワークスペーススキルの移動は手動対応が必要です。

Q. Antigravity CLIは無料で使えますか?無料枠は何回までですか?

無料で使えます。2026年9月27日時点、月0ドルのIndividualプランがあり、週単位でリフレッシュされる基本クォータと週次レート制限つきで利用できます。Tab補完とCommandリクエストは無制限と公式料金ページに記載があります。ただし「1日◯回」のような具体的な回数は公式に記載がありません。公式Plansドキュメントは「レート制限はエージェントが実際に行った作業量と相関し、タスクが単純なら多くのプロンプトを投げられる」「利用上限は変更されうる」と説明しています。

Q. Antigravity CLIでも自分のGemini APIキーを使えますか?

使えます。~/.gemini/antigravity-cli/settings.json に "modelProvider": "gemini" を書き、GEMINI_API_KEY を環境変数として出してから agy を起動します。環境変数だけではプロバイダが切り替わらない点、GOOGLE_API_KEY や .env は読まれない点が公式ドキュメントに明記されています。なおPlansドキュメントは「追加のレート制限のための独自キー・独自エンドポイントの持ち込みはサポートしない」と記載しており、APIキーを入れてもプラン側のクォータが増えるわけではなく、課金がGemini API側に移る形になります。

Q. Gemini Code Assistの法人版(Standard/Enterprise)はどうなりますか?

既存契約は変更ありません。非推奨化ドキュメントのFAQに「Standard/EnterpriseでのIDE拡張とGemini CLIへのアクセスは変更なし」と明記されています。2026年9月27日時点で法人版の終了日は公式に発表されていません。変わったのは新規契約の経路で、2026年9月4日以降はGoogle Cloudコンソールからの新規購入ができず、Google Cloud営業への問い合わせが必要です。料金は月契約で1ユーザーあたり Standard 22.80ドル(1ドル150円換算で約3,420円)、Enterprise 54.00ドル(同換算で約8,100円)です。

Q. Gemini CLIはいつまで使えますか?

APIキー認証・Vertex AI経由・組織ライセンスでの終了日は、2026年9月27日時点で公式に発表されていません。OSSの開発も継続中です(2026年9月23日に v0.61.0)。移行告知ブログは企業顧客について「Gemini CLIは有料のGeminiおよびGemini Enterprise Agent PlatformのAPIキー経由で引き続き利用できる」と書いています。ただし提供方針は変わりうるので、重要業務では「止まっても代替が効く設計」をおすすめします。

Q. Gemini CLIを終了(アンインストール)するにはどうすればいいですか?

セッションを抜けるだけなら、CLIのプロンプトで /quit を実行します。ツール自体を消す場合は、導入方法に応じて npm uninstall -g @google/gemini-cli(npmでグローバル導入した場合)または brew uninstall gemini-cli(Homebrewの場合)を実行します。Antigravity CLI側は、アカウントのセッションとキーリングの認証情報を消すなら CLI内で /logout を実行します(APIキー認証時は保存セッションがないため /logout は効きません)。

まとめ

  • ① 2026年6月18日に個人向けGemini CLI / Code Assistは停止済み。いまは「This client is no longer supported…」エラーが出る。既存の組織ライセンス・Gemini APIキー・Vertex AI経由は変更なしで継続し、OSS本体も開発継続中(2026年9月23日に v0.61.0)
  • ② 後継はAntigravity CLI(コマンド agy・最新版 1.2.12・Individualプランは月0ドル)。GEMINI.mdやスキルは引き継げるが「1対1の機能対応はない」と公式が明言しており、動作確認は必須。APIキーで動かす場合は settings.json の modelProvider 指定が必要
  • ③ 2026年9月4日・9月17日の変更で「組織ライセンスの新規契約」の入口が営業経由へ移った。既存契約は影響なしだが、更新月と、Gemini Enterprise側の管理設定の既定値(ターミナルの自動実行が既定で「常に実行」)は配布前に確認する

最新ツールが提供側の方針で突然終わる——今回の件は「ツールは外的要因で止まりうる」という前提を改めて突きつけました。重要なのは、自社の状況を正確に把握し、エラーに慌てず正しい経路で復旧すること。そして契約の更新月と管理設定の既定値を、事故が起きる前に押さえておくことです。自社のAI活用を「止まらない設計」にしたい場合は、記事末のリンクからご相談ください。


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参考・出典


佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・シリーズ累計約6万部)。SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

この記事の内容を社内展開する方へ: 生成AI活用事例 業務別50選(無料・PDF 32ページ+Excel) をダウンロードできます。

佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

執筆・監修:佐藤傑/下書き・図版・機械検査:当社のAI社員(人が確認してから公開しています)。記事の作り方と検査の方針

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