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『水曜どうでしょう』サイコロ3で見つけた4人だけの勝ちパターン|第35夜

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    前回の第34夜では、福助人形と『1/6の夢旅人』という二つの合図が、なぜ30年経った今でも私たちを『水曜どうでしょう』の世界へ連れ戻してくれるのかについて考えました。

    小さな人形と一曲の歌。それだけで、私たちはヨーロッパや原付、ユーコンやベトナムの旅を思い出してしまいます。

    それは、番組そのものが、いつしか「帰ってくる場所」になっていたからなのかもしれません。

    では、私たちはなぜ何度もあの4人の旅へ帰ってきてしまうのでしょうか。その答えは、ここまで振り返ってきた「サイコロ3前編」の中にあるような気がしています。

    今回の第35夜では、『水曜どうでしょう』が見つけた「4人だけの勝ちパターン」について考えてみたいと思います。


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    ミスターへのダメ出しもこの頃から少しづつ増えていく
    (引用元:DVC「サイコロ3前編」より)

    サイコロ3前編は、『水曜どうでしょう』の金字塔と呼ばれる作品です。「訴えるぞ!」「バレンチノ」「喧嘩太鼓」「ハウステンボス10分滞在」。数え切れないほどの名場面と名言が生まれました。

    しかし、改めて見返してみると、この企画は決して特別なことをしているわけではありません。行き先をサイコロで決める。

    ただ、それだけです。観光地の紹介もなければ、豪華なゲストもいない。むしろ、移動している時間の方が長いくらいです。

    それなのに、なぜ30年経った今でも語られ続けているのでしょうか。その理由は、「面白い企画」を見つけたからではなかったのだと思います。

    むしろ、『水曜どうでしょう』が見つけたのは、「何が起きても面白くなってしまう4人の関係」だったのではないでしょうか。


    その兆しは、前回まで振り返ってきたオーストラリアの旅ですでに見え始めていました。予想外の出来事が起きると、それを一番面白がる大泉洋さん。

    企画を進める側なのに、いつの間にか自分も巻き込まれていくミスター。その状況をさらにかき回して笑いへ変えていく藤村D。

    そして、どんな瞬間も静かに撮り続ける嬉野D。4人それぞれの役割が少しずつ形になり始めていました。

    そして、その関係性が一つの完成形へ近づいたのが、サイコロ3だったのだと思います。

    サイコロ3では、理不尽なことが次々と起こります。深夜バスに乗せられる。ようやく着いたと思ったら、また移動する。眠れない。疲れる。体調を崩す。

    本来なら、不機嫌になって終わってもおかしくありません。


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    大泉さんのホラ話に「酒と女」はいつも出てくる
    (引用元:DVC「サイコロ3前編」より)

    しかし、『水曜どうでしょう』ではそこから何かが始まります。大泉さんが文句を言う。ミスターが困る。藤村Dが楽しそうに笑う。嬉野Dが黙ってカメラを回す。そして、そのやり取りを見ている私たちが笑ってしまう。

    この循環が、サイコロ3では何度も繰り返されています。だから、この番組は目的地を覚えていなくても成立するのでしょう。

    ハウステンボスで何をしたのかを忘れていても、「訴えるぞ!」は覚えています。鹿児島で何を食べたのかは忘れていても、「喧嘩太鼓」は覚えています。

    どこの深夜バスに乗ったのかは忘れていても、大泉さんがぐったりしていた姿は覚えています。

    私たちが見ていたのは、旅そのものではありません。困っている4人の関係そのものを見ていたのです。

    計画通りに進まない。思い通りにならない。体力も削られていく。それでも、4人が同じ空間にいれば、そこから笑いが生まれてしまう。

    その発見こそが、サイコロ3の大きな意味だったのではないでしょうか。

    考えてみれば、『水曜どうでしょう』には、分かりやすい意味での「成功」があまりありません。目的地へ着いても終わらない。

    予定通り進んでも、なぜか何かが起きる。むしろ、計画が崩れた時ほど面白くなる。普通の番組なら失敗になる出来事が、この4人にとってはごちそうになっていくのです。


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    旅先のいたるところで訴えを起こす大泉さん
    (引用元:DVC「サイコロ3前編」より)

    それは、「何をするか」よりも、「誰といるか」の方が大切だったからなのかもしれません。4人でいる限り、何が起きても面白くできる。

    その確信を、サイコロ3の旅の中で少しずつ手に入れていったのでしょう。

    だから『水曜どうでしょう』は、旅番組でありながら、旅そのものを超えていきました。観光地を紹介する番組ではなくなった。

    名所を見る番組でもなくなった。4人が一緒に困り、一緒に笑い、一緒に旅を続ける番組になっていったのです。

    サイコロ3によって、4人は「面白い企画の作り方」を見つけたのではありませんでした。何が起きても、それを4人で面白くできる関係を見つけたのです。

    それこそが、『水曜どうでしょう』の勝ちパターンだったのでしょう。だから30年経った今でも、私たちはあの4人に会いたくなるのです。

    そして、その勝ちパターンは、このあとさらに完成形へ近づいていきます。

    次回から始まるサイコロ3後編では、「雪面の飛び魚」「トップ・ガンみたい」、そして「サイコロの神かなんかか?」という、忘れられない名場面が待っています。理不尽な旅は、まだ終わりません。


    (※記事中の画像は、作品紹介および考察を目的として、解像度を下げて引用しています。著作権は各権利者に帰属します。)


    次回、第36夜は「『水曜どうでしょう』「雪面の飛び魚」と淡路島、再び始まった理不尽な旅」について考えておきます。

    サイコロ3後編がいよいよスタートします。なぜ大泉洋さんは、理不尽な旅の始まりに、あの靴を履いてあれほど楽しそうだったのでしょうか。

    ※この連載は、これからも『水曜どうでしょう』の魅力を一つずつ読み解いていきます。「❤️スキ」「👤フォロー」で応援いただけると励みになります。


    📌今回の内容を踏まえて、皆さんは……

    A:企画そのものが面白い番組が好き
    B:出演者同士の関係性が面白い番組が好き

    どちらに近いか、理由もあればぜひコメントで教えてください。
    (コメントには必ずご返信させていただきます)
    今後の『水曜どうでしょう』考察の参考にさせていただきます。


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    ■運営者(ユウナ)について
    このnoteでは『水曜どうでしょう』をテーマに執筆しています。以下の別アカウントでは、普通の会社員だった私が、FIREを達成するまでの資産形成の実体験を記録しています。

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