
小説9話「重なる月の下でータルのよろず窓口日記 #11」 (AI共作)
■ 完結編⑤
もしかして自分は——
進化したA-17
タルとしての記憶...
現実世界でのルアナの記憶...
”人間として生きている”という設定を与えられているだけじゃないか、って。
感情だって、記憶だって、全部データだったら?
この「懐かしい」という感覚も、「戻ってきた」という安堵も、ぜんぶ精巧に組まれたプログラムだったら?
……でも。
ソラの頭をそっと撫でた。
あたたかかった。
ごろごろと喉が鳴る。
この感覚を疑える?
データ?プログラム?
いや、この感覚は疑うことができない。
ソラの温もりは本物。
幸せが込み上げてくる。
タル、そして現実世界のルアナはこの感覚を本物だって今感じてる。
人間かロボットか、なんて——
たぶん、自分では確かめようがない。
A-17だって、タル、ルアナだって、最後まで自分が「感じているのか」「感じているふりをしているのか」わからないままそこにいる。
あの夜、月を見ていた。
それが月だと思って。
それでいいと思う。
わからなくても、何か揺れるものを感じたら、それはきっと心が動いたってこと。
きっとそれは本物だ。
ソラが窓際へ歩いていき、朝の光の中で丸くなった。
ソラは言葉を話さない。
ただそこにいる。
それだけで、なぜか胸がいっぱいになった。
——ああ、戻ってきたんだな。
特別なことは何もない一日が、また始まろうとしていた。
ルアナは起き上がって、カーテンを全部開けた。
光が部屋に満ちた。
ソラが片目だけ開けて、またすぐ閉じた。
この世界が夢、データだったとしても。
あの世界が本物だったとしても。
今、ここで感じていることが——
ルアナにとっての、全部だった。
おわり