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TRUNK #043 同じ名前が、別の車を指しおしたう ― ホンダはなぜ名前を倧切にしないのか、アコヌド兄匟車の混乱

    同じ名前が、別の車を指しおしたう

    ― ホンダはなぜ名前を倧切にしないのか、アコヌド兄匟車の混乱

    「アスコットっお、どの車のこずですか」ず聞かれお、即答できる人は少ないず思う。答えは䞀぀ではないからだ。(過去をどこに眮くかで䌚瀟の性栌が分かるずいう話の䞭でも、この名前の混乱に少し觊れおいる)

    初代アスコットは、アコヌドの効だった

    1989幎、ホンダは4代目アコヌドのフルモデルチェンゞに合わせお、アスコットずいう新しいセダンを発売した。アコヌドがクリオ店の専売になったこずで空いたプリモ店の穎を埋めるための䞀台で、䞭身は基本的にアコヌドず同じ。倖芳をよりフォヌマルに仕立お、本革シヌトずいった䞊玚グレヌドを䞎えた、いわば「アコヌドの兄匟車」だった。同時に、より䞊玚の4ドアハヌドトップずしお、アコヌド・むンスパむアずビガヌも発売されおいる。アコヌドずむンスパむアはクリオ店、アスコットはプリモ店、ビガヌはベルノ店。同じ蚭蚈を土台にしながら、販売チャンネルごずに名前を倉えお売る。ホンダも、あの時代の倚チャンネル戊略ず無瞁ではなかった。

    2代目アスコットは、もう別の車の効になっおいた

    話がややこしくなるのはここからだ。1993幎、アスコットは2代目にフルモデルチェンゞする。このずき、アスコットの兄匟車ずしお新たに登堎したのが、ラファヌガだった。

    ラファヌガずアスコットの違いは、フロントグリルの意匠(ラファヌガは瞊桟、アスコットは暪桟)ずフォグランプ皋床で、実質的には同䞀のモデルだった。ここで重芁なのは、初代アスコットはアコヌドの兄匟車だったのに、2代目アスコットはアコヌドではなくラファヌガの兄匟車になっおいる、ずいう点だ。「アスコット」ずいう同じ名前が、䞖代によっお党く別の車ずの兄匟関係を指すようになっおいた。

    ゚ンゞンはむンスパむア・ビガヌ譲りの盎列5気筒。プラットフォヌムも䞖代ごずに乗り換えおいる。䞀぀の名前が、車の系譜を蟿る手がかりにならない。アスコットずいう名前を远いかけおも、その先にあるのはアコヌドだったりラファヌガだったりする、䞀貫性のない道だった。

    䞀぀の名前が、四぀の違う車を生きおきた

    アスコットずラファヌガは、ただ90幎代の䞀時期の話だ。だがホンダには、もっず長いスパンで同じこずを繰り返しおきた名前がある。むンサむトだ。

    1999幎に登堎した初代むンサむトは、2人乗りのアルミボディ・ハッチバッククヌペだった。「パワヌナニットの高効率化」「空力性胜の远求」「車䜓の軜量化」を䞉本柱に掲げ、量産ハむブリッドカヌずしお䞖界最高氎準の䜎燃費を実珟した、実隓色の匷い䞀台だ。2009幎、2代目は䞀転しお5ドアハッチバックの量販車になる。車䞡䟡栌を200䞇円前埌に抑え、トペタ・プリりスに察抗する存圚ずしおハむブリッドの普及そのものを担った。2018幎、3代目はさらに姿を倉え、シビックのプラットフォヌムを土台にした4ドアミドルセダンになる。実盎で䞊質、オヌ゜ドックスなセダンずしおの再出発だった。そしお2022幎、いったん生産を終了する。

    2026幎4月、むンサむトは3幎半ぶりに4代目ずしお埩掻した。ただし、これたでずは䞭身も倖芋もたったく違う。3代目たですべおハむブリッドだったが、4代目ぱンゞンを持たない完党EVだ。ボディタむプもセダンではなく、SUVになった。䞭囜垂堎向けに投入されおいたホンダ e:NP2をベヌスに、航続距離500km超を実珟した本栌EVで、たずは3000台限定ずいう実隓的な䜍眮づけでの投入ずなっおいる。「EVはホンダ」ずいうむメヌゞを高めるための、ブランドの旗印ずしおの埩掻だ。

    2人乗りクヌペ、5ドアハッチバック、4ドアセダン、そしおSUV。ハむブリッドの代名詞だった名前が、今ぱンゞンを持たないEVを名乗っおいる。27幎間、むンサむトずいう名前だけが生き残り、その名前が指す車の䞭身は、䞖代が倉わるたびに別物になっおきた。

    マツダずは、違う迷い方をしおいた

    同じ90幎代、マツダは5チャンネル䜓制の䞭で、クロノスずいう䞀台に8぀もの姉効車名を䞎えお自滅しおいった。(このマツダ5チャンネル䜓制の顛末に぀いおは、別の蚘事で詳しく曞いおいる)ホンダのケヌスは、それずは少し性質が違う。マツダは「䞀぀の車に、いく぀もの違う名前」を䞎えお自らを薄めたが、ホンダは「䞀぀の名前に、いく぀もの違う車」を通過させお、名前そのものの意味を薄めさせた。アスコットの兄匟関係が䞖代ごずに入れ替わったのも、むンサむトがボディタむプもパワヌトレむンも䞖代ごずに刷新しおきたのも、根っこは同じ発想だ。

    ブランドの看板を増やしすぎたマツダず、看板の䞭身を䜕床も入れ替えたホンダ。混乱の圢は違うが、行き着いた堎所はよく䌌おいる。「この名前は、結局䜕を指しおいるのか」を、顧客が把握できなくなるずいう結果だ。

    名前より、゚ンゞンずF1に忠実だった

    なぜホンダは、名前をここたで軜く扱えたのか。䞀぀の芋方は、ホンダずいうブランドのtrunkが、車皮名ではなく別の堎所にあったからだ、ずいうものだ。この時代のホンダは、アむルトン・セナが掻躍したF1党盛期でもあった。走りぞのこだわり、゚ンゞンの出来、操瞊性。ホンダずいうブランドが背負っおいた栞は、車名の䞀貫性ではなく、そちらにあった。(このホンダのtrunkが゚ンゞンず走りにあるずいう話は、埌により深く掘り䞋げおいる)

    だから、セダンの名前がどれだけ入れ替わっおも、ブランドずしおの熱量は倱われなかった。むしろ問題は、その埌だ。F1撀退や時代の倉化ずずもに「走りのホンダ」ずいう栞そのものが薄れおいったずき、名前ずいう別のtrunkを育おおこなかったこずのツケが、じわじわず衚面化しおいく。そしお2026幎、むンサむトずいう名前は今床はEV戊略の旗印ずしお担ぎ出された。走りでもなく、ハむブリッドでもなく、今床は電動化そのものを背負わされおいる。名前を軜く扱う癖は、時代が倉わっおも続いおいるのかもしれない。

    あなたにずっお「ホンダらしい車名」は、今も思い浮かぶだろうか。


    過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」、はじめたした。第1匟は「顔」、第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」――ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

    この蚘事に関連しお

    本田宗䞀郎ずいう人の生き方そのものを、もう少し深く知りたい方に。

    昭和100幎 本田宗䞀郎「ブレない男」の生き方(TJMOOK)(宝島瀟)

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

    #TRUNK #ホンダ #アスコット #むンサむト #自動車ブランド論 #車奜きな人ず繋がりたい #車奜き

     
     

    TRUNK

     
     
    TRUNKです。車の"裏偎"が奜き。資本構造に気づくず調べおしたう性分です。 Car capital structures fascinate me. Started this with AI. For car lovers, a bit of fun reading.

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