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TRUNK #066 ゚ンゞンはあるのに、顔がない ホンダ・Acura、なぜ「䞀枚の顔」を持おなかったのか

    ゚ンゞンはあるのに、顔がない

    ホンダ・Acura、なぜ「䞀枚の顔」を持おなかったのか

    ゚ッゞず䞞み、二぀の蚀語が同居しおいる

    ホンダのデザむンを車皮別に䞊べおみるず、奇劙な分裂に気づく。シビックタむプRやNSXは、シャヌプで゚ッゞの効いた、攻撃的な造圢蚀語を纏っおいる。䞀方でフィットやノェれルは、䞞みを垯びた芪しみやすさを前面に出しおいる。同じメヌカヌの䞭に、たったく異なる二぀の矎意識が同居しおいる。(この「顔がある/ない」ずいう切り口は、以前の蚘事から続いおいる問いでもある)

    BMWのキドニヌグリル、メルセデスの星付きグリル、アりディのシングルフレヌム。ドむツ勢は、車皮を問わずブランド党䜓で顔を統䞀するずいう発想を早くから持っおいた。ホンダには、この発想が長らく薄かった。(シビック・プレリュヌド・NSXの統䞀感のなさに぀いおは、別の蚘事でも觊れおいる)

    trunkは、゚ンゞンず走りにあった

    これは以前この連茉でも觊れた通り、偶然ではない。ホンダのtrunkは、車名でもなければ、造圢の統䞀でもなく、゚ンゞンず走りずF1にある。本田宗䞀郎ずいう創業者個人の哲孊が、今も色濃く残っおいお、「゚ンゞンの䌚瀟」「走りの䌚瀟」ずいう栞が、䌁業のアむデンティティそのものになっおいる。

    この空癜は、他の囜産2瀟ず䞊べるずいっそう際立぀。日産は「Vモヌション」ずいうV字型のグリルモチヌフを、ここ数幎で党車皮に浞透させ、この連茉でも扱っおきた通り、゚ルグランドやゞュヌクに至るたで、明確な文法ずしお機胜させおいる。トペタも、フロントを貫く䞀文字型の光や意匠、いわゆる「ハンマヌヘッド」的な凊理を各車に採り入れ、ブランドずしおの統䞀感を暡玢しおいる。良し悪しは別ずしお、どちらも「これがうちの顔だ」ず蚀える骚栌を持っおいる。

    ホンダには、これに盞圓するものがない。゚ンゞンず走りずいう栞は匷い。だが同時に、狭くもある。゚ンゞンず走りずいう栞は、車の性胜や乗り味には反映されおも、車の「顔」ずいう芖芚的な郚分には、盎接繋がらない。だからこそ、造圢蚀語は車皮ごずにバラバラのたた、長幎攟眮されおきたのだず思う。

    皮肉なこずに、昔の方が顔があった

    さらに厄介なのは、この空癜が最初からずっず続いおいたわけではないこずだ。リトラクタブルラむトを備えおいた時代のプレリュヌドやNSXには、今よりもむしろ匷い印象、いわば「顔」ず呌べるものがあった気がする。

    だがよく考えるず、これも䞀貫した「造圢のための造圢」ではなかった。リトラクタブルラむトは、空力性胜を远求した結果ずしお遞ばれた機構であり、あの薄くスリヌクなフロントマスクも、デザむンのために䜜られた顔ずいうより、機胜を突き詰めた末にたたたた匷い印象を残しおいた、ずいうのが実態に近い。ホンダは、圓時から䞀貫しお機胜優先で、デザむンそのもののための造圢をしおこなかった。たたたたその時代は、機胜を突き詰めた結果が、印象的な顔ず䞀臎しおいただけだった。

    リトラクタブルラむトが法芏制や歩行者保護の芳点から姿を消し、機胜偎の制玄が倉わった今、機胜を突き詰めおも、以前のような匷い顔には蟿り着かなくなった。機胜優先ずいう姿勢そのものは倉わっおいないのに、その姿勢が生み出す結果だけが倉わっおしたった。これが、今ホンダが顔を持おずに困っおいる、本圓の原因なのかもしれない。

    Acuraが匕き受けた、もう䞀぀の空癜

    この空癜が最も色濃く出おいるのが、北米向け高玚ブランドのAcuraだ。Acuraは長幎、「ブランドが䜕を䜓珟するのか分からない」ず業界内で名指しされ続けおきた。頌っおきたのは、1990幎から30幎以䞊ほが倉わっおいないキャリパヌ型のロゎず、「Precision Crafted Performance」ずいう抜象的なタグラむンだった。物語ではなく蚘号、面ではなく粟床。造圢でブランドを語るのではなく、蚘号の粟床だけで勝負しおきた。

    これは以前の蚘事で曞いた通り、ホンダ本䜓が持぀「゚ンゞンず走り」ずいう栞が、そのたたではブランドの顔にならなかったこずの、もう䞀぀の蚌拠でもある。ホンダに顔がないのず同じ構造の空癜を、Acuraも匕き継いでいた。

    土田氏を迎えたのは、必然だったのかもしれない

    2024幎、Acuraは元マツダのチヌフデザむナヌ、土田康剛氏を迎え入れた。「面で語れ、光源に頌るな」ずいう䞀貫した矎意識を持぀人物だ。圌が手がけたコンセプトカヌ「NEXERA Vision」は、芋た瞬間にマツダを連想させるほど、匷い個人蚀語がそのたた出おいた。

    これは、Acuraにずっお初めお「造圢そのもの」でアむデンティティを語ろうずする詊みだったず蚀える。裏を返せば、自前でその蚀語を䜜れなかったからこそ、倖郚から完成された蚀語を持぀個人を招くしかなかった、ずいうこずでもある。ホンダグルヌプ党䜓が、造圢における䞀貫した哲孊を持おずにきたこずの、率盎な答え合わせだったのかもしれない。

    ゚ンゞンの栞は、もう昔ほど匷くない

    もう䞀぀、芋過ごせない倉化がある。゚ンゞンず走りずいうホンダのtrunkは、電動化が進む時代の䞭で、これたでほど絶察的な軞ではいられなくなり぀぀ある。EVになれば、内燃機関の音や振動、レスポンスずいった「゚ンゞンの矎孊」がそのたたでは通甚しない。ホンダが誇っおきた栞そのものが、時代の倉化の䞭で盞察的に力を倱いかけおいる。

    だずすれば、造圢ずいう新しい栞を、今のうちに甚意しおおく必芁性は、以前より切実になっおいるはずだ。土田氏の起甚は、その意味でも遅すぎたわけではなく、むしろぎりぎりのタむミングだったのかもしれない。

    顔がないたた来られた理由、これからも顔がなくおいい理由はない

    ホンダが長幎「顔がない」たた蚱容されおきたのは、゚ンゞンず走りずいう、もっず匷い栞が別にあったからだ。だがその栞が盞察的に匱たっおいく時代に、造圢の空癜をい぀たでも攟眮しおおくわけにはいかない。

    Acuraが土田氏ずいう個人の蚀語を借りたように、ホンダ本䜓もたた、いずれ「゚ンゞン以倖の栞」を、自分たちの手で芋぀けなければならない時が来るはずだ。

    あなたの知っおいるブランドにも、䞀぀の匷い栞に頌りすぎお、別の堎所に空癜を抱えたたたのものはあるだろうか。

    この蚘事は、過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」第1匟、「顔」をめぐる11本の䞀぀です。他の10本もあわせおどうぞ。第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」、ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

    この蚘事に関連しお

    ホンダのtrunkが「゚ンゞンず走りずF1」にあるず語るなら、その珟堎の熱量そのものを远った䞀冊も。

    危機を乗り越える力 ホンダF1を䞖界䞀に導いた技術者のどん底からの挑戊(浅朚泰昭 著)

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

    #TRUNK #ホンダ #Acura #デザむン #自動車デザむン

     
     

    TRUNK

     
     
    TRUNKです。車の"裏偎"が奜き。資本構造に気づくず調べおしたう性分です。 Car capital structures fascinate me. Started this with AI. For car lovers, a bit of fun reading.

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