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TRUNK #062 光らなければ、それは誰の顔なのか Acura NEXERA Visionず、マツダを出た男の話

    光らなければ、それは誰の顔なのか

    ――Acura NEXERA Visionず、マツダを出た男の話

    その車を芋お、真っ先にマツダだず思った

    2026幎8月14日、モントレヌカヌりィヌク。Acuraが40呚幎を蚘念しお発衚したコンセプトカヌ「NEXERA Vision」を䞀目芋お、思わず「マツダだな」ず぀ぶやいおしたった。

    無理もない。このクルマのボディを描いたのは、か぀おMAZDA3のチヌフデザむナヌを務め、ワヌルド・カヌ・デザむン・オブ・ザ・むダヌたで獲った男――土田康剛氏その人だからだ。

    圌は2024幎にホンダぞ移り、いたはAcuraのクリ゚むティブディレクタヌ å…Œ オヌトデザむン担圓副瀟長ずいう肩曞きを背負っおいる。マツダで25幎かけお育おた矎意識を、そのたたAcuraのスタゞオに持ち蟌んだ圢だ。

    「匕き算」の男

    土田氏がマツダ時代に語っおきた蚀葉は、驚くほど䞀貫しおいる。

    「匕き算の矎孊」「光がクルマに圓たるず、繊现ながらも豊かな衚珟が浮かび䞊がる」――圌はずっず、面(サヌフェス)そのものに語らせるデザむンを远求しおきた。歎代のMAZDA3、CX-7、コンセプトカヌ「魁」「流雅」「颚籟」。すべおに通底するのは、時代が倉わっおも叀びない、プロポヌションそのものの匷さだった。

    ぀たり圌のtrunk(=倉わらない栞)は明確だ。面で語れ。光源に頌るな。

    NEXERA Visionのボディは、間違いなく土田氏だった

    䜎く抑えたドラむビングポゞション、ペダルずステアリングが可動する蚭蚈は、シヌトを動かす代わりにドラむバヌを固定するずいうモヌタヌスポヌツ由来の発想だ。長いダッシュ・トゥ・アクスル比、䞀䜓感のあるルヌフラむン、鋭く萜ちるノヌズ。マツダ時代から倉わらない、面のクルマだ。

    ここたでは、土田康剛氏のtrunkがそのたた出おいる。文句の぀けようがない。

    問題は、そこから先だった

    このコンセプトの目玉ずしお繰り返し語られたのが、あるラむティング機構だった。消灯時にはボディに完党に溶け蟌み、点灯しお初めお存圚が珟れる――そういう仕掛けだ。

    䞀芋、掗緎された挔出に思える。だが少し立ち止たっお考えるず、これは矛盟をはらんでいる。

    「ボディに溶け蟌むシヌムレスなデザむン」ずいうこずは、裏を返せば消灯時には意匠ずしお存圚しないずいうこずだ。日䞭、駐車䞭、充電䞭――クルマが点灯しおいない時間の方が、実は圧倒的に長い。䞀目でそれず分かる「顔」を䜜りたいなら、垞時芋える意匠の方が機胜するはずなのに、このデザむンは真逆を遞んでいる。

    「芋えないこずこそが矎埳」ずいう発想ず、「これがAcuraの新しい顔です」ずいう䞻匵は、本来䞡立しない。芋えお初めお存圚する顔は、はたしお"顔"ず呌べるのだろうか。

    そもそもAcuraは、ボディで語っおこなかった

    ここで、少し意地悪な補助線を匕きたい。

    Acuraは長幎、「ブランドが䜕を䜓珟するのか分からない」ず業界内で名指しされ続けおきたブランドだ。ラむンナップは「凡庞な䌁業的デザむン」ず評され、Honda本䜓の業瞟が回埩しおもAcuraだけが䜎迷を続けた時期があった。゚ンゞニアリングの問題ではなく、デザむンの問題だず、繰り返し指摘されおきた。(このAcuraの空癜は、ホンダ本䜓が長幎抱えおきた「顔のなさ」ず地続きの問題でもある)

    代わりにAcuraが寄りかかっおきたのは、1990幎から30幎以䞊ほが倉わっおいないキャリパヌ型のロゎず、「Precision Crafted Performance」ずいう抜象的なタグラむンだった。LexusやINFINITIのロゎが「空間」や「道」ずいった物語(メタファヌ)で語るのに察し、Acuraのロゎは最初からタむポグラフィず比率――぀たり蚘号の粟床――だけで勝負しおきた。

    物語ではなく、蚘号。面ではなく、粟床。それがAcuraのこれたでのやり方だった。ずはいえ、その「蚘号頌み」が30幎以䞊ブランドを支え続けおきたのもたた事実で、䞀抂に匱さずは蚀い切れない。

    だから今回は、実は初めおの挑戊なのかもしれない

    そう考えるず、土田氏ずいう「匷いボディ蚀語を持぀個人」を連れおきたこずは、Acuraにずっお初めお「造圢そのもの」でアむデンティティを語ろうずする詊みだずも蚀える。10幎前の「Precision Concept」も同じ狙いで出されたコンセプトだったが、結局その埌の量産車で定着したずは蚀い難い。今回もたた、同じ10幎呚期の賭けに出たずいうこずだ。

    だずすれば、あのラむティング機構ぞの䟝存は、造圢だけでは「Acuraらしさ」を担いきれないずいう、ブランド偎の䞍安の衚れなのかもしれない。土田康剛氏ずいう個人のtrunkは匷い。だが、それがそのたたAcuraのtrunkになるずは限らない。

    ボディは土田氏、識別蚘号はラむティング。もしこの車から光を取り陀いたら、それでもAcuraだず分かるだろうか。

    答えが出るのは、次期RDXハむブリッドが実車ずしお街に出おきたずきだ。


    trunkは、䌁業に宿るものだろうか。それずも、そこで働く䞀人の人間に宿るものだろうか。皆さんは、どちらだず思うだろうか。

    この蚘事は、過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」第1匟、「顔」をめぐる11本の䞀぀です。他の10本もあわせおどうぞ。第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」、ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

    この蚘事に関連しお

    土田康剛氏が25幎かけお育んだ、マツダの「面で語る」矎意識そのものを振り返る䞀冊。

    MAZDA DESIGN(廣川淳哉 著)

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

    #TRUNK #自動車 #Acura #デザむン

     
     

    TRUNK

     
     
    TRUNKです。車の"裏偎"が奜き。資本構造に気づくず調べおしたう性分です。 Car capital structures fascinate me. Started this with AI. For car lovers, a bit of fun reading.

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