
猫の耳は、とっても薄い。
猫の耳は、とっても薄い。
耳の厚さにも個性があることを知ったのは、猫と出会ってからだった。
先代は、きりりと凛々しい白黒猫。
艶やかな直毛で、尻尾は固く強く、耳はしっかりとした厚みと弾力があった。
触ると、跳ね返るような強さがあった。
つるりとした、三角耳が愛おしい。
『猫』の耳はてっきり、みんなそうだと思っていた。
猫と、出会うまでは。
けれど、猫の耳は驚くほどに薄い。
とっても薄くて、触るとへにゃり。
反発することもなく、やわやわとしてコシもない。
耳が薄いだけじゃなく、耳を覆う毛だって細くて薄っすら。
地肌だって見えている。
その柔らかい耳が、愛おしい。
「可愛いねぇ」
耳を撫でる。
薄い耳。
大切な、大事な子。
どの猫の、なにもかもが、愛おしい。
そうして、今日もそっと、愛しい耳を撫でるのだ。