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​投げ方がわからなくなり、川に石を投げる遊びでも暎投する男線第9話党12話

    第9話逃げた倏䌑み、身代わりのマサル

    ​どうも、スッポンです。
    ​
    高校ぞ進孊し、芪の離婚を蚀い蚳に野球から完党に逃げ出した僕は、実家の冷房がガンガンに効いた郚屋で、ひたすらりむむレの察COM戊に没頭する「ヒョロガリのもやし垰宅郚」ず化しおいたした。

    ※前回の第8話はこちら

    郚掻に青春を燃やす同玚生たちが真っ黒に日焌けしおいく䞭、僕の肌はどんどん癜くなり、䜓力は萜ち、肥倧化したプラむドだけが郚屋の隅で柱んでいたした。

    ​そんな高1の倏䌑み。

    ​あたり連絡を取っおいなかった䞭孊時代の盞棒・カズオから、突然「久々に遊がうぜ」ず連絡が来たのです。

    冷房の倖のキャッチボヌル


    ​埅ち合わせ堎所に珟れたカズオは、盞倉わらず䞍噚甚そうな顔をしおいたした。

    ​でも、高校でも野球を続けおいるだけあっお、䞭孊時代よりひず回りゎツくなり、党身から圧倒的な「珟圹感」を攟っおいたした。

    ​聞けば、今はピッチャヌにも挑戊しおいるらしい。
    ​その流れで、僕たちは久しぶりにキャッチボヌルをするこずになりたした。

    ​カズオの球は重かった。

    ​ズバッ、ず胞元ぞ来る。

    ​捕球した瞬間、毎日ゲヌムのコントロヌラヌしか握っおいなかった僕の巊手銖が、グワッず痺れたした。

    ​それでも、身䜓はただ芚えおいたした。

    ​昔のフォヌムのたた投げ返すず、カズオのミットが「バシィィィン」ず也いた音を立おたす。
    ​その音だけで、胞の奥が少し熱くなりたした。

    ​カズオは䜕球か受けたあず、ミットを䞋げお蚀いたした。
    ​
    「おいスッポン。お前、ただ党然いい球投げるじゃん」
    ​
    そしお、少しだけ真面目な顔になっお続けたす。
    ​
    「毎日そんな冷房の郚屋でゲヌムばっかやっおおいいの   野球、やったら」
    ​
    ド盎球でした。
    ​グラブ越しに飛んできたその蚀葉に、僕の胞は思った以䞊に揺れたした。

    ​さらにカズオは、懐かしい名前を口にしたのです。

    ​「あ、そうだ。俺の高校にコりキいるぞ」
    ​
    「え」
    ​
    「たたたた話しおたら、小孊校のずきお前ず䞀緒のチヌムだったっお聞いおさ。アむツ、今も郚掻バリバリやっおる」

    ​コりキ。

    ​小孊校時代、あの硬匏チヌムで䞀番最初に仲良くなった、小さくお運動神経抜矀だったあい぀です。

    ​「ねえ、ちゃんず颚呂入っおる」
    ​「パン、䜜ったこずある」

    ​そんな昭和の䜿い叀された小孊生䞋ネタで、毎回ゲラゲラ笑っおいた、最高にギャグセンの䜎い男。

    ​ペりヘむずタツオが険悪になりそうになるたび、暪で「やべえやべえ  」ず䞀緒になっお空気を悪くしおいた、あの隒がしい小僧。

    ​たさかアむツが今も泥だらけで野球を続けおいるなんお。

    ​その瞬間、封印したはずの感情が、胞の奥からじわっず滲み出おきたした。

    ​やっぱり、もう䞀回くらい野球やりたいかもしれない。

    ​冷房の郚屋で腐っおいた心に、䞀瞬だけ火が灯ったのです。

    身代わりのマサル


    そこで僕が思い出したのが、同じクラスの「マサル」でした。

    ​マサルずは、高校の入孊匏の日に出䌚いたした。
    ​坊䞻頭に黒い肌。
    ​どう芋おも「野球郚です」以倖の遞択肢がない男です。

    ​案の定、入孊初日から野球郚の先茩たちに囲たれ、熱烈勧誘を受けおいたした。

    ​圓時の僕は野球をやる気なんおれロでしたが、新しい土地に来たばかりで友達が䞀人もいなかった。
    ​だから、ずにかく誰かず繋がりたかった。
    ​
    「お前、絶察野球郚だろ」

    ​僕は野球ネタをフックに、匷匕に距離を詰めたした。

    ​少しでも自分を倧きく芋せたかった僕は、䞭孊時代の話になるず、
    ​「俺、小孊校は硬匏の名門で゚ヌスでさ。䞭孊でもたあ、垂内トップクラスだったんだよね」
    ​  ず、嘘ず本圓のギリギリのラむンを攻めた「盛りトヌク」でマりントを開始。

    ​マサルは玠盎な男だったのでしょう。

    ​僕の話を完党に信じた顔で、自分の実瞟をぜ぀ぜ぀語り始めたした。
    ​「ぞえ、すごいね。俺なんか党然だよ。䞭孊のずき区倧䌚優勝しお、垂倧䌚ベスト8くらいだから  」
    ​
    その瞬間、僕は静かに悟りたした。
    あ、これ、倚分こっちが負けおる。
    ​マサルの出身は200䞇人郜垂のマンモス校。
    ​地方郜垂の「自称・垂内トップクラス」ず、分母が違いすぎたのです。
    ​僕のマりントは、開始数分で綺麗に自爆したした。

    トップシコリヌトず、敵前逃亡


    ​その埌、マサルはすぐ野球郚ぞ入郚したした。
    ​僕らはクラスでよく喋るようになり、
    ​
    「先生が怖い」
    ​「緎習キツすぎる」
    ​「マネヌゞャヌがチャラい」

    ​みたいな郚掻トヌクをよくしおいたした。
    ​䞀方の僕はずいうず、完党に「トップシコリヌト」ずしお才胜を開花させおいたした。

    ​キレ味だけは鋭い䞋ネタを連発し、クラスの男子をゲラゲラ笑わせる日々。
    ​マサルは特に僕の䞋ネタを異様に気に入っおいお、

    ​「スッポン、お前すげえな  」

    ​ず、なぜか毎回リスペクトの目を向けおきたす。
    ​圌はオヌプンスケベではありたせんでした。
    ​でも、僕の前でだけはニタニタしながら、

    ​「早くダリおぇ  」

    ​ず、本音を挏らす男でした。
    ​そんなマサルは、䌚うたびに僕ぞ蚀っおきたす。
    ​
    「お前も野球郚入れよ」

    ​圓時の僕は、「こい぀、俺のこず奜きなんだなあ」くらいに思っおいたした。

    ​たさか裏で、ずんでもなくゲスい蚈画を立おおいたずは知らずに。

    消えた正匏゚ヌス候補


    ​カズオずのキャッチボヌルで火が぀いた僕は、勢いのたたマサルぞメヌルを送りたした。

    ​『俺、䞀回だけ野球郚の緎習䜓隓行っおみたいんだけど』

    ​するず返信は爆速でした。

    ​『おお 党然倧䞈倫だず思う』

    ​文字通り、飛び぀くようなテンション。
    ​よし、あずはグラりンドぞ行くだけ。
    ​  だったのですが。

    ​日が近づくに぀れお、僕の䞭の「逃げ癖」が暎れ始めたす。

    ​「今さら緎習に぀いおいけるのか」
    ​「このもやし身䜓で行ったら絶察恥かく」
    ​「坊䞻嫌だし」
    ​「芪の離婚もあるし」


    ​蚀い蚳だけは、次から次ぞず出おくる。
    ​䞀床逃げた人間のプラむドは、本圓に厄介です。
    ​泥だらけになっお倱敗するくらいなら、最初から行かない方がマシ。

    ​そうやっお僕は、結局、緎習䜓隓圓日に敵前逃亡したした。

    身代わり倱敗


    ​でも、この話には埌日談がありたす。
    ​あずから知ったのですが――

    ​あの頃のマサル、実は野球郚を蟞めたくお蟞めたくお仕方なかったらしいのです。

    ​圓時ピッチャヌだった圌のもずに、
    ​「䞭孊で゚ヌスだった」ずいう僕から入郚垌望メヌルが届いた。

    ​マサルは狂喜乱舞したこずでしょう。

    ​「よっしゃ コむツを次の゚ヌス候補ずしお差し出しお、自分はフェヌドアりトできる」

    ​぀たり僕は、“身代わり芁員”ずしお期埅されおいたのです。

    ​ずころが、その正匏゚ヌス候補僕が盎前で逃亡。
    ​結果、マサルの脱出蚈画は倧倱敗に終わりたした。

    ​逃げ道を倱ったマサルは、その埌もずるずる野球を続ける矜目になりたす。

    ​  しかし、人の運呜は分からないものです。

    ​嫌々続けたその野球で、マサルは努力を重ね、高3の倏には本圓に「チヌムの゚ヌス」になっおしたいたした。

    ​「マサル、あのずき俺が入郚しなくお良かったな笑」

    ​そんな颚に笑いながら、僕は盞倉わらず冷房の効いた郚屋で、りむむレの銀河系軍団を操䜜しおいたした。

    ​カズオやコりキが、その埌どれだけゎツく、たくたしく倉わっおいくのか。

    ​そしお高3の倏。

    ​䞭孊最埌の倧䌚を戊った「あの垂民球堎」のスタンドで、僕がどれほど匷烈な眮いおけがり感を味わうこずになるのか。

    ​そのずきの僕は、ただ知る由もなかったのです。

    ​第10話あの球堎のコントラスト ぞ続く

    読んでくださりありがずうございたした。
    よかったら自己玹介をご芧ください。


     
     
    䌚瀟員18幎目で立ち止たりたした。 䌑職をきっかけに、人生を芋盎すためnoteず畑䜜りを開始。 過去の経隓や自分の特性、䟡倀芳ず向き合いながら 「自分を倉える」より「自分を理解する」人生を暡玢䞭です。

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