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芋出し画像

Moto Guzzi V7で那須塩原ツヌリング前線䜕もかもが裏目に出た1日

    たたには仕事を忘れお趣味にふける。第23回

    セットしたのは、朝5時。目が芚めたのは、5時23分。
    これは、ただ序の口である。
    月に1床、自分で決めおいるツヌリングむベント、8月分。しかも8月最終日ずいう、締切のような日にである。劻ず嚘を起こさぬよう、そっず寝宀を出た。目芚めた瞬間から、蚈画はすでに䞀぀厩れおいた。


    涌しさは、正矩ではない

    近所のガ゜リンスタンドで満タン絊油をし、5時52分に出発する。空はどんよりず曇り、最高気枩は30℃を䞋回る予報。バむクの気枩蚈は22.0℃、ひんやりずした空気が心地よく、「ツヌリングには䞁床いい」ずこの時点ではただ思っおいた。

    今日のルヌトは、県境垂から那須塩原たで、䞻芁道路を䞀切䜿わない完党な裏道である。ナビアプリ「Beeline Moto Ⅱ」の「のんびり」モヌドに埓った結果だ。

    出発から30分ほどで、涌しかった走行颚が肌寒く倉わった。気枩蚈は22.0℃のたた。服装を間違えたのである。

    革補パンツに半袖Tシャツ、メッシュゞャケット。真倏仕様の栌奜だった。汗を気化熱で冷やしおくれる優れものだが、25℃を䞋回るず逆に涌しすぎる。寝坊で慌おお出おきたせいで、そこたで頭が回らなかった。

    「今日はなんだか、噛み合わないな」ず、ヘルメットの䞭で小さく毒づいた。 朝飯がおらマクドナルドにでも、ず思うが、裏道優先の「のんびり」モヌドに店は芋圓たらない。田園颚景ばかりが続く。颚邪を匕くほどではないず、我慢しお走り続けた。

    出発から2時間、宇郜宮垂を抜け矢板垂ぞ。気枩24℃、ただ肌寒いが腹も枛った。裏街道を離れ囜道4号線に出おみる。矢板垂街地なら店はあるはずだ。

    道を倖れお500メヌトルほど進んだ亀差点、反察車線偎に埅望のマクドナルドを芋぀けた。本日初めおの、ささやかな幞運である。

    モバむルオヌダヌで朝食を泚文しおいる間に、今日の目的地の情報をスマホで確認した。


    蚈画は、すでに厩れおいた,

    目的地はホテル゚ピナヌル那須。
    曇り空ず䜎い気枩で、圓初思い描いおいた「暑い日に日垰り枩泉でのんびり」ずいう前提は、もう朝から倖れおしたっおいる。それでも、枩泉ず食事ずマッサヌゞがセットになった「お埗な日垰り枩泉パック」だけは楜しみにしおいた。予玄できたはずだず蚘憶しおいたので、念のため確認しおおく。

    そこで目にしたのは、あたり嬉しくない䞀文だった。

    日垰り枩泉は12時から。マッサヌゞは14時から。

    時刻は午前9時前。ホテルたではここから40〜50分。10時には䜙裕で着いおしたう。しかも本日倕方には、毎月欠かせない甚事が控えおおり、14時には那須を出発したかった。

    マッサヌゞは時間的に絶望。枩泉が開くたでは2時間も持お䜙す。

    我ながら、蚈画の詰めが甘い。寝坊に始たり、服装のミス、そしおこの時間配分のミス。せっかくの月䞀の楜しみだずいうのに、自分の手際の悪さに嫌気がさしおくる。代わりの案も䜕も思い぀かない。ずりあえずホテルたで行っおみるこずにした。

    朝食を終え、再びバむクにたたがる。県道30号線をひたすら走るず、道の䞡偎を深い緑の林が包み蟌む。朚々を抜けたず思えば急に芖界が開け、田畑ず山䞊みが広がる。那須ぞ近づくに぀れ空は倧きくなり、䞘陵を瞫うように道が続いおいく。

    曇倩の湿った空気が、草朚の匂いをい぀もより匷くしおいた。ふず、どこかで嗅いだ匂いだず気づく。嚘が玄関で飌っおいるカブトムシの虫籠の、おがくずの匂いだった。そんなこずを考えながら、ただバむクを走らせた。

    10時少し前、ホテル゚ピナヌル那須に到着する。しかし日垰り客向けの斜蚭はただ開いおいない。早々に退散するしかなかった。「やっぱり、今日はそういう日なんだろう」ず、半ば投げやりな気分でバむクに跚った。


    26幎前の蚘憶を拟いに

    さお、どこぞ行こうか。曇り空の䞋、那須街道たで戻っおみるず、「那須岳」の暙識が目に入った。

    29歳の頃、富士山に1人で登るための緎習ずしお、䜕床も通った山である。あれから26幎、䞀床も足を向けおいない。すっかり頭から抜け萜ちおいた蚘憶が、暙識ひず぀でふっず蘇る。

    そういえば、あれから䞀床も蚪れおいない。せっかくの機䌚だ。暇぀ぶしに、登山口の駐車堎たで行っおみるこずにした。

    那須街道を那須岳方面ぞ進むず、坂は次第に厳しくなる。那須湯本枩泉を過ぎるず建物は消え、本栌的な山道に倉わっおいく。カヌブに差しかかるたびに傟斜がき぀く感じられ、特に右カヌブでは、曲がった先の道路がそのたた立ち䞊がり、アスファルトの壁が迫っおくるような錯芚を芚えた。


    最埌の裏目

    那須岳ぞ向かう山道は、䞊るに぀れお霧に包たれ始めた。

    濃いずいうほどではなく、先のカヌブたでは十分に芋枡せる。ただ、颚が急に湿り気を垯び、肌に觊れる空気がひんやりず重くなった。路面もどこか湿っおいるように芋える。

    朝からずっず曇り空だった。

    寝坊をした。服装を間違えた。楜しみにしおいた枩泉もマッサヌゞも、時間をろくに確認しおいなかったせいで諊めるこずになった。

    そしお最埌は、山の䞊で霧である。

    ここたで来るず、もう笑うしかない。

    滑らないよう、い぀もより慎重にアクセルを開ける。森の匂いが䞀段ず匷くなり、朚々の間を抜けるたびに、それが濃くなったり薄くなったりを繰り返した。

    このたた雚に降られお終わるのだろう。

    そう思っおいた。

    そのずきだった。

    目の前を芆っおいた癜い靄が、すっずほどけるように薄くなった。

    䞀瞬、頭䞊に青が芋えた。

    青空だった。

    その青はみるみる広がっおいく。

    さっきたで芖界を芆っおいた霧が巊右ぞ流れ、たるで幕が開くように景色が倉わった。ロヌプりェむ乗り堎が、最初からそこにあったかのように姿を珟した。

    那須岳登山口の駐車堎に着き、バむクを停めようずするず、䞊から譊備員のおじさんが声を匵った。

    「バむクの駐茪堎は䞊だよ。」

    蚀われるたた、さらに道を䞊る。

    ロヌプりェむ乗り堎の入り口のすぐ前に駐茪スペヌスがあった。

    ゚ンゞンを止め、ヘルメットを倖す。

    そしお、䜕気なく振り返った。

    蚀葉が出なかった。

    県䞋には、先ほど停めようずした駐車堎。

    その向こうには、真っ癜な雲が地平線の圌方たで敷き詰められおいた。

    雲海だった。

    さっきたで霧だず思っお走っおいたものは、霧ではなかった。

    私はずっず、雲の䞭を走っおいたのである。

    そしお知らないうちに、その雲を突き抜けおいた。

    朝から私の頭䞊に重くのしかかっおいた、あの灰色の曇り空。

    その「裏偎」に、こんな䞖界が隠れおいた。

    芋䞊げおも、青。

    芋枡しおも、癜。

    地䞊から芋れば、ただの陰鬱な曇り空だった。

    だが、その雲の䞊に出おしたえば、そこには青空があり、癜い雲は遥か圌方たで続く絶景に倉わっおいた。

    この日、䜕もかもが裏目に出た。

    寝坊も。

    服装も。

    枩泉も。

    マッサヌゞも。

    予定になかった那須岳ぞの寄り道も。

    そしお最埌には、空たで裏返った。

    だが、その最埌の「裏目」だけは、悪くなかった。

    いや。

    これを芋るためだったのなら、今日䞀日が蚈画どおりに進たなかったこずさえ、少し蚱せる気がした。

    朝寝坊をしなかったら。

    枩泉の時間をきちんず調べおいたら。

    予定どおりホテルでのんびりしおいたら。

    私はここにはいない。

    蚈画どおりにいかなかったからこそ、たどり着いた景色だった。

    朝からずっず薄暗い雲の䞋を走り続けた䞀日。

    その結末で埅っおいたのは、

    雲の、裏偎だった。

    画像
    那須ロヌプりェむ駐茪スペヌスからの景色

    埌線ぞ続く


    最埌たでお読みいただき、ありがずうございたした。
    Moto Guzzi V7でのツヌリング䜓隓を、これからも少しず぀曞いおいきたす。
    「たた読んでみたい」ず思っおいただけたしたら、「スキ」や「コメント」、「フォロヌ」をいただけるず倧倉励みになりたす。


    あわせお読んでいただきたい蚘事

    バむク以倖にも車や仕事に関する蚘事を曞いおいたす。興味のあるテヌマがありたしたら、こちらもご芧ください。


     
     
    建築蚭備蚭蚈を本業に、蚭蚈支揎ツヌルの開発・販売のほか、デゞタルコンテンツ制䜜にも取り組んでいたす。日垞業務や創䜜掻動の蚘録のほか、息抜きの趣味に぀いおnoteで発信䞭。 👉 [BOOTHSIデザむンショップ] ( https://si-design.booth.pm/ )

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