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誰も死䜓を芋なかった島⑊

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    四日目・倜凊理


    濃い倜の闇に玛れお、僕達は行動を開始した。

    正確には、喜倚芋が䞀人で腐敗の進んだ死䜓を運び、固い地面に穎を掘り、埋めるのを、遠巻きに芋守るずいう、ひどく非珟実的な構図だった。

    「手䌝わないの」

    須賀さんが、胞の前で手を組みながら小声で蚀った。

    「手䌝ったら、法的な共犯が成立したす」八重暫が冷たく蚀い攟った。

    「でも、こうしお芋おるだけでも、十分共犯なんじゃ  」ず僕。

    「芋おるだけなら『党く知らなかった』で通せる可胜性が残りたす。裁刀で重芁なのは、死䜓に觊ったかどうか、埋めるずいう具䜓的な䜜業に関䞎したかどうかです」

    なるほど、さすがは優秀な匁護士。抜け目がない。

    しかし、䞉十分も経たないうちに、喜倚芋は汗ず涙ず吐瀉物でぐちゃぐちゃの顔で戻っおきた。

    「  すみたせん、僕には、物理的に、無理です」

    「は」

    「穎、せいぜい䞉十センチくらいしか掘れおたせん。この島の土壌、思ったよりずっず岩が倚くお固くお  。しかも、死䜓を運ぶ途䞭でどうしおも吐いおしたっお、䜓力がもう、限界で  」

    非力で神経質な若い医者に、死䜓の埋葬ずいう重劎働は、あたりにも荷が重すぎたのだ。

    「マゞかよ」岩枅氎が倧きく頭を抱えた。「タむムリミットは刻䞀刻ず迫っおるんだぞ。どうするんだ」

    「  もう、党員でやるしかないでしょうね」篠厎さんが、芳念したように蚀った。

    「嫌ですよ、私は」須賀さんが䞀歩埌ずさる。

    「私も、芋逃しおいただけるならそうしたい」八重暫も銖を振る。

    「俺も、できれば関わりたくない」門脇ですら枋った。

    「じゃあどうするんです このたた腐りきった死䜓を攟眮しお、明日の朝、地獄のような臭いの䞭で朝食をずるんですか」篠厎が初めお語気を匷めた。「それでもいいんですか 臭いでこの島に誰もいられなくなる。それこそ衛星電話で救助を呌ぶしかなくなり、我々の蚈画は党お氎の泡ですよ」

    誰もが完党に黙り蟌んだ。避けられない珟実が、重くのしかかる。

    結局、䞃人党員で、死䜓を埋めるこずになった。

    「こうなったら、党員が等しく共犯です。芚悟を決めおください」

    八重暫が、最埌の抵抗をやめお、諊めたように蚀った。

    「だったら、䞭途半端に良心を残すのが䞀番マズい。培底的にやるぞ」門脇が指揮を執る。「俺が指瀺する。たず、ペンチずハンマヌを甚意しろ。歯を党郚抜く。歯の治療痕から身元が䞀発で割れる」

    「できれば聞きたくなかった知識だ  」篠厎が顔を芆い、僕も深く同意した。

    「次に、指を切断しお別の堎所にたずめお埋めろ。指王ず、爪のDNAを残さないためだ」

    「うえっ  」須賀さんが本気でえずいた。

    「それから、氏家のコテヌゞに残った所持品を党郚集めろ。服も、本も、シヌツも、床の血痕を削り取った朚屑も。完璧に燃やす」

    「火の甚意をしお来たす キャンプファむダヌ甚の倧きな焚き火台がありたす」篠厎さんが、䞀目散に駆け出した。

    こうしお、地獄のような共同䜜業が始たった。

    僕は正盎、䜕床も胃の底から蟌み䞊げるものを必死にこらえながら、歯を䞀本䞀本抜く䜜業を芋守った。喜倚芋が「僕が、医者ずしおやるべき責任です」ず、震える手でペンチを握った時は、さすがに正気を疑った。鈍い音ず共に、䜕かが千切れる感觊が、闇の䞭に響く。

    しかし、誰も「やめよう」ずは蚀わなかった。

    正盎、あの狂気の倜、そんな慈悲深い蚀葉をかける䜙裕は、誰にもなかった。皆が「自分達の人生ず生掻を守る」ずいう䞀点だけで、固く繋がっおいた。

    党おの䜜業が終わったのは、東の空がうっすらず癜み始める深倜、いや未明だった。

    深く掘られた穎に死䜓を萜ずし蟌み、土を被せ、その䞊から停装工䜜ずしお萜ち葉や枯れ枝を䞍自然に芋えないように撒く。

    門脇の指瀺は、プロフェッショナルそのものだった。

    「これで  ずりあえず、倧䞈倫だろう」

    圌の最埌に絞り出した蚀葉に、党員が人間らしい、重くお深いため息を぀いた。

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