メインコンテンツへスキップ
見出し画像

修司|最終話|ただいま

    ◀︎前の話(第四章第十三話)


    カラン


    「おつかれ〜」
    いつもみたいに二人でバーに入る。

    「お」
    「もしかして?」

    「なに」

    「やっとだな」
    「あれはもう絶対そうだよね」

    「修司よかったね」
    「…うるせえな」

    「は?」
    「なんで知ってんの?」

    「顔」
    「書いてあるもんねえ?」

    「え、」
    そう言って修司の顔を見上げた。

    「修司、いつもの顔じゃん」

    「いや」
    「お前だよ」
    「あんたよ」

    「わたし?!」

    思わず両手で顔を隠しながら修司に向いた。

    「…そんな顔に出てた?」
    「…うん」

    そう少し照れたように返された。

    「…うそ」

    「おめでとうございます」
    「これは俺から」

    ハイボールとビールがカウンターに並んだ。

    「え、いいの?」
    「…ありがと」

    「わたし達と一緒に座ったら?」
    「聞いてやるぞ」

    「それは、無理!」
    「あっち行こ!」
    「お酒ありがと!」

    カウンターのハイボールとビールをささっと手に持って、
    「ほら!」
    「修司!はやく!」
    そう急かしながら奥の二人掛けのテーブル席に逃げた。

    「…世話んなった」
    「いいってことよ」

    一番奥のテーブル席の、カウンターが見えない方の椅子に座った。

    「…変な顔してたんなら先に言ってよ」

    テーブルに両肘を突いて顔を隠して修司を責めた。

    「…変ではないだろ」
    そう笑って返された。

    「俺は、嬉しいけど」
    「…そういう問題じゃない」
    「ちゃんと言いたかったのに」

    「じゃあ」
    「あとで行こう」
    「…うん」

    「なおみ」

    「ん?」

    「…この席」

    「懐かしいな」

    「ほんとだ」
    「久しぶりに座ったね」
    「そうだな」

    「…なんかさ」
    「こんなことなると思ってなかったよね」

    「…いや」
    「俺は、少し思ってた」

    「嘘つけ」

    「…思ってたよ」

    修司の視線が降りて、少しだけ目尻が下がった。

    わたしも、そっとそれに指をかけた。




    おわり


    次の話(エピローグ)▶

    初めての方はこちら
    プロローグ1

    #創作大賞2026#恋愛小説部門#大人の恋愛#恋愛小説#恋愛#修司#JDrama#JapaneseRomance#Shuji

     
     

    s.

     
     
    優しいのに地雷な男、体験してみる? 『修司』完結しました。 読んでくださった皆さま、ありがとう。 不器用な大人恋愛書いてます。 修司サイドを大幅加筆し、脚本・映像文学形式へ再構成した第三章を投稿しました。 初めての方はプロローグ1(修司視点)からどうぞ。

    あなたへのおすすめ