
④リカの未来〜最終章〜
暗い箱の中にも慣れてきたある日、妹が二人の友達を連れてきたの。
はるみちゃんは、女の子らしく可愛い子。フリフリのドレスがよく似合う。
そしてパットちゃんは、とても活発な女の子。なんと、パットちゃんは、背が伸びるのよ!それを時々、私たちに見せてくれるのが、とても楽しい。
でもね、彼女ははるみちゃんがお気に入りのようで、妹は私と同じ箱の中で過ごす事が増えてきた。
体を動かすのが好きなパットちゃんは、ストレッチしながらこう言ったの。
「私なんて、最初から気に入られた事なんて一度もないわ。でも平気よ。私もお姉さんみたいなショートカットにして欲しいなぁ」
パットちゃんはサバサバした性格だ。
妹が、わたる君の話をし始めた。わたる君の名前を聞いて、少し心がチクッとしたけれど…
どうやら、妹を振って、はるみちゃんを口説いているらしい。
そこに、はるみちゃんが箱に帰ってきた。ちょっとほっぺたを膨らませて不機嫌だ。
はるみちゃんは、わたる君を振ったんだって!
「コロコロ気が変わるあんな男、サイテーよ!」
いつも大人しいはるみちゃんが、顔を真っ赤にして怒っているのが、何だか可愛らしかった。
皆んなで大笑いして、わたる君以外の男の子がやって来ないかなぁとか、もしも彼氏ができたら、どんな所にデートに行きたいかというガールズトークで盛り上がった。
そのうち、はるみちゃんも箱の中で過ごす事が増えてきた。
きっと彼女は大きくなって、もう、お人形遊びはしなくなってきたみたい。
私たちは箱の中でいろんなお喋りをして過ごしたけれど、ある日、彼女が久しぶりに箱を開けたの。
私を掴み、お着替えを始めた!
ずっと身に付けていたハンカチを剥がされ、スチュワーデスさんの制服を着せられた。
「バイバイ。皆んな一緒にお引っ越しよ。元気でね」
彼女が呟いた。
私たちは、どこかに貰われていくみたい。新しい生活が始まるの?
箱の蓋を閉められて、妹が嬉しそうに言った。
「お姉さん、制服よく似合う!」
皆んなが口々に、私の姿を褒めてくれた。
皆んな、1回は着せられたんだって。でも、彼女に、似合わないって言われて、すぐに脱がされたみたい。
私は新しいお洋服が嬉しくて!
私にも似合う服があって良かった!
これを着て、新しいどこかに行くのね。
彼女、「皆んな一緒に」って言ってたもんね!嬉しい!
私たちはウキウキして、朝が来るまで、これから始まる楽しい未来について語り合ったの。
end