
【創作大賞・恋愛小説部門】ゆずとはちみつ【プロローグ】
はじめに
こんにちは!朋藤チルヲです!
エッセイでの宣言通り
「創作大賞」に応募してみることにしました!
…と決めたものの
まだ原稿の準備が終わっていません笑
もう少しなんですけどね。
このところ何かと忙しくて…
もし間に合わなかったら、
こっそりとタグを外しておきます笑
ジャンルは恋愛です。
過去にエブリスタさん、
アルファポリスさんで公開したものを
大幅に書き直しました。
恋愛もの…実は苦手です…
そんなこと言いつつ
結構書いてますけど笑
その辺りのことも
そのうちエッセイの方で
お話しできたらと思います!
20,000文字ちょいありますので
少しずつ公開していきますね。
よろしくお願いいたします!
では、どうぞ!!
↓↓↓↓↓
【ゆずとはちみつ】あらすじ
フリーターの蜜成(みつなり)は母校が廃校になると知り、バイトが休みの日に訪れた。そこで、10年前に別れた元恋人・柚子(ゆずこ)と再会する。
「付き合ってみたら女性に性的興奮しなかった」という蜜成側の原因で別れた二人。気まずい思いの蜜成に、柚子は「ゲームしよう」と言い出す。ルールは簡単。「一緒に暮らして恋愛感情が芽生えた方が負け」。後日、二人は同棲を始め、懐かしい日々を取り戻していく。しかし、蜜成には彼女に秘密があった。それは、所属するバンドのアルバムデビューを前に、上京する予定がある事。つまり、ゲームの期間には限りがある。それをついに打ち明けた時、二人の時間が動き始める。
【ゆずとはちみつ】プロローグ
「運命的な出会いってやつが、世の中にどれくらい転がっているか知っているか」
そう物知り顔で言ったのは、二つ年上の有働さんだ。
30歳も目前に迫っているというのに、僕は定職につかず、アルバイトでどうにか生計を立てていた。それは、目標があるからで、達成するためには、非正規の方が何かと都合がいいからなのだが、とにかく高校を卒業後は、高待遇を求めてバイト先を転々と変え、少し前から、小規模チェーンのカラオケボックスで働き始めていた。深夜帯のシフトはほとんどお客も来ず、作業自体は楽である割に、時給が高い。昼から活動を始める、僕のライフスタイルにも合っていた。
指導係である有働さんは、業務については「見て盗め」と言うだけでちっとも教えてくれず、もっぱら業務と関係ない雑学ばかりを教えてくれる。
「知らないですね」
そもそも転がっているものなのか。
「知らないですね」
有働さんは僕の口調を真似た。
「そう言うと思ったよ。蜜成はいつもそうだ。淡々としてる」
僕たちはバイトを終えて、ファミレスに来ていた。24時間営業している飲食店なんて、この地方都市では、ファミレスとスナックくらいしかない。
「淡々としてますか」
「してるね。お問い合わせセンターのガイダンスより淡々としてる。生命力がない」
「それは問題ですね」
僕はこぶしを顎に当て、うーんと神妙な顔をしてみせる。「生命力」は、僕の目標とする肩書きには、必要なもののように思えた。
「安心しろよ。カラオケボックスの店員の仕事には、何の支障もない」
「確かに」
「でも、勿体ないことだな」
「何がです?」
「名前に『蜜』なんて、甘ったるそうな字が入っているだろ。いかにも他人に取り入るのが得意そうな。そういうのって、名前負けしてるって言わないか?」
僕の名前は、武将好きの父親が付けた。
父いわく、単なる当て字で、有働さんの言い分は的外れということになるのだが、面倒くさいので黙っておいた。
「何の話でしたっけ」
「運命だよ。運命的な出会い」
「そうでした。運命的って言うくらいですから、滅多にあるもんじゃないですよね」
「いや、違う」
「違うんですか」
僕はいつものように話半分で聞きながら、ドリアにスプーンを突き刺した。
「案外と、まぁまぁ、そこら辺に落ちているんだよ」
「案外と、まぁまぁ、そこら辺に、ですか」
そんなに頻繁に遭遇するのだとしたら、もはや「運命」とは呼べないのではないか。そう思ったけど、それも黙っておいた。
「ああ。例えば、路肩に片方だけ落ちている軍手とか、車のホイールとか。バスとかタクシーとかの車中から時々見かけるだろ? それと同じくらいの頻度では落ちている」
「軍手はまだしも、ホイールは落としたのって気づきそうなもんですよね」
「見つけてもさ、そんな物、誰もわざわざ拾い上げたりはしないだろ」
「まぁ、そうでしょうね」
現金の入ったアタッシュケースならまだしも。
「でも、拾って逆さまにした軍手から、ルビーの指輪が転がり出てきて、それをきっかけに物語が始まる可能性だって、なきにしもあらずだろ」
「なんでルビーなんです?」
「手にして初めて、その必然性に気づく。そういうものなんだよ、運命ってやつは」
僕は適当に相槌を打ってから、ドリンクバーのコーヒーを喉に流し込んだ。
「見つかったらいいと思うんだよ」
「有働さん、出会いを求めてるんですか」
有働さんはいつも独りでも充分に楽しそうなので、恋愛や結婚には興味がないのだろうと、勝手に思い込んでいた。
「蜜成が、だよ」
「僕が?」
「出会えれば、さすがに熱くなるだろ。お前は少し熱くなった方がいい。見てくれが良いのに、このままじゃずっと独りだ」
僕はしばし呆気に取られてから、言った。
「もしかして有働さん、僕を心配していたりします?」
「俺はこう見えて、後輩思いなんだ」
「知りませんでした」
「メモっておけ。大事だぞ」
まさかこの後、本当に運命の出会いが待ち受けているだなんて。
有働さんが僕の名前の由来に見当がつかないくらい、夢にも思っていなかった。
次回「第一話」に続く!
ここまでお読みいただき
ありがとうございました!
次回は「第一話」
サブタイトルは、
「叩いたら割れそうな僕らの関係はこうして始まった」です!
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