Elden Ring 大考察「白き黄金樹」ーマリカの望んだ世界とはー
こんにちは。ビッグハットP.Dです。
※ここで取り上げられる考察内容につきましては、以下の2点をご理解いただいた上で
お楽しみください。
1.考察内容には、他の考察者様が発見した内容も含まれること。
(その際は出典等を記します。)
2.考察内容は全て解釈の一例であり、読者の皆様、他の考察者の皆様の
解釈を否定する意図は一切ないこと。〇ナイトレインを考察に交えることについてですが、
公式が「破砕戦争までの世界観は共有している」と明言しています。
ということはナイトレインにて初登場でありながら時代的に
破砕戦争前から存在していたであろうものは、
登場しなかっただけで本編にも存在したはずとして、活用します。
(例:永遠の都ノクラテオ、大空洞の大結晶など。)
破砕戦争後の出来事に関してはほとんど使わないと思います。
不確定要素やパラレル化が起こっているので。
まぁ、そこは臨機応変に行きます。
巫子の村に咲き誇る、色とりどりの花々。
淡く光る黄金の木。
この村は、マリカの故郷です。今回はここがスタート地点です。
そしておそらく、ゴール地点もここになるでしょう。
この村こそが、マリカの望む世界を映し出す、すべての答えだったのです。
今回は巫子の村から、マリカが何を望み、神へとならんとしたのか。誘惑と裏切りとは何だったのか。その真実に挑戦します。
白き黄金樹、宵眼の願い、そしてはじまりの因果。
考察旅の始まりです。
はじめに
えーっとですね・・・。
スクロールしたり目次を見た時点で「なげーよ」って思うでしょう。
はい。長いです。私も思います。
特に今回は、私のこれまでの考察記事の中でも最大規模です。
しかし、小分けにできる内容ではないです。全て繋がっていますので。
ゆっくりじっくり読んでいただければと思います。何も急かしません。
それに、イヤであればバックしても大丈夫です。無理強いはしません。
ぜひとも赴くままにこの筆を扱っていただければと思います。
・・・はい、大丈夫でしょうか。
今回の考察旅を辿ってくださる準備はできたでしょうか。
では、ぜひこのままお進みください。
さて、今回の考察はいつにも増して膨大かつ深遠です。
マリカの真実はElden Ring物語の究極に位置しており、生半可な思索ではたどり着けませんでした。
また、これは一覧のページでも記したことですが、改めてお話しします。
今回の大考察の内容を追うのに必要な前提は、以下の私の記事で詳しく説明しているほか、大本のアイデアについては考える金仮面卿様の考察よりもたらされた部分があります。
これらを先にお読みいただくと内容が理解しやすいかと思います。
(一応、このあとざっくりとした説明だけします。根拠や詳しい情報が必要な場合は、該当の内容をご参照ください。)
上記の内容の内、特にこれから説明をほぼ省く内容について、今のうちにざっくり話します。
まず、Elden Ringの物語には大きく「金の勢力」、「銀の勢力」という二大勢力がおり、どちらも宇宙由来です。金の勢力の元締めは暗黒=大いなる意志、銀の勢力の元締めは白銀=ノクステラの月です。
これらが狭間の星およびここに飛来したエルデンリングの覇権を争っているのが、全体の物語の背景です。そのように、物語全体を壮大なSFとして捉えているのが大前提です。
当時のそれぞれのリーダーは、金の勢力がメーテール、銀の勢力がウル王及びラウフ王妃です。
金の勢力はアルターを故郷に置き、銀の勢力は青海岸を故郷に置きました。
自説では、このようなSFのもとに、以下のような時代の流れがあったと解しています。
時は流れ、二大勢力はいつか分断することを前提に協力し合います。分断は狭間の地と影の地という二つの大地を分けることで成立させようとし、神授塔、神の門を利用して影の地を空彼方へ浮かせるという方法を取る予定でした。また、神に銀の勢力から宵眼、王に金の勢力からプラキドサクスが立ち、これらの知性としてエルデの獣が座し、これを持って原初黄金樹を成立させ、前史が動き出します。
そのおかげでファルム・アズラという神と王の居城が築かれますが、互いの中は最終的に決裂、最後は宵眼がメーテールを壊し、その報復として大いなる意志は狭間の星にアステールなどを飛来させ、銀の勢力の全ての文化と土地を破壊し尽くします。ウル王はとっくに樹木化し、聖別雪原の先、聖樹の支えエブレフェールに聖別されており、神の門からの帰還が待たれていました。一方ラウフ上皇妃はゲルミアの謁見の間で晩年を過ごしていたところ、この破壊攻撃の最中で金の勢力に捕まり、ゲルミア火山で樹木化され、最終的に焼かれたと、自説では解します。
ここから、しばし沈黙の時代が訪れ、大いなる意志は交信を絶ち、残されたエルデの獣始め指達、金の勢力は自分たちで狭間の星の主導権を握る必要がありました。
そのために、銀が大人しい間に自分たちの神と王を用意すべく、罪人巫子壺事業を開始、その結果マリカを神人として作り上げることに成功します。
ところが、銀の勢力の生き残りもこの沈黙の時代で確かに動きを進めており、例えば指の巫女と呼ばれる者を派遣したり、かつて存在したリムベルト王国の生き残りナメレスを誘い込み全てを夜に包み込もうとしたり、泥濘のようにどろどろした戦略で、星の覇権を争います。最終的にはミケラにウル王の意志を植え付け、銀の千年王国を実現するためにあらゆる手段を講じ始めます。
一旦、上記で挙げました内容から引用する主な内容、あらすじはこの通りです。ここについてとりあえず受け止められそうであれば、このまま先を読み進めていただいても、ある程度は内容を掴めるかなと思います。
それにしても今回のこの大考察、一気読みするのはかなり大変だと思いますので、うまく目次を活用していただいて、ご自身の都合のよろしいところで区切りながら、読み進めていただければと思います。
マリカの真実を理解するのは、そんなに簡単なものではないゆえに・・・。
また執筆にあたっては、塞翁様の以下のご考察も大変参考にさせていただきました。
特に最後の結びのお言葉は大変鋭いご指摘です。
今回の考察でも、メリナや本編のストーリーが目指している目的は、塞翁様の御説とほぼ同じ解釈で進みます。
今回綴った内容は、他にも様々な考察の議論を読む中で洗練していった内容です。そちらをご理解いただいたうえで、じっくりとお楽しみください。
一部でも、皆様の考察旅の刺激や参考になるものがあればと思います。これから話す内容で、もしご自身の考察や発想の中に組み込めるものがあれば、嬉しい限りです。どんどんご利用いただいて構いません。
たまに妄想強めで筆を進めておる箇所がございますが、整合性は全て気をつけて語っておりますので、ご容赦ください。
では、はじめます。
第一部
1-1.勢力図と色
まず、巫子の村を完全攻略するには、色の理解が不可欠です。これを整理していきます。
狭間の地には実に様々な勢力がいます。そのうち、物語の根幹を担うのは、金の勢力と銀の勢力です。そしてこの連中がそうであるように、各勢力はイメージカラーを超えた実質的な意味での「色の関係」があったのです。
この発想は考える金仮面卿様のアイデアを参考にしたもので、特に根幹となる金銀に関しては自説でも繰り返し述べています。
加えて氏は以下のご考察で”勢力の色を混ぜる”という実験を行い、黄金とカーリアンブルーの混色がイデスグリーンになることを導きました。私はこのアイデアをさらに拡大することを試みて、勢力と「色」の結びつきから、重要な勢力がどれで、さらにそれらの間にある相互関係を詳しく調べることができました。はじめの第一部では、このことについてお話しします。

色は勢力や性質を表す重要な要素としてはたらいている。
(画像:Elden Ring Nightreign)
〇三原色
ちょっと座学を挟みます。確認ですが、我々の世界も同様で色には「三原色」というものが存在します。またこれは「色の三原色」と「光の三原色」があり、それぞれ三原色を組み合わせることによって異なる色を作り出すことができるという仕組みです。

(画像:エイミーのアトリエ)
これがElden Ringの世界観、特に勢力図を紐解いていくうえで大変重要な知識となります。
三原色には色と光の二種類がありますが、これも物語の勢力図において重要な区分になります。ただ、ここでは便宜上、色の三原色を「マゼンタ」「シアン」「黄」と呼び、混色をそれぞれ「赤」「緑」「青」と呼びます。また、光の三原色を「赤」「青」「緑」と呼び、混色をそれぞれ「黃」「紫」「水」と呼びます。
では実際に、パレットのように並ぶカラフルな勢力図を見ていきましょう。
〇勢力図と色
色の三原色に基づく勢力を「色勢力」、光の三原色に基づく勢力を「光勢力」と呼ぶことにします。
金の勢力をはじめ、様々な勢力がいますが、まずは各勢力の区分から見てみましょう。
なぜそのような区分になるのかについては、後ほど説明します。
色勢力
マゼンタ:「死に生きる者たちの勢力」、「重力の勢力」
シアン:「遊牧の民の勢力」
黄:「金の勢力」
緑:「ストームヴィルの勢力」、「イデスの勢力」
赤:「血の勢力」「腐敗の勢力」
青:「カーリアの勢力」
白:「無垢金の勢力」
黒:「大いなる意志と暗黒の象徴」
光勢力
赤:「火の勢力」、「メスメルの勢力」、「腐敗の勢力」、「血の勢力」
青:「カーリアの勢力」
緑:「輝石の勢力」
黄:「古竜の勢力」
紫:「宵眼の勢力」
水:「祖霊の勢力」
黒:「夜の勢力」
白:「銀の勢力と月の象徴」

色の三原色の中心は暗黒。つまり大いなる意志の象徴。
光の三原色の中心は白銀。つまり月の象徴。
です。(名前がかぶっている勢力があるように見えますが、理由は後ほど説明しますのでいったんスルーしてください。)
この勢力の分け方は、実のところ、現在の狭間における、
「金の勢力を代表とする連中」→色勢力
「銀の勢力を代表とする連中」→光勢力
という風に分けると、きれいに対応しているのです。理由は、
すべてを集めることによって黒になる→暗黒を元締めとする勢力
すべてを集めることによって白になる→白銀を元締めとする勢力
ということになるからです。
それだけではありません。色勢力は必ず何らかの「もの」が色づいたり光ったりします。しかし、光勢力の象徴しているものは、「それ自体」が光であり、色を持っているという違いがあります。例えば血は赤色ですが血という「もの」に依存しています。それに対して、炎はそれ自体が光そのものであり、またそれが物語中で赤という色をもって表現されているのです。
このような色による区分は、現在の狭間においてかなり顕著に表れています。かつてはこのような区分はあいまいで、入り混じっていたのでしょうが、黄金律が敷かれるようになった現在の世界では、明確な区分が行われているようです。
つまり、この勢力図は特に黄金律が定めたものだと考えてよいでしょう。
また、実はここに載せた以外の、例えば狂い火や輝石魔術の門閥などその他の勢力も、きちんと色区分で説明可能になることが分かったのですが、いったん現段階では、上述しました部分について一つずつ説明していきます。
1-2.金の勢力と色勢力たち
色勢力たちはすべてを混ぜると暗黒に帰着する、その枠組みの中にある者たちです。
〇マゼンタ「死に生きる者の勢力」「重力の勢力」

先に言うと、現在の黄金律ではこのマゼンタが色勢力の分布から切り離されてしまっています。
もともと紫は色勢力にとって死の象徴であり、三原色として基礎を担う存在だったはずです。しかし死のルーンを取り除いたことにより、黄金律から外れてしまったのです。


輪を取り除いたのではなく、輪同士の隙間を切り裂いたような状態だと考えられる。
三原色でいうと、マゼンタを切り離した。

マゼンタに触れていた色のうち、赤、黒を象徴としている。
またマリケスは流れるような剣技を身に着けており(この剣技についてはシアンの勢力説明するときに述べる。)、彼の所属がシアンも混じった黒の勢力であると推察できる。
マゼンタはティビアの呼び船がその象徴です。死は黄金律において取り除かれる前、マゼンタ色で表現されていたのでしょう。トリーナが象徴する眠りがこの色で表されているのも、それが理由だと考えられます。

その色は青寄りのマゼンタで、黄金律から取り除かれた色である。
トリーナがミケラの半身となったのは、そうでないと存在できなくなったからか。

基本的に光勢力はこの亀裂から色勢力へ干渉してくる。
それがカーリアとの和睦や、血と腐敗が光勢力に取り込まれることにも繋がったと考えられる。
また、マゼンタというのは赤と青、黄金と白銀、色勢力と光勢力など、対立するものを中和した状態、あるいはその両者を取り込んだ状態の象徴でもあります。
しかし黄金律は、そういった中性的なものも良しとしなかったのですね。
悪しきものは中和するのではなく、存在自体を否定する。それが黄金律のやり方です。
だから死を取り除き、生と死のバランスを崩してまで、生だけを謳歌しようとしたのでしょう。
黄金律に仕えるDが死に生きる者たちを律の穢れとし根絶を望むのも、そのような強い思想からくるものだと考えられます。
しかし彼ら死に生きる者たちは、確かに”世界の理”のなかにあるのです。ただ現在の黄金律を外れているだけ、陰謀の夜で黄金律がバグってしまっただけということです。

現在の黄金律こそを愛するDにとって、それは狩る理由として十分だっただろうが。
…俺は、黄金律に仕えている
この壊れきった世界を修復するために
偉大なるエルデンリングだけを、導きとしているのだ
…そして死に生きる者たちは、黄金律の理を外れた存在
奴らが存在するだけで、導きは穢れ、その正しさは陰る
…だからこそ、まず根絶せねばならぬのだ。一匹残らずな…

黄金律原理主義の祈祷のひとつ
死に生きる者たちの狩人が用いるもの
(略)
狩人たちは、穢れた理の根絶者である
すべては、黄金律の完全のために

世界の理に反しているのではなく現行の黄金律を外れているだけ。フィアはそれを救いたかった。
貴方に、お願いしたいのです
私の子を、ルーンを掲げ、王になってはもらえませんか
死に生きる者たち、そのあり様を許す
我らの、エルデの王に

またこれと別にマゼンタは重力を操る、主に石肌の勢力の色でもあります。
これについての詳しいことは別のミニ考察等で論じる予定なので深堀りは控えますが、石肌は光勢力から色勢力へと寝返った裏切り者たちだと考えられます。
彼らは、隕石を伴ったり、ブラックホールのような紫の力を用います。ただこの色は、物語の中では、暗黒とセットで使われることが多いです。
メーテールやアステールが用いるブラックホールの術もマゼンタの色で統一されており、このことからも、マゼンタが色勢力の三原色たる理由が垣間見えると思います。
つまり色勢力にとってマゼンタとは、破滅、眠り、消失など、終わりを表す色ということになります。
〇シアン「遊牧の民の勢力」

三原色のうちの重要な一つ、シアンは遊牧の民の勢力の象徴です。
・・・多くの方は、まず「そんな勢力あったっけ?」と思われるでしょう。
現在は、勢力としてはほぼ存在していないも同然ですが、確かにあります。ちなみにこれはナイトレインにおける「追跡者」が属している勢力でもあり、本編では素性「剣士」で垣間見ることができます。
つまり、挿し木の一族の象徴の色、といったところです。

遊牧の民の剣士の頭巾
布地の青は、清涼な流水の象徴であり
その剣もまた流れる水がごとくである
停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく
常に流れ行き、留まることなかれ

剣士シリーズでは頭巾が白髪とセットになっていることからも、この遊牧の民の血はゴッドフレイの血筋と同じものであると考えられます。つまり、挿し木の一族です。
したがって、彼もこの三原色の一つシアンの担い手となります。
(ゴッドフレイもわりと、”ふわりと浮いて戦う戦術”を多く用います。)
それも相まって、もともと黄金の民たちは、大半がこの勢力に属しており、褪せ人たちも先祖をたどるとこの遊牧の民となります。また、このうち古くは、「流水の剣を扱う青衣の盲目剣士」という存在がおり、腐敗を封じた伝説を持つほか、彼の剣技は”人として抗う力”の象徴となり、マレニアやミリセントへと受け継がれていきます。
こうしてみると、シアンが色勢力の中でもかなり重要な位置を占めているのが分かると思います。
〇黄「金の勢力」

まず絶対に誤解してはならないことがあります。色勢力の黄色に我々が知るところの黄金勢力が対応するのですが、「黄金それ自体」は色勢力の枠組みではありません。
実は黄金というものは光勢力が発端となって誕生しているもので、それを現在、金の勢力と呼んでいる実質「黄の勢力」が利用している状況です。(寝返っている、と言ってもよいでしょう。)
これはマリカという存在の謎を紐解くことで明らかになることなので、今はいったん、そうなのね、ということで読み進めていただければと思います。

深き根の底に張り巡らされる巨大な根や、アルターの植物たち、そしてゴッドウィンの象徴する死の属性(カドミウム)などは、すべて金というよりは”黄”であり、黄色は、これらが属している勢力を指します。一般的に金の勢力とか、黄金の民とか言われているのは全てここに属します。
今後もこの連中を金の勢力と呼びますが、マリカを除く全てのこの勢力のものは、実質「黄の勢力」(木の勢力)ですのでお気をつけください。
〇緑「ストームヴィルの勢力」、「イデスの勢力」

ここからは三原色ではなく混合色となる点に注意して見ていきます。
色の三原色より、「緑」というのは「黄」と「シアン」を混ぜて出来上がります。この色はストームヴィルやゴドリックを象徴している緑色、なんだったらリムグレイブの曇り空の色と一致します。このことは、ストームヴィルが生命を謳歌する木の力と流水の力が混ぜ合わさった、風の力を象徴していることと対応します。
植物は、土壌から水を吸い上げ、蒸散で気化させます。それは空気中を循環し、停滞を解消します。これが、風の力に対応するのです。
そして「黄」と「シアン」はそのままマリカとゴッドフレイが属していた色勢力ですから、それらを掛け合わせて彼らの息子、ゴッドウィンの居城たる現在のストームヴィルの象徴する色になるのは、きちんとした対応が見られます。

一方、イデスの勢力は緑色の深さが違います。イデスの緑はどちらかというと「黄色」と「青色」を混ぜたような色です。つまり、金の勢力と呼ばれている勢力と”色勢力としてのカーリアの勢力”の混合です。
これについては、文化が混ざる経緯があったという理解で、よいかと思います。
(詳しく先述しましたように、以下で考える金仮面卿様が詳しく述べております他、私も稚拙ながらイデスについての考察記事を作成しております。我々はイデスにまつわる因果を全く異なる視点から考察しましたが、イデスが黄と青の混合文化であることは、共通の認識でした。)
〇赤「血の勢力」「腐敗の勢力」

本来、赤は黄とマゼンタの混合色でした。血は生命の象徴。であるならば、黄とマゼンタ、生と死の狭間にあるものが生物の赤というのは、何とも自然なつながりです。
(しかし現在は先述のようにマゼンタが切り離されているため、赤は境目があいまいになっている状況です。)
血の勢力は、黄金律の下で生きる生命にとってなくてはならない存在です。
理由はいたって簡単、黄金律の下で生きる全ての生命の血は、赤色だからです。
したがって、色勢力は原則として、しろがね人のように血が赤色でない生命体は許容しません。もちろんこれは泥人や泥濘に侵された亡者たち、ミランダフラワーでさえ例外ではありません。
そして、血の勢力の元締めは基本的に、マリカの子であるモーグ様です。
ですので、この勢力は当然黄金の中に入っており、したがって色勢力として分類できるのです。
しかし、モーグがミケラに魅了されたように、現在の狭間の地では血は光勢力に取り込まれつつあります。その証拠に、モーグの血の技術には、本来光勢力の要素である「炎」が伴われるようになってしまっているのです。
これについては、後ほど光勢力の赤を説明するときに詳しく話します。

一方、赤は腐敗の勢力の色でもあります。
腐敗はもともと光勢力の力でしたが、流水の剣士がそれを封印して後、現在はマレニアつまり金の勢力の子孫が受け継いでいます。
その証拠に、マレニアが象徴している腐敗と、光勢力が象徴していた頃の腐敗は見た目が全く違います。
そして、マレニアの後に腐敗はロミナへと受け継がれていくのですが、若干光勢力になりつつあるような変化を感じさせます。
光勢力下にある時の腐敗は発光しており、腐敗の眷属たちが喜んでいます。一方、マレニアが齎したケイリッドの腐敗は発光しておらず、腐敗の眷属たちは興味も示しておりません。
エブレフェールの腐敗も発光してはいませんが、かわりに発光する蝶がおり、こちらを使って眷属たちをうまく魅了しているようです。おそらくこの辺りはミケラも一役買っているのでしょう。またもちろん、マレニアのはたらきもあるでしょうね。マレニアはもともと色勢力として腐敗に抗っていましたが、ラダーンと刺し違えた際に、腐敗の花を咲かせてしまいます。それは光っており、光勢力の腐敗を受け入れたことになります。
ですので、現在の狭間において腐敗の勢力は、再び光勢力へと戻りつつある状況です。
このような流れは、橙が赤と黄の混合色で、また赤がすでに光勢力に奪い返されてしまった(後述)ことも原因です。それで引っ張られてしまったのでしょう。

(画像:Elden Ring Story Trailer)

あと一度腐敗の花が咲けば、マレニアは女神になる。これはその予兆か。


〇青「カーリアの勢力」

カーリアは青が特徴の勢力です。もちろんカーリアの本来の元締めは銀の勢力ですので、光勢力の「青」がカーリアのあるべき本性なのですが、ラダゴンの婿入りのタイミングで色勢力と和睦が結ばれ、その際に”色勢力としてのカーリアの勢力”が誕生しています。カーリアの城館などもこの頃に建設され、したがってこの時期頃に誕生したカーリアの騎士団の装束には青布が伴われるのでしょう。
しかしやはり色勢力にとって境目があいまいな色です。これも、マゼンタを切り離したことが原因でしょう。

このような砦造りはもともと金と銀の交流時代、特にそれが揺らぎ始めたころに使われたもので、
この城館も、もともとは金と銀の交流を象徴していると言える。
ラニの威光が強くなってからはそうとも言えなくなってきたが、一応色勢力の青の施設と言える。
〇白「無垢金の勢力」

色勢力における白というのは、端的に言えば「色無し」です。なにも汚れていない、言い換えれば何の要素も入り込んでいないもの、白紙のキャンバス、イノセントの状態です。
これは成長することがないミケラの宿痾と対応しており、したがって白は無垢金の勢力の色となり、当然ミケラは(影の地でポイ捨てしまくるまでは)マリカの子孫ですので、色勢力とみてよいでしょう。
しかし、ミケラは後に、光勢力へと鞍替えします。これが光勢力の白に対応するようになり、ミケラは色勢力にとって最大の宿敵と化けることになります。
特に、ミケラにまつわるものは「緑」と「黄」の装飾が多く使われていますが、これが光の三原色で照らし合わせると、「赤」と隣合せで結びつくことになります。すると、ミケラの光勢力への転移というのは、光勢力の赤がその背景にあることが考えられます。

光の三原色において赤と隣り合わせの色ばかりであり、ミケラが聖樹へと向かっている時点で、
すでに境界があいまいだった赤の光勢力から、何らかの干渉を受けていた可能性が高い。
(画像:The Secret of the Testu's Rise Paintings | Elden Ring Lore)
光勢力の赤の元締めは、血や腐敗を牛耳るラウフです。つまり、ミケラは聖樹にたどり着くまでに、ラウフから何らかの影響を受けていた可能性があります。
〇黒「大いなる意志と暗黒の象徴」

黒は色勢力の中でも全ての行きつく先であり、したがって元締めの象徴です。この代表者は大いなる意志です。
大いなる意志の本拠地は宇宙の彼方にある暗黒ですので、これがそのまま色勢力の最高勢力の色として機能します。
永遠の暗黒や重力魔法の暗黒も、これと関係がありますね。
メーテールはかつて輝ける母だったことから、彼女ももともと黄金だったと考えられます。
すると、メーテールの周囲には重力のマゼンタ、水のシアン、そしてメーテール自身の黄という、色の三原色が揃っていたことになります。
これこそが、大いなる意志を元締めとする勢力図と言えましょう。
1-3.銀の勢力と光勢力たち
〇赤「火の勢力」、「メスメルの勢力」、「腐敗の勢力」、「血の勢力」

光勢力は簡単に言えば黄金律の敵対者たちの勢力で、例えば赤は火の巨人たちの勢力です。
また、光勢力の赤は本来、腐敗の勢力や血の勢力も属しており、もともとは「ラウフ」の象徴していた力が、この色の基本と言えましょう。(ラウフは腐敗の母であり、姿なき真実の母の正体でもあることを大考察「ラウフとゲルミア火山」導いています。)
しかしラウフは腐敗を封じられ、自身もまた娘である宵眼の大罪から、極刑を食らうことになります。ただ、おそらくこの時ラウフは無理矢理黄金樹化させられ、色勢力の力を乗っ取るチャンスを得ます。それが、同じ赤、血の力であったと考えられます。これで、光勢力下にある血の勢力が誕生します。
後にモーグが魅了によって光勢力に取り入れられたことで、血は炎を宿し、乗っ取りは成功しつつあります。それだけでなく、火に包まれたロミナを介し、古遺跡で腐敗の神性も取り戻しつつあります。しぶといですね、ラウフ・・・。
このようなことから、ラウフは赤髪の祖とも言えるでしょう。

カーリアの城館に秘蔵される宝剣
「伝説の武器」のひとつ
魔術師の前身たる星見のはじまりは
空に近い、遥か高い山嶺にあり
火の巨人が、その隣人であったという


このことがマレニアとはまた違った形で、光勢力と腐敗を再び結び付けた。
(画像:Elden Ring Shadow of the Erdtree Story Trailer)

そうなると、彼女こそが赤髪の祖だった可能性が高い。

火をその内に宿している。
(画像:Elden Ring デビュートレーラー)

当時から火は色勢力と光勢力どちらも共有している部分があるため、
ラニは指の干渉を断ち切るため、ラダゴンは光勢力を断ち切るためだろう。
(画像: reddit「ranni's empyrean body」 )

そして、メスメルの勢力も外せません。メスメルの勢力は火を使いますので、光勢力です。しかもそれでいながらマリカの意志に従うという、異端の勢力です。だからこそ、彼らは影の地に送られ(残され)、色勢力の威光が輝く黄金律が敷かれる狭間の地から外されたのです。必要悪ってやつですね。
カーリアと結びつきやすいのも、もとが光勢力に分類できる連中だからと考えてよいでしょう。
◯青「カーリアの勢力」

カーリアの魔術は輝石魔術などと比べても青色が目立ちます。このことから、カーリアの勢力は青です。
ラダゴンが婿入りしたタイミングでは色勢力としてのカーリアの勢力が誕生しますが、元々カーリアは光勢力の中にあり、その大本を辿ると、古い王朝遺跡のトンガリヒゲおじ、ウル王へと帰着します。

ウル王の系譜に並ぶ泥人なども青を象徴しますので、きちんと対応します。
また、傀儡の目が青く光ることから、これらの技術もカーリアの系譜の一つと言えるでしょう。
そういえばラニの霊体化した本体も青色です。女王の杖の輝石も青色ですね。
◯緑「輝石の勢力」

純粋の緑の光は輝石の魔術に見られ、その本質は彗星アズールなどで垣間見ることができます。
緑は光勢力にとっても色勢力にとっても、その境界が曖昧な色で、輝石魔術はどちらの勢力にも幅広く学び手がいます。



つまり、輝石の本質は勢力を隔てない。
恐らくこの色の本質が「星」であることに起因しているのでしょう。いずれの勢力も、あるいは物語に関わる生命のほぼ全ては、同じ星の上にあります。そういった状況を象徴する輝石の緑は本質的には光勢力ですが、それ自体が別の勢力と敵対しようとする意志があるわけではないでしょう。それはあくまで輝石を扱うものの心次第といったところです。
◯黄「古竜の勢力」

光の「黄」は実質「金」であり、黄金とは違ってもともと古竜が備えていた力です。すなわち、雷のことです。

王都古竜信仰の祈祷のひとつ
(略)
さざれ石のウロコを持つ古竜は
雷を武器とする、竜たちの祖先であり
かつて、王都ローデイルと戦ったという
この物語において雷は本来、金色に光ります。また古竜の元締めであるプラキドサクスは、金色のブレスを吐きます。
古竜の金の雷が光勢力の黄を象徴することは、様々なところで対応しています。
まず一つに、古竜の信仰がはじめ、黄金樹の文化から否定されていたという点です。王都古竜信仰ははじめからあったものではなく、ゴッドウィンがフォルサクスと仲良しになったことで認められた信仰です。
そもそもそれ以前は黄金樹と古竜は敵対関係にあり、グランサクスが王都へ侵攻している様子が、もはや観光スポットのように今も残されています。

また、黄色は光において緑と赤の混合色です。どちらも現在の狭間において色勢力と境界が曖昧になりつつある色です。緑は輝石の魔術で幅広く学ばれており、赤は炎に監視者たち、血にモーグ、そして腐敗にマレニアがそれぞれ色勢力にいるくらいですから。
ですので、古竜たちの金の雷が黄金律の外にありながら認められたというのは、不思議な話ではなくなってくるのです。なるべくしてそうなっているわけです。
一方ほとんどの古竜や、ベールが用いる雷は、赤い雷や赤交じりの雷で、純粋な金ではない色のようです。


同じ反逆の証でも、飛竜と古竜では若干の色の違いがある。
これについては、古竜たちが赤い光を抱きラウフの協力を得たことが起因しているでしょう。大考察「王都と16の星団」で述べましたように、飛竜たち(ベール派)はラウフの後ろ盾を得てプラキドサクスに攻撃します。このとき、反逆の力、朱い雷を与えられているのです。
飛竜たちが炎のブレスを吐けるようになったのも、このラウフの協力があったからですね。

儀式壺を使った製作アイテムのひとつ
(略)
伝播する赤い雷は、王を裏切り
暴君に仕えた古竜の技であるという

その痕跡として、セネサクスを撃破した後の場所には、赤雷を纏ったスライムが大量発生する。

つまり、飛竜たちも光勢力とみなしてよさそうだ。
そして多くの古竜たちもまた、赤い雷を纏います。赤い雷は反逆の証ですので、このことから古竜たちもまた、プラキドサクスを裏切っていたことが分かります。
まぁ竜王、王とは力故に与えられる地位である故です。奥さんの宵眼にメロメロになりながら偉そうに王権振りかざす、人の姿に化ける竜王など気に入らなかったのでしょう。

古竜ランサクスの力を振るう祈祷
赤い雷の薙刀を呼び、上空から薙ぎ払う
その斬撃は雷を奔らせる
ランサクスはフォルサクスの姉であり
人の姿に化け、古竜信仰の司祭として
騎士たちと交わったという

そして二人の婚姻により、ファルム・アズラが建造された。
このことは大変重要な、今回の考察の根幹でもある。
しかしプラキドサクスはやはり竜王、多くの古竜とベール率いる飛竜に裏切られても、全く太刀打ちできないほど強力だったようです。プラキドサクスが赤い雷や嵐を用いるのは、おそらく古竜やベール、飛竜との戦いで大量に殺し、その力を奪っていったからです。プラキドサクス、あるいは竜というのが、”相手から力を奪い、強くなる”という能力の発端なのかもしれません。
一方、最後の断末魔に金のブレスを吐きまくるのは、やはりプラキドサクスの本質はそちらの色だからでしょう。
それと近い経緯で、ベールの雷も説明できますね。飛竜は通常、雷を纏いませんが、古竜を殺しその雷の力を奪ったことにより、あの特徴的な色の雷を用いることができるようになったと考えられます。
◯紫「宵眼の勢力」

紫の光は赤と青の混合色です。つまりこれはラウフとウルの象徴の色を混ぜたということで、そのまま二人の娘である宵眼に対応します。
宵眼の紫は赤と青を中和させたというより、2つの色を兼ね備えたようなものであり、可視光線の外に紫外線があるように、超危険な色として機能しています。
ただし、今回、マリカの真実を導くに当たって宵眼は最もキーとなる人物です。ですので、一旦ここで深い言及は避けることにします。
(ちなみにこの説は、マリカ=宵眼という結論ではありませんので、この辺りは後半部をご期待ください。)
また、永眠もこの属性です。トリーナは影の地で色勢力の青いマゼンタから、この紫の力へと遷移していきます。
(このことについても、後半部で理解できると思います。)
〇水「祖霊の勢力」

祖霊はもともと金でも銀でもない全く自然のもの、恐らくはこの星にもともとあった神秘ではないかと考えられますが、輝石の緑という高い融和性と青いカーリア(ウル)の力で光勢力に取り込まれ、今では遊牧の民を模倣した祖霊の民を通じて、泥濘や霊体を土壌やあちこちにしみ込ませるようになっているのだと思われます。
大きな勢力ではありますが、今回は、この存在それ自体は深く関わりません。
〇黒「夜の勢力」

光勢力における夜とは、色勢力における白に近く、”光がない状態”を示します。例えば夜の剣士ヨラーンやアンナはその性質を抱いており、実際彼女たちは純粋無垢です。なにせユミルに心酔するくらいですからね。
一方、黒は”すべての光を吸収する”という、光を集め取り込むという性質としても存在します。例えばこれはノクステラの黒い月がそれにあたり、次に述べる光勢力の白と合わせて、夜の律に欠かせない存在となります。
〇白「銀の勢力と月の象徴」

光勢力の色を全て混ぜるとこの色に帰着します。すなわち銀の勢力がこの色であり、光勢力の全てに入り込んでいる、金の勢力の宿敵です。
同時にこれはレナラやラニなどをはじめとする「月」の象徴でもあります。白く光り輝く満月と、全ての光を吸い込むノクステラの黒い月の二つのバランスで均衡を作り出す、これが銀の勢力の野望である夜の律、銀の千年王国の姿です。
以上のように、Elden Ringの世界における勢力やその間の関係というものは、色の三原色と光の三原色で説明可能になるのです。
そしてこれらの勢力が、入り乱れ、混ざり合い、この星に蔓延っている。
これが、巫子の村の景色そのものと対応しているのです。
つまりあの村の土台は、この星そのものを表していることになるのです。

調和している様を表していると考えられる。
1-4.黄金とエルデの獣
では、この色勢力と光勢力の関係の中で重要となる、黄金の扱いについて見ていきます。
色勢力における黄金とは実質黄の勢力に入っており、光勢力における黄金とは実質金の勢力に入っております。それぞれ黄金とは似て非なるものであり、したがって、黄金とはこれらとは本質的に異なる別のものであると考えられます。
〇黄金とは何か
黄金とは何か。少なくとも作中において黄金とは次のように語られます。
…ミケラ様は、仰っていた
はじまりは、誘惑と裏切りだった
黄金はそうして生まれ
また、影も生まれた

律の具現、すなわち現行の黄金律、エルデンリングそのものである。
黄金樹に刻まれた
エルデの獣の追憶
(略)
それは、大いなる意思の眷獣であり
律たる概念の具現であった

最古とされる黄金樹の祈祷
「伝説の祈祷」のひとつ
無数の黄金の流星を生じ、周囲を攻撃する
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという
まず一つの黄金とは「エルデンリング」のことであり、エルデンリングが黄金律の所有物になったことから、現行のエルデンリングは黄金律そのもの、すなわちエルデの獣を指します。
お気を付けいただきたいのが、この文章の解釈を「エルデンリング=獣」としてしまうとミスリードになってしまう可能性がある点です。
エルデンリングというものは黄金の流星であり、これと共に飛来したのが獣です。エルデンリングはいわばこの星のルール(=律)というべきものです。
「エルデンリング=ルール」であり、現在は獣がこれを所有しているので、獣の意志(黄金律)がルールとなり、獣がルールの具現です。
ですので、獣が死ぬとルールがリセットされ、空っぽのエルデンリングだけが残ります。そこに次なる王なり神なりが新たな律を敷くと、それが新たな律たる概念の具現となります。
もしそうでなく「エルデンリング=獣」としてしまうと、獣が死んだ時点でエルデンリングが失われるはずですし、何より修復したらまた獣が出てきてしまうはず。自説ではこれに対する説明ができません。
ですので、この考察ではエルデの流星のテキストをあくまで、
「黄金の流星(エルデンリング)と共に、一匹の獣(大いなる意志の眷獣であるエルデの獣)を狭間に送り、それが(獣がエルデンリングに自分の意志を律として敷いたため、)、(獣が狭間におけるルール、すなわち)エルデンリングになったという」と解釈します。
さて、黄金とは”誘惑と裏切り”によって影と共に誕生したものであり、物語においては「神」の代名詞でもあります。
そして一方で、マリカもまた「律なき黄金」を持っていることから、エルデの獣とはまた異なる形で、黄金を抱くことになります。
ですので、マリカの真実に迫るには、黄金というものについてきちんと理解していかなくてはなりません。
〇誘惑と裏切り

(画像:Elden Ring Shadow of the Erdtree Story Trailer)
DLCのストーリートレーラーでは、マリカと思われる人物と共に、”黄金の誕生は誘惑と裏切りだった。そして影もまた同時に生まれた”ということを説明します。このことだけを見ると、つまりマリカが黄金を掲げたことによりマリカの黄金樹時代が生まれ、また同時に影の地も生まれたことを表しています。
恐らくこれは事実です。自説では影の地は狭間の地から物理的に浮上し切り離された土地ですが、恐らくそれはマリカが神の門で柔らかな黄金を掲げたことにより実現したのでしょう。ですので、マリカの誕生とともに、黄金と影が出来上がったわけです。

そして、本来はエニル・イリムにウル王が神として帰還したとき、各地の神授塔が起動し影の地を宙に浮かせて、空の彼方へと分離する予定があったと解釈しています。
これが、マリカが神になったことで自動的に動き出したのでしょう。
位置は、永寿と黄金樹の位置が重なるような場所にあったとしています。
しかしこうなると、青海岸ががっつりリムグレイブに重なります。
さてこれはどういうことか?この点については、第二部で解決します。
しかし、マリカと共に黄金と影が生まれたと解釈するのは、女王マリカの誕生を”はじまり”に置いた場合です。先述した通り、そもそもこの世界における黄金とはエルデンリングであり、それはマリカよりも以前、エルデの獣をその具現とする存在として、確かにあったはずです。
ですので、黄金の誕生はマリカだけでなく、エルデンリング(=エルデの獣)の誕生とおいて、そこを”はじまり”とおいても成立しているはずです。あの台詞は、そういったダブルミーニングになっていると考えられます。
では、エルデンリングはいかにして生まれたのか。
この場合も発端は誘惑と裏切りということになります。
誘惑とは銀の勢力の象徴ですね。ラティナなどしろがね人は人々を誘惑し、取り入ってくる性質を持ちます。(その証拠に、褪せ人のほとんどは、ラニ様の虜ですもの。)
では裏切りとは何の象徴でしょうか。明白です。大いなる意志です。
ご存じ、大いなる意志は、自らの子供たちであるメーテールも、あるいは獣も、指たちでさえ、放棄しています。彼女たちの元締めでありながら、大いなる意志は一切その呼び声には答えないのです。
そして、作中では”呼び声に応えてもらえない=裏切られた”という描写が、あえて赤である「火の勢力」と「血の勢力」と「腐敗の勢力」で演出されています。
また、火の勢力は監視者が裏切る描写があります。まさに誘惑と裏切りの直喩ですね。

霊魂の宿った遺灰
黒炎僧兵、アモンの霊体を召喚する
神狩りの黒炎に忠誠を誓ったアモンは
火の僧兵、最初の裏切り者である
いや、アモンは火から逃げたのだ
その心の弱きが故に
また、メスメルはマリカに呼び掛けても答えてもらえないという演出がされています。
それだけでなく、血と腐敗もはじめ光勢力の管轄でありながら色勢力に奪われ、しかし現在光勢力に戻りつつあるということを話しました。

その愛情に飢えるメスメルは、母を憎み愛する、歪んだ感情を向けるようになる。
一方、血の勢力も、モーグがミケラに呼び掛けても答えてもらえず、同じことが私の貴方にも起こります。
そしてさらに、腐敗の勢力でも眷属たちが母に捨てられたと嘆き、マレニアもミケラを永遠とまっている始末です。

黄金樹に刻まれた
血の君主、モーグの追憶
(略)
ミケラを神とし、自らはその伴侶として王となる
そのために、血の閨をどれほど共にしようとも
幼き神人は何も応えなかった
…モーグ様、モーグ様
今こそ、お約束の力を、私めに…
ヴァレーは、存分に尽くしました
どうか、モーグ様…
…モーグ様、どうして、お応えくださいませんか
…
ああ…、あああっ…
モーグウィン王朝に、愛よあれっ…!
ぐふうううっ

…ああ…
…ミリセント、わが娘よ
…なぜ、針を抜いたのですか
もう少し、ほんの少しで…、最上の花と咲いたものを
…拒絶するのですか?マレニア様と同じように
我ら、朱い腐敗の子らを
…ミリセント
…マレニア様
…そんなにも、我らがお嫌いですか…

(画像:Elden Ring Story Trailer)
無垢金で作られた翼の兜
ミケラの刃、マレニアの装備
彼女は、抜け殻の足元でミケラを待ち続けた
兄さまが、約束を違えるはずがない
神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ
もっとも恐ろしい神人なのだから
つまり赤はどの勢力を見ても裏切りの連鎖が起こっている状態であり、それがすなわち色勢力の元締めが呼びかけに応じないこととピッタリ対応しているのです。


これも、かねてからの時代への裏切りである。
ですので、エルデンリング誕生における誘惑と裏切りとは、そのまま白銀と大いなる意志に対応するのです。
そうなると、エルデンリングとは、大いなる意志に何らかの誘惑があり、しかしそれを裏切ったことにより誕生した、”色勢力と光勢力(金と銀)のハイブリッドで生まれた存在”であると言えます。
だからどちらの勢力もこれを求めて狭間の地の覇権を古くから争っているのです。しかし宵眼とプラキドサクスの婚姻は、エルデンリングの本来の姿に近しいものだったために、しばらくの協力関係を築くことができたでしょう。実際、それはエルデンリングの理想に非常に近しいものだったと思います。
しかし、黒い月の星を取り込む野望も、大いなる意志を信じる母メーテールも、奥底では相容れませんでした。
結果、ファルム・アズラは崩落。二つの勢力の仲は再び分かたれ、それは今まで続いている状態です。
次に二つの勢力に和睦が結ばれるようになったのはレナラとラダゴンの婚姻ですが、これも長続きはしなかったようです。というのは、これが将来的にファルム・アズラの崩落の二の次になるのは目に見えていたでしょうから、マリカが許さなかったというのもあるのではないでしょうか。
いえ、マリカではありませんね、ラダゴンが付き従う黄金律の意志でしょう。
黄金律はシステム的に、ファルム・アズラ崩落を繰り返さないための判断をしたでしょう。それがラダゴンとレナラの仲を取り持って技術を向上させたのち、二人を引き裂くことだったのだと考えられます。しかも銀の生まれを不完全にするおまけ付きで。
こうして、カーリアを失墜させなおかつ黄金を確固たる色勢力のものとする。
黄金律の意志、すなわち大いなる意志の代弁(指曰く)です。
きったねぇやり方だわ。でもラダゴンは黄金律の従者ですからね。指にそう言われちゃあ、最愛の奥さんも手放しちゃうわけです。
そんなだからマリカからは黄金律の犬とか言われるんです。
エルデの獣は指を通じて意志を持つ神となり、それが現在の黄金律です。
システム的で、色勢力しか認めない、無感情で残酷で、秩序正しい律です。
しかしそんなエルデの獣も、元をたどれば誘惑と裏切り、すなわち色勢力と光勢力のハイブリッドなのです。
・・・信じられないでしょうか。では、こちらをご覧ください。

色は輝いておらず、しろがねの血と金を混ぜたような色をしている

どろっとしたような質感までエルデの獣の血とそっくりである。
エルデの獣は、その血液の質感がしろがねなのです。姿は金色に輝きながらも、中身白と金の混ざったような色の血。これぞ、金と銀のハイブリッド以外の何物でもありません。
しかも、ラダンゴを剣にした挙句、そこから光波まで放つ始末です。
光波とはフロムの聖剣「ムーンライトソード」(月光剣)の専売特許であり、故に光波は月光すなわち月、ひいては銀の勢力(光勢力)の力です。
獣はそれの黄金タイプを放つことができる。
それだけではありません。エルデの獣の奥義「エルデの流星」は、黄金サイドの術だっつーのに怨霊みたいに執拗に相手をつけ狙います。
追尾性能は光勢力の主な攻撃手段であり、それが自傷して放たれます。このような奥義を持つことも、獣は金銀ハイブリッドであるということから理解できると思います。

光波とは本来、月光の象徴である。
ラダゴンの助けもあって、黄金律原理主義はこのようなハイブリッド技を実現できたか。
他にもあります。エルデの獣が自身の世界(?)に主人公を誘い込むとき、一瞬だけ銀の勢力の象徴である星の力を使います。

すなわち宵眼の勢力の色である。

そして空を戴く星々の色は、金と緑だけである。
そもそもこのように自らの世界に包むというのは、レナラ(ラニ)がやってのけたことであり、
エルデの獣が明確に銀の特性を利用していることが表現されている。

エルデの獣はこのように、金の勢力の力だけでは説明不可能なことを堂々とやってのけているのです。したがって、両勢力の特性を持っていると考えてよいでしょう。
さて、エルデの獣は金と銀のハイブリッド。でありながら黄金律を敷くのはどういうことか。
つまりそれは、黄金律が獣であり、それが意志をもって、色勢力側に思想を寄らせていることを示していると考えられます。
黄金樹に刻まれた
エルデの獣の追憶
(略)
それは、大いなる意思の眷獣であり
律たる概念の具現であった
こちらをご覧ください。

これは、明らかに「宵眼」です。しかし、名前は「獣の瞳」。
つまり、これはエルデの獣がもともと”宵眼を抱いていた”と考えられる重要な証拠となります。この瞳がエルデの獣の瞳かは分かりませんが、「獣」と「瞳」を結びつけるものが「宵眼の暗紫色」であるという明確なヒントになっています。
そして、その存在が黄金律の意志に反するとき、エルデの獣は自らの瞳を取り除いたのです。


なぜそうしたのか。
それは簡単です。Demon’s Souls以来、獣とは赤子と結びついており、赤子と言えば母が恋しい存在です。
エルデの獣は自分を捨てた母である大いなる意志が恋しかった。だからその意志である黄金律そのものに従順であろうとした。まぁ、眷獣と言えば、大いなる意志のペットみたいなものでしょうし、母あるいは飼い主を愛していたがゆえの思考ではないでしょうか。

霊魂の宿った遺灰
ユビムシの霊体を召喚する
まだ幼く、体の小さいユビムシの霊体
召喚者を無垢に慕い、HPを回復してくれる
まだ母が恋しい頃なのだろう
しかしそれはマリカの望んだ神の像ではありません。心持つ神など不要です。エルデの獣は明らかに意志を持っていた。その意志はすべてを優しく包むものではなく、ただ母の愛情に飢える獣の独りよがりな意志です。ゆえに、神たる存在において取り除かれるべき要素だったのです。これが今のところ重要な結論となります。

それは厳格な律を持つエルデンリングとなり、
恐らく獣はそれこそが大いなる意志の心だと信じたのだろう。
まるで親の前でいい子ちゃんになって愛情を受け取ろうとする、幼子のようである。
金仮面卿が見出したルーン
エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時
その修復に使用できる
それは、黄金律を完全にせんとする
超越的視座のルーンである
現黄金律の不完全は、即ち視座の揺らぎであった
人のごとき、心持つ神など不要であり
律の瑕疵であったのだ
1-5.名も無き花が示すもの
ところで、狭間の各地にはこんな花が咲いています。


景観を彩っているだけのようですが、実はこの花が狭間の世界を理解するうえでかなり重要な役割を担っています。
私自身、このことにはじめに気が付いたのはラウフとゲルミア火山の考察をしている時でしたが、この花の色、どこにどのように咲いているのかによって、そこにどんな勢力のはたらきが隠れているか、それを導き出せるのヒントになるのです。
例えば黄色い花は、小黄金樹やマリカ教会などに咲き、金の勢力が強い影響を与えていることを示します。
反対に青い花は水辺や青海岸などに咲き、銀の勢力が強い影響を与えていることを示しています。
そして、紫色の花はティビアの影響を受けていたり、あるいは金と銀の拮抗した状況、中性的な場所であるということを示しています。




紫色は、ニュートラルな状態を示している。(死んでいる、あるいは活動休止状態。)
このように見ると、ケイリッド赤い花が多く咲いていたり、モーグウィン王朝に白い花が咲いている理由も分かってきますね。赤い花は地下にモーグがいることから血の影響、あるいはマレニアの腐敗の影響があるから赤いのです。そして白い花はミケラの影響があると考えてよいでしょう。

古遺跡ゴーレムの亡骸など、火にまつわるものの周りにも多い。

しろがね、というよりもむしろ、無垢金の勢力ミケラの仕業か。

結びの教会は、ラダゴンとレナラを象徴するように、二つの色が互いに咲いている。
〇花咲き誇る巫子の村

では、いよいよ巫子の村の重要な意味を明らかにしましょう。
この村にも、実に色様々な花が咲き誇っています。
じっくり見てみると、ピンク、橙、藍、白、そして中央の黄金。
実は、これだけ色とりどりでありながら、この巫子の村には黄以外の”原色が存在しない”のです。
つまり、どの花にもいろいろな要素が入り混じり、あるいはそれぞれの個性が引き立っている。
原色が存在しないこの景色は、どちらの勢力にも偏っていない、いえ、どちらの勢力も受け止めている、まったく区分のない世界、そんな情景であると読み取れるのです。
そして面白いことに、あの花は、この村では橙で存在しています。あの花が大量に咲き誇るのは本来青海岸なので、あの花は銀の勢力の領地が原産だと思われます。しかしそれをあえて「黄」ではなく「橙」で大量に咲かせている。
この花が橙の色で咲いているところはめったにありません。
銀の勢力の原産である花を、金とは違う、しかし近しい色で咲かせる。
それは坩堝の色にも似て、金と銀のハイブリットを体現しているようにも考えられます。
これらのことから、マリカの黄金とは、決して誰かや何かを淘汰しようとしているわけではないということが分かります。
巫子の村の花々が中心の黄金によって咲き誇っているのなら、これは、金も銀も、それぞれがどんな勢力で交じり合おうとも、あるいは独立しようとも、凛とそれらを咲させようとしている。ありのままで受け入れようとしている。そういう様子だということです。
しかも、中央にある黄金の木は、案外どこにでもある木です。マリカはそれを黄金に染め上げた。これは、つまり黄金の担い手は決して特殊な生まれのものに限定されるべきでないということを示しています。
しかも実はこの木、そばでプロロするなどでロードを挟むと倒木させることが可能なのですが、もしそうなったとしても黄金は依然としてこの場に残り続けます。
すなわち黄金の本質は木にあるのではなく、その空間にこそ広がっているものだと解釈できます。
これこそが、マリカの理想ではないでしょうか。
大地には各々がそれぞれあるがままの姿で咲き誇り、黄金はただそれを祝福し、受け入れる。神とはそうあるべきものではないか。
決して一つのルールに縛られるわけでもなく、淘汰されるわけでもなく、赴くままでありなさい。
それが、マリカのこの世界への願いなのではないでしょうか。
そういえばフロムはKADOKAWAの子会社になりました。
株主総会で製作能力の高さと売り上げへの貢献度について突っ込みを喰らって、
フロムをもっとビジネスに活かせないか、といった声があるらしいという話も聞きます。
マリカのこの願いは、切実なフロムの希望でもあるのかもしれません。第二部
2-1.どのようにして神になるか
第一部で、マリカが何を願っていたのか、その目星をつけました。
誰もがありのままで受け入れられる、優しいだけの律無き黄金です。それ以上に神があーしろこーしろと口出しすることは一切しない。
ただ優しく微笑み、全てを包み込むような、そんな黄金です。
彼女はそれこそが神の在り方だと信じ、それを実現しようとしたのでしょう。
めっちゃいい神様じゃないですか。
しかし、それを実現するのは簡単ではありません。
なにせ、そもそもマリカはすぐに神にはなれないのですから。

神として帰還したミケラの力
それを祈祷として振るうもの
対象を光の柱で滅する
ミケラは、全てを受け容れ、抱こうと望み
だがひとつだけ、そうできぬものを知っていた
絶対の神も、その王も
決して並び立つことはない
この狭間の星において、王と神は一つずつしか存在することができないという摂理があります。したがって、マリカが世間から何と呼ばれようとも、他の者が神で居座り続ける限り、マリカは女王のままです。だから彼女は「永遠の女王」と呼ばれてしまうのですね。
永遠の女王マリカは隠れ
黒き刃の陰謀の夜、黄金のゴッドウィンが最初に死んだ
であればマリカは神になるために何をしなくてはいけないのか。
分かり切っていますね。現在の神であるエルデの獣を滅ぼさなくてはならないのです。
〇マリカVSエルデの獣
ただし、結論、エルデの獣は普通には滅ぼせません。だって神ですから。律そのものですので、その律のもとに生きるすべての人に、神は殺せないのです。
殺せるとしたら、律の外にある銀の勢力の力が必要になるわけですが、尋常の人はそれを持ちません。それに、仮に銀の力を借りたとすると、せっかくのエルデンリングが銀の勢力に奪われ、夜の律が出来上がってしまいます。
ですので、マリカはどうにかして銀の勢力の力を借りずにエルデの獣、神を滅ぼさなくてはなりません。
どうしましょう。詰んでませんか、これ。
しかしマリカはあるアイデアを持っていて、それによって神を越えることができることを確信しました。(それは第三部にて明らかにします。)
では、マリカがとった手段を、まずは流れで見ていきます。
ところでマリカが動き出した頃、時はアステール飛来後、沈黙の時代です。この頃の神と王はそれぞれ宵眼とプラキドサクス。そしてファルム・アズラに君臨しています。宵眼もまた、神の使命に縛られながらそこにいたことでしょう。
マリカははじめに罪人巫子壺に巻き込まれ、それから黄金律に協力し、エルデの獣を神にする作戦が始まります。
①マリカは罪人巫子壺事業に耐え、全てを受け入れられる神人であることが証明される。
↓
②指と影獣を与えられ、伴侶としてホーラ・ルーを立てる。
↓
③表向きには神と名乗り、神人のまま指とエルデの獣に従い、黄金樹樹立のため狭間統一戦争を勃発させる。
↓
④ホーラ・ルーとラダゴンに好き放題やらせて、敵は全滅、銀の勢力は取り込む。最終的に宵眼とプラキドサクスをファルム・アズラで撃破する。
↓
⑤ホーラ・ルー追放、ラダゴンに王政を敷かせる。彼は王配となり、絶対王権の黄金樹時代がスタート。ここで正式にマリカが絶対の王、エルデの獣が絶対の神となる。
↓
⑥陰謀の夜、銀の勢力が金の勢力に攻撃を仕掛けたとき、黄金律がバグる。これを機にマリカはエルデンリングを砕く。
↓
⑦マリカはエルデの獣により磔にされ、エルデンリング破壊に反応して動き出した影獣マリケスが、この状態のマリカに運命の死の刃を突き刺す。ラダゴンが修復のためにエルデンリングを内に宿していたため、このマリケスの攻撃によりエルデンリングに傷が生じる。
↓
⑧破砕戦争勃発。同時に褪せ人たちを狭間に呼び戻し、ホーラ・ルーあるいはそれを超える褪せ人が黄金樹を焼き、ラダゴン(=マリカ)を破壊し、エルデの獣を具現化させる。
↓
⑨マリカの腹に突き刺さった死の刃がそのままエルデの獣の腹に綻びを生んだため、黄金律には致命的な傷がついている。それを利用して、エルデの獣にとどめを刺す。
↓
⓾器となったマリカの体に修復した新しいエルデンリングを掲げられると、マリカは意志を持たず器だけの、すべてを受け入れ抱く、真の神となる。
こんな感じです。少なくとも優しい律を敷くために、犠牲が大量に発生します。自らの子らでさえそうです。しかしこれはマリカ的にはしょうがないのでしょう。
それについては、以下の言葉を引用します。
贖罪に痛みが伴われるならば、それは甘んじて受け入れなければならない。それが、我らの咎だ。
ACfAは宮崎さんが監督しましたから。思想の重なりがあってもおかしくないです。では、マリカのとった手段を一つずつじっくり説明していきます。
2-2.黄金樹樹立戦争 ーマリカの指名からファルム・アズラ侵攻前夜までー
〇罪人巫子壺

罪人巫子壺事業・・・。巫子の村の巫子たちが鞭に打たれ傷が膿み、そのまま壺に入れられる。切り刻まれた罪人たちの肉も一緒に入れられ、巫子は膿んだ傷から罪人たちの肉と混ざる。その結果、巫子と罪人たちは善き人になる。あるいはそのような儀式をした者たちが、救われるということらしい。
何とも胸糞悪いというか、とんでもね―因習なわけですが、マリカも巫子の村出身の巫子だったわけですから、この罪人巫子壺事業に巻き込まれる羽目になったようです。
なぜ巫子壺などという因習があるのかについては、考える金仮面卿様の御説に同意しておりますので、それについては氏の御説をそのままお借りします。
ただ、なぜこの事業をするのに「巫子」でないといけなかったのかについては、マリカの正体と共にはっきり明らかになる部分ですので、これは第三部にて詳しくお話しします。
とにかくマリカは罪人巫子壺事業に巻き込まれました。
恐らく思ったことでしょう。
「なぜ、生まれが巫子だからと言って、こんなことをしなくてはいけないのか?」
ただそれは他の巫子も恐らく思ったことでしょうから、これだけでは神の素質あるとは言えません。おそらく優しいだけの黄金を持っていたマリカは、それに加えて次のことも考えたはずです。
「なぜ、古い因習だからといって、ボニの村人たちはこんなことをしなくてはいけないのか?」
「どうして罪人たちはその罪の真意や深さを問われることなく、切り刻まれなければならないのか?」
マリカが信じていた、誰もがありのままの姿で神に包まれるべきという思想と比べて、罪人巫子壺事業の実態は全てが外れていたのです。
おそらくマリカは感じ取ったのでしょう。正気を保つために蛆虫で顔を埋めなくてはいけないほど、つらい思いをする壺師たち。うずくまって苦しむように泣き崩れる村人たちの声。自分の無実を主張しながらも殺されていく罪人たち。
ボニの人たちも罪人も、心からこんな事業を望んではいない。
マリカはひたすらに優しい黄金を信じ、それを抱き続けたのでしょう。
だから鞭に打たれ、罪人の肉と共に壺に入りながらも、何一つ恨まずすべてを受け入れようとしたはずです。


無数の毛蟲を凝り固めた、異様な仮面
ボニ村の大壺師たちの呪具
それは、彼らが神事に勤しむとき
あらゆる邪念を寄せ付けぬ
穢れ、迷い、誘惑。それら全てを
結果マリカは、このあり得ないほど残酷かつ不可能とも思われた試練を乗り越え、神人としての資格を得るのです。
マリカという神人を完成させたわけですから、これでボニの因習も廃れていったでしょう。そして巫子たちもマリカと共に黄金律に引き入れられ、ことは次のステップへと進みます。
マリカの行いは、確かにボニの因習を阻止したのです。
しかし、ボニの人々は、因習が終わっても永遠と嘆き、苦しみ、それ自体が変わることはありませんでした。
これを救いというのでしょうか。マリカにとっては否でしょう。

(画像:Elden Ring Shadow of the Erdtree Story Trailer)
〇二人の伴侶
罪人巫子壺を経て、マリカは黄金律にとっての禁忌をその身に宿しました。特に、ラダゴンがその最も強いものだったでしょう。マリカはラダゴンと体を共有する存在になりましたが、それは壺の中でラダゴンの肉体と混ざってしまったからだと考えられます。

その結果彼女と体が共有状態のまま、共に復活した。
形式上、彼女の最初の伴侶となる。
マリカは神人として黄金律(エルデの獣)から二本指と影獣を授かります。
二本指はすでにぶっ壊れていますが、神人を金の勢力につなぎ留めておくために必要な存在です。また一方で、影獣はマリカを守護すると同時に、マリカが黄金律にとってイレギュラーとなったときにそれを排除する役割を持っています。
どちらもマリカを黄金律に縛るための監視役なのです。
そして、ときはアステールの飛来後、銀の勢力が完全に衰えている状態です。金の勢力はこれから全て黄金に染める戦いに挑むわけですが、エルデの獣が狙われないようにするために、表向きの神を立てなくてはいけません。
それがマリカの一つの真実です。マリカは神となったと言われていますが、実際の神は別にあり、この時点ではいまだ宵眼です、マリカはまだ神人に過ぎません。
さて、マリカが神人となると、約束の王が帰還するためにチャージされていた、エニル・イリムの「神の門コンデンサー」にある霊エネルギーが動き出し、各地の神授塔が起動、影の地を狭間の地から切り離し、そのために影の地を持ちあげる重力が生み出されます。マリカはそこに、黄金樹を貫きました。

それはもともとの神授塔の使用目的でもあった。

こうして、マリカの誕生と共に、黄金と影が生まれることになった。

(詳しくは大考察「王都と16の星団」で述べたとおりです。)
狭間の地と影の地が出来上がりました。
これが、マリカにとっての誘惑と裏切り。
マリカが信じる本当の神になるには、黄金律の誘いを受けなくてはいけない。そしてそのために、自身の長男であるメスメルをはじめ、多くの子らを裏切り、犠牲にしなくてはいけない。
マリカはその苦渋の決断を、その身に受けたのです。
ですので、マリカの意志の一つは、確実にメスメルが受け継ぎました。

メスメルの母はマリカであり、彼の有翼蛇の母は赤い勢力の元締めラウフか。
串刺し公、メスメルの黒い胴鎧
紋章の縫い取られた、赤いマントを纏っている
母の願い、粛清の聖戦のために
メスメルは自らを恐怖の象徴とした
嘆きも、呪詛も、ただ私だけを責めればよい
しかし、マリカが表向きとはいえ神として成立するには、王が必要です。おそらく神人とはその時点で王がいないと成立しないのでしょう。
実際、ミケラとマレニアは互いに双子で王と神の宿痾を半分ずつに分けた神人であり、ラニはもともと神人だった頃、後に魂と肉体の死を分けるゴッドウィンが王として存在していたと考えられます。
ですので、マリカが神人として成立するためにも、王が必要でした。
しかし、困ったことにラダゴンはこれができません。なにせ存在が「マリカ is ラダゴン」になってしまっているので。
ですので、マリカの王として別に伴侶を用意する必要があった。
それが、金太郎ホーラ・ルーというわけです。

マリカの伴侶の一人である。
この時点で、現状こんな感じで世界が成立しています。
絶対の神:宵眼
絶対の王:プラキドサクス
仮の神:エルデの獣(現在、知性の象徴。誘惑による裏切りを計画中。)
神人:マリカ(inラダゴン)
神人の王:ホーラ・ルー(この後ゴッドフレイになる)
さて、黄金律の次の作戦は、「自身(エルデの獣)を神にし、マリカをその王にする」ことです。
そうすれば、究極の黄金律が成立し、銀の成分は全て狭間から排除されます。自分を捨てた大いなる意志は、きっと自分が金と銀のハイブリッドだからだ、獣はそう考えていたのでしょう。
わが王よ、生まれ変わりたいと、思ったことはありますか?
なんでも、レアルカリアのレナラさまは
そういった生まれ変わりの力を、お持ちだそうですよ
…ん、オイラですか?
…オイラはほら、ひどく醜いですからね
たとえ生まれ変わっても、きっと、どうにもならないと思いますよ
わが王よ…
ほんとは、どう思われてますか?
醜いオイラが、ずっとわが王に仕えるなんて、ゆるされない
たとえどうなるとしても、生まれ変わるべきでしょうか
ああ、オイラはバカだ
あたりまえのことが、ぜんぜんわからないのです
わが王よ、これは…?
!!
もしかして、生まれ変わりのための?
こんな貴重なものを、オイラにくださるのですか?
う、うう…
わが王は、なんでもお分かりなのですね
ほんとは、ずっと思ってました。あなたに相応しい見た目になりたいって…
ボックの心がそのままエルデの獣に投影できると考えてよいでしょう。
さて、銀の淘汰、大いなる意志にふさわしい律を敷く。これがエルデの獣の野望です。
そのためには、黄金樹時代樹立をさせ、今まで金と銀が共同で作り上げた狭間の国々と歴史を全て葬らなくてはなりません。
もちろん、宵眼と彼女に心酔している現在の王プラキドサクスも例外ではありません。むしろ、これこそが最終目標となりましょう。
エルデの獣はこの戦争に乗り出すため、自らローデイルへと遷都宣言し、マリカの黄金樹樹立に協力。無尽蔵の生命エネルギーを大木に与えたでしょう。

ただ、これからの戦いのためにも、マリカの伴侶たる王は強くなくてはなりません。
ラダゴンは体が共有状態である上に罪人です。しかもその性格はどちらかというと家庭的で主夫。彼には戦争は荷が重い。
一方、ホーラ・ルーは戦い好きです。しかも彼は挿し木の一族。勝てば勝つほど強くなる、血の気の多い男です。これはうってつけ。
それにホーラ・ルー自身も、
「マリカが黄金樹を樹立させるために、世界の全てと戦う。どうだ?世界の好敵手たちと戦ってみないか?」
こんな風にエルデの獣からお見合い話を持ち掛けられれば、二つ返事でマリカの指輪に口づけしたでしょう。
実際、ホーラ・ルーの血湧き肉躍る男気は、マリカの「ありのままの姿を包む優しい黄金」に、心から同意していたのではないでしょうか。マリカもここまで正直な男には、素直に惚れたと思います。
そして、ありのまま、赴くままに生きることこそがこの世界の在り様であるべきだというのは、二人だけの秘密の約束でもあったでしょう。(一方でラダゴンは、マリカの律の無さを気に入らなかったでしょうが。)
ですので、やはりマリカとホーラ・ルーは、ある意味最高の夫婦仲だったと考えられます。
〇古竜の襲来、王子たちの誕生
ローデイルで黄金樹が樹立し、マリカが神のように振る舞い、ホーラ・ルーがゴッドフレイとして名乗りを上げると、はじめに攻撃を仕掛けてきたのはグランサクスの率いる古竜たちです。彼らはとっくにプラキドサクスを見限っているため赤雷を纏っていますが、だからといって人如きに王の座を渡すつもりはありません。そもそも彼らだって、自分たちが王となるためにプラキドを裏切ったのですから。
しかし、ゴッドフレイ、マリカ、そして二人の子であるゴッドウィンは皆神に匹敵する力を持っており、古竜たちは太刀打ちできません。
古竜たちは大将グランサクスを失い、劣勢に追い込まれます。
ところが、あろうことか王子ゴッドウィンが、敵勢力の一体である古竜フォルサクスとイチャイチャしだすというゴシップを世間に与えます。そしてゴッドウィンの人望と力をもってして、黄金律の口出しをさせることなく王都古竜信仰を認めさせました。
信じられません、古竜と人との間に和睦が結ばれたのです。
これこそ、マリカの思想そのもの。ありのままで手を取り合う。ゴッドウィンは確かに、ゴッドフレイとマリカの約束のもとで生まれた、自慢の王子だったわけです。

古竜フォルサクスの
死に蝕まれた力を振るう祈祷
(略)
それは、古竜を友としたゴッドウィンが
振るったとされる、黄金の雷である
黄金樹に刻まれた
死竜フォルサクスの追憶
(略)
黄金のゴッドウィンが死王子となった後
古竜は、その友の内で死と戦い続けた
その戦いに勝利はなく、ただ蝕みだけがあった
そして古竜と人々の間で培わることになった王都古竜信仰の術は、そのほとんどが金の雷で、本来の雷の姿です。古竜たち自身はもう赤い雷を纏うしかできませんが、しかし人々の間では本来の力こそを認められ、愛されたのです。
そんな優しい黄金には、たしかに古竜も鳴りを潜めてしまうわけです。

彼らとその力を王都に歓迎しようとした。古竜もこれには心打たれたのだろう。
古竜の鱗とされる、さざれ石の聖印
王都古竜信仰の祈祷を強化する
古竜信仰は、黄金樹への裏切りではない
この聖印も雷も、すべて金色なのだから
これは、マリカの勝ちですね。黄金律でさえ、いったん黙るしかなかったでしょう。なにせ今は天下統一をしてもらわなくてはいけないのですから。
さて、次にゴッドフレイは巨人たちの元へと進軍し、これを打ち破ります。こうして黄金樹の天敵である炎を封じ、勢力を一気に強めたことでしょう。このときの戦いではマリカもラダゴンに主導権をゆずり、彼の力を黄金律に見せつけるチャンスを与えたのではないでしょうか。マリカはちゃんと、ラダゴンのことも見ていたのです。そして、彼を黄金律に認めさせてあげたかった。
巨人たちはラダゴンのむごたらしい拒絶の棘で次々と引き裂かれ、彼の力が忌憚なく発揮されていきます。そしてこの戦いを機に、ラダゴンも黄金律からその実力を評価されるようになったでしょう。
もちろん、この軍を指揮したのも主にラダゴンでしょうから、そういった軍師としての手腕も合わせて、黄金律は感心したのではないでしょうか。

ゴッドフレイと比べると非道な戦い方だが、黄金律はむしろこの見せしめを称賛しただろう。

咎人たちは巫女の成れの果てだと思われるが、
ただ裁かれるのを待つだけの彼女たちにとってそれは、名誉の職でもあったかもしれない。
(以下のミニ考察で詳しく述べています。)
木製の小円盾
軽く扱いやすいが、カット率は金属盾に劣る
その紋様は古い茨の意匠とされ
僅かだが、炎ダメージのカット率が高い
罪の茨に瞳を潰された巫女
それを祀るために作られた盾
巫女は、この地に再び産まれるという
正気耐性を高める鎮魂の盾であり
茨の刺は、攻撃に使用することもできる
(この戦いについてはザミェルの裏切りなど、様々な戦略があったことを考える金仮面卿様が推察しています。私もこの説を援用したいと思います。)
それからゴッドフレイとマリカの黄金王国は破竹の勢いで狭間の国々を滅ぼしていきました。王子ゴッドウィンもボンボン功績をあげています。
そんな最中、ゴッドフレイとマリカの間には双子が生まれるわけですが、これが困ったことに、マリカの体に宿った無数の宿痾の影響で、忌み角を持った子でした。
ゴッドフレイは「まあいいんじゃないか?美しいぞ。」と受け入れ姿勢だったと思いますが、黄金律はさすがにこれを良しとしなかったでしょう。双子の王子モーゴットとモーグは、地下に幽閉されることになってしまいました。
これに関してはマリカもゴッドフレイも、逆らうことはできなかったと思います。しかしゴッドフレイは、恐らくこの時期ごろから坩堝の騎士を従えるようになったと考えられます。
「愛する双子が幽閉されるなんていうのは間違っている。生まれた姿や宿痾でその子らの人生が歪められるなど、あってはならない。」
そんなふうに、彼はマリカの黄金に同調していたわけです。だからラダゴンの時のように、忌み角や坩堝の称賛されるべき実力を戦いで証明し、それをよしとする文化を築き上げようとしたのではないでしょうか。

巨人戦争時は、まだゴッドフレイも彼らを従えていなかったと思われる。
最初の王、ゴッドフレイに仕えた
坩堝の騎士たちの兜
斧飾りは、騎士オルドビスと
その部下たちの象徴である
原初の黄金樹、生命の坩堝の力を宿し
坩堝の諸相の祈祷を強化する
実際、坩堝は黄金樹樹立までは歓迎されることになりました。しかし、彼らは後に忌避されることになります。
〇金と銀の和睦
黄金樹樹立戦争は黄金王国の圧倒的な力で次々と国が滅ぼされ、制圧されていきます。しかし天下を統一するには、厄介なことにリエーニエ地方、とりわけレアルカリアとも戦わなくてはいけません。
これは黄金律にとってもマリカにとっても避けたい戦いです。特に黄金律は、自分たちの力が脅かされる可能性がありますからね。
なにせゴッドフレイは本来、特別な生まれでも何でもない、ただの一介の挿し木の一族です。もし銀の勢力のやり方である「懐柔」、「魅了」などということをされたら、たまったもんじゃありません。これについては、王子ゴッドウィンも同様です。マリカの血が入っているとはいえ、万が一を考えると危険です。この切り札二人を送り込むことはできない。
加えて、マリカもマリカでレアルカリアに自ら侵攻できない理由があります。(これについては第三部で明らかになります。)
とにかくそういう事情で、レアルカリアという強大な相手に対して絶対に使いたいカードである、ゴッドフレイ、マリカ、そしてゴッドウィンが全て封じられています。
ですので、ここでラダゴンの出番だったわけです。彼ならマリカの半身であり、仮にその人格部分が失われても問題にならない。
つまり黄金律は、ラダゴンを切り札未満のカードとして扱い、指し示したわけです。
しかしラダゴンは、リエーニエでもまさに英雄的強さを見せつけました。なんたって黄金律からの勅命です。再び実力を見せつける最高のチャンスですからね。
第一次リエーニエ戦役
赤髪のラダゴン、英雄となる
一方、これほどの英雄が現れれば、レアルカリアも黙っていられません。ついに女王自らリエーニエの戦場に参戦、圧倒的な魔術で黄金勢力を薙ぎ払っていきます。
しかし、そこで運命の出会いをしてしまったわけです。
青い勢力の血を引くレナラ、赤い勢力の血を引くラダゴン。
まさに、ウルとラウフがそうであったような仲です。二つの血は運命の再会をしてしまうのです。

二度目のリエーニエへの進撃で二勢力の戦いは大きな転機を迎える。
第二次リエーニエ戦役
黄金と月に勝者はなく
だが贖いと、結びが生まれた
結局、ラダゴンはレナラに婿入りします。これは黄金律的に銀の勢力を無力化できるチャンスがあったという、合理的作戦があったと思われます。ただ、ラダゴンはこのときはじめてマリカの、優しいだけの律無き黄金を少し信じてしまったかもしれません。
二人はゴッドフレイ&マリカとはまた違った意味でよい夫婦仲だったでしょう、レナラとラダゴンは3人の子を生みます。
ラダーン、ライカード、ラニ。
このうちラダーンはゴッドフレイに憧れ、ライカードは後に法務官に任命されます。このことから、恐らくレナラとの子でありながら二人とも黄金樹時代樹立には反対していなかったと思われます。というか、それだけゴッドフレイは傑出した王だったのです。まさに、律無き黄金の父バージョン。その父性は、マリカの母性で足りない部分を完全に補っていたのではないでしょうか。
こういう意味でも、金と銀の和睦は実を結びました。例えばイデスの文化を受け入れたり、黄金の民をレアルカリアの学問に招いたりと、かつての金と銀の協力関係があった頃のようなやりとりが起こり、人々も互いを祝福し合ったことでしょう。
当時がどれだけ素晴らしいものだったかは、ミリエルの人(亀)のよさからも伝わりますね。
破砕戦争が起こってから、人は皆、大切なことは忘れてしまいました
この結びの教会は、かつて黄金樹と月、二つの王家が和睦を結び
赤い髪のラダゴン様と、満月のレナラ様が、契りを結んだ場所なのです
だから今もこの教会は、共に臨んでいるのですよ
王都の黄金樹と、レアルカリアの学院を
〇ファルム・アズラ攻略作戦
さて一方、ゴッドフレイの侵攻は留まるところを知らず、次々と国を滅ぼし、歴史を塗り替えていきました。巨人たちの地からそのまま西へと進み、ケイリッドを制圧します。おそらくこの戦いは、幼き少年ラダーンにも見せたのではないでしょうか。(方角に疑問を抱くなかれ。この理由は、後程話します。)
そしてケイリッドはファルム・アズラがまだ浮いていない状態で存在していますが、ここは宿敵プラキドサクスの本陣です。いくらゴッドフレイでも、そこは絶対の王と神の居城ですので、まだ勝てません。ですので、先に嵐の王を打ち破る必要があります。
ゴッドフレイの行軍はさらに勢いを増し、ケイリッドからさらに西へと進んでリムグレイブ(当時のリムベルト王国)を滅ぼし、ストームヴィル城を奪います。おそらくストームヴィルは飛竜の軍が嵐の王に味方してゴッドフレイたちと戦ったと思われますが、最終的には黄金王国が勝利します。

これは、ストームヴィル城に侵攻した黄金勢力に対し、
嵐の王は飛竜を味方につけて迎え撃ったことを示唆していると考えられる。
これで準備は整いました。ストームヴィル城の嵐があれば、ファルム・アズラに対抗できる。ゴッドフレイと坩堝の騎士たち、ストームヴィル城で捕虜になった嵐鷹や竜餐した失地騎士などを従え、いざファルム・アズラに挑みます。
ファルム・アズラは絶対の王と神の居城です。この頃プラキドサクスがエルデの王というのは変わりません。そして、彼が王であり続ける限り、宵眼が絶対の神であるという事実も変わりません。エルデの獣はまだ仮の神です。
そこで、黄金王国は二つの作戦をとります。
まず第一に、マリカの影獣たるマリケスと、ラニとライカードを協力者として送り込みます。これにより、神である宵眼を滅ぼします。(二人は、うまく自らこの作戦に参加できるよう仕向けたのでしょう。)
宵眼は黒炎を纏い、また神肌を引き連れていますが、ラニがいれば全く問題ありません。催眠の使い手ですからね。それにライカードが呪術から再現した溶岩の魔術は、炎を否定した黄金律の下にありながらも獣人たちに痛手を与えられる、優れた手段です。
二人の参加は歓迎されたでしょう。

これがあれば、神肌も余裕で攻略できるはずだ。
ゲルミアの溶岩の魔術のひとつ
(略)
女王レナラの子たるライカードは
ゲルミアの古い呪術を、魔術として蘇らせた
第二に、ファルム・アズラ一帯を大地から切り離し、黄金の祝福から遠ざけます。
狭間の地は誰が王であろうともエルデンリングにより祝福されていますが、狭間の中と外があるように、祝福の範囲は狭間の地の領地、領海、そして領空に限ります。(あとでホーラ・ルーが追放された後に狭間の外で命を落とすのも、狭間での祝福が言うことを聞かない世界だからだと思われます。)
ですので、ファルム・アズラが関わる土地ごと空に浮かせて、祝福の領空から遠ざけてしまえば、竜王プラキドサクスを打ち倒すことが可能になります。つまり後にホーラ・ルーが蛮地で命を落としたのと同じ理由で、プラキドサクスの力を抑え込むことができるのです。

大陸はこの攻略のために大規模に改変された。そこには黄金律の合理的思惑もあった。
そして黄金律は、ここで大地改革の合理的方法を考えます。
ケイリッド、リムグレイブを浮かせたら、そのまま大地を南下させ、かつて青海岸があった海を埋め立てる。そうすることによって、完全に銀の成分を狭間の地から取り除き、なおかつ黄金樹が狭間の中心部となり、大地が地図上でリング状(エルデンリング)になる。
つまりすべてのこれまでの歴史を闇に葬り、新しい黄金樹時代を始めることができるようになるのです。
2-2.大地改革
「あー、なんかすごいこと言いだしたぞこのビッグハットとかいうやつ。ここまで読んできたが、こいつただの妄想野郎じゃねーかよ。」
とか言われそうです。ですので、いったん大陸移動前のマップに注目しつつ、根拠を示していきます。

アギール湖のところに日陰城を合わせると、全てうまく説明できるようになる。

アルター高原北方のくぼみやガタガタは、この浮上と共に隆起や沈降が起こったことに起因していると考えられる。(例えば金仮面とコリンが出会うの橋が崩れていることなど。)
日陰城は本来山の中(巨大な空洞の中)にあったと考えられ、その上に本来アギール湖があった。これが持ち上げられ、大地が日なたの暖かさでぬかるみ、液状化してしまったのだと思われる。

その位置に影の地を乗せると、慟哭砂丘とギザ山が重なる。
慟哭砂丘は影の地が持ち上がった時に浮きあがった部分だと考えられる。
また、リムグレイブの神授塔が鎮めの塔の位置と完全に合致する。
そして、啜り泣きの半島が大穴の石棺へ通じる道と繋がる。
大地改革前の状態は、日陰城とアギール湖の場所が重なります。
すると、曇り川と日陰城手前の谷とが一本でつながり、ここに川の流れがあったこととつじつまが合うようになります。

それはもともと曇り川と繋がっていたと考えられる。
また他にも上述しましたように慟哭砂丘の位置や、リムグレイブの神授塔、啜り泣きの半島などについて非常に意味深な重なりが現れます。
特にリムグレイブの神授塔の位置が鎮めの塔が重なるという重大なことが起こります。この二つの塔は以下の点でかなり共通点が見られるところです。

破片の君主、ゴドリックの大ルーン
恩恵により、すべての能力値を上昇させる
その大ルーンは、要の輪とも呼ばれ
エルデンリングの中心に位置していた
エルデの王、ゴッドフレイとその子孫たち
黄金の一族は、最初のデミゴッドであったのだ

狭間の中心
あらゆる死が流れ着き
あらゆる死を鎮める
どちらも中心の意味が与えられた場所であり、おそらくここが、マップの外まで考えた「狭間の星」の中心部分にあたることが分かります。
よくよく考えると黄金樹はしょせん黄金勢力が樹立したものに過ぎず、これが世界の中心であるはずがないのです。
この星には黄金も白銀も関係なく、忽然として中心があり、それがこの場所だということになります。
マップを重ねただけで、あらゆることがつながります。
これでもまだつじつま合わせと言われそうですね。
ではここで、なぜこの位置につながると言い切れるのか、その根拠を一つずつ示していきます。
〇大陸移動の痕跡その1:樹木
聖別雪原には、聳え立つ墓標のような樹木が立ち並んでいます。

この樹木はもともと人(のようなもの)であり、いわゆる樹木化の宿痾を背負った”しろがね第0世代”の成れの果てである可能性を、考える金仮面卿様が導いています。
私もそれを活用させていただき、これらの樹木はそのような連中の亡骸だと考えます。
そこでこれらの樹木が見つかる地点に注目すると、それはケイリッドの地下、ノクローンやモーグウィン王朝で見られるものと一致します。

それだけでなく、ここには祖霊の民もいる。
祖霊の民は転送門で行き来した言えばそうかもしれないが、樹木まで同じものがあるとなると、
転送門では説明できない。したがって、聖別雪原とノクローン地域は地続きだったと考えられる。
逆に言うと、これらの樹木はそこでしか見つかりません。
ですので、聖別雪原とノクローン、ひいてはその地上ケイリッドがもともと地続きであったのではないかと考えられます。そもそももし聖別されたのがウル王ならば、なぜ彼の聖別される先が、玉座と反対の果てである聖別雪原の彼方に行ったのかという不自然さも、この二か所が元々隣り合わせで地続きだったのであれば解消されます。
モーグウィン王朝と聖別雪原を繋ぐ転送装置があるのも、元々はこの近場を移動するための装置だったのですね。
〇大陸移動の痕跡その2:大熊
ケイリッドには、なぜか一体だけ白熊が登場します。

このタイプは基本的に聖別雪原にしかいません。ですので、ケイリッドにこれが配置されているのは通常では説明不可能です。
このことは、ケイリッドと聖別雪原が近くにあった、あるいは地続きだった可能性を確実に示していると考えられます。

ケイリッドに居る白熊は、この二つの地域がかつて地続きだったことを示していると考えられる。
〇大陸移動の痕跡その3:カイデン
カイデンは北の山嶺が故郷であることが分かっています。

ところで、荷車を守るカイデンという構図は、どこかで見たような・・・。
カイデンの傭兵たちが用いる胴鎧
冷気を防ぐ、雪狼の毛皮を纏っている
大柄で屈強、馬上戦闘に長けた傭兵たちは
雪深い北の山麓からやってきたという
カイデンは故郷の名前である
それでありながら、リムグレイブには大量のカイデンがいます。もちろん傭兵として雇われたという可能性もありますが、それ以前に大陸が移動したときにカイデンのいくつかの集落が大陸に乗ったままの状態で動いてしまったと考えた方が、彼らの存在は理解できます。
つまりカイデンとは故郷の名であり、これはもともと”リムグレイブが北の山麓にあった頃に存在した場所”ということです。
もしリムグレイブがケイリッドを挟んで山嶺と同じく北の地方にあったなら、山麓と言っても差し支えない場所ですね。

それに、カイデンが仮にゴドリックなどに雇われたとしても、山嶺からやってくるには禁域を越えないといけないという点から、不自然です。
現在、この道を通るのは不可能なはず。

警備のローデイル兵などを除いて通行は不可能のはずである。
ましてゴドリックなどの別勢力に雇われるためにカイデンが大陸縦断をするなど、考えにくい。
山嶺は現在モーゴットとロルドの大昇降機によって封じられており、カイデンなどという一介の傭兵集団が、これを跨いでこんな辺境まで来れるはずがありません。
それに、もしそうならカイデンがアルターやリエーニエで姿を見せないのも妙です。
恐らくカイデンは大陸と一緒に南へと動いた。
そしてその環境の変化に耐えられず、ほとんどは高架下の洞窟に潜むも死に絶えてしまったのでしょう。

狼はカイデンに食らいついていない。つまりこの狼たちはカイデンに飼われていたのだろう。
この洞窟は古遺跡造りが多数見られる。もしかしたらカイデンという場所は、この古遺跡造りに根付いた国で、空中移動した大陸が空から降下する際、海に沈められてしまったのかもしれない。
〇大陸移動の痕跡その4:王を待つ礼拝堂の向き
王を待つ礼拝堂には大きな秘密があります。これです。


ファルム・アズラ時代を指すと考えられる。
この頃はまだ根があり、死(マゼンタ)が分離されていない。
原初黄金樹はマリカの時代よりも前史、すなわちプラキドサクスの時代を指します。そして仮に大陸移動が正しかった場合、マップに示したようになりますので、王を待つ礼拝堂の向きがそのままファルム・アズラのある場所に向くようになるのです。

大陸移動が正しければ、かつてはファルム・アズラ、
そしてその延長にある聖樹に向けられていたと考えられる。
なるほど、聖樹がウル王の成れの果て、そして彼の帰還を銀の勢力が待ち望んでいるのなら、
確かにこの場所は”「王」を待つ礼拝堂”と言えよう。

この先には本来、ファルム・アズラや聖樹が聳えていたのか。
現在だと何に向いているのかよく分からない状況である。
考える金仮面卿様の御説(私も以前、大考察「王都と16の星団」で援用させていただきました)より、ウル王は彼方エブレフェールに聖別され、神として帰還するのを銀の勢力は待っています。彼は約束の王なので。
すると、この王を待つ礼拝堂はそのまま一直線上にファルム・アズラ、そしてその向こうの聖樹に向けられた方角になるのです。
このことから、現在の礼拝堂の位置よりもむしろこの大陸移動前にあった方が、つじつまがぴったりと合致する場所となるのです。
〇大陸移動の痕跡その5:リムグレイブ侵攻の方角が変
仮に現在の大陸が昔から同じ形だったとすると、ゴッドフレイがどうやってリムグレイブに侵攻したのかが全くの謎です。なにせリエーニエの裏側からくることになりますからね。

山嶺→ストームヴィル→ケイリッド(ファルム・アズラ)→啜り泣きの半島 は図のようになる。(赤はラダゴン行軍ルート。)山嶺の後一度戻ったとして、
それからなぜ啜り泣きを後にしてケイリッドのファルム・アズラに行ったのか意味不明。
しかもストームヴィル城を背後から攻めるのも訳が分からない。そもそもこれだと、
ストームヴィル城はどうやってリエーニエ側からの攻撃を防衛するつもりだったのだ?
玉座がすぐそこで、城の機能を果たしていない。
もし大軍勢をストームヴィル城の嵐の王が反対側から迎え撃っていたと考えると、ちょっと戦い方が間抜けすぎます。城の向きが変です。
ですので、あくまでゴッドフレイたちは嵐の丘側から進行しているはずです。そもそもストームヴィル城の造りから、玉座の側に大陸が広がっている方がおかしいのです。背後の守りが全く存在しない城ですからね。
当時はレアルカリアと和睦が結ばれているはずですので、これなら状況的に間抜けなストームヴィル城を後ろから攻撃できたはずです。わざわざ船でケイリッドまで行ってストームヴィル城を目指したのでしょうか?それも意味不明です。そんなところから回る必要がありません。
ですので、リエーニエの南端にもともとストームヴィル城があったのではなく、これらの土地は本来全く別のところにあり、黄金樹樹立とともにこの形になったと考えないと戦争のつじつまが合わないのです。

山嶺→ストームヴィル→ケイリッド(ファルム・アズラ)
ここで争っている間に大地改革が起こり、軍は慟哭砂丘付近に降り立つ。
後は船などで啜り泣きの半島に行き、モーン城を落とせば終わりである。
モーン城は海側にも城壁を用意しており、
おそらくゴッドフレイの軍はそちら側の最南端で復讐の英雄と一騎打ちした。
これなら、行軍ルートはずいぶんとすっきりする。
〇大陸移動の痕跡その6:入れないケイリッドの神授塔
この神授塔はなぜか正攻法から入ることができません。
おそらく神授塔の位置は今も昔も変わらないはずです。すべてを結ぶと正六角形になり、これで影の地を切り離したはずなので。

ですので、ケイリッドの神授塔はちょうど大陸が上から降下した際に、入り口がふさがってしまったのだと考えられます。

正攻法からは入れなくなったのだと考えられる。
あと、以前別の記事でお話しした嵐の丘と神授塔の位置問題も、これで解決します。神授塔に対して丘が近いように見えるのは、この景色がまだ、大陸が下りてくる前の景色だからですね。
影の地を浮遊させる際に青海岸が持ち上がり、地面の一部が隆起していたのでしょう。それが神授塔と橋でつながっていたところ、あとでうまく重なるようにストームヴィル城から繋ぎ合わせたのです。
その時、転送門を用意できたのは、まだレアルカリアと和睦を結んでいたからですね。
これについては、この後お話しする痕跡その10で再び触れます。

そのような景色だと思われていた。このあと、絵画の謎が解き明かされる。
〇大陸移動の痕跡その7:青海岸の位置
影の地が移動したと一般に考察される際、狭間の中央部に影の地が存在したことはもはや定説となりつつあります。しかしだいたいの場合、青海岸とリムグレイブが重なる問題についてはスルーされたり、未解決のまま終わってしまいます。これは私もそうでした。どうあっても青海岸とリムグレイブは重なってしまう。
しかしこれは、つまりリムグレイブやケイリッドが元々ここには無かったからということで説明できます。

これについて、大陸移動説を導入すると、
青海岸が影の地と共に浮上→絵画に描かれたような隆起した土地が残る→大陸移動によってそのような隆起した土地の上に大陸が重なる→現在の狭間の姿になる
という順で、青海岸との重なり問題は回避できる。しかもそうやって銀の故郷の土地を大陸で埋め立てることで、銀の成分の除去を図るという合理的作戦もあったと考えられる。
元々青海岸だった場所は海と隆起したいくつかの土地で島々になり、その上に大陸がのっかって土地を埋め立てたのです。
こうすれば、青海岸の残骸に残っていた銀の成分も埋め立てられますし、黄金律にとってはいいことずくめです。
しかしだからこそ、リムグレイブの地下、例えばストームヴィル城の下層部には、なにやら地中によからぬものが沈んでいる痕跡が見られるのですね。

もともとリエーニエと青海岸の間、つまり銀の勢力の土地だったところを埋め立てたのが原因か。
〇大陸移動の痕跡その8:絵描きの家
これはナイトレインから引っ張ってきた根拠ですが、執行者の追憶ラスト、風車の村が見える丘で絵描きの家を訪れます。この土地がアルターの地方であるのは間違いないのですが、正直場所が意味不明です。
そこには狭間の現在においては、何もありません。

となると・・・ここはどこ?



このことから、この絵描きは大陸の移動中に殺された、あるいは大陸の移動の中取り残された場所で殺されたと考えるとつじつまが合います。
ちょうど坩堝が殺しに来ていますし、黄金樹時代にとって都合の悪い者たちは排除する必要があるでしょうからね。大陸移動は、これから始める黄金樹時代にとって、隠したい真実なのです。

ドミヌラの近くの場所にはちゃんと土地があったことになる。(黄色がドミヌラ。)
すると、執行者の追憶の画家は、ちょうどリムグレイブの画家の家とほど近い場所になる。
これは偶然か?

それは現段階では分からない。とりあえず入り口の向きは違うので、同じ建物ではないだろうが。
ただ、少なくともこれらの位置関係などは全て、大陸の移動があったと考えれば説明可能である。
〇大陸移動の痕跡その9:光と影の分断の仕方
これは自説に基づくとつじつまが合うという意味での根拠なので、どちらかというと十分条件の痕跡ですが・・・。
金と銀はかつて協力関係にあった頃、いつか結びを断ち切るために、両勢力で狭間の星の土地を分配する契約を結んでいました。
その際の分け方として、現在の狭間の地と影の地を、それぞれ金の土地、銀の土地にする予定だったはずですが、現状の大陸の姿だと分け方がおかしいです。
どうしてわざわざ狭間の中心をすっぽり抜かす必要があったのか。
それなら、以下のような、こんな感じで分断した方が合理的ではないでしょうか?

そして、この東側を浮かせるために、神授塔を正六角形になるような位置にしつらえたと考えられます。
◯大陸移動の痕跡その10:絵画
これはこちらのNameless Singer様の動画の内容、およびそれを紹介してくださった考える金仮面卿様の投稿を参考にしたものです。
各地には多かれ少なかれ絵画があります。特にこの動画で取り上げられているテスの魔術師等に見られる絵画は、不思議な景色を描いています。


見ると、いずれの絵画もリムグレイブを描いていますが、神授塔がない、火釜が見えないなど、”リムグレイブ自体の位置関係が今と異なること”を示唆する絵となります。
また、ストームヴィル城の装飾も存在しておらず、ストームヴィル城が黄金王国、つまりゴッドウィンによって制圧されていない、まだ嵐の王が君臨していた頃のものだと考えられます。

(画像:参考動画より)

ゴドリック軍の旗も掲げられていないようだ。
(画像:参考動画より)

まだ嵐の王が君臨していた頃、あるいは崩落してまだ落ち着いていない頃の景色だと考えられる。
(画像:参考動画より)

この部分は大陸を持ち上げた際に隆起し、城とともに持ち上がったのではないだろうか。
少なくとも絵画を見る限りでは、王を待つ礼拝堂が輝いて描かれているにとどまっている。
さて、この神授橋のような橋が伸びる先は・・・?
(画像:参考動画より)

奥、橋の伸びる先が描かれているが、それは塔ではない様子である。これは一体・・・?
(画像:参考動画より)

ただ、橋と繋がっているわけではないようだ。
橋は、大陸移動をした際に神授塔と連結させるために後から造ったのだろうか。
あるいは、その背後にあるものを守るための壁という役割だったものが、橋へと移り変わったか。
では、その背後にあるのは何か。現在だと火釜がそれに近い位置にあるが、
もちろん他の絵画を見る限り、これは火釜ではないなにかだ。
(画像:参考動画より)

もしこの橋が元々城壁で、背後の物を守るために造られたのならば、
狙撃手として射手のゴーレムが大量に並べられていたのだと考えられる。

これは恐らく山である。あるいは、巨大なファルム・アズラの城かもしれない。
ところで、この家の住人と思われるものが描かれているが、何者だろうか。
(画像:参考動画より)

ただ、絵画のそれはこんなにスカスカでもなく、山のようにずっしりしている。


古く、山のように大きな建物。それはもう、「現存していない」と結論するほかない。
しかし、唯一それも含めて条件を満たせるのが、ファルム・アズラである。
絵画のそれは山の上部が円形のようにも見られ、ファルム・アズラの形と酷似している。


(詳しくは後述するが、ここが本来のファルム・アズラ頂上であり、嵐によって空の彼方、影の地であるギザ山まで運ばれた可能性もある。)
まだファルム・アズラが地上にあった頃のプラキドとの戦場も、山の頂上だった可能性は高い。
自説ではプラキドサクスとの決戦の場は神である宵眼のための間であり、彼女が星見をするための場所としても用いられていたと考えられる。
これも、山の頂上であれば整合性がとれる話となる。

山(城)とファルム大橋の間の土地に何があったか。おそらく城下街であろう。するとかなり広い街があったと考えられるが、絶対の王と神の居城の城下街となれば、不思議な話ではない。
ちなみに水色のところは城壁(現神授橋)。ファルム・アズラを守るための城壁兼橋は、交流時代が崩れようとしたときにしつらえたものが、アステールなどの襲来により未完のままになったのかもしれない。

人々の行きと帰りでそれぞれの橋を一方通行にしていたのだろうか。
すると、かなりの人数の流入流出があったことになる。しかし神と王の居城、巨大な城下街の存在があったなら、それも納得のいく規模である。
このように、絵画に描かれた景色は現在のリムグレイブが今と違うところにあり、大陸が南の神授塔の近くへと移動した。このことを示す重要な証拠です。
そしてリムグレイブが元々どこにあったのかと言えば、上述したような理由で遥か北方と考えると、全ての辻褄が合います。
例えば先述したストームヴィル城の絵画も、これで説明可能になります。


つまりここにはもともと青海岸があり、それが影の地として空彼方へ飛んで行ったときに隆起してきたあるいは取り残された地が、この絵画の描いた土地だと考えられる。
となると左奥に見えるのは、恐らくリエーニエの神授塔や書院であろう。
大地改革とは、つまりこのような土地を鎮めることも目的の一つであったと考えられる。
また、あと一点だけ、追加で以下の絵画についても触れておきます。

この絵画自体はテスの魔術師塔以外でもなぜかかなり多く見つけることができる。
しかし、狭間のどこを見てもこのような位置関係の見張り塔は見つけられない。
これは狭間のどこにも見当たらない見張り塔です。候補はいくつかありましたが、割れている方角が合わない。
これについては、唯一「正体不明の見張り塔」を当てはめられないでしょうか。その場所は、以下に示した通りです。

中にはエーゴンの書いた製法書。
そういえばエーゴンってどうして影の地に居るんだっけ?
しかも彼の得物は大弓。見張り塔の管理者としてはうってつけの武装である。
つまり、大地改革時に絵画に描かれた見張り塔の付近はエーゴンがおり、そのまま彼を乗せてはるか上空へ上ってしまい、空の彼方にある影の地に到達したという可能性が浮上する。
以上が、大陸移動の痕跡と根拠です。他にも、ケイリッドの超巨大骸骨の亡骸、リムグレイブと山嶺にいるトロルの存在や、山嶺とケイリッドに葦の地の要素が多いこと、聖別雪原の祖霊がいるところの付近にプラズマボルトがいること、そのそばに結晶坑道がありそこに石肌やアステールが潜んでいることなど、多くの状況で大陸移動の痕跡は固く存在しています。
リムグレイブ&ケイリッドは、聖別雪原と地続きのほうが、辻褄の合う共通点が多いのです。したがって、これはエルデの歴史改変と壮絶なファルム・アズラ攻略戦のための大地改革があったと見てよいでしょう。そしてその当時の歴史を知る画家や彫刻家などは後に全て処刑し、歴史を知るものを闇に葬り現在のような大陸の姿=真実となるようにしたのだと考えられます。
(そうなると、執行者の追憶で画家が殺されたこと、テスの魔術師塔は封印されていたために絵画を失わずに済んだこともうまく説明できると思います。)
では実際にどのように移動させたのか、その方法について見ていきます。
〇移動の手段
大地を持ち上げるというのはかなり大掛かりなことですが、先述したように影の地ももともと、そのように分離した大地です。不可能ではありません。
今回の大陸移動に用いた手段は、大きく三つです。
「重力魔術」、「嵐」、「墓石」です。(このうち墓石による移動は、恐らく影の地を持ち上げるときにも利用された力の一つです。)
まずは重力魔術。金と銀がまだ協力関係にあった頃からサリアは存在しましたが、ここで重力魔術を牛耳っていた石肌達が、金の勢力に寝返ります。(理由は別枠で考察予定。)そしてラダーンやガイウスをはじめ、金の勢力たちに重力魔術を教え、大地を浮かせるための手段を伝えます。
ラダーンはゴッドフレイの侵攻の手助けもできるというので、子供心ながら誇らしかったのではないでしょうか。
次に嵐。これは現在のファルム・アズラを見れば一目瞭然だと思います。これが齎す上昇気流によって、大陸を一気に空へと持ち上げます。
これはもともと嵐の王が持っていた力ですが、ストームヴィルを制圧した際に、恐らくゴッドウィンが奪ったのでしょう。
そして墓石。実は石が浮くという演出はエルデンリング物語で繰り返し使われています。

冷静に考えると、つまりこれは石が浮いている状況である。



つまりこれは、同じ技術で無機物が浮いたことを示している。
そして、この狭間の地は、死が浄化される場所であり、そして死は古くから石へと帰着します。



このような墓石大地こそが狭間の大陸の正体であり、我々はほとんどの場合、このような屍の山の上を冒険しているというわけです。
この演出はDark Soulsシリーズでも使われていましたね。
3のラストステージ「最初の火の炉」は吹き溜まりの上にあり、
吹き溜まりはこれまでの時代の全ての積み重ねそのものでした。そして墓石浮遊術を使いこなすのはエオヒドです。エオヒドはまだこの時、金の勢力と協力関係にありました。(ただしこのあと滅ぼされますが。おそらくその国の場所は現在の日陰城かその近くだと考えられます。こちらも別枠で考察予定です。エオヒドは単独でかなり難解なので・・・。)

しかしこうなると、エオヒドの一世一代の大事業により、これらの墓石のエネルギーを使って大地そのものを浮かせることも、原理上可能だったと考えられる。
これらの協力をもって、大陸は大移動をしたと考えられます。
2-3.黄金樹樹立戦争 ー竜王との決戦から黄金樹時代開闢までー
〇竜王との決戦
※ここのパートはちょっと妄想強めでドラマチックな展開になります。
ただ、整合性は取れています。ダイナミックな作戦で見事大陸は浮きました。そして浮いている間に決着をつける必要があります。
嵐の勢いを殺さないようにするため、ゴッドウィンとフォルサクスの指示のもと、古竜たちが浮いた大陸の周りを旋回して飛び交います。
そして大陸は次々と上空を南下、ゴッドウィン率いる王都古竜信仰の軍勢、そして死の術が、ファルム・アズラの獣人たちをことごとく蹴散らしていきます。嵐鷹、失地騎士、そしてゴッドフレイの坩堝たちも次々内部に侵攻し、ファルム・アズラは崩落していきます。
すでにマリケスは宵眼を打ち破ったのか、その姿は確認できません。その代わりに、宵眼がいるべき神の座、ファルム・アズラの中心部にはプラキドサクスがいます。
しかし、ここで計画外のことが起こったと考えられます。
ゴッドフレイがプラキドサクスに挑んだ時、竜王は王たる加護(レナラや調香師が使うあの金色のシャボンみたいなもの)に包まれており、その体に傷をつけることができなかったのです。
これは、大地の高さが祝福の領空から出られていなかったからだと考えられます。ファルム・アズラの残骸が山嶺では見られませんので、恐らく山嶺よりも低い高さまでしか大陸を持ち上げられなかったのではないでしょうか。
ここで黄金王国は作戦を変更、大陸を南下させた後、ファルム・アズラだけを上空に残し、そのまま狭間の外へと嵐に載せて押し出そうとしたと考えられます。ファルム・アズラを降ろさずにそのまま狭間の外へと押し出せば、祝福は褪せ加護は消え、そしてそのままファルム・アズラを歴史の闇に葬ることができますから。
別離したファルム・アズラを残しリムグレイブとケイリッドはそのまま地上へと降りていきます。もしここでファルム・アズラが一緒に大地へと戻ってしまうと、再び竜王はエルデ王として祝福されてしまい不死身化するので、ゴッドフレイに勝ち目はありません。古竜たちはに旋回し、墓石は赤く光り、重力によって支えられ、ファルム・アズラだけを空に残し狭間の外へと押し出すように必死に軌道変更します。
城が嵐に流され、いよいよ竜王が纏う加護が割れたとき、ゴッドフレイと竜王は神の座で、一騎打ちを挑むことになったと考えられます。


そしてそのまま東の果て、祝福の外へと流されていく。
戦いは苛烈でした。その結果、リエーニエ、到着しておろされたリムグレイブおよびリムグレイブとともに降り立ったケイリッド、そしてもともと島だった啜り泣きの半島にまで、ファルム・アズラの残骸が飛び散ることになりました。
プラキドサクスは戦いで撃破した古竜たち、嵐鷹たちの力を吸収し、自らも赤雷、雨嵐の力を用い対抗します。しかし、ゴッドフレイはこれをもしのぎ、ついにこの竜王を打ち破ります。

彼が死に近づくにつれ、雨足は激しくなる。宵眼の力だろうか。
(ちなみにこの頃、神の間は我々が目にするようなきれいな形ではなかったと思われます。おそらくギザ山の頂上の様な見た目をしていたでしょう。というのは、当時はすでにアステールの飛来があり、この神の間は木っ端みじんに崩壊していたはずですので。この場所は、時の狭間にだけ、当時の姿で残っているのです。プラキドサクスの憂愁といったところでしょうか。)

となるとこのベールとの戦場は現在のファルム・アズラ頂上の成れの果てで、狭間の外へプラキドサクスを押し出すために、影の地まで持ち上げてここに乗せたのかもしれない。
そうすれば、先述したエーゴンの見張り塔がギザ山に流れ着いたこととも、その浮上に巻き込まれたということで整合性がとれる。そして浮上していくこの場所から、敗れ飛び立ったプラキドサクスを、現在の嵐が時の狭間に閉じ込めたか。この場所はそれ以来、ベールが戴いている。角人のように、自分が成し得なかった、消えない内なる復讐と恐怖の炎に焼かれながら。
・・・いえ、伝説上ではプラキドサクスを打ち破っているようですが、残念ながらゴッドフレイはこの竜王の首をとることはできませんでした。ですので、時の狭間に捕らえ、これで勝利としました。
なぜか。簡単です。”神である宵眼が死んでいないから”です。
実は、マリケスは宵眼を殺し損ねていました。本人はそんなつもりもなかったでしょうが、仕方ありません。彼はこの時、ラニ達から死のルーンの一部を奪われていたのですから。

ですので、宵眼に運命の死を与えきることができず、敗れた宵眼はそのまま霊体となって黄金樹へと還樹し、エルデの獣の元へと進んでいきました。
マリケスはライカードとラニにはめられ睡眠状態にさせられ、この時に死のルーンを奪われたのです。
これらは、宵眼の作戦でもあったでしょう。これでとどめを刺される心配がなくなります。そして、あえて宵眼はこの後目覚めたマリケスに敗れ、黄金樹の中へと入り込む術を得たのです。
ですので、その伴侶たるプラキドサクスも、撃破することはできません。
その代わりに、彼のいた神の間ははるか空の彼方、影の地のギザ山まで運ばれ祝福を離れ、堕ちたプラキドサクスは狭間の地の外まで運ばれたファルム・アズラの嵐の中、時の狭間にとらわれることとなりました。
このような経緯から、プラキドサクスの裏切り者たちである古竜たちは、今もなおファルム・アズラの周りを飛び交っているのだと考えられます。
竜王を時の狭間に閉じ込めておくためです。
そして主人公がこれを撃破できるのは、彼が時空という枠組みで狭間の外におり、不死身の王としての力が失われているからですね。

嵐と共に狭間の地から隔離され、時空においても時の狭間に閉じ込められたからである。
この場所であれば、主人公でさえ狂い火の神性を取り除くことができる。
そこはもはや、神性から隔離された、狭間の外なのである。
(じゃあなんで主人公はファルム・アズラでもぴんぴんしていて、竜王とも戦えるんだ?これは後述の第三部にてご説明する、主人公が神を殺せる理由と同じだと考えられる。)

おそらくここはもう、狭間の外ぎりぎりなのだろう。

狭間の内側からは、完全に秘匿されているようだ。
こうして、ファルム・アズラでの決戦を終えたゴッドフレイは、そのまま砂丘辺りに降り立ち、そこから船で啜り泣きの半島に向かって、モーン城を攻略。
狭間の地の好敵手たちをすべて打ち滅ぼし、ゴッドフレイとマリカは黄金樹樹立を制したのです。
〇追放
さて、樹立戦争が終わった状態はこんな感じです。
絶対の神:エルデの獣。(in宵眼。徐々に復活の力を蓄えている。)
絶対の王:マリカ(inラダゴン)。プラキドの後継として着任できた。
ただの古竜:プラキドサクス。狭間の外、時の狭間に囚われ王位を失った。
ただの人:ゴッドフレイ(=ホーラ・ルー)。
しかしこの後、残念ながらマリカの願いはかないません。黄金律が絶対王権を握り、黄金樹時代がやってくるからです。
マリカの意志は封じられ、ラダゴンが黄金律に忠実な配下としてその執権となるのです。
マリカはいつか未来に備えて、ホーラ・ルーを仲間と共に追放します。
(一部は残した可能性大。考える金仮面卿様のご考察より。)
我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う
そして、その瞳が色褪せたとき、狭間の地を追放する
外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい
そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう
狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい
死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ
マリカは意志を封じられ、ラダゴンとなります。そしてさっそく、王都へ帰還するように黄金律から指示を受けます。
エルデの王配となるために。ラダゴンは愛する妻レナラを置いて、王都へと帰還するのです。さすが黄金律の犬。
そしてレナラには琥珀のタマゴが与えられ、永遠に不完全な母体として銀の子孫が残せない状態となり、実質無力化。すべては黄金律の作戦通りというわけです。

そしてこのタマゴにより、レナラは不完全な生まれしか行えなくなる。
こうして、黄金律は銀の勢力の女王を無力化することに成功した。
…ラダゴン様、でございますか?
ラダゴン様は、赤い髪をなびかせた、英雄でございました
黄金樹の軍勢を率いてこの地を訪れ、しかし戦いの中でレナラ様と出会い
侵略の戦いを悔い、カーリアの王女たる彼女の伴侶となりました
…しかし、最初のエルデの王、ゴッドフレイが狭間を追放されたとき
彼はレナラ様を捨て、黄金樹の王都に戻り、女王マリカの王配、二番目の夫となり
…二人目の、エルデの王となったのです
そして、誰も知ってはいないのですよ
ラダゴン様が、なぜレナラ様を捨てたのか
いえそもそも、一介の英雄にすぎなかった彼が、なぜエルデの王として選ばれたのか
…そしてレナラ様は、ラダゴン様の贈られた琥珀のタマゴに縋り
許されぬ術に耽っているのです
…おぞましい、産まれ直しの秘術に
…御仁、覚えておいてくだされ
結びは、それが反故にされたとき、より惨たらしく壊れるのです
こうして、ラダゴンが王権を握ってからは、黄金樹の恵みが枯れていき、絶対王政が続くことになります。
かつての時代を知る者たちは全て葬られ、歴史はすべて金色へと塗り替えられていきます。
記録を残す絵描き、彫刻家、そしてエオヒドの人々など、歴史を知る者は片っ端から消していきます。
そして、このリング状の大地こそが真実であり、黄金樹が中心にあるこの姿こそが、真実の世界だとしていったのです。

もしかして、牢獄洞窟にとらわれたのは、
かつて大地改革を成功させたエオヒドの技術者たちだったのかもしれない。
壮絶な決戦の後、讃えらえるわけでもなく、ただ泥濘の巣窟にされ、焼かれ、永遠に牢獄へと閉じ込められる。これが日陰で活躍した者たちの末路とは、さすが黄金律といったところか。
〇デミゴッド誕生、黄金律の絶対王権
真実を知りながらも、さすがにマリカやラダゴンの子供たちを手にかけることはできません。というか、そもそも不可能です。黄金律の元、彼らもまた不死身ですからね。
子供たちはみなそれぞれ指と神授塔を与えられ、それらの力を使うことが許されました。そして、その力故に彼らはデミゴッドとなります。本来影の地を浮かすためのシステムだったこのタワーのエネルギーをデミゴッド生誕として用い、また歴史を金色に塗り替えたのです。
さて、こうして半ば神のような存在となった彼らですが、そのかわり律に縛られ指に支配されてしまうので、好き放題にできるわけではありません。
エルデンリングによって、彼らの本質は封じられてしまうのです。
ですのでもちろん、彼らのこれまでの歴史を呼び起こしてクーデターをするわけにもいきません。魔術教授のように口封じをされたわけです。

その優れた知恵ゆえか。あるいはラダゴンもまた、彼らから何らかの助力を得ていたか。
このように、真実を知るものは口封じをされる。これは、デミゴッドもまた例外ではなかった。
黄金の糸で、その口を縫い塞がれた仮面
神秘を高める
レナラの夫となったラダゴンが
カーリアの魔術教授たちに強いたもの
我が事は、すべて秘匿と心得よ
また、表に出てこれない者たちもいます。モーゴットとモーグですね。この二人は、未だ地下にとらわれたままです。
彼らは特に、出てきたら世界の真実をべらべら話しそうで危険です。このまま幽閉されていたほうがよいのです。
そしてゴッドウィンは辺境に追放され、あるいは王都の円卓におり、それなりに王政を支えていたでしょう。ただ、あくまで金と銀、その両方を大切にしようとしていたのではないでしょうか。
とはいえ、心から黄金律を万歳していたデミゴッドはそんなにいなかったのではないでしょうか。例えばラダーンはそうですね。なにせ、ゴッドフレイに憧れていたわけですから。彼の思想に近いものがあったでしょうし、ラダーンが信じたのは黄金律ではなく王です。だからこそ戦において強く、また誰からも慕われていたと考えられます。
また、ライカードは外戚としてデミゴッドとなり、法務官として火山館を賜りました。火山館と言えば、かつて残酷な銀の勢力の見せしめが行われた場所です。(大考察「ラウフとゲルミア火山より。」)
この場所を任されたライカードもまた、現在の黄金樹を良しと思っていなかったことでしょう。謀反、黄金樹に弓引く機を窺います。
そもそも、恐らくファルム・アズラ侵攻時、ライカードは裏切り行為に手を貸しています。彼はラニと結託して、マリケスに宵眼がとどめを刺されないように仕組んだのでしょう。
そして奪った死のルーンを用いるとき、陰謀の夜を始める。
今はそのタイミングを待つばかりです。

死のルーンの片鱗が刻まれた岩片
黒き剣の力を逸らすことができる
陰謀の夜、法務官ライカードは
ラニから謝礼として片鱗を貰い受けた
いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに
運命の死たる黒獣に挑む切り札として
ラニはと言えば、表舞台から去り、ただライカードと共に、銀の勢力が反旗を翻すタイミングをうかがうのみです。この間、老いた雪魔女からあらゆる術、あるいは銀の悲願についてよく学び、聞いたことでしょう。
銀が反旗を翻すチャンスは必ずあります。なにせ宵眼がエルデの獣の中へと入り込んでいるのですから。
一方、マリカとラダゴンですが、基本的にマリカは表に出てきても何も口にすることはなかったでしょう。あのいろいろな絵画や彫像に残っているような、なんとも疲れ切ったような、悲しい表情を浮かべたままだと思われます。
そしてそのポーズは、祝福するというよりは、磔にされたようなポーズです。あるいはそうして黄金の民たちに訴えていたのかもしれませんね。
自らの永遠の女王たる思いを。



(ただ、復活ポイントという扱いだから、戦い続けろという意味でもあるかもしれないけど。)
また、ラダゴンはラダゴンで困ったことになります。黄金律が何かおかしい。予言者たちがしきりに原初の大罪を口にするようになった。
黄金樹が焼ける。それは、おそらく宵眼が黄金樹の内に取り込まれ、内部で徐々に力を取り戻しつつあることで発生した、かつての二本の小黄金樹に起こったことの情景に起因しているのだと思われます。
(大考察「王都と16の星団」でお話ししましたが、山嶺の二本の小黄金樹は、かつて赤髪巨人のTポーズにより焼かれたと解釈しています。)
恐らくそれをしきりに唱える予言者たちを皆殺しにしたのは、ラダゴンでしょう。

それを皆殺しにして、二度と黄金樹の揺らぎを口にせぬよう、民たち臣下たちを睨んだだろう。
その死体をあえてその場に残すのは、黄金の民、あるいはマリカに対する警句か。
こうして、黄金樹時代が開闢です。
2-4.エルデンリング破壊
ラダゴンの絶対王権によって黄金の歴史が黄金律によって約束されました。死のマゼンタは取り除かれ、生のみが謳歌される世界です。
黄金律に従わないものは徹底的に淘汰し、都合の良いものだけを残す、そんな厳しいルールの時代です。
マリカの望んだ世界とは真逆。いい子ちゃん教育時代みたいなものですね。口答えするやつぁ容赦しない。
「これならどうよ、大いなる意志。すごいでしょ?全部黄金だよ。そりゃあ自分の血には金と銀が混じっているかもしれないけど、でももうマリカが王になったおかげで、自分も神になり、ほら、もう完ぺきな黄金だよ。早く迎えに来てよ。」
エルデの獣はそんな様子で自身の世界の空を仰いだのではないでしょうか。
〇陰謀の夜

しかし、この黄金時代に、綻びが生まれる瞬間が来たのです。それは、ゴッドウィンが発端となりました。
陰謀の夜は暗がりばかりです。これの詳しい中身について今回は立ち入りませんが、とにかくゴッドウィンが死にました。ラニが死のルーンをあの戦いで奪っていたからです。おそらくこの夜のタイミングは、ラニが星見により導き出した時期頃だったのでしょう。
不死のはずのデミゴッドが死ぬ。これは黄金律に明らかなバグを生じさせました。死を取り除いたはずなのに死ぬ。しかも黄金律の枠組みの中で、肉体が生き、魂だけが死んでいる。
これにバランスを取らせようとするために、黄金律のシステムに反対側の「肉体が死に魂だけが生き残るもの」が生じてしまいます。それが、死に生きる者たちです。

明らかに肉体は死んでいるのに、魂が残るためいつまでも復活してその近くを彷徨う。
生を謳歌する黄金律にとって、こんな状態はバグ以外の何物でもない。
黄金律原理主義の祈祷のひとつ
死に生きる者たちの狩人が用いるもの
(略)
狩人たちは、穢れた理の根絶者である
すべては、黄金律の完全のために
ただし彼らは律の穢れとされていますが、彼らは世界の理の中に存在しているのです。
ですので、黄金律がやろうとしたバランスを取る行為は、世界の在り方としてむしろおかしいです。なぜなら本来、黄金律の外まで考えればラニという反対の存在があり、全体の均衡は取れているはずだからです。それを黄金律の「意志」で勝手に均衡をいじろうとして、死に生きる者たちを生じさせてしまいました。だから死に生きる者たちを生じさせたのは、黄金律の自らバグを生み出す行為でした。
こうして、世界の律は綻びを迎えました。
このタイミングを待っていたのは、ラニでありまた一方で、マリカです。黄金律が完全でなくなった今こそ、エルデンリングを現状から変える最大のチャンス。それが最愛の息子の死であるとは、なんとも皮肉なことでしたが。
破壊に用いるのはマリカの槌。これに自身のやわらかい金をくっつけて叩き割ります。恐らくヒューグが鍛えたものでしょうか。ヒューグはおそらくゴッドフレイの活躍の頃から、軍の鍛冶師だったのでしょう。

混種は坩堝にも似て、ゴッドフレイやマリカが許容し活躍の場を与えていたと考えられる。
ヒューグもそんな寛容な扱いを受けた一人だったのかもしれない。
褪せ人の助けになるよう生かしたのは、もしかしてマリカよりゴッドフレイの意志によるものか。
それか、マリカもまた影の地出身であり鍛冶術を使えそうなので、自分で鍛えたのかも。稀人の地は影の地でしょうし。
いずれにせよ、マリカの槌はとっておきの一振りです。

狭間の外、稀人の地で作られたという石槌
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物
リングが砕けた衝撃で、半ば壊れており
ルーンの破片が食い込んでいる
これをもってして、マリカはエルデンリングの破壊を試みます。
〇エルデンリング破壊
なぜ壊すのか。
それは、現在の黄金律は砕かれなくてはいけないからです。
マリカの望みは、律無き優しい黄金の世界。すべてがありのままの姿であるために、エルデの獣、意志を持った神は滅ぼさなくてはならない。
だから、エルデンリングを砕くのです。
ただ、これはかなり複雑な作戦が敷かれています。
まず、エルデンリングを砕けるのは鍛冶術と”ある力”(第三部で話します。)を持つマリカだけです。他にエルデンリングを砕ける人はいません。
そして、エルデンリングを砕くことで何が起こるかと言えば、ルーンの破片と大ルーン、そしてエルデンリングの大本となる枠組み、そして器が残ります。

エルデンリングが砕けた破片
使用により、装備した大ルーンの恩恵をもたらす
(略)
エルデンリングの下方には
輪の恩恵の受け皿、底辺の弧があるとされている
これは、その破片であろう



枠組みは砕いたところに残ります。ラダゴンが修復を試みましたからね。
そして彼はきっと、自らの体にそれを入れ込み、エルデの獣が具現化できる状態にしようとする。マリカはそれを読んでいたはずです。これで、エルデの獣を攻撃できる準備が整います。
また、砕けた大ルーンやルーンの欠片はデミゴッドたち、そして褪せ人たちなどに分けます。そして彼らに自らの本性を表すチャンスを与えるのです。

これは、デミゴッドたちの本性を大ルーンが封じていたためであると考えられる。
例えばラダーンは自らの火を封じゴッドフレイのように人としての力に頼り、
マレニアは大ルーンの力で腐敗に対抗し、人としてあろうとした。
ゴドリックの大ルーンは挿し木(接ぎ木)の力を宿し、
ライカードは大ルーンを蛇に喰わせて、蛇の本性を露わにさせた。
実は、大ルーンやエルデンリングは、砕くことによってその正体を現すことができるのです。
ルーンの弧を使用するとき、主人公は砕きますよね?これはメスメルが自らのルーンを砕くのと同じです。
ルーンというのは、いわば持ち主をいい子ちゃん状態にしておくための封印であり、これを砕くことにより、本来持っていた力を露わにできるというわけです。

砕くことで初めて、大ルーンの力を開放できるということである。
したがって、ルーン、あるいはエルデンリングとは、少なくとも現黄金律においては、
本来の姿を封じるための封印といえる。

ルーンとは封印なのだ。すると、メスメルが瞳を砕くことを、マリカはきっと咎めないだろう。
だからこそ、この世界はエルデンリングが砕けたとき、どうしようもなく壊れてしまったのです。それが本来のあるべき姿だったのです。
行儀のいいふりをした世界が続くくらいなら、いっそ一度ごっちゃごちゃに壊れて、あるべき姿のままで再びスタートさせる。
これがマリカの望んだ世界の修復方法なのです。

もう、よい
ずっと、世話をかけたな、セローシュよ
行儀のよい振りは、もうやめだ
今より、俺はホーラ・ルー!
戦士よ!
ところでフロムソフトウェア、とくに宮崎監督の作品にはそういう描写がよく出てきますね。
今回のデミゴッドなどもそうですが、流麗な英雄譚や美しい場所、存在は、
ぐちゃぐちゃに醜く壊れていって初めて完成するという哲学をお持ちのようです。
これは、そのまま大ルーン、エルデンリングの役割に当てられていると考えられます。さて、エルデンリングは砕けました。破砕戦争が勃発する瞬間です。
しかし、これにいち早く反応したのは、黄金律のイレギュラー抹殺システムである眷獣マリケスです。
マリケスは当時、陰謀の夜により死のルーンが奪われていることが発覚し、黄金律から罰を受けていました。死の根というバグを喰らっていく罰です。しかしマリケスはこれを、マリカからの罰だと考えていたのですね。
ただ、罰を与えたのは黄金律、マリカの意志とは異なったものです。
ですので、さすがにその後マリカがエルデンリングを砕いたというので、マリケスも「?」というところはあるようです。

第三部で詳しく述べるが、これは宵眼の作戦である一方、マリカの願いでもあったと考えられる。
マリケスはこれにより宵眼にとどめを刺すことができなくなり、
黄金律から厳しい罰を受けることになる。
ところで一方、マリケス撃破後の様子から、盗まれた死のルーンはすでにマリケスの手元に戻っているようである。ライカードか、あるいはマリカが手元に戻したか。
その後で黄金律が罰を下したのだと思われる。
…マリカよ、なぜ…
我を、欺いた…
なぜ、壊した…
全て…、全て喰らった…
だが、まだ渇く…、ひどく渇く…
グオオオオオオッ!
マリカよ!これが罪か!
もう、二度とは戻らぬか!
しかし、マリケスはブライヴのあの時のように黄金律の抹殺システムに操られ、黄金樹の中へと向かいます。このシステムは自動的に動くものだと思われ、動き出したらマリケス本人はもちろん、黄金律にももう止められないでしょう。
そこにはラダゴンが修復した枠組みを内に宿して、エルデの獣によって磔にされたマリカの姿。
マリケスはそのままシステムに従い、マリカの腹に死の刃を貫きます。
やっちまった。しかしこれがマリカの作戦です。マリカは自らのうちにエルデンリングを宿した状態で、マリケスの攻撃を喰らったのです。
これはエルデンリングの具現、すなわちエルデの獣をも傷つけることに繋がりました。

しかし一方で眷獣マリケスがシステムに操られマリカの腹にこれを刺したため、
エルデの獣に致命的な傷がついた。

しかし、マリカはさすがに死にます。いえ、死ぬのですが永遠の女王なので、器として生き残ります。しかし、死ぬからこそ、石になるのです。
かつて人々の死が、みな墓石になったように。
こうして、エルデの獣が具現化できるような状態で、なおかつそこに致命的な傷を与えることができました。あとは、いつか現れる、心折れぬありのままの姿の王が表れるのを、待つばかりです。
その者がラダゴンを滅ぼし、エルデの獣を殺せば、マリカは神となり、全てを優しく抱くことを実現するのです。
「ホーラ・ルーがたどり着くか、あるいは別の誰かか。
それとも、ああ宵眼よ、夜の律を望むものが現れるかもしれないな。
だが、それはそれでよい。ありのままの姿であるならば。
ただ、生まれることがあれば、あとは全てを受け入れようではないか。
・・・だから、狂い火だけはやめてほしい。」


女王マリカの秘めたる祈祷
優しいだけの、律無き黄金
小さな黄金樹の幻影を生じ
周囲の味方のHPを持続的に回復する
マリカは故郷の村を黄金で包んだ
癒やすべき何者も、いないと知っていても
…貴方がもし、狂い火に向かっているのなら
それだけは、やめて欲しい
あれは、触れざるもの
全ての生を、その思いを喰らう混沌
この世界がいかに壊れ、苦痛と絶望があろうとも
生があること、生まれることは
…きっと、素晴らしい
だから貴方に、王を目指す貴方に、それだけは否定して欲しくない
…狂い火に向かうのは、やめて欲しい
第三部
3-1.宵眼の女王
マリカと宵眼の女王の関係に迫ります。その前にまずは、”銀の勢力のやり方”と宵眼の女王の生い立ちについて確認しましょう。
〇銀の勢力のやり方
銀の勢力は相手を懐柔したり、魅了するのが得意です。
その最たる例は、ラニですね。

Elden Ringのプレイヤーたちの間でラニは大人気キャラクターです。このことが何よりの証明です。ちなみにラニエンドの真実については、考える金仮面卿様のこちらの内容が恐らく固いかと思われます。また、銀の勢力のやり方についても御説を参考にさせていただきました。
他にも、ラティナ、アルバス老、ピディなど、善人そう、というより幼気な者たちがたくさんいます。
全体的に、しろがね第一世代は歩けない美女たちがメインで(中国の纏足かよ)、第二世代はカエルっぽい、ゆるキャラみたいな顔がメインです。どれも、なんだか「かわいい」とか「美しい」とか、「守ってあげたい」「かわいがってあげたい」みたいな感情をわき起こさせる様相、性格をしているものばかりです。(ただし個人差あり。)
これこそが銀の勢力のやり方です。別に本人たちには悪気が無いと思われますが、種としてこの勢力のやり方はこうなのです。
そうやって、近づく者たちを魅了し、虜にしていく。そして気がつくと物事は銀の望み通りに進んでいく。
本質はただの金属だというのに、恐ろしい話です。
現実世界でもありますよね。中身や構成物は無機物なのに、
それに愛情や萌えみたいな感情を沸き立たせる現象。
具体的には想像にお任せしますが、そういった現象は珍しいものではないと思います。
私は今作では圧倒的にミリセント推しですが、こういう感情もその一つですよね。
ぬいぐるみやフィギュアなどに微笑みかけるなども、同じ類です。
そういえば、ラニは人形ですし、途中、ぬいぐるみみたいなのになりますよね。
つまりそういうことです。
銀の勢力はこういった感情に懐柔していく勢力だと考えてよいでしょう。また、銀の勢力は全てにおいて、「模倣」という力を持っています。

「伝説の遺灰」のひとつ
写し身の雫の霊体を召喚する
召喚には、FPでなくHPを消費する
召喚者の姿を模倣し、戦う霊体
ただし、その意志までは模倣できない
永遠の都が、王を創らんとした遺物である
銀の雫と呼ばれる、不定形生物の硬化した殻
(略)
銀の雫は生命を模倣する
模倣はやがて再誕となり
いつか、王になるのだという
意味はそのままですね。銀の勢力はオリジナルの真似をするのが得意なのです。例えば祖霊の民は遊牧の民を模倣しますし、泥人たちも泥でありながら人の姿を模倣します。

彼らなりの、遊牧の民の模倣なのだろう。

これが、銀のやり方において重要な根幹を成すことになります。
〇宵眼の生誕
銀の勢力は宇宙由来で、石棺宇宙船により青海岸に飛来。そこから泥濘として流れ出て、土壌や海、果ては空気中などに混じってその勢力を拡大します。(彼らの野望やいきさつについては、考える金仮面卿様のこちらのご考察および私の大考察「王都と16の星団」にて述べた通りとして進めます。)
その最中、樹木化する宿痾を持ったしろがね第0世代は、二つに分かれて存在し、各々で人々の生活を模倣し、勢力を広げていました。
かたや青の勢力、後のカーリアへと繋がる、ウル王グルーブ。
かたや赤の勢力、後の血と腐敗へと繋がる、ラウフグループ。
ウルとラウフは必然的に出会い、結ばれました。
その結果誕生するのが、宵眼です。

三原色的観点で行けば、必然である。
宵眼は、青と赤の両方を兼ね備えた暗紫の瞳を抱き、恐ろしい力を宿していました。
その眼を合わせただけで相手を殺せる、そんな力です。
ウル王もラウフも、彼女こそが夜の律を掲げ、銀の千年王国を実現するものだと確信したでしょう。
しかし、そこに警戒をしたのは金の勢力です。

神肌の使徒たちの、黒炎の祈祷のひとつ
その高位とされるもの
(略)
使徒たちを率いた、宵眼の女王
彼女は、指に選ばれた神人であったという
金と銀はどちらも星の覇権を争いながらも、互いの滅ぼし合いを望まず星を二つに分断する契約を結びました。その誓いとして、金の勢力は竜王プラキドサクスを、銀の勢力は宵眼を、それぞれ王と神に立てました。
宵眼は今でこそ都合の悪い歴史として、「滅ぼされた」ことは明確にされていますが、実際当時は神であったと考えられます。もちろんその直前は神人という立場をとったはずですから、彼女には影獣である三匹の狼(グラディウスかな?)が与えられたはずです。そして彼女を操るための指もまた与えられました。これを授けたのは当時の金の勢力の元締め、メーテールでしょう。
与えられた指はまだ当時、五指だったと考えられます。
つまりエルデの獣本人です。
エルデの獣がまだ神でなく、宵眼とプラキドサクスがそれぞれ神と王であった頃、知性(治世)の象徴、現在でいう二本指のような、参謀、大臣、導き的存在を担ったのだと考えられます。
(ちなみにラニは、この宵眼の環境をブライヴ、イジーで模倣しています。眷獣がブライヴ、参謀にイジー。ということは、宵眼はラニがそうであったように、三匹の狼やエルデの獣を、快く受け入れていたと考えられます。)

ファルム・アズラにおいて
高位の司祭に与えられる短剣
獣の祈祷の威力を高める
かつて獣たちに贈られた知性
その象徴たる、五指が象られている

このことが、黄金律=エルデの獣=五指であることを示していると考えられる。

その手の形は、チンクエディアにかたどられた姿とも似ている。
こうして、元々ウル王とラウフ王妃を受け継ぎ銀の女王であった宵眼は、神として存在することになったのです。
しかし、宵眼自身がどう考えていたのか、彼女自身は何が望みだったのか。
それについてこの段階ではまだ推し量ることができません。
3-2.模倣
ここで、ちょっと銀の勢力になったつもりでよーく考えてみてください。
銀の勢力は模倣という力を持っています。そして、模倣はやがて本物になります。その力を持っている者たちが、王政を敷いているのだとしたら?
単純に考えて、王が死んだらどうするのでしょう。そうなったら、模倣した王を次代に立てるのが当然の発想ではないでしょうか。
失って、大きく代替わりし、全てを総取り換えしてうまくいかなかったら勢力はおしまいです。星の覇権が金の勢力に奪われます。
であるならば、聡明の王や王妃がいる間に、その模倣を大量生産し、クオリティを上げ、次、またその次と備えておくことが考えられないでしょうか。
であるならば、ウル王やラウフ王妃、そしてもちろん宵眼の模倣(コピー)を、大量に作ったと考えられるのです。
ゆえに、ウル王、ラウフ王妃の彫像は大量に見つかるのです。

ただ崇めていただけでなく、この石像をもとに、模倣を大量生産していたとも考えられる。

恐らくウル王の模倣事業はサリアの「賢者」と言われる連中に受け継がれていったと考えられます。そして、ラウフ王妃の模倣事業は蕾の聖女、あるいは指の巫女に受け継がれていったでしょう。

そしてそれはやがて本物になる。そして一つの意志になる。

ゴーリーの家とすぐそこである。
そして腐敗の眷属はもともとラウフを出自とする。全て銀の模倣の延長にあると考えられる。

この地位へと滑り込んでいく流れがあるようだ。

巫女のような、模倣により大量生産された存在だと思われる。
ちなみに海外版での名称は「Finger Reader Crone」。(Crone:老婆)
これはErdtreeとElden RingのようにRとLを使ったフロムのダジャレの一つで、
そのまま「Finger Reader Clone」(Clone:複製)という意味が込められていると考えられる。

これはミニ考察「巫女投げシステム」で触れたが、
彼女たちは模倣によって生まれ褪せ人に取りつく銀の勢力の手先である。
(本人たちにはその自覚は無いだろうが。)

巫女はこのような扱いを受けていたのだと考えられる。
罪の茨に瞳を潰された巫女
それを祀るために作られた盾
巫女は、この地に再び産まれるという
(略)
ただ、コピーを作るには恐らく犠牲もつきもので、このような事業を行うためにも、ウル王が帰還するためのエニル・イリムやラウフが生きながらえるための謁見の間に、大量の死が送られたと考えられます。



モーグの体に入ったラダーンの模倣(ミケラダーン)は、
名実ともに最強のデミゴッド、ラダーンといって差し支えない強敵、すなわち本物となった。
実際、プレイヤー間でこのボスを指さし「ラダーン」と呼んでも、なんの違和感もないだろう。
この事実が、模倣が本物になった何よりもの証拠である。
では、宵眼はどうでしょうか。宵眼なんて銀の千年王国実現をもたらす最優秀候補です。これを模倣しないわけがありません。
ですので、宵眼については信じられないほど大量のコピーが生み出されたはずです。
しかし、だからこそうまくいかない。どれだけ生み出しても完璧な宵眼が得られない。それを繰り返すたびに、宵眼の一部分はマネできることはあっても、そこから真の宵眼が生まれることはできないばかりです。
この描写は、まさにマレニアの子らと言われた腐敗の娘たちが対応しています。
彼女たちも、マレニアがエオニアに捨てた多くの人としての感情などがちりばめられて生み出されます。例えばミリセントは、マレニアの中にあった「人として神性(宿痾)に抗う遺志」を受け継いで生まれました。その部分において、ミリセントはマレニアを模倣したのです。ゆえにその術である、流水の剣技、特に水鳥乱舞まで身に着けています。
ここにマレニアらしさにあふれるもんだから、ゴーリーはミリセントに対し、生贄としてかなり完成度の高い模倣が生まれたと喜ぶわけですね。

完成度が高いとされた。
掲げられた義手刀を象ったタリスマン
腐敗の女神に仕える、戦乙女たちの徽章
(略)
四姉妹は、エオニアの沼に生まれ落ち
ゴーリーの手引きにより、聖樹へと至った
だが彼女たちは、出来損ないの蕾であった
宵眼にも多くの死が火釜から送られ、そして多くの模倣が生み出されました。その代表例が、トリーナ、ハルモニア、葬儀屋、リムベルトの地下に眠る糸の娘たち、貴腐騎士たち、稀人たち、巫子の村の巫子たちです。つまり、マリカもまた、宵眼のコピーなのです。
◯宵眼と近しい存在、トリーナの真実

トリーナやマリカが宵眼とイコールではないかとする説は、あちこちで枚挙にいとまがないほど挙がっています。
しかし、どうしても条件が合致しないことが多いようです。様相であったり、時系列や影響力、周囲の環境にギャップがあり、同一人物ととらえる説はよく議論の渦を生み出しています。
そこで、この「似ているけど違う」というのこそ、模倣がその答えであると考えられないでしょうか。宵眼を素晴らしい存在とする者たちが模倣の力を持っているのなら、宵眼の模倣を作ろうとするのが自然です。その結果生まれたのが、トリーナやマリカなのです。
レナラも自身の子のコピーみたいなものを大量生産できますので、模倣の力は銀の勢力の特権であり、それを、望む者の誕生に用いるのは、不思議な話ではありません。
ユミルも恐らくこの模倣の力を求めていたのではないでしょうか。
指の子ユーリの再誕を望んだみたいですからね。

同じような顔をした幼年学徒たちを大量に生み出している。
そしてそれは全て不完全になる。つまり金の勢力がこのタマゴで無力化したのは、
女王の持つ強大な模倣生産能力だったと考えられる。
(というか改めて見るとレナラの登場シーンってトリーナが落ちるシーンとそっくりだ・・・。)

メーテールが滅んだことで、模倣を本物にできる手順が揃ったのだろうか。
・・・もしやミケラにラダーン復活の方法を入れ知恵したのはこいつか?
ソウルライクゲームが溢れかえっているのも同じ現象です。
ソウルシリーズが素晴らしいとするから、その模倣が生まれます。
しかし、そこには作り手の意志やこだわりが入り込んだり、
完全に真似することができないからこそ、
「似ているけど違う雰囲気」のものが出来上がるのです。
これは「ありのままの姿であれ」と願うマリカと比べると、
むしろ「憧れを追い続けろ」というミケラっぽい思考ですね。
どちらが世の神たりえるのか?
それはミケラダーン戦の勝敗でわかることかもしれません。トリーナは眠り、つまり催眠の力を持っており、またその象徴は宵眼と同じ暗紫です。そしてその象徴たる色は、泥濘に落ちて永眠の力となるとますます宵眼の色へ近づきます。模倣が本物に近づいていくということでしょう。
トリーナはミケラに捨てられ、それでいてミケラを救おうとしたとき、宵眼らしさに似ていったということです。
そしてトリーナの顔は、七人の戦乙女たちハルモニアたちと同じ顔であることが解析により知られています。これはトリーナと模倣を結びつける重要な事実です。
しかしこれだけではまだ「トリーナがオリジナルで、他がすべて模倣されたのでは?」ということで良さそうですね。しかしトリーナは一方で、宵眼の力を持っています。そして宵眼がマリケスに敗れた話とミケラの半身であるトリーナの活動は、時系列が合っていません。明らかにトリーナの方が後出です。
また、「トリーナの灯火」のテキストを見ると、大人びたトリーナの存在が確認されており、トリーナにはその上位互換がいると読み取れます。

かたどられた人物の額には、瞳のようなものも確認できるが・・・?

しかもトリーナの額に、そんな怪しい瞳は存在しない。
薄紫の火を灯す、燭台の松明
彫刻の意匠は聖女トリーナであるはずだが
その姿は大人びて、どこか恐ろしい
薄紫の火には、睡眠の効果がある
すると、この紫の炎がトリーナのものではないことがわかりますね。これは、宵眼の炎です。宵眼は火の赤髪巨人と密かな星見の恋に落ち、そのときにこの紫の炎が生まれたのでしょう。
ゆえに、これは聖別雪原の彼方へと運ばれようとしています。
宵眼のために、表向きにはトリーナの姿としておきながら。
もちろん一方で、この灯火を見たトリーナガチ勢たちが「これトリーナじゃなくね?」と、実写版や二次創作にツッコミを入れるみたいな勢いで絡んでくるので、禁域の向こうに置いておきたかったというのもあるでしょう。
したがって、トリーナは摸倣です。幼き宵眼のコピーです。そしてそれは、ハルモニアも同様ということです。

しかし、英雄武器という得体の知れない得物により、その体は異様に増強され、
夜とは異なる脅威になった。
(画像:Elden Ring Nightreign The Forsaken Hollows アナウンスメントトレーラー)

(画像:The Balancers - Closer Look)

そして貴腐騎士たちはレアだがミケラのスイレンだけでなくトリーナのスイレンもドロップする。
(ちなみにWikiより、ミケラのスイレンは3.00%で、トリーナのスイレンは2.00%のドロップ率。私もトリーナのスイレンはまだ一回しかドロップしたことがない。)
このことから、貴腐騎士たちは中身がハルモニアと同じ出自で、マレニアと同様に人として宿痾に抗う力を抱いたから、英雄武器の呪いを回避できたのかもしれない。
ミケラの刃、マレニアと共に戦った
貴腐の騎士たちの槍
羽を持つ黄金の刃は、聖属性の攻撃力を持ち
小さな盾には、腐敗に抗う祈祷が施されている
専用戦技「聖槍の壁」
秘められた祈祷の力を解放し
前面に、黄金の槍衾を展開する戦技
◯大量の模倣生産工場
トリーナが宵眼の模倣であることから、ハルモニアや葬儀屋もまた同じであることが考えられます。またそれはつまり、宵眼が無数に模倣され、そのコピーが生み出された可能性を与えます。
どういうことか。
こちらをご覧ください。

(ちなみに葬儀屋自身も宵眼の模倣の可能性大なのですが、今回は踏み込みません。)
礼拝堂、のようです
学者さんの荷物が増えてきていますが…
罰当たりですか?… そう感じるのでしたら
誰だか知らないで祈っている私は、もっと罰当たりだと思います
(※英語:I'm far worse - I pray to a god about whom I know nothing.)
(注:英語で台詞を聞く限り、葬儀屋は祈りをささげる相手を「神」として扱っている。)
この葬儀屋が祈る女神像は、彼女にとっても正体不明の像です。
しかし、この石像は実のところ狭間では珍しいものではなく、古遺跡断崖や一部の英雄墓で多数確認できるものです。
また、これが顕著に崇められているのは、辺境の英雄墓です。
これらの石像が全て、宵眼のコピーをかたどった、ということが考えられるのです。

古遺跡の所有者はもともとラウフであるから、この女神像は娘の健闘を祈ったものかもしれない。

一部の模倣は蕾の聖女とするためにラウフが連れていき、僧侶となる修行をさせていたか。

黒き刃の暗殺者が入り口を守っており、中は光源装置がある。また、影人のような連中が蔓延る。

自説ではラウフの監視のためメーテールが自ら用意した場所。しかし恐らく銀はここを利用した。

ここは他の英雄墓と違ってトロルの石像もある。もしや、トロルも模倣された?

当然ここにもこの像は大量にある。また、ここは光源装置のトラップで戦車が転送してくる。

ここの女神像は他の英雄墓と違い、かなり目立っている。

ここにはひときわでかい女神像が祀られている。そして接ぎ木の貴公子たちが守護している。

個々の最深部は他の地下墓や英雄墓と違い、なにやら棺から根が伸びているように見える。
ここにはいったい何が眠っていたのだろうか・・・?
女神像の数の多さと精巧さは、少女宵眼のコピーが大量生産されていることを示していると考えられます。恐らく壊れた腕の向きから、ここに赤子を抱くようなポーズをしていたと考えられます。その赤子が、つまり宵願のコピーです。(あるいは石像自体を元にコピー生成したかもしれません。)
地下墓は銀の勢力の施設です。そして英雄墓は金の勢力の特徴が見られることから、両勢力の交流時代に、銀の勢力が金の勢力の犠牲者を供養するために造った施設だと考えられます。
しかし実はその裏で、英雄墓は銀の勢力が大量の宵眼コピーを生み出していた場所、いうなれば宵眼模倣生産工場だったのです。

言われてみれば墓の根は栄養生殖のように膨れ上がっている。これが卵のような役割になり、
ここから宵眼のコピーが生成されていたのだろうか。
となれば、現在は指の巫女がこのような発生の仕方をしている可能性が高い。
そして辺境の英雄墓はインプの鍵で封印されているため、そこから狭間にやってきた主人公は巫女と出会えるはずがない→巫女無し確定。
ヴァレーはこうして主人公が巫女無しであることを見抜いた可能性がある。

下の根の両側に立つのはそれぞれウルとラウフ、そして上から出るのがしろがね。
それどころか、この根から生み出されるのが、ウルとラウフの娘つまり宵眼、その模倣であり、この扉のレリーフは宵眼の模倣を大量生産していることを暗示していると考えられる。

アリの巣の女王クラスは、撃破すると稀人のルーンをドロップする。
稀人も後述するようにマリカと同様、宵眼のコピーである。
そしてこの奥ではエルデの流星が入手できる。そうなるとこの場所はかなり大きなヒントだ。
そして、並べられた女神像には、手の部分が必ずない。
これは後に誰かが手の部分を破壊したと考えられます。偶然で全部同じ壊れ方に、なるはずがありませんもの。
なぜ壊したのか。
それは、この無数の宵眼のコピーたちを、後に黄金樹の罪を垣間見た挿し木の一族が、夜に備えるための礎としてリムベルトに埋めたからです。

手を糸で縛られて薔薇のような花の中で眠る少女がいる。
石化しており、話すことなどはできない。また、ここでは三つの犠牲の白枝が入手できる。
丁寧に編まれた緒
それは、本来秘されるべき場所に
留まった少女たちに握られたものである
挿し木の一族は誓い合った
すべて明かさぬまま、その身を捧げると
しかし彼女たちは、そうするには幼すぎた
彼女たちはそれが自分たちの望みであろうがなかろうが、リムベルト王国を奪還しに来る夜の王ナメレスに備えるために、リムベルトのコピーの土台とし、夜を誘い出す釣り糸として利用したのです。
そもそも宵眼のコピーなんて本来黄金律に存在されても困るわけですから、何とも合理的なやり方ですね。
つまり、挿し木の一族は夜に備えるために、宵眼のコピーをまるで罪人巫子壺のように世界の地下へと幽閉し、夜を誘う餌にしたのです。
女神像の腕の壊れ方的に、おそらく赤子を抱えていた、あるいは今から糸で手を縛られようとしているポーズだったとおもわれます。いずれにせよ、このポーズの運命を、挿し木の一族は「縛る」目的で逆利用した。この歴史と関係して、現在では全て残らず石像の手を破壊してあるのでしょう。
(そこにあったのが赤子にせよ、手を縛られようとしているポーズにせよ、)せめて彼女たちが生まれた証であるこの石像の手は縛るなかれ、その手の向く先は本人たちの意志に委ねよという、供養の意味を込めて。きっと稀人や黒き刃の暗殺者たちが、マリカと共に壊して回ったのではないでしょうか。
コピーたちは、自らの意志に関係なく祈ることを強要されたのですから。

(略)
召喚者の姿を模倣し、戦う霊体
ただし、その意志までは模倣できない
永遠の都が、王を創らんとした遺物である
彼女たちの縛られた手は大地の底で死のエネルギーを集め、模倣した世界と大地を築き、夜をそこに導きます。そりゃそうです。この子たちは宵眼のコピー。本来、そのために生まれたのですから。
…さあ、大人しく壺に入りなさい
そして、善き人になりなさい
お前たちは、巫子なのだから
そのために、生まれてきたのだから
…さあ、大人しく大地の底に入りなさい
そして、祈りを捧げなさい
お前たちは、宵眼の模倣なのだから
そのために、生まれてきたのだから
こうして、似ているけど違う、無数のリムベルトパターンが生まれます。
どのリムベルトも似ているようで異なるのは、それだけ無数の宵眼のコピーがいたからです。
全て違う大地で、全てそれぞれ一人ずつ宵眼のコピーが、死と石化から生み出したものなのです。
これが、神を騙す尋常ならざる策の、一つの意味ですね。
原初の夜の王が宿していた
大ルーンと同じ性質を持つもの
挿し木の一族は、長い歳月をかけて備えた
来たる夜を食い止めるには
尋常ならざる策で神を騙すしかない
それが、黄金樹の罪を覗き見た
一族に課せられた罰である
そしてまた一方で、この宵眼のコピーたちはそこから霊樹を生み出します。
そう、宵眼のコピーは、まるで黄金樹のような救いの木を生み出すことができるのです。
だから、マリカもまた、宵眼のコピーであったと考えることができるのです。

それは解析により手であると判明しており、これはつまり糸で縛られた彼女たちが生成したものだと考えられる。つまり、彼女たちの祈りの手が、夜を誘う神授塔となり、また夜渡りにとっての救いにもなるのだ。だから、決して離れないように糸で縛る必要があったのだろう。
(画像:BonfireVN)

礎となって作り上げた大地であり、本物のリムベルト(現リムグレイブ)のコピーである。
宵眼の夜を誘う能力、挿し木の一族の相手の力を奪う能力、
この二つがこのような尋常ならざる策を可能にした。
しかしまぁ、現在の狭間の地も黄金樹によって成立しているため、模倣ではないがやっていることは同じようなものである。黄金樹も救いの象徴であるのは変わらない。そしてこのようなことも含めて、マリカもまたこの少女たちとどうように、宵眼のコピーであることを示している。
このナイトレイン関連のもっと深い話は、
後日談の投稿を予定していますのでそちらで掘り下げます。こうなると、女神像が並ぶ英雄墓は、つまり全て宵眼模倣生産工場だったと推測できます。挿し木の一族たちは夜に備えるために、ここで生み出されひっそりと過ごしていた宵眼のコピーたちを利用したのです。
特に辺境の英雄墓がゴッドウィンの制圧したストームヴィル城とほど近いこと、そして挿し木の一族(銀髪の黄金の民)との共通点の多さから、あり得る話だと考えられます。

この者たちが宵眼のコピーを生産工場から連れ出し、大地の地下に眠らせたか。

(画像:Elden Ring Nightreign デビュートレーラー)
以上より、英雄墓では大量の宵眼のコピーが生み出されていたと解します。
しかしあるとき、そのいくらかをかくまって救おうとした人がいたのです。
恐らく貴き者たちの英雄墓にもともといたコピーたちは、挿し木の一族が尋常ならざる策を講じるよりもはるかに前、まだ黄金樹が樹立する前に救われたのだと考えられます。
そしてこの時救われた宵眼のコピーたちが、現在「稀人」と呼ばれる人々でしょう。幼いマリカも、その一人です。

この地下墓で生産されていたと思われる。
入り口には同じ稀人出身と考えられる黒き刃の暗殺者が警備しており、他の英雄墓と扱いが違う。
そしてこの内部は、影の地にゆかりがある影人トラップがある。
黒き刃の刺客たちの胴鎧
音を立てぬスケイルアーマー
身隠しのヴェールには
僅かに力が残り、足音を抑える
陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは
すべて女性であり、一説には
マリカに近しい稀人であったという
狭間の地の人々に宿った祝福
その黄金の残滓
使用により、12500ルーンを得る
稀人は、かつて狭間の外からやってきた
女王マリカの同族であるという

では、この英雄墓から宵眼のコピーたちを連れ出したことについて、詳しく見てみましょう。
3-3.大母
時はまだアステールが飛来して間も無い頃です。世界は沈黙の時代で、狭間と影の地も分断されていません。
その頃、マリカ(まだ根のタマゴの中か、あるいは生まれて間もない頃だったかもしれない。)含む多数の宵眼のコピーを貴き者たちの英雄墓から連れ出し、金も銀も関係のない遊牧の民のところに身を寄せた者がいました。
その人物こそが、大母です。
そこでひっそりと村をつくり、宵眼のコピーとして生まれた子たちと共に平和に暮らすことを目指しました。
(この村は建物が遊牧民造りなので、ここにもともと遊牧の民がいたと思われます。おそらく、挿し木の一族がいたのでしょう。)


こうして、巫子の村の誕生です。
〇宵眼の意志を持つ、大母と雪魔女
大母の特徴は以下の通りです。
・女性
・優しい
・自己犠牲
・子供想い
実は、この特徴は大母だけでなく、マリカ、そしてトリーナにも当てはまります。
マリカも常にすべてを抱く優しい黄金を持ち、自らの子供たちを案じています。そして自分をラダゴンに乗っ取られることで犠牲にし、黄金樹時代を樹立させました。
トリーナも、永遠に幼いミケラを殺すことで彼を救うことを望みます。しかしそれは同時に自分が死ぬことでもあります。半身ですから。
また、これらはなんとハルモニアにも当てはまっています。彼女たちは村の少女の願いをかなえるために、怪しげな英雄武器などというものにその身を捧げ、戦ったとも捉えられます。

(画像:Nexus Mods)
戦いの後に遺された、ハルモニアたちの遺志
遺物儀式により、主の力を得ることができる
作物の実る片田舎に現れた賊たちは
畑を踏み荒らし、次々と民たちを手にかけた
一人の娘が救いを求めて村はずれの林に入り
武器を掲げる守り神、その彫像に祈った
やがて村中は赤く染まり、静寂が訪れた
血に塗れ立ち尽くす娘の手には
英雄の武器が握られていた
つまり大母の特徴は、宵眼のコピーたちにこれでもかというほど当てはまるのです。
このことは、この大母もまた宵眼のコピーであり、そして特徴は全て、もともと宵眼本人が抱いていた本性だといえるのではないでしょうか。

宵眼自身はどんなことを思い、どんな人物だったのか。それが今、明かされる。
すべやかな肌を縫い合わせた
神肌の使徒たちの聖布
攻撃が連続すると、HPを回復する
産まれたばかりの使徒は
これに包まれ、宵眼の女王に抱かれる
そして神の死となるのだ
また、ラニを育てた「老いた雪魔女」もまた、この特徴を持ち合わせています。このことから、雪魔女もまた宵眼のコピーであるとみてよいでしょう。

女性で、優しく、かつての宵眼を模倣した姿に自分の服と同じものを着させた人形を、
ラニに贈ったと考えられる。おそらくその毛皮のデザインから、ブライヴの毛皮も編んだか。
なるほど銀の勢力の大母、ボックの母なども含め、皆手先が器用である。
冷たく凍り付いた魔女の帽子
異端の魔術師を示す尖り帽
冷気の魔術を強化する
それは、幼少のラニが森の奥で出会い
冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり
彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという
老魔女は、ラニの秘密の師であった
…母さまにお伝えしたら、喜んでくれますかね?
オイラはもう、王家のお針子にだって負けないんだって
…ああでも、まだダメかなあ
母さまのように、ゼロから仕立てられるようにならないと
今までは私も雪魔女=宵眼だと考えていましたが、
大母や指読みのような、おばあちゃん状態の「宵眼のコピー長生き勢」もいるようです。
そして宵眼本人は年老いるまえにファルム・アズラで敗れ黄金樹の中に入り込んだようなので、
自説では、雪魔女は宵眼のコピーと解釈しておきます。
(その上に雪魔女=レナラ説というのも浮かびましたが、ちょっとまだ何とも言えません。)このように模倣の中にもあくまで宵眼の神たるを継がせようとした者もいたようです。
マリカにとっての大母、ならばラニにとっての雪魔女だったわけですね。
あるいは雪魔女は、現在「巨人戦争の英雄墓」と呼ばれ秘匿さている英雄墓で生み出されたコピーかもしれません。あそこも影人トラップがあり、影の地とゆかりがあるようなので。
そして雪魔女と大母はともに年老いている。年老いたコピーは年配者で、特に宵眼の特徴を強く際立させていたのかもしれません。そして大母と対を成すように、雪魔女もまたコピーたちを連れ出して、もしかしたら魔術塊などの材料にし、ラニただ一人を育て上げようとしたのかもしれませんね。

周囲には大量の死があったと示唆する、積み重なって固まった石の墓標と無数の魔術塊たち。
宵眼のコピーを連れ出し、ここでラニやブライヴを育てるためのエネルギー源に利用したか。
そうでもしないと二人を黄金の監視から逸らすことはできなかったのかもしない。

もともと大母と雪魔女に面識があり、いつしか敵対したことに由来するのだろうか?
あるいは大母は、雪魔女の恐ろしい銀の再生計画を知り、急いで貴き者たちの英雄墓から
コピーたちを連れ出し逃げたのかもしれない。
霊魂の宿った遺灰
牙鬼インプの霊体を2体召喚する
すばしこく動き、魔力壺を投げる
撹乱に優れた霊体
二匹は、とても仲良しである
この魔術師塔について、雪魔女が使用していたという点は、
考える金仮面卿様の以下のご考察を参考にしました。
あるいはこのお考えにもっと沿って思考を凝らすと、セレンももともと宵眼のコピーだった可能性が
あります。(セレンの肖像画の髪型が、宵眼と似ている。)
そうなると、雪魔女に連れられたのは大母ではなくセレンと考えても、
以下のようになかなか深い説が浮かび上がります。
ー
同胞を塊にしながら、雪魔女と共にセレンは生き延びていた。
そこにラニがやってきて、雪魔女は誘惑と裏切りによってセレンを追放することにし、
残された魔術師塊を雪魔女とラニが用いて銀のエネルギー充填に利用した。
しろがねの魔術師塔の喧嘩インプ封印は、セレンと雪魔女の仲違いを表したもの。
あんなに仲が良かったのに、どうしてラニなどというものにうつつを抜かしたのか。
一緒に輝石の魔術の真実を探求して、因果を乗り越えようと、約束したじゃないか。
許せなかったセレンは、雪魔女を魔術師塊にして、塔の中に封印してしまった・・・。
ゆえに、セレンは学院をカーリアに渡すことを忌み嫌う。
カーリア、しろがねの目的は銀の千年王国樹立。セレンははじめからそんなものに興味なく、
輝石の探求こそが至上であると考える。それは、セレンなりに運命に抗い、
はじまりの因果を乗り越えようとした末の道なのかもしれない。
そしてそんなセレンの末路を魔術師塊にしたのは、ラニの復讐の表れなのかもしれない。
ー
この一連の流れはまさに巫子の村の大母と真逆の運命と言えましょう。
分け隔てなく包み込んだ大母、セレンただ一人を行き残そうとし他を犠牲にした雪魔女。
どちらも誘惑と裏切り、はじまりの因果を越えようとした。
しかし、大母は世間に裏切られボニ村に家族たちを売られ、雪魔女はラニの誘惑に魅了された。
結果、二人は因果を越えられなかった。
しかしその育ての娘たちであるマリカ、そしてラニは、まさにそれを越えられるかの境地に
立っている。
驚くほど対応関係がはっきりとしています。
個人的にはこの説、好きですね。
ちなみにセレンをはじめ輝石や結晶については私の方でもいろいろ探っておりまして、
じっくり氏のご考察も読ませていただいておるところです。
以下の御説は特に、かなり深い内容かつ魔術の秘密を網羅しており、必読です。
まだの方は、この大考察はあと少しで終わりですので、その後にもぜひ!さて、大母に話を戻します。
宵眼のコピーである大母が受け継いだ、強い優しさと愛情。それはマリカや他の子にとって神そのものであり、また自分たちのありのままを受け入れてくれる、そんな平和だったのだと思います。
恐らく一人だけ金髪のマリカは、特に周りとの髪色の違いに嘆いていたところ、大母のその思想に心打たれたのではないでしょうか。

しかし大母はそれでも優しく抱きしめてくれたのだろう。
この髪の色問題は、ラダゴンも抱えた悩みである。
火の巨人の、燃えるような赤髪を
編み込み束ねた太鞭
巨人たちは、皆一様に赤髪であり
ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
それは巨人の呪いだったろうか
一方、宵眼本人はどうでしょう。そういえば、宵眼自身が何を考えていたのかについて表面上から分かるものは、何もありません。
しかし、コピーたちの持ち合わせた特徴を照らし合わせると、宵眼もまた優しく、子供想いだったと考えられます。
そして、自己犠牲の精神があった。ゆえに、愛する赤髪巨人を隠し、表向きにはプラキドサクスとの政略結婚に承諾したのです。
それが世界のため、いえ、両親のためになるならと。
しかし自身の、一人の人としての感情は、ひっそりと抱いていたのですね。だからこそ、コピーの中へとその感情が受け継がれていったのでしょう。
マリカは、それを特に強く感じ取ったのではないでしょうか。
だから、マリカは銀の勢力と自ら争うことはできないのです。
黄金の弱点であるからでなく、宵眼をはじめ彼らの事情も、よく分かるからですね。
〇指読みの婆
先述したように、指読みの婆たちもまたコピーであると考えられます。特に、この者たちはいわゆる、コピーの年長者だったのでしょう。
そこで、エンヤを参考に指読みの行動を見てみますと、彼女たちは”二本指の意志を伝える”と在ります。
・・・おかしいですね。どうやってそんなことができているのか。
しかし、「黄金樹に宵眼が宿ったこと」、「指読みの婆たちもまた宵眼のコピーであったこと」を考えると、彼女たちの発言は指を読んだのではなく、実際は星見をしたのではないかと考えられます。
もちろん本人たちは指の意志を読んだつもりでしょうが、本来壊れている指がそんなことを話せるはずもありません。そこを、宵眼を取り込んだエルデの獣の意志が揺らぎ、より死を欲するようになったために、さらなる争いを求め、玉座にたどり着くように誘っているのではないでしょうか。

ところで瞳をくりぬかれているのは、宵眼を抱いたコピーだったからだろうか?
大いなる意志は、デミゴッドたちを、とうの昔に見捨てている
褪せ人よ、躊躇は要らぬ。存分にやつらを殺し、奪うがよい
マリカの大過は、大いなる罰に値する
だが彼女は、罰せられてなお神であり、幻視の器なのだ
その器に大ルーンを捧げるとき、お主は彼女の伴侶、エルデの王となろう
それこそが指の導きである
褪せんちゅが指の誘いにホイホイ乗っかっていった先は、モーゴットが固く護る玉座です。

褪せ人風情が本来、勝てるはずもない。
そしてモーゴットは、自らすすんで黄金樹に魅了されています。
しかし黄金樹の魅了を受けるということ自体、不思議なものです。これも、内部に入り込んだ宵眼の影響ではないでしょうか。
破砕戦争以来、モーゴットは永遠にこの場所を護っています。構図が弟のモーグと同じです。
モーグはミケラを愛し魅了された。
であるならば、モーゴットも黄金を愛し魅了されたことになります。
しかし黄金に魅了の能力は本来備わっていません。そしてモーゴットはマリカを愛していたと明言するわけでもありません。
黄金樹に宵眼という魅了の成分が張り込み、モーゴットは無意識に、それに魅せられたとするのが筋でしょう。
兄弟そろって、魅了されたというわけです。まぁモーゴットは自らその魅了にどっぷり浸かった可能性もあるので、同情する必要はないでしょうが。
しかしだからこそ、モーゴットは仮に世界が夜に飲まれたリムベルトでも、縦横無尽に暴れまわることができるのでしょうね。本当は、とっくに夜に魅了されていたのです。


しかし彼はすでに、黄金樹の中に入り込んでいた夜の力、宵眼の魅了を受けていたと考えられる。
黄金の魔力を帯びた呪物
忌み子と呼ばれる呪われた者たち
そのただ一人を、特に厳重に拘束するもの
かつての魔力は失われており
べっとりと暗い染みが張り付いている
黄金の守人は、この地を護り続ける
夜に飲まれてなお
そしてそんな強力な彼が、玉座にたどり着くほどの実力を持つ褪せ人を狩れば、そこにあふれ出る死のエネルギーが宵眼を満たします。このためにエルデの獣は二本指で玉座に褪せ人を誘い込むのです。
もしモーゴットが敗れたら?エルデの獣にそんな発想があるはずもありません。そもそも褪せ人が勝つこと自体、本来あり得ないことなのですから。
(物語上は、メリメリの助力があったというイレギュラー要素によるものでしょう。)
だからモーゴットが敗れると、指は止まってしまうのです。黄金樹入り口の拒絶の棘はもともと張り巡らされていたでしょうし、計画外だったのは、モーゴットが敗れることだったのだと思います。
そしてモーゴット自身も、やはり見捨てられたと嘆いて没します。
魅了された者、応えてもらえず愛に飢える者の末路は決まってこうですね。
彼のはじまりが誘惑と裏切りなら、終わりも誘惑と裏切りなのでしょうか。
はじまりの因果は、呪いのように永遠と続いています。

しかしその輝きはどこか暗紫に包まれており、宵眼を彷彿とさせる輝きである。
異様に変色した歪み刃の剣
忌み王、モーゴットの得物
その刃は、彼が忌避し封じ込めた
呪われた血の変容した様である
黄金樹に刻まれた
忌み王、モーゴットの追憶
(略)
祝福なき忌み子として生まれ落ちてなお
モーゴットは、黄金樹の守人であろうとした
愛されたから、愛したのではない
彼はただ愛したのだ
…褪せ人よ、お前は愚かだ…
…黄金樹は、すべてを拒んでいる
我らは、見捨てられたのだ
…もう誰も、エルデの王にはなれぬのだ…
…私と、同じようにな…
しかし、こうなるとエルデの獣は、なぜ指読みの婆やモーゴットが星見や魅了で銀に飲まれていくというのに、それを浄化しないのでしょうか。
すでにエルデの獣も魅了に飲まれたのでしょうか。まさかそんなはずはありません。獣は全てを黄金に浄化できるはずですから。
あるいは、エルデの獣自身が宵眼のためになろうとしているのでしょうか?
このあたりについて、さらに深く見ていくことにしましょう。
〇エルデの獣を目の当たりにした宵眼
さて、宵眼の性格が明らかになりました。彼女は優しく、自己犠牲の心があり、子供想いです。
それだけでなく、エルデの獣もどうやら宵眼のために死を運ぼうとしているようだと分かってきました。これについて、もっと探ってみましょう。
宵眼が政略結婚にイエスをし、プラキドに嫁いで神になる際、彼女はファルム・アズラにあったエルデンリングに触れているはずです。
しかし、また当時は獣の姿を見ることはなかったのでしょう。知性の象徴、まだ奥深くで眠っていたのだと思われます。
彼女がその姿を見たのは、もっとずっと後だと考えられます。少なくとも、日陰城に宵眼と思われる石像が祈るような手のものとミケラポーズをするものがあるので、成人したころに、彼女に大きな変化が訪れたと考えられます。

エルデの獣との対話は許されていなかったと考えられる。


特に、模倣にも使われていたかもしれない。

おそらく全国の石像製作はこの城が一手に引き受けていたのではないだろうか。
こちらの石像は、髪型、祈るポーズから、宵眼の成長した姿だと考えられる。
この頃はまだ手を合わせていることから、まだ神とは「与えられた使命」にすぎないか。

しかし、先ほどまでの祈るようなポーズと違い、表情は穏やかで、まるで女神である。
この辺りから、彼女の心境に何らかの変化があったと推測できる。

もしかして黄金が歴史を変えるために槍を後付けしたのだろうか?
否、これには、宵眼にとっても大事な理由があったと考えられる。詳細は後述。
恐らく彼女はエルデの獣の姿を、この祈りのポーズからミケラポーズへ変わる時期頃に認識したのでしょう。
彼女は眠るエルデの獣を見てどう思ったでしょうか。第一部で確認したように、エルデの獣の本性はまるで赤子のようで、母が恋しい様子です。
この時に宵眼は、「神たる使命」は、自分の意志にしようと心に決めたのではないでしょうか。エルデの獣に母性を向けたことは、宵眼の性格から容易に想像できます。
それだけではありません。第一部で述べたようにエルデの獣はもともと誘惑と裏切りによって生まれた、金と銀のハイブリッドです。ただ生まれてきただけなのに、大いなる意志に捨てられ、母を求めている。しかし一方で、金と銀はこの子、いや、この子の力の覇権を争っている。
そんなものが、世界の理であるものか。
宵眼は生まれて以来自由を奪われ、瞳を開くことすら許されなかった自分と、エルデの獣の生を重ねたのだと思われます。そして己が神であるなしに関わらず、エルデの獣を抱こうと、そう考えたのではないでしょうか。
そしてその強い思いが後のコピー、マリカに受け継がれ、そしてさらにその子どもであるメリナにも受け継がれていったのではないかと考えられます。

そのために、神たる使命を本当に受け入れたのだろう。
あるいは、銀の元締めたる宵眼の女王は、神のための王になろうとしたということだろう。
…伝えておきたい、ことがある
私の使命は、母から授かったもの
けれど、今はもう、私の意志になった
母の意志とは関係なく、ただ私が望む、世界の姿のために
私が、心に決めたもの
…誰にも、それを侮辱させない
もちろん、貴方にも
ここまでくれば、なぜ黄金樹樹立戦争におけるファルム・アズラ侵攻を受けた宵眼が、不完全な死を遂げてエルデの獣の元へと行こうとしたのか、分かるのではないでしょうか。
そしてエルデの獣もまた、この時以来大いなる意志の母性ではなく、宵眼の母性を守ろうとしたのだと考えられます。

黄金律自身であるエルデの獣にとっては、内にある宵眼を護るためだったか。

この時守ろうとしたのは、黄金律でも大いなる意志の心でもなく、
自らの内に入り込んだ宵眼の魂ではないだろうか。
霊魂の宿った遺灰
ユビムシの霊体を召喚する
まだ幼く、体の小さいユビムシの霊体
召喚者を無垢に慕い、HPを回復してくれる
まだ母が恋しい頃なのだろう

自ら指の母になろうとした
大司祭、ユミル卿の指の魔術
術者を囲むように、幾本もの太い指を生じる
それは、魔術や祈祷、矢などの飛び道具を逸らせる
タメ使用で強化される
その指は、母を守る子らである
あるいは、そう願う母の幻想である
〇大母の石像
さて、ここで大母の石像に注目しましょう。
座り、眼を閉じ、しかしファルム・アズラの宵眼の石像と違って、腕を広げ、全てを抱こうとする優しい様相です。
幼い宵眼と違い、その手は祈るように向けられていません。
祈る手がリムベルトの土台となった娘たちのように「使命に縛られる意味」ならば、ファルム・アズラにある宵眼の石像もまた、まだ使命に縛られていることを表します。先述したように彼女の使命の捉え方はもう少し成人になってからのはずですので、幼き宵眼と大母の腕の向きは、明らかに異なることになります。


しかし、大母がこのポーズをしたということは、そのオリジナルである宵眼も、どこかのタイミングでこのポーズになり得る状況があったはずです。
そしてこの時こそ、ファルム・アズラ全盛期でしょう。金と銀の協力関係が最も強く結びついた時期頃のはずです。
分け隔てない平和こそ、マリカのオリジナルでもある彼女の、本来の望みだったはずですから。
すると、このとき両腕を広げて全てを抱こうとしたであろう宵眼は、民たちの信仰の対象にもなり、各地に彼女の御姿の石像が立てられたはずです。
宵眼こそが、全てを優しく包み込む、神です。
しかしそれは、あくまで背後の律に縛られた状態でしたが。

これが、各地にある首のない女神像の正体です。
あれは、自他ともに認める神となり、人々のため、エルデの獣のために全てを捧げる宵眼の石像なのです。
マリカ像に似ているのは、宵眼がマリカのオリジナルだから当然です。
そしてこの宵眼像に首がないのも自明です。もともとこれらは、首がないように造られているのです。
なぜなら、誰も宵眼の顔を見ることができなかったからです。
つまり、彼女は自らの眼を開いたのです。
本来彼女は額にある仮の眼だけ開くことが許されていたはずです。「宵眼」を見れば人はそのまま即死しますから。(ラニが主人公にやってのけるあれですね。)
そして仮の眼を使うことは、もともと金の勢力の要求であったと思います。

それは金の勢力の要求であり、ゆえに金のプロパガンダ的情報ばかり目に入ったことだろう。
黄金樹の祈祷が施された瞳膜
瞳に付けることで、祝福の光を仮初に与える
また、使用により装備した大ルーンの恩恵をもたらす
影の地で、黄金の司祭たちが
信徒の不安を取り除くために用いた
欺瞞であり、故に効果的であった

こいつらは暗黒からやってきているから金の勢力。
つまり額に瞳を宿すのは基本的に、金の勢力のやり方である。
彼女はそんな仮初の瞳、与えられた神の使命ではなく、ありのままの自分を受け入れ、両腕を掲げたのです。
全てを抱く神になるために。
愛に飢え、救いを求める、この誘惑と裏切りの因果を越えるためにです。
棄てられたミケラの大ルーン
完全に壊れており、恩恵が戻ることはないが
ただ、魅了に抗う力だけが残っている
ミケラは、影に隠された塔に向かった
その黄金の身体も、力も、宿命も
全てを棄てて
はじまりから続く因果を超えて
全てを抱く、新しい神になるために
その時、彼女は眼を開いたのでしょう。もし宵眼と目を合わせてしまったら、人々は即死です。だから誰もその瞬間、彫刻家たちでさえ彼女の顔を見ることはなかった。
しかし恐らく人々の方から、宵眼へ「眼をお開きください」と願ったのでしょう。
「自らは目を閉じますから、どうぞ神よ、あなたの美しい世界を、その眼でお確かめください。」
と。

彼女は彼女なりに、金と銀の因果を乗り越えようとしていたと考えられる。
そしてそれだけは、今も王都や各地に残っている。
マリカはきっと、彼女の意志を知っている。だからこうして残したのだろう。
宵眼は慕われていたのでしょう。そしてありのままであることのなんと幸せなことか。
それをかみしめたのではないでしょうか。
しかしやがて、彼女は星見の運命にせかされることになります。
種の野望、銀の千年王国建国のために。
赤髪巨人が二本の小黄金樹を焼き、双子の永遠の王女が暗殺されるまでは。

最後は宵眼が指殺しの刃でメーテールを壊した。
どちらも神ではなく、母として、譲れない事情があったと言えよう。
現在の狭間にある女神像の台座はマリカ像が上に乗っかっていますが、恐らくこれは、マリカの黄金樹時代樹立に伴って狭間の各地で首無し宵眼像から置き換えていったからでしょう。
ですから、背後のふわふわの様子も違いますし、台座の模様はそれでいてウルの王朝遺跡の模様と形式が一致しているという矛盾が発生しています。

ちなみにマリカ教会などのマリカ像にはこの台座は無く、そのようなことからも本来この台座はマリカ像とは無関係のものだったと考えられる。現在狭間の地で見られるこの台座の上に乗るマリカ像は、もともと首無し宵眼像が乗っかっていた名残だと考えられる。

マリカ像のための台座としてはつじつまが合っていない。
もしこれが宵眼像の台座なら、獅子のような動物がウルを表し下部を力強く支え、上のトナカイのような動物がラウフを表し空気中を優雅に飛んでいる、といった具合にすんなり説明できる。
両親の支えを汲んだ意味としてしっかりつながる。

もともと宵眼像のための台座だったと考えれば、この合致はなにもおかしなことは無い。

つまりこの形式の模様は、明らかに銀の勢力のやり方である。
黄金律に磔にされたようなマリカ像の台座としては本来、不適切である。
しかし恐らく金の勢力は台座に描かれた意味など、理解できなかったのだろう。
さて、宵眼がメーテールを壊すと、アステールが飛来し、世界はどうしようもなく崩壊しました。ここで銀の勢力が衰退し、沈黙の時代がやってきます。
時が経ち、大母はまさに宵眼が持っていたその優しさを受け継ぎ、コピーたちを引き連れていきました。そして彼女は挿し木の一族と共に巫子の村を築き、マリカたちを抱きしめ、死に、石となり、樹木となったのでしょう。
大母が石像なのは、死んでいるからですね。そして樹木の中にあるのは、あの木が死んだ大母の成れの果てだからです。
あの木自体は何も珍しい種ではありません。しろがね村や各地の墓地などで見られる種で、どうやら死と関係が深い木であることが見て取れます。
葉をつけない木。これは、しろがね第0世代と共通するところがあり、宵眼のコピーである者たちの亡骸もまた、このような樹木化をするのでしょう。

ただ太く、ずっしりとしており、枝を律無く広げている。

しかし、大母のそれはこれらと違い、どこか堂々としたものである。
〇逃げ出した巫子たち
そもそもなぜ黄金律は、巫子の村の巫子たちがを壺に詰めることで神人になれるのではないかと、予測できたのか。
それは、巫子たちが皆、宵眼の模倣だったからです。
しかし、模倣を本物にする方法を、金の勢力は知りません。だから、罪人たちと混ぜるという、銀の成分を片っ端からごちゃまぜにして試したのだと考えられます。
ウルもラウフも、あるいは宵眼も、そのコピーを作るときにやたらと死を必要としています。だから、同じように罪人巫子壺事業を行い、死を壺の中に集めたのでしょう。しかも、銀の成分たっぷりの死を。
当時はすでにメーテールが壊れ大いなる意志に見放されていますので、偉大なる知性の象徴たる五指は形無し、母の知恵を無くしてどうしてよいかもわかりません。とりあえず片っ端からできることをしたのでしょう。
その結果、巫子として使われる体は宵眼の模倣のみならず、共に暮らしていた挿し木の一族を用いることさえあったと考えられます。彼らは今でいう接ぎ木の力を内に秘めていましたからね。
それにしても、先述したモーゴットの玉座へ誘い込み作戦もそうですが、この辺りからエルデの獣の行動は、明らかに知性を欠く作戦ばかりです。
まぁ五指の知性なんて言いますが、それも結局は、大いなる意志の考えをメーテール伝いに得ていたものにすぎなかったのでしょう。所詮、エルデの獣本人の考えなど、幼いものです。
トップダウン組織の典型例たる金の勢力のやり方、そりゃあ総責任者が雲隠れしちゃったら、役員たちはしどろもどろするわけです。
ただ、この罪人巫子壺事業に投じられた巫子の体はなお宵眼のコピーゆえ、もともと銀の成分から生じていますから、傷がつくと他の肉とよく混ざってしまうのも理解できます。
そして死ぬと硬化し石となってしまうのも、全てがつながります。
石棺から漏れ出る青黒い泥濘
そのどろりと固まったもの
(略)
石棺が流れ着く地の、地下で手に入る
泥濘とは、石棺に納められた
穢れた命のなれの果てであるという

これは二通りの事情が考えられる。
巫子の村でコピーたちをかくまったのが挿し木の一族で、彼らの持つおぞましい接ぎ木の能力がこれを可能にさせたという事情。
もう一つは、巫子の村でかくまわれていたのが宵眼のコピーたちで、彼女たちが持つ本質が銀の成分だったため、液化した傷口が他の肉を懐柔してしまったという事情。
いずれにせよ、成果が出るまでは、どちらを巫子としてどちらを罪人にするか等も含めて、
様々試されていたところだろう。

これは巫子か挿し木の一族か、どちらが切り刻まれた痕跡か。
おそらく村では、マリカの優しい律によって皆が金髪を輝かせるようになったのだろう。
新たに作り上げようとした、平和な文化の象徴のはずだった。
大壺を満たす肉の切れ端
ピクピクと蠢く薄紅色のそれには
怨霊がこびり付いている
敵に投げつけ、ダメージを与える
善き人になるために
切り刻まれ、大壺に詰め込まれた罪人どもの
なれの果てである
醜い歯を不揃いに並べ、埋め込んだ鞭
汚れた歯は、あらゆる雑菌に塗れており
その歯傷には猛毒が蓄積する
やがて、傷はじゅくじゅくと膿み爛れ
巫子たちは、他の肉とよく馴染んだという
さて、罪人巫子壺事業が神人マリカの誕生と共に終わりを告げ、巫子たちは解放され、挿し木の一族と共に村を去りました。
この時伴われた巫子たちが、現在の稀人、あるいは黒き刃の暗殺者たちです。一方、挿し木の一族たちは、また別の故郷へと移り住んでいったのでしょう。(考える金仮面卿様の推察より、恐らくラウフの麓辺りではないかと考えられます。)
しかしこの後いくつかの巫子はドミヌラで過ごすことになり、そこで文化を築いていく中で、だんだんと銀の成分は取り除かれていったのではないでしょうか。だから、足も思うように動くようになっていき、やがて村には踊りが伝わるようになった。
そして神肌が歓迎されるのは、それでもまだ彼らの中に宵眼の模倣の心が残っており、我が子のように神肌を大事にするからでしょうね。
その他の村の事情に関しては、考える金仮面卿様のこちらのご考察をそのまま解釈に組み込みたいと思います。
3-4.白き黄金樹
エルデの獣は捨てられ、母を求め、意志を持ちました。
ウル王とラウフ王妃は銀の野望のために全てを捧げました。
宵眼もその使命には抗えず。
ラダゴンは黄金律に縛られ。
ゴッドフレイも王として本来の猛りを抑え込まれ。
子供たちもみな、黄金律の都合に従わされました。
全て、誘惑と裏切り、はじまりから続く因果です。
そしてそれは大母や宵眼が抱いていた、あるいはエルデの獣が本来求めていた世界ではありませんでした。
これまでの神は、神でありながらいつも金や銀の、あるいは独りよがりの律に縛られていたのです。
それはミケラでさえ、例外ではありませんでした。

…ミケラを、止めて
あの子を、神にしないで…
…あの子にとって、神は牢獄
檻の中の神は、誰も救えない
…ミケラを、殺して
あの子を、許してあげて…
一方、マリカは、たとえ生まれが宵眼のコピーの一人に過ぎずとも、優しいだけの律無き黄金を抱き、そのありのままを受け入れました。
決してすべてに対し無理強いをしなかった。
だからこそ、使命を自らのものだと悟ったのです。

…伝えておきたい、ことがある
私の使命は、母から授かったもの
けれど、今はもう、私の意志になった
母の意志とは関係なく、ただ私が望む、世界の姿のために
私が、心に決めたもの
…誰にも、それを侮辱させない
もちろん、貴方にも
巫子壺事業に耐え、ラダゴンと肉体を共有しつつも黄金律に従い、ゴッドフレイを愛し、世界を黄金で満たして、エルデンリングを破壊したのです。
これらの一つとして、マリカは恨みや憎しみを抱いていなかった。
巫子壺事業の最中でもボニの人々や罪人たちに心を寄せ、ラダゴンの赤髪を受け入れ、ゴッドフレイの戦いを称賛し、世界の人々を案じ、神を律から、世界をはじまりの因果から解放しようとしたのです。
今は色勢力や光勢力のように、黄金律によって全てが区分されている。しかもそれらには黄金律側の独断と偏見がある。エルデの獣が、独りよがりに大いなる意志の考えだと信じたもので、世界のキャンバスを塗り分けている。
しかしそうではなく、もともと互いの心が入り混じり、分け隔てなくしていたように、マリカは誘惑と裏切りの因果を取り払おうとしたのです。
黄金樹のように、何によっかかるわけでもなく、堂々と、赴くままに立ち上がれと。律を定められることもなく。
全て、律無き黄金の優しさが動機だということです。
だから、彼女こそが神なのです。
エルデの獣、そのうちに宿った宵眼さえも、労い、大いなる一つの中に包み込むために。
その結果、物語の最後では、このような大木の聳える世界が誕生します。




黄金樹が白くなるとはどういうことか。この木の本質とは?
白き黄金樹。
黄金樹が金の勢力から生じたエネルギーによるものならば、それが白くなるのは本来不可解です。
それに、決して事態は夜の律が敷かれたわけでもない。
エルデの獣が銀の成分の持ち主だったから?とはいえエルデの獣は自身を傷つけるとき、きちんと黄金色のエルデの流星を放ちます。そしてその血液も、銀交じりとはいえ黄土色っぽさは保っています。
ではなぜ黄金樹が白いのか。
これは、宵眼がエルデの獣と共に樹木化したからだと考えられます。
最後、マリカが神になったことを証拠に、エルデの獣は死にました。ですので、宵眼はまるでラダーンが死んだときにそれを包もうとしたミケラのように、エルデの獣を抱いてともに死んだのです。
そして、エルデの獣が黄金なら、それが生まれたとき、影もまた生まれた。大いなる一つは分かたれていた。そして宵眼がエルデの獣に戻った時、再びそれはあるべき一つの姿に帰るのです。
だから、はじまりの因果は越えられ、白き黄金樹が出来上がった。宵眼が樹木化した姿でもあり、大いなる一つである黄金樹本来の姿なのでしょう。
死、汚れ、そういったものもすべて許容されたとき、黄金樹が見せるのは本来の姿、ありのまま、赴くままの姿です。
それは、白色だったのです。
しかし、どうでしょう。白い巨木が世界の中心にある。
何とも、宵眼がありのままの姿であることを認められたようにも見えます。
堂々としろがね第0世代の姿で死んだ。愛しいエルデの獣を抱いて。
マリカは宵眼さえも、優しい黄金で包み込んだというのが分かる、そのような決定的なシーンが、あの白き黄金樹なのでしょう。
特に区分の無い、全てが混ざり合う世界こそ白き黄金樹となる。
そしてどのあたりのバランスを良しとするかは、王に委ねられます。
白き黄金樹を許容して、それをマリカの優しい黄金で包むか。
白き黄金樹を許容して、それを赴くままに露わにするか。
なるほど、マリカはいずれの選択に対しても両腕を広げて、許容できる立場をとっているのですね。
その選択によって白色か黄金かの程度も異なるのが細かいです。
〇なぜ主人公は神狩りができたのか
ところで、そもそもなぜ主人公は、エルデの獣を傷つけることができたのでしょう。
まず一つの理由は、マリカの腹にマリケスが死の刃をぶっ刺したからですね。そこが綻びになり、エルデの獣の完全性を壊すことができました。
あとは、マリカがエルデンリングを砕いたからです。エルデンリングはルールであり、このときは黄金律そのものです。それを砕くことで、もちろん王も共に、徐々に身体がひび割れていくように、神に傷がついていきます。これはエルデの獣だけでなく、自分のオリジナルである宵眼を撃破するための手順でもあったでしょう。

エルデンリングは黄金律が所有していた。これが壊れれば、黄金律すなわちエルデの獣は傷がつく。その証拠に、神と結びつく王の体(ラダゴン&マリカ)も同じように傷付いている。
そしてそれは石化していく。石化は運命の死と同じである。
こうして、マリカはエルデの獣と自身のオリジナルである宵眼に、致命的な傷をつけたのだろう。
(画像:Elden Ring デビュートレーラー)
マリカは神に近づくことと律なき黄金によって、模倣が本物になるように宵眼本人になりかけていた。だから、マリカ本人が砕けていくことが、宵眼を砕くことを可能にしたと考えられます。
しかし、それだけならマリカが手筈を取っただけなので、例えばギデオンだって「神は殺せない」と詰み宣言する必要はなかったはずです。
恐らくギデオンの台詞から、マリカがここまでやったとしても原理上、人が神を殺せないはずの理由があるのです。それだけ、律というもの、神というものは完全体のはずだったのです。
いくら傷がついていたとしても、人ごときに神は殺せないはず。壊れようが穢れようが、赤い血を宿す限り人は律のなかに縛られているのですから。

しかし、本来人が神、律そのものを殺せるはずがないと言われれば、確かにその方が当然だ。
…私は、識っているぞ
褪せ人は王とはなれぬ。たとえ、君であっても
…人は、神を殺せぬのだ
しかし、主人公は別です。主人公は、メリナから二つ、大事なものを受け取っているからです。

(画像:Elden Ring ゲームプレイトレーラー)
一つは銀の指輪。これはインベントリにも存在しない、主人公が眠っている間にメリナがひそかに渡したアイテムです。
これが、転送機能やレベルアップなどの機能のベースとなる力を持っており、本来銀の勢力、指巫女のクローンたちが持っているはずのものです。
そしてメリナが持っていたということは、主人公に渡されたものはクローンではなくオリジナルの指輪だったと考えられます。
もう一つは、金の指輪。これはトレントを呼ぶ指笛です。柔らかな金でできており、エルデンリングの一部、特に「マリカが掲げていたルーン」が使われていることが分かります。


主人公がエルデンリングを修復するときに自分のルーンを掲げられるように、
神人(のちの永遠の女王)となったマリカもまた、
黄金律の中に自分の柔らかな金を掲げ、律の一部にしていたのだろう。
しかしそれが齎したものは、マリカの望んだ優しい世界ではなかった。
ゆえにそれはエルデンリングを砕いたとき、再び取り出す。
つまり柔らかな金は、マリカの持つ「優しいだけの律無き黄金」のことである。
やわらかい金とは、金と銀の真の融和と言える代物ではなかろうか。

これはエルデンリングが付着したのではなく、
エルデンリングを破壊するため、マリカの槌に装着したのであろう。
柔らかな金の指輪。指笛として使用する
霊馬トレントを呼び出し、騎乗する
(略)
恐らくトレントのもともとの持ち主は宵眼であり、それがマリカの手に渡り、そのままメリナの手に渡ったのでしょう。
あるいはもともとマリカの馬だったのを、死んでしまって悲しむマリカのために宵眼が復活させたのかもしれません。
いずれにせよ、宵眼、マリカ、そして主人公(ミケラが乗っていたのは恐らく別の霊馬?もしくはトレントだったとしても)に懐くトレントはずいぶんと慧眼であることが分かります。すべて、神や王になる素質のある人物ばかりですから。
そりゃあメリナもラニも、トレントの意志を尊重するでしょう。
「トレントが懐くなら、大丈夫だろう、きっと(変な奴だけど)何か素質があるのだろう。」
これまでの経緯を知っていれば、そう考えるはずです。

もし持ち主がマリカ→宵眼→メリナの順で変わったならば、ラニが主人公に鈴を渡すとき、
あえて「レナ」と名乗ったのも納得できる。
考える金仮面卿様の御説より、レナはおそらく宵眼の本名。霊呼びの鈴はトレントと一緒に、
マリカに渡す予定だったものなのかもしれない。
ヒューグも調霊師を見たことがあると言い、それが幼いマリカだった可能性もある。
カーリア王家の装飾が施された、白銀の鎧
かつて、スリーシスターズの地で作られた
ある霊馬のための装束
(略)
霊馬は、装束により馬体までもが変化する
だがその心は、変わることはない
…はじめまして、褪せ人よ
私は魔女、レナ
霊馬を駆る、褪せ人がいるときいてな
少し探していたのだが…
どうやら、お前のことらしい
お前は、喚んでいるのだろう?
トレントという名の霊馬を
…ああ、よい答えだ
お前に、預かりものがあってな
トレントの古い主が、私に託したものだ
それは、霊喚びの鈴でな
黄金樹に還ることのなかった遺灰から、霊を喚ぶことができる
そして霊たちは、一時お前を主とし、かつての戦いを思い出すのだ
…まあ、お前の好きに使うがよい
邪魔をしたな、褪せ人よ
もう会うこともないだろうが、狭間の地をよく知るがよい
…私は、楽しみにしているのだよ
お前たち褪せ人が、いつまで、二本指に従順であるのかとな
…あの娘と少し話したんだ
やはり、調霊の才があったからな
知る限りを伝えておいた
…昔、世話になった人が調霊師でな
せめてもの恩返しだ
あんたも、疑って悪かった
とにかく、このようにして主人公は金と銀、二つの重要な指輪を手にしており、それぞれが金と銀の導きを与える触媒となり、そしてエルデの獣に対抗する大きな力として役立ったのです。金と銀のハイブリッドは律の内側のものではなく、律(エルデの獣)の正体そのものですから、干渉が可能なのです。
だから、主人公はエルデの獣に対抗することができたのです。
一方、ギデオンはこういった”リング”が神の撃退に必要だと理論上で分かってしまい、それは主人公の手にあるということも知らず・・・。
(彼は秘割符がアルバス老の手にあることも見抜けませんでした。)
ゆえに、
人が神を殺すのははじまりの因果を越えないと不可能
⇒しかし神は欠片の争奪戦をこの期に及んで求める
⇒⇒ああ、永遠に争えという意志なのか。
というふうに解釈して、主人公に戦いを挑んだのだと考えられます。それも勝ち目がないと、恐らく分かっていたでしょうに。

…褪せ人よ、お前は愚かだ…
…黄金樹は、すべてを拒んでいる
我らは、見捨てられたのだ
…もう誰も、エルデの王にはなれぬのだ…
…私と、同じようにな…
…ああ、やはり君だったか
エルデンリングに見え、エルデの王になるのだな
…しかし、残念だ
その意志はよい。だが、達せられるべきではないのだよ
女王マリカは、私たちに望んでいるのだ
ずっと足掻き続けることをね
これが、ギデオンがマリカの器に当てはめた理論上の答えだったわけですね。
しかしここまでくると、永遠に戦うことを望んだのは、マリカではなくエルデの獣でしょう。そうすれば、宵眼へ死のエネルギーを渡し続けることができるのですから。
結局、獣は最期まで、母に飢えていたのでしょう。
宵眼は恐らく王を求めていた。トリーナのように、この全てを終わらせるために。この獣の様こそが、誘惑と裏切りがもたらした因果の正体であり、もはやそれは、呪いだったのでしょうから。
だから争い、ただ一人が勝ち終えることを望んだのだと考えられます。
戦い、
そして死ぬ
それは終わりなき呪い
だが英雄は、王は
そこからしか生まれない

一方で、ゴッドフレイはまた違った意味で主人公に戦いを挑みます。
彼は、常にマリカの祝福の導きに従い、その示す方にいる敵をただ打ち倒します。
ご覧ください、モーゴットから生じた祝福は、明らかに主人公に向けられています。

次のターゲット、敗れるべき相手は主人公、ということか。
つまり、この「祝福」とは本来主人公のためのものではなく、ゴッドフレイのためのものなのですね。そして彼の英雄譚を追う者が、目にすることのできるものなわけです。
そのため、ゴッドフレイは神に挑まず、主人公を待っていたのでしょう。
しかし宵眼にとってみればどちらが勝っても問題ありません。
ゴッドフレイは挿し木の一族。主人公が敗れれば、その力は全て奪うことができます。それで神狩りも可能となるでしょう。
しかし、マリカは違います。
マリカはここでゴッドフレイに祝福を与え、主人公を打ち倒すように願ってしまいます。
しかしこれは、マリカの最後の弱さだった。
もしマリカがゴッドフレイを愛し、自分が神となるときに、彼が王であってほしいと望んだのなら・・・。

(略)
幼き日、ミケラはラダーンに王を見た
脆弱な自分たちにはない、強さを
そして優しさを
だからミケラは純真に願った
私の王に、なってください
(略)
それは、叶うことのなかったミケラの世紀
その優しき理の、はじまりの輪だったろうか
それでは、はじまりの因果を越えられません。
心を持つ神では、誘惑と裏切りを断ち切ることができないのです。
ミケラがラダーンに願い、そして神になりえかったのと同じです。
そしてゴッドフレイは、それが分かったのかもしれません。
だからこそ、主人公を待った。
王は神の意志ではなく、力で決まるものだと証明するために。
改めて、マリカとゴッドフレイは最高の夫婦仲だったのです。
そしてゴッドフレイが敗れたとき、マリカは誘惑を断ち切り、最愛の夫の意志を裏切ることなく、神になる最後の覚悟を決めたのでしょう。

しかし、それこそが戦士の生き様だと、誰もがよく分かっていた。ゆえに本望だっただろう。
そういえば、お兄ちゃん、アレキサンダーのおじちゃんは知ってる?
昔はこの村にいたんだけど、英雄になるための旅に出ちゃって
連れてってって言ったんだけど、「戦士は孤独なものだから」って…
寂しいけど、すごくかっこいいんだよ
お兄ちゃんも、アレキサンダーのおじちゃんに会ったら、戦い方を教えてもらうといいよ
すごくかたくて、強いんだからね!
…でも、おじちゃんは、もうこの村には戻らないんだ
「故郷は遠くで偲ぶものだから」って…
寂しいけど、きっとそれが戦士なんだよね
…それでな、貴公にひとつ願いがあるのだ
我が試練となってはくれぬか
…準備ができたら、もう一度声をかけて欲しい
俺は、万全の貴公と戦いたいのだ
貴公、準備はよいのだな
では、始めようか
我こそは壺の戦士、鉄拳アレキサンダー!
我が内にある戦士たちよ、力を貸したまえ!
共に英雄となるために!
…やはり、とうてい届かぬか
この器では、足りぬのだな…
ありがとう。さすがは俺の見込んだ英雄だ
素晴らしい、戦いであった
是非、受け取ってくれ。俺の中身を
壺はいつか壊れるもの
このアレキサンダーは、最後まで戦士の壺であったぞ!
ワーッハッハッハ

もう、よい
ずっと、世話をかけたな、セローシュよ
行儀のよい振りは、もうやめだ
今より、俺はホーラ・ルー!
戦士よ!

「ホーラ・ルーの追憶」
これはマリカの、あるいは神になる覚悟を決めたマリカへ宵眼が贈った、弔いだろう。
褪せ人よ…
その力こそ、王の故よ
〇マリカの望んだ世界
巫子の村を見ると、全ての花は色とりどり、あるがままに混ざり、あるいは独立して咲き、そこに意志は無く、全てを抱く律無き優しい黄金と、それを優しそうに見守る大母樹だけがあります。
かつては、ここを幼きマリカとトレントが駆け回っていたのでしょうか。
彼女はそんな世界をずっと忘れずに、神として実現しようとしていたのかもしれません。
ありのままが愛される、そんな世界です。

亜人頭に似せて作られた歪な土細工
「貴方は美しいわ」と声を発する
それは、声と言葉に永遠を託す
郷愁の呪物である
無償の愛。無条件の肯定
それはきっと、母の言葉であろう
ところで巫子の村の、大母の石像前には、マリカの金の三つ編みが残されています。

まさかこの輪こそが・・・?
切り落とされた黄金の編み髪
女王マリカの、大母への供物
聖カット率を、最も大きく高める
彼女が何を祈り、願い、告解したのか
知る者は誰もいない。ただその後に
マリカが故郷に戻ることはなかった
このテキストの内容は衝撃的ですね。
考察を醍醐味の一つとするフロムゲーのElden Ringだというのに、この超重要アイテムの中で「知る者は誰もいない」と明言しています。
つまり、マリカがなぜここに三つ編みを置いたのか、それは絶対に解き明かされることがないものです。
なんだったら、私のこれまでの話も説、解釈の一つであり、確定ではありません。
しかし、同意してもらえる点や、皆様の考察などで
使える部分、刺激される部分があれば、嬉しい限りです。マリカは器であり、こちらの考えによっていかようにもその姿が変わります。家族のための復讐者にも、嫉妬の塊にも、諦観のうちに心を失った神にも、あるいは優しき人にも、いくらでも解釈できるようになっています。
これこそが、マリカというキャラクターの真の姿と言えましょう。
そこに、プレイヤーである我々の、ありのままの姿がうつるのです。
ゆえに、私はなぜマリカがここに三つ編みを置いたのかということだけは、説を唱えないでおこうと思います。これが少なくとも私のマリカ像です。

神とは、あるいは母とは、そういうものなのかもしれない。
我々は、ただ律無き黄金に包まれるだけである。
金と銀のハイブリッドであるエルデの獣の亡骸、エルデンリング。
ありのままを許された銀の宵眼の亡骸、白き黄金樹。
全てを抱く優しい黄金マリカの亡骸、石(意志)の器。
これらを司る王である主人公。
新たな時代の幕開け。
「エルデの王よ。お前も、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい。」
以上、これが、マリカの望んだ世界です。
ビッグハットP.Dでした。
