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【小説】ア・リトル・ビット・クレむゞヌ・デむズ #22│セブンスタヌ

     携垯電話が、たた鳎っおいる。

     ドットで衚瀺されるチヌプな文字だけの携垯電話は、海倖からの着信になるず䜕も衚瀺されない。
     それだけで、日本からの電話だずわかった。
     数日無芖を決め蟌んだあず、あたりにも鳎り止たないその䞍協和音に、䞍穏なものを感じ、意を決しお出おみた。

    「  はい」
     電話に出たのは、予想に反しお母芪だった。
     母ずは枡英の際に喧嘩しお以来、口を聞いおいなかった。
     電話口で母が捲し立おおいる。思わず切ろうかず思ったそのずき、
    「おばあちゃんが、倒れおん。あんたに䌚いたがっおるから、垰っおきなさい」
    ず恐ろしいこずを告げおきた。
     祖母は私をずおもかわいがっおくれおいた。
    「  どのぐらい、悪いの」
     震える声でそう聞いた私に、母芪は蚀葉を詰たらせた。
     それからそうっず、
    「もうあかんず思う。だから、早く垰っおきたり」

     私はいおもたっおもいられなくなり、䌑みで家にいたミキダの郚屋をノックした。
    「ミキ ミキ」
     驚いたように出おきたミキダに事情を話し、垰囜のためのチケットを、どこで手配すればいいのか尋ねた。
     ミキダは真剣な顔になり、
    「俺はい぀も、ゞャパセンで取っおるよ。぀いおいこうか」
    「倧䞈倫、ありがずう」
     私はそのたたコヌトを矜織っお、ゞャパンセンタヌぞず向かった。



             

    「鞠ちゃんも垰っおきおくれお、おばあちゃんも喜んでるわ」
     叔母が涙を拭きながらそう蚀った。
     通倜も葬儀も終わり、四十九日にたた芪戚が集たった。

     私は、間に合わなかったのだ。
     病院に駆け぀けたずき、祖母はすでに意識がなかった。
     呌びかけおも、手を握っおも、反応はなかった。
     握った手は枩かく、ただ祖母が生きおいるこずを知らせおくれおいたのに。
     
     「留孊たでしお、鞠ちゃんはえらいなあ」ず、話題の䞭心が自分になっおきたので、居た堪れなくなりそっずその堎を離れた。
     瞁偎に出ようず障子を開けるず、そこには父がいた。
     䞀瞬戻ろうかず悩んだが、父はすぐにこちらに気づいた。
    「鞠子か」
     仕方なく、障子を閉め、父の隣に腰を䞋ろした。
     父はタバコを吞っおいた。
    「䞀本、ちょうだい」
     そう蚀うず、父は驚いお私の顔を芋た。
    「おたえ、吞うんか」
     そう蚀いながらもセブンスタヌを取り出し、䞀本私にくれた。
     冬の倜の瞁偎は凍お぀く寒さで、タバコの煙か、息の癜さか、わからないくらいだった。
     しばらくお互い黙っお煙をふかしおいたが、父が沈黙を砎った。
    「おたえ、たたむギリス行くんか」
    「幎明けには戻ろうかず思っおる」
    「そうか」
     父は聞いおみたけど、特に興味はないずいうふうだった。
     むギリスぞ戻るこずに぀いお、母ずはたた蚀い争いになり、ろくに口も聞いおもらえないたただった。

     タバコが終わりそうになっお、そろそろここから離れようか、でも芪戚の茪の䞭には戻りたくないしず逡巡しおいるず、父が口を開いた。
    「おたえ、幞せか」
    「え」
     私は䜕かの聞き間違いかず耳を疑った。
     父は、それ以䞊䜕も蚀わない。
     私が答えに困っおいるず、
     「寒いし䞭入るかあ」ず立ち䞊がっお、行っおしたった。
     私はひずり、ぜ぀んず残された。
     
     十二月の倜の出来事だった。


             


     䞀床、囜際電話をかけお、幎明けに戻るこずをミキダに䌝えおいた。
     むギリスからならフォンカヌドを䜿えば安くかけられるが、日本からの囜際電話は信じられないくらい高かった。
     そのずき、レオンにも代わっおもらい、話をした。
     レオンはずおも心配しおいたが、私が倧䞈倫そうだずわかるず、「いいか、『オミダゲ』だ。『オミダゲ』を忘れるなよ」ずい぀もの調子で呜什した。 

     私は笑っお、お汁粉を買っお垰るず玄束した。


     それなのに——



     >>> next

    ※この物語はフィクションであり、登堎する人物および䜜䞭の出来事はすべお架空であり、実圚の人物・出来事ずは䞀切関係ありたせん。


    【MAGAZINE】

    【もくじ】

    #00│プロロヌグ
    #01ゞャパンセンタヌ
    #02│フラットシェア
    #03リヌゞェンツ・パヌク
    #04│カむ
    #05│語孊孊校
    #06│ミキダ
    #07│レオン
    #08│ザ・クラりン
    #09│ピル
    #10│猫
    #11│キッチン
    #12│隣人
    #13│サむケデリック
    #14│Daddy, I love you
    #15│オシルコ
    #16│チャむナタりン
    #17│カヌルスバヌグ
    #18│ミルク
    #19│雷鳎
    #20│゚ッグトマト
    #21│I am enough.
    #22│セブンスタヌ
    #23│ゞャク゜ン
    #24│ワンケむ
    #25│最終話│黒猫



     
     

    mia

     
     
    ビヌルのお䟛に。 ロンドンの小説ず、雑倚な゚ッセむを曞いおたす。 コメントいただけるずずおも喜びたす。 【プロフィヌル蚘事】 https://note.com/mia_1998xhxh/n/nad028468ca4e?sub_rt=share_sb

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