
もう一度スリランカに行きたかっただけなのに、会社をつくることになった話
世界中どこを探しても、見つかりませんでした。
「子どもを連れて参加できる、本物のリトリート」が、どこにも無かったのです。
だったら、自分でつくるしかない。
そう腹をくくって、私は会社をつくりました。
このnoteは、毎日を全力で走って充実している一方、心も体もすり減らしがちな、子育て中のあなたに届けたくて書いています。
「休みたいのに休めない」「自分のケアは、いつだって家族の後回し」——そんな覚えのある方は、少しだけお付き合いください。
「もう一度行きたい」のに、行けない
スリランカが「本物だった」と分かるまで、半年かかった
きっかけは、スリランカで受けた10日間の長期滞在型リトリート・アーユルヴェーダ体験でした。


▼体験そのものは、こちらのnoteに詳しく書いています。
正直に言うと、帰国した直後は、この体験がここまで大きく自分の今後に関わるなんて思っていませんでした。体験が、あまりにも濃密すぎて、自分の中でまだ像を結んでいなかったんです。
次の一歩に結びつけられるようになるまで、半年ほどかかりました。
現地で出会った友人と日本で食事をして当時を思い返したり、この施設を教えてくれた元同僚とその話をしたり。
そうやって少しずつ消化していくうちに、「あれは、私の心身を確かに変えてくれた得難い体験だった」と、ぼんやりした実感が確信に変わってきて。
「もう一度、行きたい」(なんなら、毎年行きたい)
ーーーそう思った瞬間に、手が止まりました。
子育て中の親にとって、単身での長期滞在は、とにかくハードルが高いのです。
長期滞在型リトリートに必要な日数は、「最低12日間」
本格的なアーユルヴェーダ施設に滞在するミニマム宿泊日数は10日間
スリランカへは移動だけで丸1日。往復でプラス2日、合わせて最低12日間
帰国後もゆっくりと体を元の生活に戻すために仕事をセーブする必要があり、トータル1か月ほど仕事の調整が必要になる(大変)
そして12日間、家を空ける間の子どもの家事・育児は、夫が全部ひとりで担うことになる(身体的にも心理的にも超大変)
最後の「夫ワンオペ期間」が、いちばん重い。
昨年、それを快く引き受けてくれた夫には感謝しかないのですが、12日間のワンオペを毎年お願いするのは、さすがに気が引けます。
よくて2、3年に1回。下手をすると「次に行けるのは、子どもが中高生になってから」ということだってありえるわけです。
しかも本音を言えば、いまの私は10日じゃ物足りない。3週間、いや4週間だって行ってみたい。(欲張りですみません)
子育ての真っ最中に、それだけの時間を確保する。
これはもう、決意と覚悟と、多方面の投資が必要なことなのだと改めて痛感しました。
子連れで3週間の海外滞在は、できる。でも「リトリート」まではあと一歩
「子どもを連れて行けばいいんじゃない?」
そう思う方もいるかもしれません。
集中リトリート施設では子どもNGのところが多いですが、たとえば親子留学施設などであれば全然可能です。
2年前、私は親・子・孫の3世代で、3週間フィリピンへ親子留学に行きました。
▼このときの話は、こちらのnoteにまとめています。
このとき分かったのは、子連れでも、無理なく海外に長期滞在できるということ。
当時は完全オフではなく、半分くらいはリモートで仕事をしていましたが、それでも日本の日常とはまったく違う体験を通じて、「動的なリフレッシュ」を満喫できました。



ただ、強いて言うならひとつだけ、欠けているものがありました。
それが「静的リトリート要素」です。
ちなみに、滞在中の子育ての負担は大幅に減ります。
掃除や洗濯・食事作りなど、一切の家事からの解放。そして、子どもたちは敷地内で自由に遊び回っているので、親の自由時間はぐっと増えています。
それなのに、何が足りないのか?
それは、スリランカの長期リトリートで経験した、「静的」なリトリート要素でした。
早朝、朝一番のヨガで一日をスタートする
体質に合った食事と集中トリートメントで、心身をデトックスする
仕事のことも子供のことも何もかも忘れて、ぼんやりする
(重ね重ね、欲張りですみません)
「子どもの学び」と「親の静的リトリート」。この両方をバランスよく兼ね備えた施設はないだろうか。
ーーーー 探しましたが、ありませんでした。
子どもの留学が授業主体のスクール型だったり、リトリートが単発マッサージのみだったり。何かしら条件が合わず、理想の施設は世界のどこにも見つからなかったのです。
「どこにもないなら、作っちゃえばいいんじゃない?」
いやいやそんな、観たい映画がなかったから自分で作ったスピルバーグ監督じゃあるまいしーーーと思いつつも、このアイデアが、ずっと消えませんでした。
カスタマーサクセス支援として個人で独立し、仕事は軌道に乗っていました。でも、このままこの道を極めていくよりも、「まだ世の中に無いものを、自分の手でつくる」ことに、気持ちがぐいぐい傾いていったのです。
アセットゼロで、つくる側に回る
走り出したときに抱えていた、3つの不安
起業するというと、自信満々かのように聞こえるかもしれないのですが、実態はまったく逆でした。
何を隠そう、「やる」と決めた時点で、私の手元には何もなかったんです。
親子留学のノウハウも、リトリートの運営経験も、ゼロ。(本当にゼロ)
抱えていた不安を、正直に並べます。
お金。いきなり収入が立つわけがない。どうやって食い扶持を確保しながら、新しい事業を立ち上げるのか
協力者。一緒にやってくれる人が、はたして見つかるのか
家族。日本に住みながら海外で親子留学リトリートを立ち上げる間、家族をどうするのか
これらが何ひとつ解決していないまま、それでも、私は見切り発車することにしました。
とにかく「やる!」と宣言することで、これまで大抵のことはうまく行ってきた。そう思って、宣言noteを書きはじめたものの、「これ、最後どこに着地するんだろう…?」と頭の片隅に不安を持ちながらのスタートでした。
ひとりでは無理でも、「二人なら」に変わった
25年前には想像もしなかった、 「高校の同級生」と仕事で組む
最大の不安だった「協力者」。その答えは、意外なほど近くにいました。
高校の同級生でもあり、フィリピンで親子留学スクールを運営している中里春菜さんです。

私も2年前に、彼女のスクールに滞在していて、素晴らしさは身を持って体験済み。実は、脳内で親子留学✕リトリートの構想が生まれたときからずっと、「一緒にできたら最高だな」と勝手に妄想していました。
ただ、いきなり「一緒にやりませんか」と切り出したわけではありません。
実はその少し前、私は「なぜ自分が起業をしたいと思ったのか」を、noteに書いて公開していました。
その中では、重要なきっかけの一つであった彼女の親子留学スクールでの体験にも触れています。だからまず、事前レビューという形で、その原稿に目を通してもらい、そのうえで、「こういうことをやりたいから、ぜひ一度話したい」と、打ち合わせをお願いしました。
打ち合わせの場にて。春菜は、想像以上に喜んでくれていました。
親子留学スクールを設立した、春菜の義理のお母さんである高橋きよみさんは、実はスクールをオープンする当初の10年以上前から、親子留学中のお母さんやお父さんがリトリートを受けられるような場所にしたいという構想を持っていたこと
40歳をすぎて、自分自身が体調不良に悩まされることも増え、本格的なリトリートを提供したいという思いが強くなってきていたこと
ずっとtoCで経営してきたが、私の持つto Bの知見と組み合わさって、新しいチャンスが生まれるのであれば、大歓迎であるということ
お互いに、一人では無理かもと思っていたことが、「二人でならやれるかもしれない」に変わった瞬間でした。
一番言い出しにくかった相手が、一番背中を押してくれた
この事業のことを、一番打ち明けにくかった相手がいます。
私が現在進行系で、カスタマーサクセス業務を支援させていただいている会社さんです。
当時の私は、ほぼフルコミットに近い形でお手伝いさせていただいていて、重要な顧客もたくさん任せて頂いていました。
だからこそ、「新しい事業をやりたい」なんて話をしたら、難色を示されるかもしれない——そう身構えていたのです。
ところが、開口一番、COOの方はこう言ってくれました。
その事業は、今のうちの会社では一緒にはできないけど、うちは社員の『Will(やりたいこと)』を応援する会社だから、全力で応援します。
というか、年齢を重ねれば重ねるほど、やりたいことに踏み出すハードルは重くなる。
だから、松木さん、今すぐやってください!
そして、とりあえず、体力をつけるために走り込みをしてください!起業は、体力勝負!!!
……不意打ちでした。身構えていた分だけ、胸に沁みました。
しかも、それだけではありません。
かなり密に仕事をご一緒させていただいていた、CSの責任者の方も、まったく同じように応援してくれました。
元は事業コンサル・戦略コンサル出身のその方は、私が「事業戦略の策定に悩んでる」と話すと、後日わざわざプライベートの時間を使って、一緒に戦略を詰める会まで開いてくれたのです。
「本当に自分は、素晴らしいご縁に恵まれて仕事をしてきたんだな」
このとき、心からそう実感しました。
他にも、親子留学に興味を持ってい元同僚や友人など、沢山の方々に事業についてのフィードバックを頂きました。
一歩を踏み出せたのは、そんな多くのみなさんに支えていただいたおかげです。
「受ける側」では見えなかった景色
つくる側に回って、初めて見えた景色があります。
参加者として癒されていた頃は、当たり前ですが「用意された場」を楽しんでいるだけでした。でも、自分が用意する側になると、見える世界がまるで変わってきます。
いちばん実感したのは、リトリート会場を用意することのハードルの高さ。
癒しの場は、「どこでやるか」も重要な提供価値です。ところが、質の高い会場を一から作ろうものなら、初期投資は数千万円にものぼります。
これはもう、私ひとりの話ではありません。家族も巻き込んだ、一世一代の大決心。
「やってみたけれど、うまくいきませんでした」では、到底すまされない意思決定です。
どうしたらいいんだろう——そう、頭を抱えていたところ。
なんと、春菜が
「親子留学スクールのすぐ隣に、レンタルできるリゾートがあるよ」
と言うではありませんか!
この偶然には、今でも「持ってるな」と思っています(笑)。

2026年夏にオープンしたばかりという、まさにこの企画のために生まれてくれたかのようなめぐり合わせです!
おわりに—「知っている私が、やるしかない」
それでも、本格始動するまでの間、心のどこかで「本当に私がやる意味があるのか?」と、問い続けていました。
その答えが出たのは、ダメ元で、アーユルヴェーダの長期リトリート施設に直接問い合わせたときです。
「将来的にも、子連れで参加することは、できませんか?」と。
返ってきたのは——
「当面、その予定はありません」
やっぱり、世界のどこにも無い。
よく考えたら、アーユルヴェーダの長期リトリートと親子留学、この両方を体験して、その素晴らしさを知っている人自体が、そもそもとても少ないのです。
「知っている私が、やるしかない」
このとき、ようやく腹が決まりました。
そしていよいよ、この夏。
親子留学スクールDETiにて。
親が、“ただの自分” に戻れる場所として、「ウェルネスリトリートプログラム」がスタートします!
▼プログラムLPより


スリランカで味わったあの『静的リトリート』を、フィリピンの最高の環境にできるだけ持ち込みました!


リトリートは半日〜選べるスタイルに。

親子時間・リトリート・英語レッスンの3つを両立できるスケジュール(世界初)
詳しくはこちら:
この夏は私も現地スタッフとしてDETiに駐在し、留学に来られる皆さまにプログラムをお届けしてきます。
できるだけリアルタイムの現地の様子を発信していきたいと思っているので、進捗が気になる方は、よかったらこのアカウントをフォローして、待っていてもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!