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Photo bydekanukun

効率で回していた育児が、3歳で通用しなくなった話

    娘が3歳になり、わが家の育児が前より難しくなった気がしています。
    少し前まで通用していたやり方が、だんだんと通用しなくなっている。

    それを最初に感じたのは、夫を見ていたときでした。
    娘の面倒をメインで見てくれた日の夫が、疲れた顔をしているんです。
    私が帰ると、ぐったりしている。

    手を抜いているわけでも、やる気がないわけでもありません。
    むしろ、真面目に日々の生活ルーチンを回そうとしている。
    なのに、うまくいっていない様子。

    理由を考えていたら、「育児のフェーズが変わったのに、親の認識の更新が追いついていない」——という話にたどり着きました。

    今日は、その「フェーズの変わり目」の話です。


    3歳、口が達者になり、逃げ足も速くなる

    まず、何が起きているか。

    娘が3歳になり、嬉しいことに言葉がどんどん出てくるようになりました。
    同時に、自我も芽生え、好き嫌いもはっきりしてきました。

    そんな中で、まだ引きずっている様子のイヤイヤ期。
    口を開けば、「○○したくない、▲▲したい」。

    たとえば、お風呂。
    「お風呂入ろう」と言うと、「おふろ入りたくないー、絵本よんでー」。
    「1冊だけね」と約束して読んでも、そのあとなかなか入らずぐずぐず。

    最近は、歯磨きも鬼門です。
    上の歯を磨かれるのが、違和感があって嫌なよう。
    「磨きたくない」「もっと本読んでー」と、言葉での抵抗が続きます。

    そして、言葉での交渉が決裂すると——最終手段は、逃走です。
    抱っこで捕まえようとすると、するっと腕を抜けていく。
    まるで忍者みたいな術を使ってきます(笑)

    走るのも速いし、力も強くなり、抵抗も全力。
    以前は成立していた「とりあえずお風呂に入れたらどうにかなる」「とりあえず歯ブラシを口にいれて磨き始める」が、成立しなくなりました。

    2歳まではイヤイヤしつつも、捕まえて連れて行けば済んでいたのに。
    いまは、まず口で反論される。それでも進めようとすると逃げられる(笑)

    3歳の子供相手にこんなに手こずるかと思うこともしばしば。


    成長には、フェーズの変化やグラデーションがある

    ワーママはるさんが『からまる毎日のほぐし方』で、こう書かれていました。保育園の時期は「お世話」がメイン、小学校からは「教育」がメインになる、と。

    うちの娘は未就学児なので、身をもって実感しているわけではありません。
    ただ、「お世話」がメインの時期と「教育」のフェーズとでは、関わり方に大きな差が必要なんだろうな、と感じます。

    さらに私が思うに——保育園に通っている数年の中にも、段階があります。
    うちの場合を振り返ると、こう整理できます。

    〜1歳半ごろ

    睡眠・授乳・排泄のリズムさえ整えば、比較的コントロールしやすい時期でした。要求がシンプルで、泣いている原因も特定しやすい。

    (もちろん、夜泣きが長く続く子もいるし、離乳食を全部手作りしたら大変です。ここは個人差が大きいと思います)

    2〜3歳ごろ

    いわゆるイヤイヤ期。
    自我は強いのに、感情の制御を担う部分はまだ育っていない時期。

    「わざと」ではなく、「まだできない」。
    だから共感しつつも、最終的には少し強制力を持たせて対応していました。

    3歳〜

    言葉での主張が明確になると同時に、身体能力が上がります。
    物理的に抑えるのが、現実的でなくなる(笑)

    一方で、理由の説明が届くようになる。
    「あと3回すべったら帰るよ」と見通しを伝えたり、「どっちの服にする?」と選択肢を渡したり。

    それが少しずつ有効になってくるのもこの時期。
    うまくいくこともあれば、いかないことも多々あるけど(笑)

    「作業」から「交渉」へ

    整理すると、こういうことなんだと思います。

    0〜2歳は、大人が枠を作って、そこに子どもを入れる時期。
    3歳からは、子どもと一緒に、枠を作る時期。

    前者は、いわば「作業」。
    段取りと実行の世界です。

    後者は、「交渉」。
    説明して、聞いて、折り合う世界。

    交渉といっても、駆け引きではありません。
    ただ、この「説明して、聞いて、折り合う」——たったそれだけのことに、こんなに技術が要るとは(笑)

    必要なスキルが、根本的に変わっています。
    しかもこの移行は徐々に、でも急に訪れます。

    ある日突然「本日より交渉制に移行します」とは、誰も言ってくれない。
    昨日まで通用していた方法が、少しずつ、静かに通用しなくなっていくだけです。


    私と夫の、娘との関わり方の違い

    ここで、冒頭の夫の話に戻ります。

    夫はルーチンを大事にし、娘がある程度大きくなってからはとにかく早く寝かせることに命を懸けている人です(笑)
    娘が小さい頃は、決めた流れに乗せてきっちり進めてくれていました。

    私は逆に、あまりルーチンを意識しません。
    その時々の娘の反応を見て、対処を変えるタイプです。

    同じ「お風呂に入らない問題」でも、対処が違います。

    私は「約束したよねー」と言いつつ、くすぐったり抱きしめたり。
    スキンシップで気をそらして服を脱がせて、なんとか入れてしまう搦め手タイプ。

    夫は、「お風呂に入るよ」と、真正面から説得しにいくタイプ。
    正面突破がうまくいかないと、消耗して、諦めることになります。

    どちらが正しい、という話ではありません。
    実際、0〜2歳の頃は、夫のルーチン運転のほうがうまく回っていました。

    決まった流れは、小さい子を安心させます。
    私のその場対応より、よほど安定していた(笑)

    うまくいっていたからこそ、それは夫の中で成功体験になりました。
    そのルーチンが、いまは忍者のような娘には通用しません。

    最近の夫は疲れてしまって、注意や誘導の会話を諦める日も増えました。
    娘の好きなようにさせすぎている、というふうに見えます。

    これも、咎める気にはなれません。
    交渉の道具がまだ手元にないと、選べるのは「力で押し通す」か「ぜんぶ許す」の、しんどい二択になってしまう。

    冒頭のあの疲れた顔は、この二択を朝も晩も行き来した結果なのかもしれません。

    実害も少しあります。
    わが家の平日は、「帰宅→お風呂→ごはん」の順が基本です。

    感染予防のためにも、入浴で深部体温のメリハリをつけて寝つきをよくするためにも、お風呂は先に済ませたい。
    ただ夫の日はお風呂まで入れきれず、私が帰宅したあたりで合流して、いっしょに入れることも増えました。

    私もフルタイム勤務なので、早く帰って夫をフォローするのは難しい。
    出社の日は時差勤務で早めに出て、早く帰ろうかな……なんて、思案中です。

    フェーズが変わったいま、必要なのは関わり方の「更新」です。
    夫の育児が下手になった訳ではなく、ゲームのルールのほうが変わった。
    それだけなんだと思います。


    なぜ、更新は起きにくいのか

    じゃあ、なぜ私のほうが先に切り替えられたのか。
    考えてみると、能力の差ではなくて、たぶん2つの構造があります。

    ひとつは、育児情報に触れている量の差。

    私は育児書やSNSで、子供の発達も含めた育児の情報収集時間が長い。
    「これは発達段階として普通」と知っているだけで、イラッとする回数も、対処も変わります。

    一方、夫が見ているのは、サッカーと旅行と投資の動画と小説です(笑)
    これは決して責める話ではなくて、育児情報への接触量が違えば、持っている地図が違うのは当然、という話。

    もうひとつは、仕事で培った「効率・合理性」のスキルが、そのまま育児に持ち込まれやすいこと。

    仕事では常に、効率化や合理的な解決を求められる気がします。
    そのスキルは0〜2歳の「作業」的な育児には、本当に効果的。

    ただ、イヤイヤ期以降は勝手が違います。
    まったく合理性のない子どもの主張に直面すると、たじろいでしまう。
    今まで効率的に進めてこられた育児が、急に難しく感じるのではないかと思います。

    特に男性は、育休などで子どもと長時間向き合う時間を持った女性にくらべると、この「効率モードから降りる」練習量が少なくなりがちなのかもしれません。

    (最近は男性の育休も増えているので、若い世代は少し状況が変わっているかも。)


    いま、どうしているか

    わが家の対処は、地味です。

    説明する。見通しを伝える。選択肢を出す。遊びに変換する。
    「あと3冊絵本読んだらね」「歯磨き粉、どっちの味にする?」

    歯磨きなら、「あと10秒以内に来たら、立ったまま磨けるよ」と特別感を出してみたり。
    それでもダメなら捕まえて、「つかまえたー!」と遊びにして、なだめながら寝転がせて磨いたり。

    ……それでも、上の歯を磨くと泣きます。困った(笑)

    うまくいく日もあれば、ぜんぜん効かない日もあります。
    忍者のような娘は、今日も逃げます。

    ちなみに最近、夫は歯磨きを、私に任せようとしてきます(笑)
    「どちらかが、得意な方で」という分担には、賛成です。
    賛成ですが——私も、得意ではないぞ! と。

    なのでこれが正解というより、実験中です。
    娘の成長に合わせてこちらの手立ても、更新し続けるしかないんだと思います。


    さいごに、1冊だけ

    最近読んでよかった本を、ひとつだけ。

    『こそだてえほん はじめての「よのなかルールブック」』(高濱正伸 監修/林ユミ 絵/日本図書センター)です。
    絵本の形式で56ページなので、育児書をがっつり読む習慣がなくてもするっと入れます。

    「こそだてに正解はない」「こどもにも都合がある」「なんでもかんでも自分のせいにしない」——そんな、親の心構えが42個。
    テクニック集ではなくて、構えの本です。

    特に「こどもにも都合がある」は、いまのわが家に響く話。
    忍者のような娘が逃げるのにも、上の歯を嫌がるのにも、娘なりの都合がある(はず(笑))

    そう思えるだけで、捕まえる側の肩の力が少し抜けました(笑)
    私が読んでよかったので、置いておきます。

    フェーズの変わり目、みなさんのお家では、どんな変化がありましたか?
    よかったら、コメントで教えてください🌸


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    📚 今日紹介した書籍

    ①からまる毎日のほぐし方/尾石晴(=ワーママはる)

    私の尊敬する尾石晴さんの著書。
    年齢、キャリア、家族、人付き合い、etc…
    考えることが多くて日々悩みがちなワーママさんが、読むと毎日が少し軽くなる、そんなエッセイ。

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    ②はじめての「よのなかルールブック」/高濱正伸 監修

    絵本みたいに読みやすく、でも親が心がけるべき点がぎゅっと詰まっている本。子供と向き合ううえで意識したいことがまとまっていて、よき。

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    「父母ともに主体性がある」は、うちの◎カード。その中身の話です。

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    🐘 お金をかけたら「日々の積み重ねが」、日々を頑張ったら「預けてる時間が」。体験のゴール、どこですか
    「採点表は自分で持つ」。育児の基準の話、もう1本。


     
     
     
    後悔の少ない人生を、仕組み化で。 気づくと自分が後回しになるワーママを、設計で助けたい! 自分の生活で実験中。 元研究者/シンガポール8年→B2Bマーケ/フルタイム/3歳娘 週刊「全部やるワーママLab.」月曜21時📝

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