
「You like snakes?」——親も気づかなかった一言を、3歳娘は覚えていた。
娘が、ふいにこう言った。
「You like snakes?」って言ってたねー!
…え? だれが? なんの話?
それは、親の私たちでさえ、気づいていなかった一言だった。
そして後から思えば——それは、ある"爆発"の、小さな伏線だったんです。
昔の動画と、ヘビの記憶
うちの娘は、自分の昔の動画を見るのが好きだ。
赤ちゃんの頃の自分、よちよち歩きの自分。
画面の中の"ちっちゃい自分"を、それはもう嬉しそうに眺めている。
その日も、私と夫と娘の三人で、シンガポールに住んでいた頃の動画を見ていた。家族で、オーストラリアのパースに旅行したときのもの。
(シンガポールからだと、わりと近いんです)
動画の中の娘は、私に抱っこされながら、係員さんが持つ大きなヘビに、おそるおそる触れている。
やや怖がりな今の娘に、私は笑いながら言った。
「これ、今だったら絶対"こわい〜"って逃げるよね(笑)」
ほのぼのと、そんな話をしていた。
…はずだった。
「You like snakes?」——親が、聞き逃していた
そのとき、娘が、こう言った。
「You like snakes?」って言ってたねー!
…ん? そんなこと、言ってた?
気になって、もう一度、動画を見返してみた。
すると——たしかに。
ヘビを持った係員さんが、小さな声で、娘に話しかけていた。
「You like snakes?」
正直、私も夫も、まったく気づいていなかった。
何十回と見たはずの動画なのに、その一言を、見事に聞き流していた。
——親の耳は、節穴だった。
でも、娘の耳は。
ちゃんと、拾っていた。
夫が、ぼそっと言った。
「……これは、インター代の元、取れたな」
笑った。(ちなみに我が家のインター代、決して安くはありません)
でも、笑いながら、ちょっと大事なことに気づいてしまった。
娘は、"話す"よりずっと前から、英語が"聞こえて、溜まっていた"んだ。
「話さない時期」は、「育っていない時期」じゃない
ここで、娘の"言葉の歩み"を、少しだけ振り返らせてください。
娘は、シンガポールで1歳になる手前から、現地のプリスクールに通っていた。英語と中国語の、シャワーを浴びるような毎日。
(当時は、中国語の簡単な指示も、ちゃんと通っていたらしい)
そして2歳になる手前で、日本へ帰国。
帰国した頃の娘は、スクールでは簡単なフレーズが出るくらいで、家ではほとんど英語を話さなかった。
正直、不安だった。
「あれだけ浴びせたのに、ぜんぶ消えちゃったのかな」と。
その状態を正直に伝えたうえで、日本のプリスクールに入れてみたら——
入って、ほんの少しで、堰を切ったように話し出した。
先生も、驚いていた。
あれ、と思った。
話さなかったんじゃない。溜め込んでいたんだ。
たぶん、子どもの言語って、ある程度インプットを溜め込んでから、あるとき一気に"爆発"する。
そういえば、日本語の語彙爆発も、そうだった。
ある日突然、言葉があふれ出す、あの感じ。
「話さない時期」は、「育っていない時期」じゃなかった。
静かに、せっせと、溜めている時期だったんだ。
そしていま、娘は、2つ上のKinder classのお姉ちゃんと、英語でままごとをして遊んでいるらしい。
(遊んでくれる優しいお姉ちゃん、ありがとう🌸)
溜め込んだものが、ちゃんと"使える形"になって、出てきている。
英語は「教える」より、「浴びて、やりとりする」
ここまでが、わが家のリアルな観察記録。
じゃあ、ここから何が"持ち帰れる"だろう。整理してみます。
たぶん、効くのは、この順番。
インプット(浴びる量)が、先。
アウトプット(話す)は、あとからついてくる。
そのうえで、大事だなと思うのが、この3つ。
① まず、耳に入れる
英語の歌、動画、音声を、暮らしの"BGM"にする。机に向かって勉強、じゃなくていい。ごはんを作っている横で流れてる、くらいで、耳の土台にはなる。
② "生きたやりとり"があると、一気に伸びる
ここは、正直に書きます。 我が家は、決して安くない授業料を払って、英語で"やりとりできる環境"を選んでいる。 そして——効いている。
かけ流しだけのときより、人とのやりとりがある環境のほうが、伸びは確実に早かった。それは、間違いないと思う。
娘がいま、お姉ちゃんと英語でじゃれ合えているのも、まさにこの"やりとり"の力だ。
③ 完璧を求めない/"沈黙期"を信じる
すぐに話さなくても、焦らない。発音がきれいじゃなくても、気にしない。 だって、話していなかったあの時期に、ちゃんと溜まっていたんだから。
——とはいえ。
「じゃあ、高いスクールに入れなきゃダメなの?」という話ではない、とも思っています。
効いている正体は、"値段"そのものじゃなくて、「浴びる量」と「やりとりの機会」。
だから、おうちでも"足せる"。
英語の動画を流す。好きなキャラのセリフを、一緒に真似してみる。
たどたどしくても、親子で英語をやりとりしてみる。 完璧じゃなくていい。
インプットとやりとりを、暮らしに少しずつ。それだけでも、耳の土台は、ちゃんと育っていく。
そして、たまには。
英語が"実際に使われている場"に、連れていってあげるのもいいと思う。
英会話でも、海外旅行でも、なんでもいい。
毎日かけ流しているあの音が、画面の外で、生身の人と人のあいだで、通じている。 それを目で見て、肌で感じた瞬間に、「これ、ほんとに使える言葉なんだ」と腑に落ちる。 溜め込んだものが、ぐっと"自分ごと"になる気がするんです。
(思えば、あの「You like snakes?」も、旅先で、本物の誰かにかけてもらった一言でした)
"覚えてた"のは、英語だけじゃない
あの「You like snakes?」は、きっと、ほんの一例だ。
子どもは、親が思っているよりずっと、耳で世界を吸収している。
いま、目の前で話していない言葉も。しぐさも。その場の、空気も。
たぶん全部、静かに、溜め込んでいる。
そう思うと——「まだちゃんと話せてない」と焦っていたのは、私のほうだったのかもしれません。
最後に、今日からできる、小さな一歩を。
お子さんの好きな言語(英語でも、なんでも)を、今日、5分だけ"かけ流す"。
それだけで、耳の貯金は、ちゃんと増えていきます。
そしてもしよかったら、教えてください。
あなたのお子さんが、こっそり溜め込んでいる"ひと言"は、なんですか?🌸
📝 「稼ぐ。子どもに投資する。時間を守る。全部やる。」 そのために生活を"設計"する過程を発信しています🙏
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