
お願い、迎えに来てね #004 (1-4) 辟易と嫉妬
第1部 諦念編|第1章
Hello, little girl.
きみは 自分に誠実すぎたんだね
きみが 自分をニセモノだと蔑んでいても
ぼくには ちゃんと見えていたよ
きみが流した涙 感じた苦しみだけは
絶対に ホンモノだから
ホンモノだったから
高坂くんのことは、黒崎くんに頼んで断ってもらった。 あれから高坂くんとは一気に気まずくなってしまった。 彼の顔を見るたびに、罪悪感でいっぱいになる。
でも、その罪悪感以上に、今年は学級委員を降りてよかったと、心からホッとしている。 本当は、彼を言い訳にして、逃げ出したかっただけかもしれないけど。
受験を控えた三年生。 内申書に有利だからと、「長」のつく役職をやりたがる輩が出てくる。
「くだらねぇ」
おまえらに、あの重圧が耐えられるのかよ。
やれるもんならやってみろよ。
こんな役職、くれてやるよ。
自習の時間が騒がしければ「学級委員!何やってる!」と隣の先生が怒鳴り込んでくる。
朝会に行くのが遅れればクラスの代表で怒られ、避難訓練では点呼のタイムが遅いと、全校生徒の前で槍玉にあげられる。
いつだって学級委員は完璧を求められる。
担任からは継続を何度も打診された。 だけど、責任と重圧を押し付けられることに辟易していたわたしは、断固として首を縦には振らなかった。
代わって学級委員に名乗りを上げたのは、心の宿敵――幸冬だった。
自分で降りたくせに、いざ彼女がその席に座ると、妙に幸冬に嫉妬してしまう。肩書き欲しさか何だか知らないけど、せいぜい頑張ればいい。幸冬のお手並み拝見ってところだね。
和乃とも、幸冬とも、絶対同じクラスになりたくなかった。なのに神様は意地悪で、そう願う人ほど一緒のクラスにするものなんだね。二年生のときから、わたしはずっと彼女たちと同じクラスだった。同じ空間にいるだけで、こういう小さなことがチクチクと胸を刺して苦しかった。
「完璧」を求められる重圧から、すべてを投げ出して逃げたくなるのって、どこからなんだろう。
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