
甘いかけら、おかわり
陽菜と修が次の芋を二つに割ったその瞬間、キャンピングチェアに置かれていた陽菜のスマホが鳴った。
「うわ、来た、BeReal!お父さん、お芋ひとつ持って!」
修は陽菜に渡された芋を持つ。陽菜は急いでスマホを取って戻ると、自分と修の芋を寄せ、黄金に輝く断面のアップを写真に収める。そのまま陽菜は修の頬に顔を寄せると、思い切り腕を伸ばしてインカメラを向ける。
「次、あのカメラ見て!」
「え、父さんも入るのか?」
修は慌てて言われるがままにカメラを見る。パシャ!とシャッター音が鳴った。陽菜はスマホで写真を確認すると、満足そうに笑う。
「見て、めっちゃいい写真!」
画面には、今にもとろけ出しそうな美しい焼き芋の断面。左上の小窓に、芋で顎を隠すキメ顔の陽菜と、驚いて固まる修が写っていた。修は「いやこれ、ちょっと恥ずかしいな」と苦笑いする。
「なんで?いいじゃん。ほら、友だちからリアクションいっぱい来てる」
「おー、これ、『いいね』か?」
「そうそう。じゃ、食べよ!」
陽菜と修は大きな口で焼き芋にかぶりつく。
「美味しい!こっちもすごく甘い!蜜みたい!」
「うん、今日は二つとも大成功だな」
ふたりはもう一口食べると、目を合わせて満足そうに笑った。
#風まかせ文芸部 #焼き芋
の企画に参加させていただきました。
「甘いかけら」本編はこちらとなります🍁

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