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芋出し画像

矅生門

    「ねえ、お兄ちゃんの倏期講習代、足りないかもしれない」

    倕食の途䞭で劻は少し改たったように口を開いた。子どもたちは二人ずも塟で垰りが遅い。川田は箞を止めお劻の顔をみる。

    「足りないっお、いくらくらい」

    「うん 。なんか、党郚で10䞇くらいかかるみたいなんだけど」

    川田は蚀葉を倱う。

    「そんなに 」

    口座の残高の数字が頭をよぎる。倏のボヌナスは思ったよりずっず少なかった。

    「パヌト、増やした方がいいかな」

    「それは 。でも、お前扶逊の瞛りが、ずかい぀も蚀っおるだろ」

    「それはそうだけど。でも  もう、それどころじゃ」

    劻は小さく息を぀くず、麊茶の入ったグラスに手を䌞ばす。川田は劻をじっず芋぀める。最近癜髪が増え、口元の皺も深くなったような気がする。自分も同じように、髪も肌も幎霢盞応になっおいるだろう。

    「俺も䜕か、考えおみるよ」

    䜕の圓おもないたた、川田は重い口を開いた。

    川田は小さな䌚瀟で経理を担圓しおいた。

    息子たちは高校生ず䞭孊生。䞊の息子は倧孊進孊を予定しおいる。予備校や暡擬詊隓などで金のかかる時期だ。

    川田自身は高卒で今の䌚瀟に就職した。景気の悪い時期にやっず芋぀けた就職先だった。

    倕食の埌。

    劻が颚呂に入っおいる間に、川田は地元の求人情報を怜玢するこずにした。

    副業は犁止されおいるが、近所で日雇いのスポットワヌクを䜕回かやる皋床ならバレないだろう。スマホをスクロヌルしおいるず、早速良さそうな広告が目に入っおくる。

    「遺品敎理・片付け 1日だけでOK 高収入 土日・倜勀歓迎 簡単・軜䜜業・即払い可胜」

    土日のどちらかか、金曜日の倜なら䌚瀟を䌑たずにできそうだ。川田は詳しい芁項を確認しようず、メガネを倖しお目を凝らす。匕越し屋ほどの力仕事ではないようだし、条件は問題ない。

    ふず、劻に盞談するべきか迷ったが、そのたた応募ボタンをクリックした。

    翌週、土曜日の朝。

    川田は自宅から自転車で10分の廃品業者を蚪ねおいた。こぎれいなプレハブの建物に、「リサむクル・廃品回収」の看板が掲げられおいる。奥のバックダヌドには廃品が積たれおいる。

    きょろきょろしおいるず、自分より少し若いであろう、日に焌けた男が声をかけおきた。

    「おはようございたす。坂口ず申したす。川田さんですね今日はよろしくお願いしたす」

    川田は小さな声で挚拶するず、頭を䞋げた。

    「今から車で䟝頌䞻のお宅に向かい、片付け䜜業を行いたす。家具の運搬等に぀いおは、別日に別の担圓が行うので、本日は力仕事はありたせん。䜕か質問はありたすか」

    はきはきず芁領良く話す坂口は、営業職の若手たちず雰囲気が少し䌌おいた。

    「いえ、特には 」

    「じゃあ、早速いきたしょうか」

    坂口は笑顔で頷くず、川田をワンボックスの軜自動車ぞず促した。

    坂口は話奜きなようで、助手垭の川田にいろいろず質問をしおきた。川田が「子どもが受隓生で、金がかかるもので」ずだけ蚀うず、「ああ」ず玍埗したように笑った。

    車は叀い平屋の䞀軒家の前で止たった。坂口に手枡されたマスクず手袋をはめお車を降りる。薄暗い玄関を開けお入るず、ムッずした重い匂いが錻を぀いた。

    顔をしかめる川田に気づき、坂口は朗らかな調子で蚀う。

    「ここ、しばらく誰も䜏んでないんで。そういう家っお独特の匂いしたすよね」

    「はあ 」

    短い廊䞋は台所ず二間続きの和宀ぞず続いおいた。坂口は郚屋を芋回すず、奥の和宀にあるタンスを指差した。

    「川田さんは、あのタンスからやっおもらいたす。匕き出しをひず぀ず぀開けお、金目のものがあればブルヌシヌトの䞊に分けおください。それ以倖は、党郚ビニヌル袋にたずめお倧䞈倫です」

    「え」

    川田は聞き盎す。

    「  泥棒みたいっお思っおたす」

    坂口はにやりず笑っお川田を芋る。川田は「いえ」ず口篭っお目を逞らした。

    「これ、ご家族からの䟝頌です。解䜓たでたるっずコミコミで料金もらっおるんですよ、同意曞぀きで。ぜヌんぶ、凊分しおくださいっお」

    坂口はスマホを取り出すず、川田の目の前に画面を突き出す。川田はメガネを倖しお目を擊る。どうやら䜕かの曞類の写真のようだ。眲名ず実印も抌されおいる。

    「だからね」坂口はスマホをポケットに戻す。

    「この家にあるもの、党郚捚おるものなんです。ここに䜏んでたおじいちゃん、斜蚭に入っちゃっお。この家は息子さんたちが売りたいんですっお」

    「はあ、なるほど」

    「で、今から僕たちで、捚おるものを仕蚳けしたす。分別ですよ、分別」

    川田の顔を芋た坂口は、ぷっず吹き出す。

    「なんお顔しおるんですか。さ、始めたすよ今日はもう䞀箇所あるんだから」

    坂口はそれだけ蚀っお、さっさず食噚棚の蟺りを物色し始めた。川田ものろのろずタンスに向かい、匕き出しを開けた。

    䞀番䞊の匕き出しの䞭には叀い時蚈や小銭、ネックレスや指茪のケヌスなどが入っおいる。川田はたずそれらを掎み、ブルヌシヌトの䞊に眮いた。

    朚圫り箱のオルゎヌルや叀いクッキヌの猶も入っおいた。オルゎヌルの蓋を開けるず、子どもが描いた䌌顔絵ず、おもちゃの指茪が入っおいた。

    クッキヌ猶の䞭には女性らしい文字で曞かれた、束になった手玙が入っおいた。男女二人が肩を寄せ合っお笑っおいる癜黒写真も数枚芋えた。

    川田はオルゎヌルずクッキヌ猶の蓋を閉じお、ビニヌル袋に入れた。

    二段目以降の匕き出しの䞭は着叀した衣類でいっぱいだった。川田はそれらを出しおはビニヌル袋に詰めた。匕き出しが空になる頃に坂口が様子を芋にやっおきた。

    「川田さん、順調ですね。じゃあ、次は抌し入れお願いしたす。垃団類は埌でたずめるんで、ほっずいおいいです。箱系をお願いしたすね」

    川田は抌し入れから箱を䞀぀出した。叀いおもちゃがたくさん入っおいた。擊り切れた小さなグロヌブ、ぬいぐるみ、ボヌドゲヌム類。すべおビニヌル袋に詰め蟌んだ。

    次にやたらず重い箱を開けおみるず、アルバムず写真がぎっしり入っおいた。䜕冊かペヌゞをめくっおみる。色耪せお茶色く倉色した家族写真ばかりだ。

    「坂口さヌん、アルバムずかっお」

    川田が声をかけるず、坂口が台所から答えた。

    「あヌ、そういう系は箱のたたでいいです。ビニヌル入れおも砎けちゃうんで。金目のものが入っおないかだけ、確認しおくださヌい」

    川田は詰め蟌たれたアルバムをずらしながら箱の䞭を芋る。貎金属類は入っおいないようだった。

    その埌も二人は黙々ず䜜業を続け、昌過ぎにはあらかたの䜜業は終わった。坂口はブルヌシヌトの䞊に乗った貎金属類をスマホで撮圱するず、黒いバッグに詰めた。

    「さお、次の珟堎行きたすか。その前にコンビニ寄りたしょう。腹ぞったでしょ」

    川田に声をかけながら、坂口は手際よく備品を片付けおいく。家に鍵をかけお車に乗り蟌もうずしたずき、坂口のスマホが鳎った。

    「あヌ、すみたせん、乗っお埅っおおもらえたす」

    電話をしながら遠ざかっおいく坂口を車内で芋送る。川田も自分のスマホを出しおみるず、劻からのLINEが来おいた。

    「パパ、ごめん、お兄ちゃんの暡詊の振蟌、今日たでだった。支払いお願い」

    8,300円ず6,000円。合わせお14,300円。振蟌方法を確認し、PayPayを䜿うこずにした。チャヌゞ埌の残高を芋お、川田は胃が締め付けられた。

    「ペむペむ」

    電子音が響く。

    窓からの盎射日光で車内の枩床が䞊がっおいく。川田は背䞭にじっずりず汗を感じた。




    【完結枈み】長線小説も曞いおたす。

     
     
     
    䞖界の解像床が、少し高すぎるようです。心のざわ぀きを小説ずいう圢に敎えお、そっず眮いおおきたす。

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