メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ソウルメイト #マッチョ華道

    梓あずさは「華道戦隊イケバナジャー」の二次創作小説を書いている。10年前の日曜朝、上裸で剣山に茎を突き立てるレッドの筋肉は、女性たちを釘付けにした。梓の最推しは闇堕ちしたブルーだ。梓の小説ではブルーは救われ、今も生き続ける。

    ある夜。常連たちのいいねやコメントの中、一文が梓の胸を貫く。

    「レッドが一輪だけ生けずに残したの、ブルーの為ですよね」

    見覚えのないアカウント。ご新規さんだ。
    インターネットの大海を泳ぎ、梓の紡ぐ世界に流れ着いたのだ。

    「解釈一致!解釈一致!」
    天使が高らかにラッパを吹き鳴らす。

    「すわ!ソウルメイト!!!」

    梓は叫び、一心不乱にキーボードを叩く。

    「えっ待ってください、一輪に気づいたなら花器の向きも水の量も、プロテインの味の意味にも気づいていただけましたよね?」

    そこから5000字が続いた。
    明け方、梓はベッドに倒れ込み満足げに眠った。

    朝7時。開いたままのノートPCの画面から、あのコメントはひっそりと消えていた。


    (410字/指定文字数410字)
    こちらの企画に参加させていただきました🪻
    #毎週ショートショートnote #マッチョ華道
    田原にか様


     
     
     
    世界の解像度が、少し高すぎるようです。心のざわつきを小説という形に整えて、そっと置いておきます。

    あなたへのおすすめ