実在の事件がモチーフのミステリー小説おすすめ12選|日常に潜む恐怖に震える
実在の事件がモチーフになっているミステリー小説は、私たちの日常のすぐ近くにも恐怖が潜んでいることを気づかせてくれます。今回ご紹介する作品はフィクション小説だけを12作品厳選しました。
ただの娯楽にとどまらず、私たちが生きる社会の影を直視するきっかけともなる実在の事件がモチーフのミステリー小説。気になった作品はぜひ、手に取ってみてくださいね。

『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒
【第20回本屋大賞第2位】
【第25回大藪春彦賞受賞】
【第6回未来屋小説大賞第1位】
【第44回吉川英治文学新人賞候補】
【第69回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)選出】
武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
大反響を巻き起こした、心震える“スパイ×音楽”小説!
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇して以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……。
『天龍院亜希子の日記』、『金木犀とメテオラ』などの著者としても有名な安壇美緒さんの作品。第6回未来屋小説大賞受賞、第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞で第2位にランクインした作品です。
実社会で波紋を呼んだJASRACと音楽教室をめぐる訴訟・調査の構図が下敷きとなった物語。音楽を愛する気持ちと権利ビジネスの齟齬が緊張感を生みます。音楽×スパイというテーマが斬新な一冊。
『月』辺見庸
さとくんは何故19人もの人を殺したのか? 殺人犯の心理に迫った衝撃作
障がい者施設のベッドに“かたまり”として存在するきーちゃん。施設の職員で極端な浄化思想に染まっていくさとくん。二人の果てなき思惟が日本に横たわる悪意と狂気を鋭く射貫く。文学史を塗り替えた傑作!
『自動起床装置』で第105回芥川賞を受賞したことでも有名な辺見庸さんの作品。2023年に、宮沢りえさん主演で映画化されています。2016年の相模原障害者施設殺傷事件を強く意識して描かれた作品です。
『八日目の蝉』角田光代
直木賞作家・角田光代が全力を注いで書き上げた、心ゆさぶる傑作長編。不倫相手の赤ん坊を誘拐し、東京から名古屋、小豆島へ、女たちにかくまわれながら逃亡生活を送る希和子と、その娘として育てられた薫。偽りの母子の逃亡生活に光はさすのか、そして、薫のその後は――!? 極限の母性を描く、ノンストップ・サスペンス。第2回中央公論文芸賞受賞作。
『対岸の彼女』、『方舟を燃やす』などの著者としても有名な角田光代さんの作品。第2回中央公論文芸賞を受賞した作品です。2010年に檀れいさん主演でテレビドラマ化、2011年に井上真央さん主演で映画化されています。1993年の「日野OL不倫放火殺人事件」が発想の端緒とされた作品です。
『修羅の家』我孫子武丸
女の毒が体内に入り、蝕まれていく--
簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。
『殺戮にいたる病』、『監禁探偵』などの著者としても有名な我孫子武丸さんの作品。北九州監禁殺人事件、尼崎事件などの実在の事件群をモチーフに、人の怖さが際立つエンタメ系ミステリーです。
『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ
私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの?
深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。
現実に起こった事件に着想を得た衝撃の書き下ろし「非さわやか100%青春小説」!
横浜市郊外のごくふつうの家庭で育った神立美咲は女子大に進学する。渋谷区広尾の申し分のない環境で育った竹内つばさは、東京大学理科1類に進学した。横浜のオクフェスの夜、ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。しかし、人々の妬み、劣等感、格差意識が交錯し、東大生5人によるおぞましい事件につながってゆく。
被害者の美咲がなぜ、「前途ある東大生より、バカ大学のおまえが逮捕されたほうが日本に有益」「この女、被害者がじゃなくて、自称被害者です。尻軽の勘違い女です」とまで、ネットで叩かれなければならなかったのか。
「わいせつ事件」の背景に隠された、学歴格差、スクールカースト、男女のコンプレックス、理系VS文系……。内なる日本人の差別意識をえぐり、とことん切なくて胸が苦しくなる「事実を越えた真実」。すべての東大関係者と、東大生や東大OBOGによって嫌な思いをした人々に。娘や息子を悲惨な事件から守りたいすべての保護者に。スクールカーストに苦しんだことがある人に。恋人ができなくて悩む女性と男性に。
この作品は彼女と彼らの物語であると同時に、私たちの物語です。
『ツ、イ、ラ、ク』、『昭和の犬』などの著者としても有名な姫野カオルコさんの作品。2016年に起きた東京大学学生による集団強制わいせつ・暴行事件に着想を得た作品です。第32回柴田錬三郎賞を受賞作品。題名は、被害者女性を暴行した心情について問われた際、加害者学生のひとりが公判で実際に口にした言葉から取られているそう。2018年の刊行直後から大きな話題となった作品です。
『名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件』白井智之
奇蹟 VS 探偵!
ロジックは、カルトの信仰に勝つことができるのか?
病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。
調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。
奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか?
圧巻の解決編一五〇ページ!
特殊条件、多重解決推理の最前線!
『人間の顔は食べづらい』、『エレファントヘッド』などの著者としても有名な白井智之さんの作品。第76回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、第23回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞した作品です。2022年「週刊文春ミステリーベスト10」第2位、2023年「このミステリーがすごい!」第2位、「本格ミステリ・ベスト10」第1位にランクインした作品です。1978年、ガイアナで起きた「人民寺院」の集団自殺(ジョーンズタウン事件)をモチーフにした本格長編。二転三転する推理を楽しめます。
『罪の轍』奥田英朗
昭和38年、東京
男児誘拐事件に人びとは震撼した──
絶対零度の孤独を抱える容疑者×執念でホシを追う捜査一課刑事
昭和三十八年十月、東京浅草で男児誘拐事件が発生。日本は震撼した。警視庁捜査一課の若手刑事、落合昌夫は、近隣に現れた北国訛りの青年が気になって仕方なかった。一刻も早い解決を目指す警察はやがて致命的な失態を演じる。憔悴する父母。公開された肉声。鉄道に残された〝鍵〟。凍りつくような孤独と逮捕にかける熱情が青い火花を散らす──。ミステリ史にその名を刻む、犯罪・捜査小説。
『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』などの著者としても有名な奥田英朗さんの作品。1963年に発生した吉展ちゃん誘拐殺人事件をモチーフにした誘拐事件を捜査する刑事たちを中心に当時の社会情勢を描いたミステリーです。東京オリンピック前年の東京、北海道の空気感、雰囲気を同時に味わえます。
『うつくしい子ども』石田衣良
40万部突破の傑作ミステリー!
閑静なニュータウンの裏山で見つかった
9歳の少女の遺体。
犯人として補導されたのは、
<ぼく>の13歳の弟だった。
まだ幼い少年による残忍な事件に
世間は騒然とし、
14歳の<ぼく>や被害者の同級生でもあった妹、
そして両親の日常は一変します。
日常のすべてが崩れていく中で、
中学生の兄は、弟に何が起きたのか知りたいと
調査を始めます。
加熱する報道、学校での嫌がらせ……
絶望と痛みの先にみえるものとは。
少年の闘いと成長を描く傑作長編ミステリー。
40万部を突破したロングセラー作品を、
人気イラストレーター・ヒョーゴノスケさんによる装画と、
気鋭のミステリー作家・五十嵐律人さんの解説とともに、
新装版としておとどけします。
『池袋ウエストゲートパーク』、『娼年』の著者としても有名な石田衣良さんの作品。時事問題や社会的に話題となった事件などをモチーフに筆を執ることが多い作家のひとりで、本作は神戸連続児童殺傷事件がモチーフとなっています。ほかにも、『約束』は大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件が、『ブルータワー』はアメリカ同時多発テロ事件がモチーフになっていると言われています。
『つみびと』山田詠美
灼熱の夏、彼女はなぜ、
幼な子二人をマンションに置き去りにしたのか。
追い詰められた母親。死に行く子供たち。
無力な受難者の心の内は、小説でしか描けない。
痛ましい事件の深層に、何があったのか。
本当に罪深いのは誰――
虐げられる者たちの心理に深く分け入る
迫真の衝撃作。
『ぼくは勉強ができない』、『A2Z』などの著者としても有名な山田詠美さんの作品。2010年に起きた、23歳の母親が二児を自宅に置き去り、餓死させた事件である「大阪二児置き去り死事件」をモチーフにしています。二児を放置して死なせた母、彼女の実母、そして置き去りにされた4歳の子供という3つの視点から、それぞれの心情・事情を描きます。
『グロテスク上・下』桐野夏生
名門女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。
「わたし」とユリコは日本人の母とスイス人の父の間に生まれた。母に似た凡庸な容姿の「わたし」に比べ、完璧な美少女の妹のユリコ。家族を嫌う「わたし」は受験しQ女子高に入り、そこで佐藤和恵たち級友と、一見平穏な日々を送っていた。ところが両親と共にスイスに行ったユリコが、母の自殺により「帰国子女」として学園に転校してくる。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。「わたし」は二人を激しく憎み、陥れようとする。
圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。
『燕は戻ってこない』、『OUT』などの著者としても有名な桐野夏生さんの作品。第31回泉鏡花文学賞を受賞、2003年「このミステリーがすごい!」第5位にランクインした作品です。1997年の「東電OL殺人事件」に着想を得て描かれた物語。
『罪の声』塩田武士
刊行たちまち、出版界が騒然!
累計80万部突破!!
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「週刊文春」ミステリーベスト10 2016年 国内部門第1位
第7回 山田風太郎賞受賞作
第14回 本屋大賞 第3位
第44回日本アカデミー賞12冠 映画原作
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昭和最大の未解決事件の〈真相〉に挑む。
「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それはかつて、日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め--。
圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。
『盤上のアルファ』、『歪んだ波紋』などの著者としても有名な塩田武士さんの作品。第7回山田風太郎賞受賞、第38回吉川英治文学新人賞候補になった作品です。2016年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位にランクインしています。2020年、小栗旬さん主演で映画化されています。未解決の「グリコ・森永事件」を題材にした作品。
『白昼の死角』高木彬光
明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す”天才 的知能犯”鶴岡七郎。最後まで警察の追及をかわしきった”神の如き”犯罪者の視点から、その悪行の数々を冷徹に描く。日本の推理文壇において、ひと際、異彩を放つ悪党小説。主人公のモデルとなった人物を語った秘話を収録。
『能面殺人事件』、『破戒裁判』などの著者としても有名な高木彬光さんの作品。1963年に木村功さん主演でテレビドラマ化、1979年に夏木勲さん主演で映画化されています。小説前半は、実在の事件である光クラブ事件がモチーフとなっています。後半部分については、実在の人物からの取材を基としたオリジナルの物語となっているそう。
まとめ
実在の事件をモチーフにしたミステリーは、謎解きの面白さを感じる以上に「何が人をそこへ追い込むのか」という背景を描き出し、ぐっと心に重くのしかかります。それぞれの立場から見た事件をあらためて考えるきっかけともなるミステリー作品。気になった作品はぜひ、手に取ってみてくださいね。
