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【ナノドッツインストラクター列伝】山田文子さんという触媒

    普段は控えめかもしれない。 けれど、肝心な時には必ず登場している人がいる。 山田文子さんは、私にとってそんな人だ。

    ナノドッツの店舗展開が行き詰まり、
    私たちは「物を売る」から「事を売る」へと路線を変えようとしていた。

    頭で考えるのは簡単だ。 けれど現実には、 「では、具体的に何をしたらいいのか?」 という壁にぶつかる。

    そんな時、うちのモデルハウス「素の間々の家」で展開していた 個人事業主のコミュニティ、PathGate Villageのメンバーだった 山田文子さんに相談を持ちかけた。

    スーパーの一角にある喫茶店で、 文子さんと家内と三人で話したことを覚えている。
    建築のこと。
    卸のこと。
    店舗のこと。
    そのあたりなら、私にもある程度わかる。

    けれど、 「事を売る」となると、話はまるで違う。
    物を売ることさえうまくいっていないのに、
    それよりもっと難しいことが、本当にできるのだろうか。

    そんな戸惑いがあった。 その時、文子さんは実に鮮やかだった。

    「私より、もっとよくわかっている人がいるので紹介します。中村由佳莉さん」

    素晴らしいと思った。

    私だったら、せっかく自分に相談が来たのだから、 何とか自分で答えを出そうとしてしまう。

    けれど彼女は違った。 自分が前に出るのではなく、 最もふさわしい人へと、すっとつないでくれた。

    彼女は、そういう人なのだ。
    だからこそ、肝心な場面で必ず登場する。
    一般社団法人日本nanodots協会を立ち上げた時に作った小冊子にも、
    親子インストラクターとして登場しているのは山田親子だった。
    息子のポンちゃんは、ナノドッツに大ハマりしていた。

    文子さんは、娘の子育ての相談相手でもある。 三人の子育てをしながら、 小学校の非常勤講師も務め、 さらに才能発見プログラムにも関わっている。 文子さんは、自分が前に出る人ではない。
    けれど、彼女がそこにいると、周りの人が自分本来の力を出し始める。

    まるで触媒のような人だ。

    だから、文子さんのナノドッツ講座を受ける人は幸運だと思う。
    「もしかしたら、自分にもできるかもしれない」

    そんな小さな火を、そっと灯してくれる人だから

    文子さんのことを書いていたら、ナノドッツの歩みそのものを思い出しました。

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    うまく生きられなかった記録。 起業、建築、ナノドッツ、F-CON、おうち書道。詩と哲学のあいだを抜ければ、静かに。 A life through failure, poetry and thought.

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