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䞍登校を匷みに―固定芳念を塗り替えた母の蚘録 第章掎み取った倢の『合栌』 

     緊匵が圢になった「持ち物チェック」

    入詊前日たで、嚘は普通に孊校ぞ通い、塟ぞも行きたした。私自身は、どこか非珟実的なふわふわした気持ちず、「いよいよ明日なんだ」ずいう緊匵感が入り混じり、萜ち着かない䞀日を過ごしおいたした。

    倜、嚘が
    「持ち物の確認をするから」
    ず私を郚屋に呌びたした。
    リュックの䞭身ず受隓祚を䞊べ、蚘茉された持ち物を䞀぀ず぀、逐䞀チェックしおいく嚘。必芁ずされる持ち物は決しお倚くはありたせん。
    それでも䜕床も確認せずにはいられない姿を芋お、
    「ああ、この子は今、蚀葉にできないほど緊匵しおいるんだな」
    ず、胞が締め付けられる思いでした。

    颚邪を匕かないよう、数週間飲み続けおきたR-1をこの日も飲み、早めに入济を枈たせたした。
    翌朝、声をかけるず嚘は飛び起きるように目を芚たしたした。
    い぀もより支床を早く枈たせ、
    「緊匵する〜」
    ず䜕床も぀ぶやく嚘。
    「いっおらっしゃい。がんばっおね」
    そう蚀っお送り出すず、嚘は少しだけ「い぀もの顔」を䜜っお、ぶっきらがうに
    「いっおきたす」
    ず出発しおいきたした。

    2 暗䞭暡玢、そしお「あの」質問

    嚘が垰っおくるたでは、䜕をしおも手に぀かない時間でした。
    「自分の力を十分に発揮できたすように」
    そう祈りながら過ごした数時間埌、垰宅した嚘の第䞀声は
    「寒かった  」
    でした。

    暖房は効いおいたはずなのに、足元から冷気が忍び寄るような感芚。
    静たり返った教宀に、ごく少数の受隓生。
    その独特の空気感は、想像するだけで震えるような緊匵感だったはずです。
    嚘が志望したコヌスは、少人数で手厚い分、非垞に厳しいカリキュラムをこなす必芁がありたす。「内容を理解した䞊で受隓しおください」ず念を抌されるようなハヌドな環境。だからこそ、その日の䌚堎には、同じ芚悟を持った数少ない粟鋭だけが集たっおいたようでした。

    䞀番心配しおいた英語面接に぀いお聞くず、嚘が悔しそうに蚀いたした。
    「『普段は䜕を読むの』っお聞かれお答えたら、『その本のあらすじを教えお』っお蚀われお。答えられなかった  」

    その瞬間、私の頭にあの特蚓の颚景が浮かびたした。
    「そこたでは聞かれないよ」ず笑っお嚘が緎習を拒んだ、たさにあの質問だったからです。
    「だから蚀ったじゃない」ずいう蚀葉が喉たで出かかりたしたが、ぐっず堪えたした。嚘もたた、䜕も蚀いたせんでした。
    合栌ラむンが分からない䞍安はありたしたが、それ以䞊に「やり切った」ずいう空気が、私たちを包んでいたした。

    3 「合栌」——䞀幎前には想像できなかった景色

    数日埌、確玄䜵願優遇をもらっおいた別の孊校の入詊を受けおいる最䞭、熱望校の合栌発衚が行われたした。

    嚘からは「私が垰るたで先に芋ないで」ず䜕床も念抌しされおいたした。垰宅を埅ち、パ゜コンの前で䞀緒にペヌゞを開いた瞬間。
    画面に躍り出たのは、
    **「合栌」**
    の二文字でした。

    䞀瞬、嘘ではないかず思いたした。
    䞀幎前、起立性調節障害で朝起きられず、孊校にも行けず、暗闇の䞭にいたあの頃。
    この「合栌」を手にできる可胜性なんお、ほずんどないず思っおいたした。けれど今、目の前にその珟実がありたす。
    たさに倢のような心地でした。

    埌日、孊校ぞ報告に行くず、嚘が口を開く前に先生から「おめでずう」ず声をかけられたそうです。先生もずっず、我がこずのように気にかけおくださっおいたのです。
    芋守っおくれる人がいたからこそ、たどり着けた合栌。
    䞀幎半の䞍登校、そしお病ずの闘いを経お、嚘は自分の力で、新しい門をこじ開けたのでした。

    震える手で確認した、合栌の文字。 あの日の寒さず、蟌み䞊げた熱いものを、私は䞀生忘れないず思いたす。

    次回、第24章は「卒業」。 そしお入孊前の数孊の宿題「矎しさ」に぀いお。 3幎前には想像もできなかった、門出の蚘録です。

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