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『キャンパスを通しお圌を想う』#4 自芚

    第四話 自芚


     春に近づく朝日の光を感じ、叶芜はゆっくり目を開けた。
     高台から海を芋たあず、い぀の間にか家ぞ戻っおきおいたらしい。
     けれど朝になっおも、昚日の光景が忘れられない。
     思い出そうずするず、胞の奥に重さが残っおいた。
     叶芜は、苊しそうに銖を暪ぞ振った。
     孊校に行くために掗面所に行くず、泣き腫らした目元が、ただ少し重い。
     鏡に映る顔はひどく情けない。
     けれど、目を逞らしたいずは思わなかった。
     これが今の自分なのだず、ようやく受け止められた気がした。
     䞡芪は叶芜の衚情に気づいたのか、少し心配そうに眉を寄せた。
     それでも、「倧䞈倫」ず笑っおみせるず、それ以䞊は䜕も聞いおこない。
     普段通りに通孊路を歩くず、銎染みの声が聞こえおきた。
    「おはよう、叶芜。っお、えヌどうしたの」
     寧々が远い぀き、叶芜の顔を芋るず、はっずした衚情を浮かべおいる。
     叶芜は寧々の様子に、思わず小さく笑った。
    「おはよう、寧々。うん、昚日ちょっずあっおね。でも倧䞈倫だよ」
    「本圓叶芜の倧䞈倫は倧䞈倫じゃないから、私、心配なんだけど」
    「うん、でも倧䞈倫」
     䜕かを敎理するように、ゆっくり頷いた。
     それでも寧々の芖線には、ただ隠しきれない心配が残っおいた。
    「じゃ、倧䞈倫じゃなくなる前に絶察に教えおね。私は叶芜が倧事だから、話を聞くし、もし、小孊校の時みたいに倉なや぀がからかっおきたら、守るから」
     寧々なりに元気づけようずしおくれおいるのが䌝わっおくる。
     その気遣いが、胞にじんわりず染みた。
     小孊生の時に叶芜は、ある男子から揶揄われたこずがあった。
     圓時は今よりも人芋知りで倧人しかったから、タヌゲットになっおしたったようだった。
     付きたずわれたり、みんなの前で「お前は倉だ」ず蚀われたこずを思い出すたび、胞の奥が鈍く痛んだ。
     そんな息苊しい日々の䞭、寧々だけは違った。
     圌女は男子たちを真っ盎ぐ睚み぀け、「私の倧事な友達をいじめないで」ず、はっきり蚀っおくれたのだ。
     寧々ずはクラスが違った。
     それでも圌女は、叶芜を攟っおおかなかった。
     もずもず誰ずでも仲良くなれる寧々は、叶芜のクラスの女子や䞀郚の男子にも声をかけ、揶揄っおいた男子から守っおくれおいたのだ。
     だからそれ以降、その男子から䜕かされるこずなく、同じクラスメむトずより芪しくなれた。
     あの時は倧倉だったけど、今あるのは寧々のおかげだ。
    「寧々、ありがずう。じゃ、䜕かあったら、話を聞いおもらうね」
     寧々が友達で本圓に嬉しい。
     私の䞀番の芪友。
     圌女の枩かい蚀葉を聞き、叶芜は柔らかく笑った。
     寧々は、叶芜の笑顔を芋お、安堵したように衚情を緩めた。
     その埌も寧々ずの䌚話を楜しみながら歩いおいるず、䞍意に気づく。
     小孊校の出来事があっおから、男の子が少し苊手になっおいた。
     けれど、䞀匥ずは違っおいた。
     クラスも違う。共通点ずいえば、矎術郚くらいのはずなのに、最初から䞍思議ず普通に話すこずができた。
     絵の話をするずき、䞀匥は決しお吊定をしない。
     静かに話を聞き、い぀も真っ盎ぐに向き合っおくれる。
     気づけば、圌は叶芜にずっお特別な存圚になっおいた。
     圌の隣にいたい。
     そう思っおしたうくらいに。
     そこたで考えた瞬間、叶芜の心臓が倧きく跳ねた。
     頬に熱が集たり、慌おお芖線を逞らす。
    「  叶芜、どうした」
     思わず立ち止たった叶芜に、寧々は振り返った。
    「  ううん、䜕でもない」
    「本圓  顔赀いよ」
     銖をかしげおいる寧々に叶芜は、静かに銖を暪に振った。
    「倧䞈倫。ありがずう」
    「そう」
    「うん。  ねぇ、寧々」
     叶芜は、真っ盎ぐな県差しで蚀った。
    「  私、ただうたく敎理できおいない気持ちがあるんだけど、ちゃんず向き合えたら、話を聞いおくれる」
     さっき自芚したこの想い。
     倧切な芪友だからこそ、この気持ちを䌝えたかった。
     でも、ただ圌ぞの想いず、自分の䞭にあるいろんな感情が、うたく蚀葉にできなかった。
     だから、はっきりず気持ちがわかったら、私をい぀も心配する寧々に告げようず思った。
    「うんい぀でもいいよ。䜕のこずかわからないけど、叶芜が玍埗したら、い぀でも話しお。埅っおいるから」
    「寧々、ありがずう」
     その蚀葉だけで、匵り詰めおいた心が少し軜くなる。
     叶芜は優しい笑顔を浮かべお、たた寧々ず歩き出した。

    #創䜜倧賞2026
    #恋愛小説郚門


    あずがき

    ここたで物語を読んでくださり、ありがずうございたす。

    今回の第4話では、叶芜が䞀匥ぞの特別な想いを少しず぀自芚しおいく姿を曞きたした。
    けれど同時に、過去の傷や、自分自身ぞの迷いもただ抱えおいたす。

    そんな叶芜が、寧々ずいう倧切な芪友に支えられながら、䞀歩ず぀前ぞ進んでいけたらず思いながら曞いおいたした。

    次回も読んでいただけたら嬉しいです。

    【感謝】
    䞡孊長、リベシティの皆様、私をこの堎に連れおきおくださり、本圓にありがずうございたす。
    そしお、ここたで物語を読んでくださった皆様、本圓にありがずうございたす。
    ただ未熟ですが、自分の物語を少しず぀圢にしおいきたいず思いたす。

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    「再生」「垌望」「心の光」をテヌマに、キャラクタヌの心情を倧切にしながら物語を曞いおいたす。 第33回電撃小説倧賞2䜜品、note創䜜倧賞2026恋愛郚門応募枈み。 珟圚は来幎の新人賞に向けた新䜜執筆に集䞭するため曎新䌑止䞭。 読んだ方の心に小さな光を届けられたすように。

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