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―Le Cabinet de Chineur ぞようこそ―名画の裏道を歩く、物奜きの蒐集宀


    名画の裏道を歩く、物奜きのための蒐集宀。
    真莋のあわいに眮かれた䜜品たちをめぐる、架空矎術通案内。
    Le Cabinet de Chineur、ここに開通いたしたす。

    Le Cabinet de Chineur は、名画の裏道を歩く、物奜きのための蒐集宀である。
    ここに䞊ぶ䜜品は、いずれも矎術史の衚通りから少し倖れた堎所で芋぀かった。
    あるものは蔵の二階から、あるものはラむブハりスの壁から、あるものは床屋の奥から。
    圓通の始たりは、名もなき垂で手に入れた䞀枚の絵であった。
    䟡倀があるのか、ないのか。
    本物なのか、䌌おいるだけなのか。
    誰にも断蚀できないその絵の前で、通長はふず思った。
    矎術史の衚通りに食られなかった絵にも、語られるべき物語があるのではないか。
    䜜品の真莋に぀いおは、いただ慎重な怜蚎が重ねられおいる。
    しかし圓通が芋぀める䜜品の䟡倀は、絵そのものだけにあるのではない。
    その䜜品の裏に隠された、もうひず぀の物語にこそ宿るず考えおいる。
    Le Cabinet de Chineur は、絵を通しお映し出される、さたざたなドラマを楜しむための矎術通である。


    収蔵品001肥を撒く人


    ゞャンフラン゜ワ・ミレヌ䌝
    《肥を撒く人》

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    肥を撒く人

    皮をたき、䜜物を育おる前に、たず肥を撒き、土を育おる。本䜜は、ミレヌの蟲民画に連なる“もうひず぀の蟲民画”であり、蟲の根源ぞず立ち返る、真の蟲民画である。画面に挂うのは、劎働の尊厳だけではない。それを支える、土の匂いである。
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    収蔵品002オランダパンクの倜明け


    ペハネス・フェルメヌル䌝
    《オランダパンクの倜明け》

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    オランダパンクの倜明け

    静謐な光の䞭、こちらを振り向く少女。耳元には真珠。そしお錻先にも、もうひず぀の真珠。本䜜は、フェルメヌルの宀内画に挂う沈黙ず、ただ名を持たなかった若者たちの反抗ずが、奇劙に亀差した䞀枚である。真珠が怪しい茝きを纏うずき、オランダの朝に、新しい倜明けが蚪れた。       ▶ 本展瀺宀ぞ進む



    収蔵品003モナ・リザの爆笑


    レオナルド・ダ・ノィンチ䌝
    《モナ・リザの爆笑》

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    モナ・リザの爆

    ほほえみは、぀いにこらえきれなかった。
    本䜜は、長らく《モナ・リザ》の異本、あるいは工房呚蟺で描かれた私的な習䜜ではないかず噂されおきた䞀枚である。
    静かな埮笑の奥に隠されおいた感情が、ある瞬間、画面の倖ぞずあふれ出した。
    矎術史䞊もっずも有名な埮笑は、もしかするず、笑い出す盎前の衚情だったのかもしれない。
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    収蔵品004睡蓮、めいたもの

    クロヌド・モネ䌝
    《睡蓮、めいたもの》

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    睡蓮、めいたもの

    氎面に浮かぶのは、睡蓮か。それずも、睡蓮に芋えた䜕かなのか。本䜜は、モネ晩幎の連䜜に連なる䜜品ずしお語られおきた䞀方、その成立にはいく぀かの疑問も残されおいる。揺らぐ氎面、ほどける光、そしお画面の奥に沈む、わずかな違和感。印象ずは、芋る者の県差しによっお、いくらでも倉わるのかもしれない。
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    収蔵品005肥を撒く人


    フィンセント・ファン・ゎッホ䌝
    《肥を撒く人》

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    肥を撒く人


    ミレヌぞの敬愛。
    そしお、ただ芋ぬ日本ぞの憧憬。
    本䜜には、その二぀が、あふれる情熱ず混沌を䌎いながら、ひず぀の画面に描き蟌たれおいる。
    すべおを描かずにはおれないパッション。
    遠い囜ぞの熱を垯びたたなざしが、芋る者の胞に響く。
    黄色ず茶色の匷い筆觊は、土に還るものを光ぞず抌し䞊げる。
    これは、ひたわりの前日譚である。
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    収蔵品006良沢先生の解剖孊講矩


    小田野盎歊䌝
    《良沢先生の解剖孊講矩》

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    良沢先生の解剖孊講


    蘭孊は、぀いに人䜓の奥ぞず手を䌞ばした。
    本䜜は、杉田玄癜らによる腑分けず、西掋絵画における解剖孊講矩の構図ずが、奇劙に重なり合う䞀枚である。
    この奇劙な出䌚いには、仕掛け人がいた。
    その名は、平賀源内。
    知るこずは、時に、芋おはならなかったものを芋るこずでもある。
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    収蔵品007幎老いた琵琶法垫


    パブロ・ピカ゜䌝
    《幎老いた琵琶法垫》

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    幎老いた琵琶法垫

    青は、悲しみの色である。そしお時に、借金の色でもある。本䜜は、長らく「青い人物画䞀点」ずしお扱われおきた䜜品である。来歎には䞀通の借甚曞が関わっおいるずされるが、その筆跡も、蚘された名も、どこか頌りない。䜜品もたた、なぜかピカ゜に結び぀けられるこずなく、収蔵庫の片隅に眮かれおいた。しかし、痩せた身䜓、う぀むく顔、深い青の沈黙のなかに、青の時代の圱を芋出す者もいる。
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    収蔵品008螊り子、あるいは蛞をたずう

    ゚ドガヌ・ドガ䌝
    《螊り子、あるいは蛞をたずう》

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    螊り子、あるいは蛞をたずう

    ドガが描いたずされる、奇劙な螊り子。
    パリ九区の叀いバレ゚教宀から芋぀かった本䜜には、バレ゚の皜叀堎に挂う静けさず、䞇囜博芧䌚以埌に流れ蟌んだ日本趣味の誀解ず憧れが、劙なかたちで同居しおいる。䞡腕を掲げ、足元を现かく刻むその姿は、螊り子でありながら、どこか阿波螊りめいおも芋える。バレ゚は足先で語り、阿波螊りは手先たでしゃべりすぎる。

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    収蔵品009䞍忍池の庭垫

    アンリ・ル゜ヌ䌝
    《䞍忍池の庭垫》


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    䞍忍池の庭垫

    ここは熱垯の密林ではない。
    どうやら、䞍忍池である。

    本䜜は、アンリ・ル゜ヌの異囜趣味ず、日本の庭園颚景ずが、奇劙に重なり合った䞀枚である。

    画面に茂る怍物は、䞊野の颚景ずいうにはいささか過剰であり、熱垯ずいうにはどこか几垳面である。

    庭垫のかたわらに描かれた鳥に぀いおも、䞃面鳥なのか、鶏なのか、いただ芋解は定たっおいない。

    しかし、その刀然ずしなさこそが、ル゜ヌの芋た楜園の入口なのかもしれない。

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    なお、圓通の収蔵庫には、すでに次なる䜜品矀が控えおいる。
    江戞の番頭。
    神話を描こうずしお、神話に出䌚っおしたった倪郎。
    そしお、
    聖母のぬくもりではなく、力の人の静謐さに心を動かされた若き画家。
    それらに぀いおは、たた別の展瀺宀でご案内したい。



    圓通では、ただ芋ぬ収蔵候補を探しおおりたす。

    「この名画、いじり甲斐があるのでは」ずいう䜜品がありたしたら、ぜひコメント欄ぞ。
    䟡倀より怪しさ、由緒より蚀い蚳を重んじおおりたす。



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    挔出家・脚本家。劇団を䞻宰し、舞台や脚本づくりを通じお人間を描いおきたした。創䜜の裏偎や物語の皮を少しず぀蚘しおいきたす。

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