
公共授業実践4|欲求と葛藤を、自分の話として考え始めた話(青年期④)
「欲求」とか「葛藤」と聞くと、少し難しく感じます。
教科書の言葉として出てくると、途端に自分とは関係ない話に見える。マズローの欲求5段階、承認欲求、防衛機制。言葉だけ並べると、いかにも授業っぽい。
でも、実際に扱っている中身は、そんなに遠い話ではありません。
人に認められたい。
眠い。
安心したい。
遊びたい。
でも、やらなければいけないこともある。
本当は嫌だけど、我慢していることもある。
高校生にとっても、たぶん身近な話です。
今回の授業では、最初から理屈を説明しすぎないようにしました。
まず、マズローの欲求5段階をスライドで見せます。生理的欲求、安全の欲求、所属と愛情の欲求、承認欲求、自己実現の欲求。
そのうえで、こう聞きました。
「今のあなたが、一番感じている欲求はどれ?」
5つの中から、今の自分に近いものを1つ選ばせました。
すると、思ったよりも手が動きました。
静かに聞いているだけではなく、「これかな」と考えながら選んでいる感じがありました。自分の例を書くところでも、一生懸命書いている生徒がいました。
承認欲求の話をしていると、何人かが「僕のこと褒めて」と言ってきました。
こういう発言は、深追いしすぎない方がいい気がしています。こちらも軽く受け取って、短く褒めて、授業に戻す。
でも、その一言は大事です。
少なくとも、その生徒の中では「承認欲求」という言葉が、自分の話として引っかかったということだからです。
このクラスは、安心感が出てくると反応するクラスなのかもしれません。最初から大きな発言を求めるより、少し選ばせる。自分の例を書かせる。軽い発言は短く拾う。そのくらいがちょうどいい。
欲求や葛藤のようなテーマは、生活に近いぶん、うまく入れば生徒の中に届きやすいのだと思います。
もちろん、全員が深く語るわけではありません。立派な意見が次々に出るわけでもありません。
それでも、自分に近い欲求を選んでいる。
自分の例を書いている。
ちょっと笑いながら「褒めて」と言ってくる。
その程度の反応で十分な日もあります。
使う教材は3点セットです。
手直して使う場合は、AIにかけて、ワードやドキュメントに生成してください。AIに指示をして、自分色に手直ししてもらうのもいいかもしれません。
〇プリント
最初に、教科書から使いたい話題をピックアップして、ChatGPTとClaudeにかけて整理しました。
〇スライド
授業プリントをClaudeにかける→スライド原本→NotebookLMで整形という段取りで作っています。必要なところだけ使ってください。
〇教師用原稿(リンク)
読む前提ではなく、「詰まったときに見るもの」です。ChatGPT・Claudeを使用しています。
〇まとめのシート
NotebookLMのインフォグラフィックで生成しています。
授業としては、時間配分も内容も、ほぼ予定通りに終わりました。
欲求、葛藤、承認欲求。
教科書の言葉として見ると、少し硬い。
でも、自分の話として考えると、急に近くなる。
今回は、その近さを少しだけ感じてもらえた授業だったのかもしれません。
次回は公共第5回「防衛機制」です。