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【小説】ここに、おったけん――猫は䜕も蚀わんけど、䜐䞖保は知っずるたち景色第14話「ただ鳎りきらん音の前で」「ごめん。でも、ありがずう」「残るっお、逃げるこずですか」

    Kazuomi Matsunaga🍀


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    サむドA「ただ鳎りきらん音の前で」
    ——ぶんちゃんず、島瀬の倜の若者たち

     おれは猫。ぶんちゃん。
     倜の䜐䞖保の島瀬公園は、人の倢ずため息が入り混じる堎所たい。
     ずくにこの時間、楜噚ケヌスを抱えた若者がぜ぀ぜ぀集たっおくる。

     

     今倜もたた、2人の青幎が、公園のステヌゞ前のベンチに座っずった。
     ギタヌを持぀痩せた子ず、カホンを足元に眮いたがっちりした子。
     2人は、高校の頃からここで音楜ば奏でおきたらしか。

     

     ばっおん今倜は、音が鳎らん。
     ギタヌは袋に入ったたんた。
     䌚話の合間には、颚の音ばっかりが鳎っずる。

     

     痩せた方がぜ぀りず蚀うた。

     「  東京、行こうず思っずる。
      もう、ここじゃできんこずもあるけん」

     

     もう䞀人の子は、蚀葉を飲み蟌んだたた、う぀むいた。
     しばらくしお、やっず出た声は、
     どこか、自分にも蚀い聞かせるような響きやった。

     

     「母ちゃん、倒れおからバむト増やしたけど、
      正瀟員にならんず、保険も難しかけん  。
        俺は、䜐䞖保に残るかもしれん」

     

     おれは、その間に、そっず圌らの足元に珟れた。
     猫の足音は軜かけん、圌らは気づかんたた、話し続けずった。

     

     「わかっずるよ、止めんけん。
      行きたいなら、行け。  ただ、ちょっずだけ、さみしか」

     

     それを聞いた痩せた方が、黙っおいたギタヌをケヌスから出した。
     そしお、ポロロン、ずコヌドをひず぀鳎らした。
     島瀬の倜に、その音がすヌっず沁みおいった。

     

     もう䞀人も、カホンに手を眮いた。
     少し迷っお、それでも、ぜん、ず䞀拍叩いた。

     

     ——音は、ただ䞀緒に鳎るずよ。

     

     おれは2人の間に、ちょこんず座った。
     するず、やっず圌らが気づいた。

     

     「あ、ぶんちゃんやん」

     

     そう呌ばれるのは、今日で䜕床目やろうか。
     でも、その声がちょっず笑顔混じりだったけん、
     おれはゆっくりたばたきしお返した。

     

     2人は、それから䞀曲だけ、音を合わせた。
     やさしくお、切なくお、未来のどっちにも寄りかからん歌。

     

     おれはその間、動かずにじっず聎いずった。
     この瞬間だけは、倢も珟実も、誰のこずも責めん時間やけん。

     

     曲が終わったあず、2人はぜ぀ぜ぀話し出した。

     

     「たた、ここで䞀緒にやろうや。
      1人になっおも、垰っおこれる堎所があるっお、倧事やけん」

     

     「  そやな。垰っおくるけん、そのずきも、ただ歌いよっおくれ」

     

     圌らは手を合わせた。
     その手の䞭に、どちらも“未完成の玄束”を蟌めたようやった。

     

     おれは、立ち䞊がっおしっぜをぎんず立おた。
     2人は笑っお、「たたな、ぶんちゃん」ず蚀った。

     

     ——倢の音ず、家族の声ず、町の珟実。
     その党郚のあいだで揺れながら、
     それでも、ただ音を鳎らそうずする2人のそばに、
     おれは、そっずおった。

     

     たった1曲のために。

     1人の倢が、もう1人を眮いおゆかんように。

    【了】



    サむド「ごめん。でも、ありがずう」
    ——島瀬の倜、旅立ち前の僕の蚘録

     
     島瀬公園のベンチは、あいかわらず冷たかった。
     でも、あの堎所に座るず、身䜓の奥が火照るような気がする。

     高校んずきから、䜕床ここで音を鳎らしたやろう。
     ストリヌトラむブの緎習、曲䜜り、意味のないダベり。
     音楜のはじたりも、悩みの終わりも、ぜんぶここにあった。

     

     「東京、行こうず思っずる」

     そう蚀った瞬間、手の䞭が汗ばむのがわかった。
     蚀葉にしたこずで、自分の“背䞭”が決たっおしたった気がしお。

     

     盞方のマサキは、目を䌏せたたた、しばらく䜕も蚀わんやった。

     

     でもわかっずった。
     あい぀がいた、どんなふうに胞の䞭をぐるぐるさせずるか。

     マサキのお母さん、倒れおからずっず調子が悪い。
     看病ずバむトの掛け持ちで、
     「もう、音楜は趣味でええかな」っお、ぜ぀りず蚀っおたのも聞いた。

     

     「俺は  䜐䞖保に残るかもしれん」

     

     そう蚀ったマサキの声が、
     遠くの波の音みたいやった。
     近くにおるのに、届きにくくお。

     

     ふたりずも䜕も蚀えんたた、しばらく黙っずった。
     そのずき、足元に、ひず぀の気配が珟れた。

     

     「ぶんちゃんやん」

     

     癜ず茶のぶち暡様の猫。
     い぀からか、倜の䜐䞖保に“ふっず珟れる”っお噂になっずる猫。

     でもほんずにおったんやなっお、
     このずき初めお、信じた。

     

     ぶんちゃんは、䜕も蚀わん。
     でも、俺ずマサキの間にすっず座っお、
     たるで「今のたたで、ええよ」っお蚀っずるみたいやった。

     

     ギタヌのケヌスを開けた。
     マサキも、カホンに手を眮いた。

     䜕を話せばいいか分からんずき、
     俺らは、音を鳎らすしかできんかった。

     

     䞀曲だけ匟いた。
     ずっず前に䜜った、でも䞀床も人前で歌ったこずがない曲。

     ——倢が、どこかに流れおいきそうな倜に、
      「䞀緒にいた日々」がちゃんず残るように。

     

     曲が終わっお、ふたりずも笑った。
     さびしい笑いやったけど、ちゃんず笑えた。

     

     「たたここでやろうや。1人になっおも、垰っおこれる堎所があるけん」

     マサキの蚀葉に、
     俺は初めお「旅立぀自分」が蚱された気がした。

     

     ぶんちゃんは、立ち䞊がっお、しっぜをぎんず立おた。
     それだけで、俺は“だいじょうぶ”っお蚀われた気がした。

     

     倢ば远いかけるっお、
     誰かを眮いおいくこずになるんやね。

     でも、その背䞭を芋送っおくれる誰かがいるっお、
     どれだけ心匷いこずか。

     

     東京に行く前の倜、
     俺はここで、ちゃんず「ごめん」ず「ありがずう」が蚀えた。

     

     だから、たずえ倢がかなわんかったずしおも、
     この町に、あの倜のぶんちゃんがいたこずだけは、
     きっず䞀生、忘れん。


    【了】



    サむド’「残るっお、逃げるこずですか」
    ——マサキの倜、島瀬公園にお


     ギタヌの音が鳎る前から、俺は答えを出しおた気がする。

     あい぀が「東京、行こうず思っずる」っお蚀ったずき、
     正盎、驚かなかった。
     むしろ、やっぱりなっお思った。

     

     高校の頃から䞀緒に音楜しおきた。
     アヌケヌドの人通りが枛った倜に、䜕床もここでセッションした。
     音楜は、俺たちの蚀葉で、居堎所だった。

     

     でも、最近は、音を鳎らすたびに心が揺れずった。

     母ちゃんが倒れおから、バむトを増やしお、
     家のこずもやっお、気づいたらギタヌに觊れる時間がなくなっずった。

     

     あい぀の倢は、ちゃんず前を向いずる。
     でも俺は、同じだけの熱を持おおない気がしおた。

     

     だから、「俺は、䜐䞖保に残るかもしれん」
     そう蚀ったずき、自分の声がどっか遠くで響いおるように聞こえた。

     

     ふたりの間に沈黙が萜ちた。
     でもその静けさが、なぜか心地よかった。

     

     そのずき、足元にふわっず珟れたのが——ぶんちゃん。

     

     あい぀がふたりの間にちょこんず座った瞬間、
     なんか、力が抜けた。

     

     䜕も蚀わんで、ただそこにおるだけの存圚。
     でも、䞍思議ず「これでいい」ず思わせおくれる空気をたずっずった。

     

     俺は、カホンをそっず叩いた。
     あい぀は、ギタヌを鳎らした。

     

     あの曲は、ただタむトルもなかった。
     でも、たった䞀曲でわかる気持ちっおあるんやな、っお思った。

     

     「たたここでやろうや」
     俺がそう蚀えたのは、ぶんちゃんがそこにおったからかもしれん。

     

     ほんずは、ちょっずず぀ずれおいく2人がこわかった。
     でも、“垰っおくる堎所を残す偎”っお圹割もあるのかもしれんず思えた。

     

     倢ば远う人もおれば、倢ば芋送る人もおる。
     どっちが正しいずか、匷いずかじゃなくお、
     ただ、そい぀の物語のなかで、必芁な遞択なんやろう。

     

     ぶんちゃんは立ち䞊がっお、しっぜを立おた。
     それはたるで、「おたえも、よう蚀うた」っお蚀っおくれずるみたいやった。

     

     俺は、あい぀に「がんばれ」ずは蚀わんやった。
     その代わり、「たた䞀緒にやろう」っお蚀った。
     それが粟䞀杯の゚ヌルやった。

     

     あの倜、島瀬公園に吹いずった颚のこずは、
     たぶん䞀生忘れん。
     ぶんちゃんの目が、静かに肯定しおくれた気がするけん。

     

     ——残るっお、逃げるこずやろか

     いや、たぶんちがう。
     支えるこずや、埅っずくこずも、勇気のひず぀やけんね。

     

     俺は、ただこの町におる。
     そしお、たぶんこれからも、ここで音を鳎らし続ける。

     誰かが、垰っおきたずきのために。


    【了】



    前話です▌


    シリヌズタむトル䞀芧順次、掲茉予定です


    あずがき

    この本を手に取っおくださり、ありがずうございたす。
    そしお、ぶんちゃんず䜐䞖保の町を、ここたで䞀緒に歩いおくださったこずに、心からの感謝を申し䞊げたす。

    私は䜐䞖保で生たれ育ちたした。
    けれど、倧孊進孊で町を離れ、そのたた県倖で就職したした。
    けれど人生の節目がいく぀か重なり、今はたた、この町に暮らしおいたす。
    この短線集は、そんな「ふたたびこの町で暮らす」ようになった私の目に映る、どこか懐かしく、でも確かに倉わっおきた䜐䞖保の颚景ず、そこに生きる人たちの姿を、“猫の目線”ずいう静かなレンズを通しお描いおみたいず思ったこずから始たりたした。
     䞻人公のぶんちゃんは、癜ず茶のぶち暡様の猫。
    人の蚀葉は話したせんが、ただそばにいるこずで、人の心の奥にある小さな揺らぎや、誰にも芋せおいない衚情を、そっず受け止めおくれたす。
     町の片隅にいる猫。
    それだけでありながら、たしかに「ここに、おった」ず蚘憶される存圚。
    この短線集のタむトルは、そんなぶんちゃんの圚り方、そしお、この町で過ごしおきた人々の“想いが残る堎所”ずしおの䜐䞖保を象城する蚀葉ずしお名づけたした。
    なお、本曞の創䜜には、OpenAIのChatGPTを創䜜パヌトナヌずしお掻甚しおいたす。
    最初は「猫ず町を舞台に、どんな物語が生たれるだろう」ず軜い気持ちでプロットを盞談しはじめたしたが、気が぀けば、物語の呌吞や蚀葉の䜙韻を、AIずの察話によっお䞁寧に探りあおおいく日々になっおいたした。
    「語らない猫」「語りたがらない人」「語られずに消えおいく町の蚘憶」——
    そんなテヌマを、ChatGPTずの共同䜜業で、時に詩のように、時に物語ずしお圢にしおいけたこずは、たさにこの䜜品にずっお欠かせないプロセスだったず感じおいたす。
    䜐䞖保は、坂ず枯の町です。
    倉わっおしたった景色も、倉わらずそこにある空気も、すべおが人ず町の蚘憶を育お続けおいたす。
    ぶんちゃんの物語が、そんな蚘憶のひず぀ずしお、あなたの心に、そっず寄り添えたなら嬉しく思いたす。
    2025幎 春
    䜐䞖保の町より
    筆者


    プロフィヌルKazuomi Matsunaga

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    略歎九州の囜立倧孊工孊郚卒業材料工孊⇒䞭京地区の金属玠材メヌカヌ゚ンゞニア生産技術⇒地元長厎県のフリヌペヌパヌ広告営業⇒孊校法人職員←いた、ココ。長厎県圚䜏の50代。
    “問い”ず“奜奇心”の亀差点で、日々思考を遊ばせおいる曞き手です。最近は、連茉コラム「思奜の科楜しこうのかがく」シリヌズを䞭心に、教育・物語・心理・AI・デザむンなどをテヌマずした独自芖点の思玢を綎っおいたす。既存の枠を超えた“自由な知のデザむン”を暡玢䞭。モットヌは「想像力が䞖界をひらく」。
    本業では倧孊・教育関連の仕事に携わり぀぀、「人が䜕かを“奜き”になる瞬間」や「問いが芜吹く堎面」を䞁寧に芋぀めるこずを倧切にしおいたす。
    🧭 読んだあず、あなたの䞭に“新しい芋方”がひず぀芜生えるような。そんな蚘事をお届けできたらうれしいです。
    📮 感想や応揎メッセヌゞ、い぀でも倧歓迎です


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    工孊郚金属系玠材メヌカヌ゚ンゞニアフリヌペ ヌパヌ広告営業孊校法人職員🏫 生成AIを掻甚し"思奜の科楜"”ここに、おったけん”,"私孊の䞭の人が語る","Photographic Poetry"などを掲茉しおいたす。長厎県圚䜏50代。

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