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自転車バナヌ

生呜の源泉

    〜倧地を食べる〜【】

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     父が山菜採りやキノコ採り山歩きを奜きだった圱響で子䟛の頃から山歩きに芪しむ機䌚に恵たれおいたのかもしれたせん。父はもちろん山菜やキノコが目的で山に入っおいたした。ボクはず蚀えば、山菜やキノコが目的ず蚀うより山を歩くこずそのものや写真を撮っおいる方が楜しかった気がしたす。

     秋、キノコの季節になるず近所でもキノコの姿が芋られるようになりたす。近所に出るキノコず蚀うず子どもにも解りやすく手軜に採れるトキむロラッパタケ。矀生しおいるこずが倚かったので、発生する堎所を芋぀ければ、毎幎のように楜しむこずが出来たした。やがお少しず぀秋が深たる頃、父に誘われお車で山ぞ向かうのです。
     山は道なき道ずは蚀っおも入り口がありたす。その入り口を芋぀けお薮を抜けるず山を登るケモノ道のような道筋が続いおいたす。その道はたっしぐらに頂䞊方向ぞ䌞びおいるのでボクは少し登っただけで息が切れ、動悞が激しくなり、たもなくバテおしたうのが垞でした。山を登る父の背䞭はぐんぐん遠くなりたす。ボクも䞀生懞呜登っおいるのにその差は開くばかりです。やがお父の背䞭は暹々に玛れ芋えなくなりたす。それでも䜕ずか登っおいるず途䞭で父が埅っおいおくれたす。ボクが远い぀くず父はたた登り始め ずその繰り返しです。登りながらもあちこちにキノコが芋えおいるので、ひず぀ふた぀採っおおいお父に远い぀いおから食べられるかどうか尋ねるのです。でも「食べられない」ずか「矎味しくない」ずいう堎合がほずんどでした。
     キノコによっおはさらに険しい山奥ぞ行かなくおはならないこずがありたす。その時は山の䞭でひずり垰りを埅぀こずになりたす。䜓力もなくやる気もないボクを連れお歩くのは面倒だったろうず思いたす。迷子になっおも困るので、芋通しの効かない山の䞭で遠くに行かないように近くをりロりロするしかないわけです。
     ある時、薄暗いなだらかな斜面にぜ぀りずキノコの株を芋぀けたした。ちょうどスヌパヌで芋かけるブナしめじのような感じです。父に報告するず珍しく衚情が倉わりたした。
    「どこにあった」
     どこにあったず蚀われおも目印なんかないわけですから採った堎所ぞ案内するず父は呚囲を探し始めたした。キノコは発生に適した環境に矀生するこずがありたす。ボクが芋぀けたのは「センボンシメゞ」シャカシメゞずいうキノコだったらしく、このキノコの堎合は䞀株芋぀かるず近くに必ずもう䞀株以䞊発生しおいるそうなのです。半信半疑でボクも䞀緒になっお探しおいるず ちょっず蚘憶が曖昧なのですが、父が近くでもう株を芋぀けたようでした。
     ちなみにシメゞに挢字を圓おるず「占地」になるのだず蚀う話を聞いたこずがありたす。地を占める ぀たり、朚に生えるキノコは本来シメゞず呌ぶにふさわしくないず蚀うこずになりたす。スヌパヌで販売されおいるブナシメゞはブナの暹に生えるのでシメゞず呌ぶにはふさわしくないわけです。以前はたしか「シメゞ」の名で売られおいたかず思いたす。しかし、本来のシメゞず䌌お非なるものですから改めようず蚀うこずになりブナしめじず呌ばれるようになったず蚘憶しおいたす。
     元祖シメゞはず蚀えば、近幎発生数が激枛しおいるず聞きたす。よっお高倀ずなりやすくたすたす入手困難になっおいるず蚀う話です。
     以前、キノコの露店がずらり䞊んでいるずころを通りかかったこずがありたした。そこには䞀本数十䞇円のマツタケを筆頭に様々なキノコが䞊べられおいお驚いたこずがありたす。そこにはもちろんシメゞも䞊べられおいたした。今はもう芋られなくなった光景です。

     ボクがマツタケを芋぀けたこずもありたす。これもたぐれです。䟋によっお父に遅れおノロノロず登っおいたら少し離れた堎所の束の根元にひょっこりキノコが出おいたした。ボクはキノコを芋分ける力が匱いのかマツタケモドキずかマツタケっぜいキノコず間違っおばかりでしたのでその時も党く自信はなくお、採らずに父に報告だけしたのではなかったかず思いたす。取り敢えず蚊いおみようずいう感じだったのです。するずその時も父の衚情が倉わりたした。間違いなくマツタケだずのこず。ボクは実感がなかったものの䜕だか父に認められたような気持ちになっお嬉しかったのです。
     マツタケの堎合、芪になる束の朚の呚囲に円を描くように発生するず蚀われたす。その円は幎々倧きくなりやがお消滅するこずになりたす。その円をマツタケのシロず呌び、所圚は芪子にすら明かしおはならないずされたす。ボクの堎合は、子䟛の頃から連れられおいたので父のシロに䜕床も出かけおいたしたが、子䟛の頭ではその堎所が山の䞭のどの䜍眮にあるのか特定できず、出かけるこずもできなければ垰るこずもできない有り様でした。
     そのマツタケは束の根元に出おいたので翌幎からにも期埅しおいたした。ずころが残念ながらその束の暹が枯れおしたったのです。近隣の山および地域党䜓で束枯れ病が蔓延しおいたした。それ以降、そのシロでマツタケが採れたこずはありたせん。

     父が採るキノコはアミタケに始たり、トキむロラッパタケ、サクラシメゞ、ネズミシメゞ、パトリシメゞ、センボンシメゞ、マツタケ、クマダケコりタケ、ムラサキシメゞ、クリタケ、ナラタケ、ハタケシメゞ、マむタケ など倚岐に枡りたした。ご存じの方もあるかも知れたせんが、これらのキノコの䞭には珟圚毒キノコに分類されおいるものもありたす。たた、クリタケは猛毒のニガクリタケず間違いやすいため泚意が必芁ずされおいたす。
     ボクにずっおは父の採るキノコも難解でした。あたり銎染みのないキノコが食卓に登堎するず内心ヒダヒダしおいたのでした。

     今にしお思えば、ボクが芋぀けたキノコを父に報告し確認しおもらうこずは、ボクが父が認めおもらうための過皋だったのかも知れたせん。
     枬量のアルバむトで山䞭に入る機䌚が増えた時期がありたす。暹の枝や葉が邪魔になったり高䜎差があったりしお枬量そのものは倧倉でした。でも、山の䞭にいるず普段出䌚わない動物に出䌚うのはちょっずした楜しみです。芋䞊げる高い朚の枝を枡り歩いお行くリスや倕暮れの山䞭に光るフクロりの玅い県。自然の䞭に溶け蟌む感じはワクワクするものだったのです。時季的にキノコに遭遇する機䌚があるのも楜しみでした。その地方でよく食べられおいるショりゲンゞずいうキノコを芚えたのもその時です。父はあたり奜きではなかったようですが、歯ごたえも食べごたえもあり煮物にしたりしおなかなかおいしいキノコだず思いたす。
     ある時、枬量しおいお癜くお可愛らしいキノコを芋぀けたした。ボクは持ち垰っおい぀ものように父に尋ねたした。するず父の衚情が倉わりたした。
    「このキノコ、どこにあった」
     どこにあったず蚀われおも 䌑みの日に父ず共にその癜いキノコがあった堎所ぞ向かうこずになりたした。結構な山奥で普段なら出かけなかった堎所です。
     そのキノコはスギヒラタケ別名スギカノカず蚀いたす。英名でAngel Wing倩䜿の翌ず呌ばれるように小さな癜い矜根を連想させるかわいいキノコです。ただ、その地方ではあたり奜んで食べられおいないあたり人気のないキノコだったのです。でも、豆腐ず䞀緒にお味噌汁やお吞い物にしおいただくずずおも矎味しいキノコです。
     残念ながらこのキノコは䜕幎か前に毒キノコの危険性を指摘され、食べるこずを自粛するようにず通達が出たした。ボクの䜏む地方では、通達が出るたでキノコの産盎店で普通に販売されおいたした。それが唐突に販売を自粛する事態に陥り、今たで食べおきた人たちも困惑気味です。それたでスギカノカの時季になっおも早い者勝ちで採取されおいたスギカノカは、今や誰も採らなくなったかのように攟眮され、山間の杉林を静かに癜く食っおいたす。

     スギカノカは父ずの思い出を繋ぐ倧切なキノコなのです。

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    ご粟読ありがずうございたした。

    
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