
五行歌「蜜の海」
五行歌 101
想いも
景色も
まぼろしだから
おもしろおかしく
すごしていたい

五行歌 102
このまま
真っ白に
浄められ
からださえ
失せるまで

五行歌 103
私たちまるで
穴の開いた
たもみたいね
そのこころは
すくいようがない

五行歌 104
はぐれ者と
はぐれ者は
必ずもめる
だから
はぐれるのさ

五行歌 105
遊ぶように
やさしく
歌だけ詠んで
すごしたい
これからは

五行歌 106
あなたよ
そろそろ
音を響かせて
それにあわせて
共に鳴くから

五行歌 107
世界を
流れる
蜜の海に
ゆだねて
力を抜いて

五行歌 108
わからない
ただもう
闘争のために
歌を詠むのは
やめたのさ

五行歌 109
待合の
テレビだけが
正確で
人はみな
こわれゆく影

五行歌 110
テレビの
天気予報に
焦って
今日だけは
晴れているつもり

五行歌 111
バスの座席にも
意識はあるのか
呼ばれては立つ
ただそれだけの
人生で

五行歌 112
受付の
紙の匂いで
海を失くす
またもこれが
俺なのか

五行歌 113
医師の声は
いつになく
優しいが
字は汚い
読めない

五行歌 114
生きたくても
生きられない人と
死にたくても
死ねずにいる人の
界隈

五行歌 115
自分は
不器用ですから
好き好んで
生きていません
逆です

五行歌 116
先生の声
正しいと思って
ついていく
幽霊だけが
遅れて来る

五行歌 117
薬の名前
覚えたところで
ポエムにするだと
面白そうだな
手伝おう

五行歌 118
雨の予報
裏切って
傘も持たず
自分は
不器用ですから

五行歌 119
私の名は
メーテル
内科の診察で
先生に
湿布をねだった女

五行歌 120
自販機の
冷たい光に
指をのばし
お釣りがもっとないか
さがしている

私の五行歌は、これまで書いたものを含め、すべて“引用フリー”です。
もしも気に入った歌があれば、引用して紹介してくださるとすごくうれしいです。
また、もしも佳いと思った歌があれば、ぜひコメントをお願いします。
若宮せのん
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