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松任谷由美が「AIに作詞は無理」と語った理由|世界共通で求められるのは「綺麗な文章」ではない



AIによって、なくなる仕事は何か?

 
ここ数年、こんな話題を目にする機会が本当に増えました。

そして実際、僕の身近なところでも変化は起きています。

  • Webデザイン

  • 画像・イラスト制作

  • プログラミング

  • システム開発

など、これまで専門家へ依頼していた仕事の一部を、AIが驚くほどのスピードでこなせるようになりました。

僕の周囲にいるデザイナーやエンジニアからも「以前と比べて仕事が減った」「簡単な案件はAIに置き換わっている」という話を聞くことがあります。

そして当然、僕が30年以上携わってきた「文章」の世界にも、同じ問いが突きつけられています。
 

コピーライターも、そのうちAIに仕事を奪われるんじゃないですか?

 
たしかに、そう考えるのは自然です。

何しろAIは文章を書くのがめちゃくちゃ速い。

こちらがコーヒーを淹れている間に、ブログ記事1本くらい平気で書いてしまいます(笑)

でも、僕自身の答えは、今のところ明確です。

コピーライターという仕事そのものがAIに代替されることはない。

正確に言えば「文章を作るだけの人」の仕事はAIに奪われる。

しかし…

「人を理解し、人の心を動かし、人を行動へ導けるコピーライター」の需要は、むしろAI時代だからこそ高まっていく。

僕はそう考えています。
 

AIは「綺麗な文章」を書くのがめちゃくちゃ上手い

 
ここは誤解してほしくありません。

僕はAI否定派ではありません。

むしろ、仕事ではかなりAIを使っています。

  • 文章の構成

  • リサーチ

  • アイデア出し

  • 推敲

  • 壁打ち

  • 情報整理

これらについては、AIは本当に優秀です。

そして「それなりに整った、読みやすく綺麗な文章」を作る能力だけを比べるなら、人間よりAIの方がはるかに優秀だと感じます。

  • 誤字脱字も少ない

  • 文法も整っている

  • 論理展開も綺麗

  • 疲れない

  • 文句を言わない

  • しかも24時間働く

人間のコピーライターからすれば「いや、労働基準法どうなっとんねん!」というレベルです(笑)

ただし…

ここで、とても重要な問題があります。
 

綺麗な文章=売れる文章ではない

 
例えば、ものすごく綺麗な文章で商品の説明が書かれていたとします。

  • 論理的

  • わかりやすい

  • 誤字脱字もない

  • 構成も完璧

でも読んだ人が「ふ〜ん。」で終わったらどうでしょう?

コピーとしては負けです。

反対に、少しくらい文章が下手くそでも…

「なんかわかるな……」
「これ、まさに今の自分や」
「この人の言葉、胸に刺さるな」

そして最後に「よし、やってみよう」と人が動いたなら、それは強いコピーです。

コピーライティングの目的は、文章を綺麗に整えることではありません。

人の感情を動かし、最終的に「行動」を生み出すことです。

ここを混同すると、AI時代の文章について見誤ってしまうでしょう。
 

ユーミンが「AIに作詞は無理」と語った理由


この話を聞いた時「やっぱりそうだよなぁ……」と僕が深く共感したエピソードがあります。

松任谷由実さん、ユーミンです。

ユーミンは実際にChatGPTを使って作詞を試したうえで「AIに作詞は無理」という趣旨の発言をしています。

特に印象的だったのは、日本語では「行間」に多くの情報があり、そこへ受け手が自分自身のリアルを重ねるという話です。

さらに、AIによる作詞を試したものの、自分にとって新鮮味のない内容になり、最終的には採用しなかったことも明かしています。

一方で、ユーミンはAIそのものを拒絶しているわけではありません。

自身の過去の歌声をAI技術で再構築するなど、むしろテクノロジーを積極的に活用しています。

そのうえで「どこまでをAIに任せ、どこからを人間が担うのか」という自分なりの境界線を持っている。

この姿勢が非常に興味深いんです。

僕はコピーライティングにも、まったく同じことが言えると思っています。
 

コピーライティングには「心・技・体」がある

 
僕は以前からコピーライティングには「心・技・体」があると伝えています。

「技」は、文章を書く技術

  • キャッチコピー

  • 文章構成

  • 心理テクニック

  • ストーリーテリング

  • セールスライティング

「体」は、それを実践できる土台

  • マーケティング

  • 商品理解

  • 市場理解

  • リサーチ

  • 媒体特性

そしてAI活用なども、ここに含まれます。

では…

「心」とは何なのか?

僕が考える「心」には、前回の記事で書いた…

「問いの哲学」
「自己内省」

そして僕が何より大切にしている…

「客想力」=お客を想う力

があります。


AIには「人生」がない

 
ここが、人間とAIの大きな違いです。

AIは…

  • 失恋したことがありません

  • 会社を倒産させたこともありません

  • 離婚したこともありません

  • ホームレスになったこともありません

  • 大切な人との別れに、眠れないほど泣いたこともない

誰かから「ありがとう」と言われて、トイレでこっそり泣いたこともないでしょう(笑)

僕自身、これまでの人生で、いろいろな経験をしてきました。

  • 会社倒産

  • 離婚

  • 子どもたちとの別離

  • そしてホームレスへの転落

当時は「なんで自分ばっかり、こんな目に遭うんや……」と思ったこともあります。

でも今、文章を書く仕事をしていると、あの経験が言葉になることがあります。

  • どん底にいる人の気持ちが、少しだけ想像できる

  • 再起しようとしている人の怖さもわかる

  • 失敗した人へ「頑張れば大丈夫ですよ!」なんて軽々しく言えない自分がいる

それは、文章テクニックではありません。

人生を通過してきた人間だから書ける「行間」から滲み出る「温度」なのだと思います。
 

AIは「技・体」を猛烈な勢いで補完する

 
だからといって「人間万歳!AIなんて必要ない!」という話ではありません。

むしろ逆です。

僕はAIを、コピーライターにとって史上最強クラスの相棒だと思っています。

「技」と「体」の領域については、AIは恐ろしく優秀です。

  • 情報を整理する

  • 構成を考える

  • 複数案を出す

  • 表現を変える

  • 市場を分析する

  • 大量の文章を比較する

ここは、どんどんAIに手伝ってもらえばいい。

ただし…

「誰のために書くのか?」

「その人は今、何に苦しんでいるのか?」

「この商品を届けることで、その人を本当に幸せにできるのか?」

「自分は、どんな想いでこの言葉を届けるのか?」

ここまでAI任せにしてしまった瞬間、文章から「人」が消えていく。

僕はそう感じています。
 

プロのAIエンジニアから言われた意外な言葉

 
僕の知人に、プロのAIエンジニアがいます。

当然、僕なんかよりAIについて遥かに詳しい。

そんな彼とAIの未来について話していた時、彼が言った言葉が印象に残っています。

「文章だけは、AIでは全部カバーできないと思います」

僕はコピーライターなので「おおっ!その話、ポジショントークに使えるから、もっと言うてくれ!」と思いました(笑)

ただ、これは単なる「人間対AI」の話ではありません。

重要なのは、AIが文章を作れるかどうかではなく、人間にしか作れない文章が残るかどうかだと思います。
 

ハワイ・ドバイ・シンガポールでも同じだった

 
そして、もう一つ面白いことがあります。

現在、僕は日本国内のクライアントや企業23社に加えて…

  • ハワイ

  • ドバイ

  • シンガポール

など、海外にもクライアントがいます。

もちろん彼らも、日常的にAIを使っています。

むしろ、日本以上に積極的に活用している方が多い印象です。

それでも、彼らと話していると「文章だけはAIに全部任せられない」という話になります。

僕はここに、コピーライティングという仕事の面白さを感じています。

  • 文化は違う

  • 言語も違う

  • 商習慣も違う

でも「人は言葉によって感情を動かされ、感情によって行動する」という部分は世界共通なんです。

だからコピーライティングの需要も、僕は「ワールドワイド」だと思っています。
 

コピーライターは「文章を書く人」ではなくなる

 
ただし、一つ厳しいことも言っておかなければなりません。

これから「文章を書くだけのコピーライター」は厳しくなると思います。

AIに「この商品を売るセールスコピーを書いて」と入力するだけなら、誰でもできます。

そこでコピーライターが「私も文章を書けます!」と言っても、差別化になりません。

これから求められるコピーライターは…

  • 人を理解できる人

  • 市場を理解できる人

  • マーケティングを理解できる人

  • AIを使いこなせる人

そして何より「人の心」を理解しようとし続ける人だと思います。

コピーライターは「文章制作業」から「人間理解を言葉へ変換する仕事」へ進化していく。

僕は、そんな未来を想像しています。
 

AI時代だからこそ「客想力」が武器になる

 
僕がコピーを書く時、最も大切にしていることがあります。

それは「どう書けば売れるか?」より先に…

「この文章を読む人を、どうすれば120%ハッピーにできるか?」

と考えることです。

これを僕は「客想力」と呼んでいます。

  • 読者が今、どんな場所にいるのか

  • 何に悩んでいるのか

  • 何を怖がっているのか

  • 本当は何を望んでいるのか

  • どんな言葉なら傷つけないのか

  • どんな言葉なら、一歩踏み出せるのか

そこまで想像して書く。

コピーライティングとは、文章を書く前の時間の方が長い仕事なのかもしれません。
 

AIに奪われない仕事ではなく「AIと組むことで強くなる仕事」

 
だから僕は「AIに仕事を奪われないようにしよう」という考え方だけでは、少しもったいないと思っています。

コピーライターは、AIと戦う必要なんてありません。

AIと組めばいい。

AIに「技・体」を補ってもらい、人間が「心」を担う。

AIの圧倒的な処理能力と、人間の経験、哲学、感情、客想力を掛け合わせる。

すると、AI単独でも、人間単独でも作れなかったコピーが生まれる可能性があります。

AIは敵ではありません。

最高に優秀な相棒です。

ただし、ハンドルだけは、人間が握っておく。

ここが重要です。
 

これから「手に職」をつけたい人へ


もし今…

「AI時代でも食いっぱぐれにくいスキルを身につけたい」
「何か一生使える武器が欲しい」
「これから本気で手に職をつけたい」

と思っているなら、僕はコピーライティングをおすすめします。

もちろん「コピーライティングを学べば一生安泰!」なんて無責任なことを言うつもりはありません。

どんな職業も変化します。

コピーライターも変わらなければ生き残れません。

でも…

人間が人間に何かを伝え、人間が意思決定する限り「人を動かす言葉」の需要はなくならない。

  • 商品を売る

  • 人を採用する

  • 仲間を集める

  • 寄付を募る

  • サービスへ申し込んでもらう

  • 理念を伝える

  • SNSで共感を生む

  • 誰かの背中を押す

その中心には、いつも「言葉」があります。

そしてこれは、日本だけの話ではありません。

人間がいる場所なら、どこでも必要になる。

だから僕は、コピーライティングは「ワールドワイドに通用するスキル」だと思っています。
 

最後に|AIが進化するほど、人間を磨こう

 
これからAIは、さらに進化します。

今日できなかったことが、半年後には当たり前にできているかもしれません。

だからこそ、AIより速く文章を書こうとする必要はありません。

勝てません(笑)

AIより大量に情報を記憶しようとする必要もありません。

これも、たぶん勝てません。

僕たちが磨くべきなのは、そこではない。

  • 問いの哲学

  • 自己内省

  • 人間理解

  • 人生経験

そして、客想力。

つまり、コピーライティングにおける「心」です。

「技」と「体」はAIの力を借りながら、どこまでも伸ばせばいい。

でも「心」だけは、自分自身の人生を通して磨いていく。

僕は、そこにこれからのコピーライターの価値があると思っています。

AIによってコピーライターが消えるのではありません。

むしろAIによって「文章を書けるだけの人」と「人の心を動かせる人」の違いが、これまで以上にはっきりする。

そんな時代が始まったのではないでしょうか。

だから僕自身も、AIを学び続けます。

コピーライティングも学び続けます。

そして何より…

人間を学び続けたい。

人間の心を相手にする仕事だからこそ、最後に問われるのは「どれだけAIを使えるか」ではなく「どれだけ人を想えるか」なのかもしれません。


追伸

 
ユーミンのエピソードについては、フォロワーの「ルカ♡きゅん」さんからいただいたコメントで知りました。

以下、ルカさんからいただいたコメントを紹介します。

ユーミンさんがTVで「AIは作曲出来るけど、作詞は出来ない」と云ってたのがルカには理解出来ました(ルカは、ユーミンさんのファンでは無いけど)🙂 例えばユーミンさんの曲中で『本当の嘘をついてほしい』というフレーズがあります。 AI的には理解不能かと…😁😵‍💫

ルカさん、ネタ提供ありがとうございました🙇

ルカさんのnoteはこちら
↓



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