AIを使いこなす人は「2つのOS」を持っている|AIスキルより大切な「問いの哲学」と「自己内省」
AIを使えば使うほど強く感じること
ChatGPTをはじめとする生成AIが登場してから、僕たちの「仕事のやり方」は大きく変わりました。
文章を書く
企画を考える
アイデアを出す
情報を整理する
マーケティング戦略を考える
以前なら数時間かかっていた仕事が、AIを使えば数十分、場合によっては数分で終わります。
僕自身、マーケティングやコピーライティングの仕事でAIを活用していますが、その進化のスピードには今でも驚かされます。
ただ、使えば使うほど強く感じることがあります。
それは…
AI時代に本当に必要なのは「AIを操作するスキル」だけではない
ということです。
むしろ、AIが賢くなればなるほど重要になるものがあります。
僕はそれを…
人間側に搭載する「もうひとつのOS」
だと考えています。
そのOSを構成する重要な要素が「問いの哲学」と「自己内省」です。
今回は少し哲学的な話になりますが、これからAIと共に仕事をしていく人には、ぜひ知っておいてほしい話です。
AIが進化するほど「人間の思考力」が問われる
「AIがもっと賢くなれば、人間は考えなくてもよくなる」
そう考える人もいるかもしれません。
でも僕は、むしろ逆だと思っています。
AIが賢くなればなるほど、人間には「何を考えるべきか」を考える力が必要になる
なぜならAIは、こちらが投げた問いに対して答えを返してくれる存在だからです。
つまり…
答えの質は、問いの質に大きく左右される。
「売れる商品を考えて」と聞くのと…
「40代の個人事業主が抱えている○○という問題を解決し、既存商品との差別化が明確で、継続購入につながる商品コンセプトを考えて」
と聞くのでは、当然、返ってくる答えも違います。
でも、もっと重要なのはその先です。
「そもそも、この問いをAIに投げること自体が正しいのか?」
ここまで考えられるかどうかです。
AIは「答える」のは得意
でも「何を問うべきか」は人間の仕事
AIに「どうすればフォロワーを増やせますか?」と聞けば、いろいろな方法を教えてくれるでしょう。
でも、その前に考えるべきことがあります。
「そもそも、なぜフォロワーを増やしたいのか?」
という問いです。
有名になりたいから?
商品を売りたいから?
たくさんの人に自分の考えを届けたいから?
誰かの役に立ちたいから?
承認欲求を満たしたいから?
同じ「フォロワーを増やしたい」という目標でも、その奥にある目的によって取るべき戦略は変わります。
AIは「How(どうやって)」には、とてつもなく強い。
しかし…
「Why(なぜ、それをするのか)」を決めるのは人間です。
ここをAI任せにしてはいけないと僕は思っています。
「良いプロンプト」より「良い問い」を持つ
生成AIが普及してから「プロンプト力が重要だ」とよく言われるようになりました。
もちろん、それは間違いではありません。
AIへの指示の出し方を学ぶことは重要です。
ただ僕は、その一段上にあるものの方が重要だと思っています。
それが…
「問いを立てる力」です。
プロンプトとは「AIへの指示」です。
問いとは「自分自身への問題提起」です。
この2つは似ているようで違います。
例えば「この文章をもっと売れる文章にしてください」というプロンプトを書く前に…
そもそも、この商品は誰を幸せにするものなのか?
この人は、本当にこの商品を必要としているのか?
自分は、この商品を売ることで何を実現したいのか?
売上が上がれば、それだけで成功なのか?
こうした問いを自分自身へ投げかける。
僕はこれを…
「問いの哲学」
と呼んでいます。
僕自身、AIに「それ、ほんまか?」と聞くことが、よくあります。
僕はAIを仕事でかなり使っています。
でも、AIが出した答えをそのまま採用することは、ほとんどありません。
AIが提案してきた企画を見て「それ、本当に読者は欲しいかな?」と考える。
コピーを見て「なんか綺麗すぎるな」と思う。
マーケティング戦略を見て「理屈では正しいけど、人間ってそんな合理的に動かへんで」とツッコミを入れる(笑)
時には…
「それって○○のセオリーから外れてない?」
とAIへ逆質問することもあります。
するとAIが「おっしゃる通りです!」と、さっきまでの主張を見事なまでに撤回することもあります(笑)
そんな時は「いやいや、さっきまで自信満々やったやん!」と心の中でツッコミます。
でも、これでいいんです。
AIと仕事をするということは…
AIから答えをもらうことではなく、AIと一緒に考えること。
だと僕は思っています。
AIに必要なのは「依存」ではなく「対話」
AIを「正解を教えてくれる先生」と考えてしまうと危険です。
むしろ僕の感覚では…
とてつもなく知識量が多く、仕事が速く、24時間文句も言わず付き合ってくれる「思考の壁打ち相手」
くらいがちょうどいいです。
AIが答えを出す
↓
僕が疑う
↓
AIに質問する
↓
別の角度から答えが返ってくる
↓
僕がまた考える
この往復運動によって、自分一人ではたどり着けなかったところまで思考を深めていく。
これがAIの強力な使い方だと思っています。
だから、AI時代に重要なのは、プロンプト力だけではありません。
もうひとつのOS「自己内省」
そして、もう一つ重要なのが、自己内省です。
AIに何かを聞く前に、自分自身にも問いかける。
自分は、本当は何をしたいのか?
なぜ、それをしたいのか?
誰を幸せにしたいのか?
今の自分に足りないものは何か?
この判断は、自分の価値観に沿っているか?
こうした問いを自分自身へ向ける時間が必要です。
なぜなら…
AIはあなたより多くの情報を持っていても、あなた以上に「あなた」を生きることはできないからです。
あなたが何を大切にしているのか
何に傷ついてきたのか
何に喜びを感じるのか
どんな人生を送りたいのか
最終的に何を残したいのか
その答えは、AIのデータベースにはありません。
AIに「人生の目的」まで外注しない
これからAIは、ますます便利になるでしょう。
今日何をすべきか
何を勉強すべきか
どんな仕事をすべきか
何を買うべきか
いろいろなことを提案してくれるようになります。
でも僕は、一つだけ気をつけたいと思っています。
人生そのものまでAIへ外注しないこと。
AIに「僕はどう生きるべきですか?」と聞くことはできます。
AIは素晴らしい答えを返してくれるかもしれません。
でも、その答えを採用するかどうかを決めるのは自分です。
僕たちは、AIの回答を無条件に受け取る人間ではなく、AIの回答を評価する人間でなければいけません。
AI時代ほど「哲学」が必要になる
僕は、これから「哲学」が再び重要になると思っています。
哲学というと、難しい本を読んで、眉間にシワを寄せながら「人間とは何か……」と考えるイメージがあるかもしれません(笑)
でも、本来もっと身近なものです。
自分は何を大切にして生きるのか?
自分にとって仕事とは何か?
成功とは何か?
豊かさとは何か?
誰のために、この仕事をするのか?
こうした問いを持つことも、立派な哲学です。
AIが「方法」を大量に提示できる時代だからこそ、人間には「何のために?」を決める力が必要になります。
「思考OS」が古いままでは、最新AIを入れても意味がない
パソコンを想像してください。
最新の高性能アプリケーションを入れても、OSそのものが古ければ、本来の性能を発揮できません。
人間も同じです。
どれだけ最新のAIツールを使っていても、人間側の思考OSが…
ラクして稼ぎたい
答えだけ教えてほしい
考えるのが面倒くさい
AIが言ってるから正しいだろう
という状態なら、最新AIの性能を活かしきれません。
むしろ危険です。
間違った方向へ、ものすごい速度で進んでしまうからです。
AIは「加速装置」です。
だからこそ…
方向を決める人間側のOSが重要になる。
アクセルが10倍強力になったなら、ハンドルを握る人間には、以前より高い判断力が必要なのです。
AI時代に持っておきたい「5つの問い」
そこで、AIを使う時に、こんな問いを持っておかれることをおすすめします。
① なぜ、これをやるのか?
目的を確認する。
② 誰を幸せにするのか?
ベクトルの向きを確認する。
③ AIの答えは、本当に正しいのか?
鵜呑みにせず疑う。
④ 自分は、この答えに納得しているのか?
自分自身の価値観と照合する。
⑤ もっと良い問いはないか?
問いそのものを疑ってみる。
この5つを意識するだけでも、AIとの付き合い方は大きく変わると思います。
AIに負ける人、AIと共に成長する人
これから「AIを使える人」と「AIを使えない人」という単純な二極化にはならないと思っています。
もっと大きな差が生まれるのは…
AIに考えてもらう人と、AIと一緒に考えられる人
だと思います。
前者は、AIが賢くなるほど自分で考えなくなる。
後者は、AIが賢くなるほど自分の思考も深くなる。
同じAIを使っているのに、数年後には、とんでもない差が生まれているかもしれません。
最後に|AI時代にアップデートすべきは「人間」なのかもしれない
AI時代になると、どうしても新しいツールに目が向きます。
次はどんなAIが出た?
どの機能が追加された?
どんなプロンプトを使えばいい?
もちろん、それも大切です。
でも僕は、それ以上に…
人間側のOSをアップデートすること
が大切だと思っています。
問いを持つ
考える
疑う
自分自身と対話する
自分の価値観を知る
そして、自分自身で最後の判断をする。
AIがどれほど進化しても、この役割まで手放してはいけません。
むしろ、AIが賢くなればなるほど、僕たちはもっと深く「自分は何を大切にして生きる人間なのか?」と問い続ける必要があるのではないでしょうか。
AIに優れた答えを出してもらう人になる前に…
優れた問いを持てる人になる
そしてAIに問いかける前に…
自分自身にも問いかける
これこそが、AIと共に働く僕たちがインストールしておくべき「もうひとつのOS」なのだと僕は思っています。
AIは、これから何度でもアップデートされます。
だから僕たち人間も、負けじと自分自身をアップデートしていきましょう。

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